[書評]本を読んでもうまくいかない先生に。「スイッチ!『変われない』を変える方法」
教育書ではないですが、
「本読んでその通りにやってるのに!何もかもうまくいかない!」
と、悩める先生方に読んでみて欲しい本です。
最近、新版が出て、プレミア価格でもなくなり、Kindleでも購入ができます。
勝間和代さんのサポメ(サポートメール)で紹介されていた本。
勝間さんはよく、サポートメールで感情と理性を「象」「象使い」に例えて書かれることが多く、その元ネタになっています。
何かを変えるためには、理性が理解するだけでは行動を変えることはできず、感情を動かす必要があるということ。
小さな個人でも、変化を起こす方法と実例が豊富に書かれています。
自分が痩せるため、といった自分を変えるための行動だけではなく、属している組織を変えるための一歩を踏み出すヒントにあふれています。
私もこの本を読み、実際に組織内で行動を起こしてみたいと感じました。(感情に訴えかける本、ということですね!)
サポメで紹介してくださった勝間さんにも大感謝!!毎朝6時に、人生を変えるような情報が届くのは本当にありがたい。
なるほど!メモ
万能ではないが、役に立つ基本的なフレームワーク
- 象使いに方向を教える…抵抗しているように見えても、実は戸惑っている場合が多いので、とびきり明確な指示を与える。
- 象にやる気を与える…怠けているように見えても、実は疲れ切っている場合が多い。相手の感情に訴えることが大事。
- 道筋を定める…人間の問題に見えても、実は環境の問題であることが多い。環境のことを道筋と呼び、象使いや象の状態にかかわらず、変化を起こしやすくなる。
以上は、権限や予算がそれほどない人にも役立つフレームワークを考案したつもりだ。
ブライト・スポットを見つける
こどもの支援組織にいたスターニンは、ベトナムで栄養不足の子どもが多い問題について、多くの文献に目を通して複雑な問題が絡んでいるということがわかっていたが、こういった分析、知識は「真実だが役に立たない」ものだと考えた。
彼は地方の村を訪れ、
「家庭が貧乏なのに、普通の子どもより体格が良くて健康な子どもはいるか?」
と尋ねた。
その家庭がどのような方法を取っているのか、、お手本となる成功例を探して料理を摂る方法の違いを見つけ、料理グループを作った。
このブライト・スポットの優れている点は、よそ者を嫌う問題を解決することだ。
スターニンがベトナムの村を訪れてから半年後、65%のこどもの栄養状態が改善し、その後も維持された。
目的地を指し示す
ティーチフォーアメリカの優れた女性教師は、大人向けの数値的な目標を以下のように書き換えた。
小学校一年生に、
「今年度の終わりまでに、3年生になりましょう」
春になると、生徒のテストスコアは2年生レベルに上がった。
学年末までに、90パーセントの子どもが3年生以上の読みの能力を備えていた。
9ヶ月前まではアルファベットも読めなかったというのに。
彼女が生徒に掲げた目標は、象使いに目標を与えただけではなく、象にやる気を与えた。
変化を細くする
やる気のない象を動かすなら、変化を細くすべき。
洗車場がスタンプカードのキャンペーンを始めた。
10個押されれば洗車一回無料。
始めから2つスタンプが押されているほうが最後まで到達できる率が高かった。
また、掃除をスムーズに行うには、一番汚い部屋に行き、キッチンタイマーを持って5分だけ掃除する。
とりあえず、腰を上げることが重要。
まとめ
他にも、虐待をする親に対して「5分だけ子どものことだけ考えて接する」という方法で虐待が繰り返されるのを防ぐ割合が上がったそうです。
そういえば、私も他のこと考えながら子どもに接してる時間がほとんどのような。
反省して、5分だけでも向き合っているときは子どものことだけを考えるようにします。
そして、職場でも
「生徒がなぜ授業に向かわないのか?」
という
「真実だが役に立たない」
分析を続けるのをやめて、
「ブライト・スポット」
を探すことにしました。
今後、どんな風にこのフレームワークを活かすか、考え中。
詳しくは、また記事にしたいと思います。
ではまた☆
[セミナー]子ども達の夢をカタチに!学校でも広がりはじめたドリームマップ講座に参加しました♪
ネットつながりママ友さんが受講してとても好評なドリームマップ。
理事を務めているお友達から、
「先生向けの講座があるからいかがですか?」
とお誘いを受け、これも何かのご縁!と思い受講してきました。
何事も、経験してみないと分からないものですね。
当日の様子と、受講して感じたことをざっくり記しておきます。
今回の会場になったのは、高田馬場の東京ハート。
こちらで、月に2回程度ワンディドリームマップの講座が開かれているそうです。
直前にキャンセルが出て、なんと受講者は私だけ!「休日の日程もありますが…」とご連絡頂きましたが予定があるためマンツーマン、いや先生2人対1人で教えていただくことになりました。
贅沢すぎる。
2日前に頂いたリマインダーのメールには、
「自分の気に入ったイメージの雑誌の切り抜きなどがあると良いです」
と書かれていました。
でも、雑誌を全く読まないし、読んでもすぐ処分してしまうし、夢もない。こんなんで大丈夫なのか、超不安。
普段の講座は、6時間でドリームマップを完成させるそうです。なぜ6時間もかかるのか?講座を受け、その理由がわかりました。
ドリームマップ作成前に、下準備。自分と向き合う時間
まず、アイスブレイクを行い、テキストに沿って自分について掘り下げていきます。
先生のドリームマップも見せていただきました。
かなり波瀾万丈な人生を送っていらっしゃる方でした。
自分の得意なこと、嬉しいと感じることを交流。
最近、自分について考えることはあってもネガティブな評価ばかりだったので自分のプラス評価や、感じていることを表すのに困難を感じました…。
今の満足度をチャートにしたり、自分の考えをリフレーミングしたりします。
例えば、「私はおっちょこちょい」→行動力がある、決断力がある、瞬発力がある、など。
なるほど〜。コインの裏表ですよね。
リフレーミング後、行ってみたい場所、どんな友達がいるか、どんな社会だと嬉しいか、などを交流します。
ポイントは、「達成した」つもりで話すこと。
慣れると、すらすら「最近、○○に行ってきた」「演奏会をした」と言えるようになりました。
こういうワーク、一人ではなかなかできないので、何人かと取り組める時間を定期的に持つと良いかも。
上記のワークを終えたのち、テキストにある4つの視点から、実現したいことを書いていきます。
自分のことだけでなく、他者や社会への影響、貢献を考えるという視点があるのが利己的になりすぎず多様なしてんで夢を考えられそうだと感じました。
いよいよマップ作りに入ります。
いよいよ、ドリームマップ作り!
小中学校では、机の大きさに合わせてB3の用紙を使うそうです。私も同じ大きさで。
大人のドリマはさらに倍の大きさだそう。
今回は、3年後のドリームマップを作成します。
子どもは10年、20年後だったり、高校生は40歳、25歳をイメージさせるそうです。
確かに、中1の3年後は高1?それじゃつまらないよね。
参考になりそうな雑誌が沢山あり、その中で気になった写真や文字を切り取っていきます。
他には旅行のパンフレット、フリーペーパーなど。美容院でもらうこともできるらしい。
学校では、PC教室を使ってプリントアウトして使うことが多いそうです。
確かに、小中学生は大人より雑誌読まないし、持ってくるのも重たいですね。
写真を貼り、言葉を書き込むときに注意したいのは、
- すでに達成したつもりで、現在形、過去形で書く
- 〜ないという書き方はダメ。〜が脳に刷り込まれてしまう。
- 数字で表す場合は、思い描いた数字の10倍にする。1000万→1億。中途半端に達成可能な数字にすると今の延長戦でしか脳が考えなくなる。
写真は、ピンときたものをチョイス。
青が多くなりました。
写真を貼っても、言葉を書くときに苦労しました。
○○を達成している自分のイメージ…。
○○すらうかばなかったりして…。
こう、なんか完全に今の仕事の延長線上に暮らしも何もかもあるじゃないですか?
家ももう買っちゃったし。
勝間さんのサポートメールで、自分を変えるより環境を変える、仕事、住まいを変えるのが一番手っ取り早いとありましたがホントその通りだなと作成していて実感しました。
そんなことを考えながら、一緒に作ってくださった先生といろいろなお話をしながらあっという間に時間が来てしまいました。
2時間はあったと思うんだけど…。あれ?
真ん中の○には、3年後の日付と、キャッチフレーズを書いていきます。
さすがに、ちょっと恥ずかしい~!のでぼんやりさせてみました。
完成したら、プレゼン!
マップが完成したら、プレゼンの時間を持ちます。一人5分。その後2分の計2回行いました。
これも、3年後にもう一度参加者とお会いしたという設定で、すでに「達成した」つもりで話をしなければなりません。
これが、またなかなか難しい!!!
3年後は、末っ子がやっと小学生になり、保育園生活から解放されます。上の子は中学生。
私も40代に突入。
今の延長線上の、特に大きな変化のない3年後を語っていたような気がします。
と思っていたら、一緒に作っていた先生のプレゼンを聞いて、どうやら夢はものすごい変化のある大層なものでなくても良さそうということが分かってきました。
発表後、ではどうすれば叶うか、考え方などを伺ったのち、学校での導入事例を動画で拝見しました。
学校への導入方法は、ドリマ先生が教える方法と、先生が学校ドリマ先生として教える方法の2通りがあります。
その際、必ずテキストを購入することが条件。
確かに、テキストと材料があれば教員でも教えられそうです。
カリキュラムは6時間なので一日かけるか、分割して授業をするかは学校の都合でいいみたいです。
高校生は、25歳になって同窓会をする設定で、どうなっているのか発表するそう。
ドリームマップを作ったら、本当に同窓会やりそうですね。
ドリームマップを作ってみて気がついたこと
実際に作ってみないとわからないものですね~。
夢は、それぞれ違っていい。
生徒が作ったマップを見てみると、一人一人違っていてビックリするそう。
確かに、似通ってしまうのではないかと思ったけれど…そんなことなかったです。
夢は否定しない!小さい?夢でもいい。
相手の話を否定せず、応援するつもりで聞くこと。
今夜、お寿司を食べるのが夢でもいい。
夢は、小さな選択の積み重ねの結果ですからね。
他人にとって大小かどうかが重要なのではない。
ビジュアルがいい!
そういえば、これからやりたいことを考える時に、ビジュアルで考える癖がまったくないことに気づきました。
付箋に書いたり、リストにしているのだけれど、、、気がついたらTODOリストになってる!!
それって味気ない。
イメージを固定できるマップはこう、思考ではなく感情に訴えるのが無意識向けで夢が叶いやすいのかもしれません。
飾って毎日見られるか?
マップを作ってからの分かれ道。
家に飾ることができるか。
私も、帰ってからずーっとどこに飾るか考えて、とりあえず納戸に飾ることにしました。
飾ってニヤニヤするくらいがいいんでしょうが…まだ気恥ずかしいです。
応援してもらう!
また、マップはできれば公開して応援してもらうほうがいいらしい。
家族が見て、夢を叶える方向で提案してくれたりすることもあるそう。
自分の夢が、社会に繋がる
ドリームマップのいいところは、社会がどうなっていたいかという利他的な部分を必ず作るところだと思ってます。
私の場合、「みんなが働きやすい」「子どもたちに平等にチャンスがある」という夢を考えました。そうなるように、自分はどう動けるか?
無意識に任せたいと思います。
先生は夢を持ってる?
一緒にマップを作ってくれた先生が、
「そういえば、教師は「先生になる」という夢を叶えた人たちですよね。だから、なかなか夢が出てこないのかも。」
確かにそうかも。
夢を叶えても、夢を持ち続けることは大事ですよね。
夢の定義をすべし
そうそう、ドリームマップを作る前に、「夢」という言葉の定義が必要!
それぞれで夢の定義が違ったら、「こんな小さい夢なんて(だから、恥ずかしい)」と考える人がいてもおかしくないです。
大きい変化を起こすなら…
それでも、夢といえば何かを変えることなのかなと思ったり。
大きな変化を起こすなら、環境を変えるのが手っ取り早いですね。
例えば、転職、引っ越し、パートナーを変える、など。
もちろん手段であって目的ではありませんが…。
だれでも、いつでも夢は持てる!
というのも、最近は就職した若者が1,2年のうちに辞めてしまい困っている会社などでも導入されているそうです。
なぜ、今の仕事をしたいのか、仕事をしながらどんな夢を持ち続けるのか、様々な角度から自分のことを振り返れるので好評だとか。
また、障がいを持った方や、病気の方がマップを作ると表情がイキイキしたり、実現不可能と思うようなことでも描いたことで嬉しくなり、生活にハリが出てきたりと、ドリマ先生が予想しなかった結果にもなっているそう。
と、色々な気づきがある研修会でした。
講師の佐藤先生、川村先生、ありがとうございました!
仕事先では、まずは長期休みの間に有志にシェア出来たらいいな〜。
ではまた☆
[書評]取り組みたいけど、課題が山積みすぎる「高校教師のためのアクティブ・ラーニング」
発売当時はamazonで扱いがなく、出版社のサイトで購入した甲斐がありました。
どのページも重要なの?
読書メーターの感想より
読んでいるうちに付箋でいっぱいに。
高校におけるアクティブ・ラーニングについて、公文書の定義から、ポイント、行う上での条件など分かりやすく説明されています。
5科目の実践報告も現場の様子がよく伝わってきました。
教員による一方的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れなければならない。
現場の学校教育で最も近いのは部活。皆が能動的に動いて目標のために練習を重ねる。仲間同志で支え合う。
こんな教室が作れたらいいのにな〜と思うけれどもどうしたらできるのか?それ以前の課題が山積み過ぎる。悩
この本で言うアクティブ・ラーニングとは、『学び合い』のことです。
『学び合い』の本は、考え方は共感するところが多々あり好んで読んでいます。
『学び合い』とは?
簡単に定義をご紹介しますね。
- 教師が授業の意味を語る
- その時間の課題を、「一人も見捨てない」「全員課題達成」するにはどうすれば良いか、生徒が考えて教室内を自由に歩いても良い
- 生徒が「一人も見捨てない」の意味を理解し、仲間同志で助け合う
- 教師の教え方はどうしても1つになってしまう。生徒が教え合えば40通りの教え方があり、その子にあう学び方が見つかる可能性が高い
他にも定義すれば付け足すことができそう。
とりあえずここまで。
実践してみたいけれど、一歩踏み出せない理由
一通り読んでみて、
「こんな風に実践できたらいいだろうな〜」
と感じてはいるものの、踏み出せない。
「できない理由あげて意味あるのかよ!」
と、もう一人の自分が突っ込んでますが、記録しておきます。
愚痴と言うよりは、今後どう対策を立てれば良いのかという棚卸し的な…。
なぜ、勤務校での実践が難しいと思うのか?
本の中では、進学校と一般校の違いをあげている方もいらっしゃいました。この本でのアクティブ・ラーニングは、進学校対応なのかな…と思ったりします。
メタ認知が苦手な生徒は、はじめ何をして良いのか、やり方がたくさんあるような非構成的な授業が苦手。
私は、現在4人組で学習に取り組ませており、そのグループメンバーが停滞気味、人間関係が作れないとなかなか進まない時もあり…もっと自由でもいいんじゃないかとも思う。
しかし、「さあ、どうぞ」だと、4人組よりもやらない子が増えてしまうことはかなり予想できてしまう。
しかも、後期になり、私語、ケータイなどが激増(悲)。
休み時間の中、授業やってるのかな?と思うほどの騒がしさ。
授業内の責任は自分にあるので、力不足なんでしょう。
文化祭も終わって中だるみの時期。
教科書を1/3の子が持っておらず、毎回コピーを貸し出しています。
また、「全員達成」を目標にあげていても、自分の課題が終わるとケータイを見たりして周囲が終わっているかには気を配らない。
今の4人組のグループは、調理実習のような状態。
隣の班に移ってはいけない。与えられた食材で、与えられたメニューを仲間と作る。
普段の課題も、もっと人と関わらないと達成できないような内容にしたらいいのかな。
調理実習ってジグソー法のようだな、とふと思ったり。
どうすればできる?
どうすれば、みんなが達成できて、自主的に参加できて、それが自分の利益になると腹落ちすることができるのかな?
こちらの本、仕事場で持ち歩いていたので興味のありそうな同僚3人ににパラパラと読んでもらいました。
「部活のように授業ができたらとても良いだろうとは思う。しかし、部活すら自分達でできず手取り足とり見てやらなければならない固まってしまう生徒たちができるのか?」
「『人と関わる』ことは授業でとても重要になってくるだろう。ただ、クラスの関係性は4月が一番良く、時間が経つとどんどんグループが分かれていき、自分が話す仲間の生徒以外の名前も覚えられないような状態ではできる気がしない。『隣と少し交流してみて』というペアワークすらできないので…。」
ですよね〜涙。
ちなみに、同僚と授業づくりについて話せるのも月に1度あるかないか…。 もっと授業づくりについて共有したいことがたくさんあるのに。
「緊急かつ重要なこと」で日々の予定が埋まっていきます。
どうしたらいいのかな〜。
まとめ
本には、目の前の生徒のことは書いてないのよね。
それでも、教育書読んで…意味あるのか…。(ある!と思いたい)
本の感想と、棚卸しでした。
実践内容は参考になる箇所もとても多いので高校の先生方はぜひ読んでみてください!
ではまた☆
[書評]失敗しない指導!「生徒指導10の原理・100の原則」「学級経営10の原理・100の原則」
最近、私がはまっている教育書のご紹介です。
この原理原則、職場で共有したり、生徒指導について話し合うきっかけになるといいな!とひとり妄想中です。
早速、職場で紹介する機会を得ました♪
楽しみです。
具体的、かつまたそれぞれのエピソードが簡潔で、実際にぶち当たったときに「この原理、原則あった!」とすぐ思い出せるような仕組みになっています。
たとえて言うなら「リッツカールトンのクレド」のような。
今後も上梓される本があるとか。わーい♪
生徒指導10の原理・100の原則―気になる子にも指導が通る110のメソッド
いま教師が最も手を焼いているのは、悪気なく学校規範におさまらない〈脱・社会〉の生徒たち。
学校で多数派を占める彼らへの生徒指導を機能させるために必要な10の原理と100の原則をマンガ入りで紹介。
各テーマ見開き2P、または1Pで具体的なエピソードを元に構成されているので短時間で読み終えることができます。
先生方が「なぜ、その指導をしているのか」考えるいいきっかけになる本です。
集団は2:6:2で成り立っている。
学級崩壊が起こるのは、中間層の6割の生徒がネガティブな動きを始めたとき。(サイレント・マジョリティの原理)
インクルージョン型生徒指導とは、1つは「教師が自分自身を生徒を規範へと導く指導者と捉えるのではなく、生徒自身が寄りよく成長したいという願いを実現していくための<環境のひとつ>と位置づけて捉えること。」
もう一つは「普段から適切な課題、その子に会った課題を与えながら、決して急がず、決して焦らずにその生徒と付き合っていくこと」(インクルージョンの原理)
自分の指導のタイプを知っておく
怖い先生、優しい先生、ともに遊べる先生、3タイプの協同で指導する原理。
一般に、「指導ができる」と評されるのはF(父性型)教師。
生徒指導でほかの先生方から頼られることも少なくない。
しかし、問題なのはF教師の中にM(母性)型教師、C(友人)型教師に対して、
「あいつはまだまだ、生徒指導ができてない」
などと批判する人が少なからずいること。
F教師の威厳は、M教師のフォローやC教師のガス抜きによって成り立っているという側面もある。(FMCチームワークの原理)
ほか、「心でっかちにならない」「好かれようとしすぎない」「全体像がわかるまで指導に入らない」「対象生徒を複数で囲む(リアル!)」「学年団のメンバーを見極める」「同僚とは絶対に喧嘩しない」「指導ラインを周りに合わせる」など、興味深いテーマが満載です!
コチラもぜひ読んでみてください。
学級経営10の原理・100の原則―困難な毎日を乗り切る110のメソッド
学級経営で“失敗しない”ための10の基本原理と、「学級組織づくり」「席替え」「給食指導」「清掃指導」「ショート・ホームルーム」「リーダー育成」などの具体的な要素に分け、100の原則を紹介しています。
「かつて新米教師は失敗を重ねながら力量を重ねていった。20年前にはそういう雰囲気があった。それがいつのまにか、同僚は自らの仕事をこなすのに精一杯、クレームをつけてくる保護者にいかにクレームをつけさせないかという基準で動くようになった。」
失敗が許されなくなった時代
いま、何より必要なのは「成功すること」ではなく、「失敗しないこと」である…。
中堅教師が失敗しないでいるのは若いから。生徒との心理的距離が離れると立ち行かなくなってくる。
学級経営を安定させるのは教師の個人的なキャラクターや資質ではなく、安定させるためのシステムであることを理解し、それを学ぶべきである。」
リーダー育成、10の原則
リーダー性のある生徒が少なくなったときく。しかし、生徒の立場に立って考えてみよう。
私たちはリーダーについて、教師の都合よく考えていないか。
もっと言えば、教師が楽をできるような「先生のお手伝い係」としてリーダー生徒を使っていないか。
委員会などの仕事は完全なボランティアで、何か代償があるわけでもない。
あなたが校長先生に毎日小さな仕事があるような、面倒な仕事を依頼される。
その仕事はみんなにあるわけではなくあなただけ。それは公務分掌でもない完全なボランティア。
あなたはその仕事を快く引き受けられるだろうか?
そのように生徒の立場に立って考え、「やった甲斐」を感じてもらう責任が教師にはある。
通知表所見、10の原則
記録として残ることを意識する。
最近の生徒は通知表を見せあったりするので、所見の分量に差があったり、パターン化に陥った入りすることは絶対に避けなければならない。
エピソード+評価言を基本とする。
事前に生徒の自己評価を取っておくと教員が知らない情報を得ることができる・・・など。
何度も読み返したいと思います。
堀先生のブログです。
kotonoha1966.cocolog-nifty.com
ではまた☆
[書評]あなたは大丈夫だと胸を張って言える?「教師の資質 できる教師とダメ教師は何が違うのか?」
ぐさっとくる題名。
中身もぐさっときました。
付箋だらけ。
Amazonより。
大津中2いじめ事件でのずさんな対応、体罰、人権侵害まがいの暴言…… 教師の問題が取りざたされる今、本当に求められる資質とは何なのか。
「教師を支える会」代表として、全国の学校の問題に取り組んできた著者が、今、最前線の教師像を説く。
参考になった部分を紹介しようと思ったら、すべてのページを丸写ししてしまいそうです。
その中でも、選んでいくつか記しておきます。
教師だけでなく、保護者も参考になる本なのでオススメです!
なるほど!メモ
教師の資質とは
できる教師とは、
「学級経営が上手で、学級に安心・安全な雰囲気を作ることができる」
「子どもたちの能力を高めることができる」
子どもたちにどんな力が必要か見極め、その力を伸ばすことができる教師。
ダメ教師は、暴言を吐く、特定の異性にメールをする、体罰など。
人の気持ちが分からない、人間関係が苦手な教員もいる。
能力のバランスが悪く、大学、高校の教員に多い。
#耳が痛い…。
私も、高校で学級経営するとは思わず。
自分が通っていた高校は、クラスはほぼ解体、体育祭は生まれた季節、文化祭は部活ごとに何か出し物をしていたので、教えることをメインに考えていたら現実は違いましたね…。
出身校が稀だったんだと後から気付きました。
公立と私立の教師はどちらが優秀か
大きな違いはないというのが著者の実感。
多種多様な人がいる環境で育てたい人は公立、同じような価値観を持った人が集まる環境で子どもを育てたい人は私立に進ませるべき。
ただし、教員対象の研修については公立に一定水準が確保されている。
私立は学校による違いが大きく、20年校内研修を行ってないという学校もあり、公立なら当然知っているスキルを私立の先生が知らないということもある。
#私立の学校では校内研修はせず、主要教科の先生は予備校で学んでくるとかそういう話を聞いたことがあります。
教員採用試験を合格しているだけ、学力の質は公立にあるのかなと思うときもあります。
孤立する教師
教師の9割は、同僚や管理職に相談できる人がいない。
これは民間企業に勤めている人よりも著しく少ない数字。
同僚や管理職に相談しても、共感してもらえなかかったり、「それはあなたの指導力不足なのではないか」と言われてしまい、心を病む教員が多い。
こうした現状の中で求められるのは、弱音を吐ける職員室づくり。
ある教員は、「うつ病になったのは真剣に責任感を持って仕事をやっている証拠。うつ病は教師の勲章だ」と管理職に言われ、なんとか休職せずにうつ病を治すことができたとのこと。
#共感的な管理職がいないと、教員間でもいじめがある。
また、東京では人事考課で必ずDをつけなければならないので、さらに助け合いの輪が広がらないなど弊害もあるとか。
何のための評価なのか、教員を苦しめるだけになっていないか…どうなんでしょうね。
今の子どもを取り巻く環境
9割の子がいじめの被害者であり加害者。
子どもをいじめから守ることができるのか?
この問題を考える上で踏まえておかなければならないのは「いじめや仲間外しという行為が常態化している」ということ。
小4から中3までの六年間で仲間外しにあったことのない生徒は一割しかいない。
#子どもを取り巻く環境はかなり厳しく、教室を生き抜くサバイバルゲーム状態になっているのかもしれません。
子どもに援助希求をしてもらうために
生徒に幾つかの簡単なアンケートをこまめに取ることで子どもにSOSを出してもらうチャンスを作ることが効果的。
悩みができた時にこの先生なら相談できると思えるような安心できる関係を作っておくことに意味がある。
学校のすべてのスタッフを書いた用紙に、この人なら安心して話ができるかもと思える人三人に丸をつけてもらう。
#最近は教室の状態を知るための簡単なテスト、QーUに取り組んでいる学校も多いようです。
担任には利害関係があり相談しにくい場合もあるので、一人でも頼りになる先生を見つけておくことは必要かもしれません。
教師が力をつけるために
できるならば、10年現場に出て、一年大学院で学べるようなシステムがあると良い。
理由は二つあり、
10.20年と時間が経過するうちに、社会が変わり、教師に求められる資質や力量が変化するから。
もう一つは、30年も連続して勤務し続けられる仕事ではないから。
しかし、現在の大学院では現場感覚に富む大学教員の絶対数が少ない。
#確かに、今50代の教員が、20代の頃小学校で英語を教えるようになるとは夢にも思わなかったでしょう。
英語に限らず、教師に求められる資質は常に変わっており、それらを仕事しながらスキルを身につけ対応してのはなかなか厳しいなと思うときもあります。
でも、大学院がそういったニーズに対応できているかというと、それぞれの学問を専門的に修めているだけで実務経験もない教員が多く対応できるのか心配です。
まとめ
学校で使えるカウンセリング技法など、少しの心がけでできそうな小技が満載でした。
最後のまとめには、教師の資質が18カ条にもなり、「生徒を見捨てない教師」が最も重要な資質だと結ばれていました。
図書館本でしたが、買い上げ決定。
新書でとても読みやすいので、ぜひ一度手に取ってみてください。
ではまた☆
[書評]荒れた学校にしないためのノウハウを生徒指導のプロが指南!「荒れには必ずルールがある」
中学校・高校教員向けの本。
著者は、生徒指導コンサルタントとして200校を超える学校を見てきました。
副題は、
「間違った生徒指導が荒れる学校をつくる」
です。
読んでいて、
「あ〜、私、間違ってるわ」
と思うところばかりだったので忘れないようにメモしておきます。
なるほど!メモ
「荒れた生徒」ばかりに取り組む学校は荒れる
教員の「限りある労力」をどこに使うか。
エネルギーはできるだけ「中間的集団に使うべきである。」
中間的集団は、周囲の状況次第で真面目な生徒、逸脱した生徒、どっちにでもなりうる最も人数が多い集団。
この中間的集団が逸脱した生徒の集団につくことによって、さらに大きく荒れて行く。
荒れている生徒には最低限の指導をし、学力の低い生徒の指導を充実させ、頑張っている生徒が活躍する場所を作る。
中間的集団を育てることは、逸脱した生徒の問題行動を抑制することになる。
#金八先生のクラスは、中間的集団はいたのかな…?
常に問題行動に一人で立ち向かっていた気が…まあ、ドラマですけど。
法的対応に迷う学校は荒れる
激しく荒れている生徒を、卒業まで何があっても「教育の力」で対応すべきか、「法の力」で対応すべきかという迷いが学校現場にはある。
この迷いに拍車をかけているのがマスコミや評論家。
生徒が死に至った事件に対しては、
「なぜ、警察に出さないのか」
と学校の対応の甘さを批判するのに、死に至らなかったケースでは
「なぜ、もっと教師は向き合わなかったのか」
などと批判する。
しかし、そもそもいきなり法的対応をする学校など日本中に一つも存在しない。
誰もが政治や経済には限界を認めるのに、教育だけには限界がないという論理が理解できない。
もし、法的対応をしても、青少年に対しての対応は厳罰ではなく矯正教育が目的なので誤解のないように。
#法的対応が必要な場合も、あると思います。学校だけでは抱えきれない。
生徒指導部は目標を持て
目標は数値で示すのが良い。
- 例えば、割れたガラス代を100万位内にする。
- 生徒の徘徊を1人も出さない。
など。
抽象的な目標よりも具体的に示すこと。
さらに、どんな時にガラスが割れるのか?徘徊の時なのか?など、根源的な問題に目を向けられると良い。
#でも、学校は全体的に数値目標を出して行くことには消極的ですね。
流行に弱い指導部
「カウンセリング研修」が流行っている。
年間の研修内容を見たところ、年間15回もある県もあった。
研修も半ばを過ぎた頃から、この研修と実際の学校現場での生徒指導とが結びつかないということに気がついた。
事件の原因を心の闇など中に求めることにより、生徒指導に新たな流行がもたらされた。
#教員は、カウンセラーじゃないからね…。現場で必要とされていることはこれなのかな?って思うこともありますね。
カウンセリングの技法自体は知っていて損はないですが。
荒れのメッセージに気づく
生徒の悪を理解しても、その行為を認めてしまってはいけない。
初期の問題行動は、親や教師を試し、もっと見てくれ、目立ちたいというメッセージを発している。
生徒から発せられるメッセージはどれも自立に関わることである。
悪と自立の深い関係がわかる。
メッセージの背景には、「親子関係」「家族関係」があることがほとんどである。
メッセージには共感しても、その行為や言動を認めてはいけない。
まず、その生徒の話をよく聞くこと。
そうしたくなったきっかけくらいはどんな生徒も話せる。
#生徒に迎合しないこと。大事。
あと、坊主憎けりゃ袈裟まで憎いもダメ。
生徒を多面的に見ることが大切ですね。
厳しく叱ることが大切
叱ることで得られる効果は、
- 叱ることは、生徒の心に葛藤を呼び起こす。
- 叱ることは、見捨てられていないという気持ちを育てる。
- 叱ることは、生徒の自己抑制力を育てる。
しかし、信頼関係のない大人に叱られると、素直には受け入れられない。
心が離れることを恐れて、生徒ととの人間関係をいつも優先してしまって、叱らない教師になってはいけない。
一人の教師の中にも、「厳しさ」と「優しさ」の両方が必要。
#生徒たちと信頼関係が持てた!とこちらが思っていても、生徒が思わないと厳しいなと思ったりします。
まとめ
本を読んでいて、知り合いが3ヶ月で学校の教員を辞めてしまったことを思い出しました。
「だって、教えるために教師になったのになんで毎日スカートの丈なんか測ったりしなきゃいけないの?意味が分からない」
確かに、仕事の大半をこの生徒指導が占める時期もあります。
得意、不得意の分かれる分野かも。
多くの教師は生徒指導するために教師になったんじゃないはずなんだけど…。
問題行動の指導はそこそこに、中間的生徒を中心に全ての生徒がイキイキと学校生活を送れるよう支援したいものです。
こちらも読み始めました。
スーパー先生でなくてもできる普通の指導に励まされます。
去年、また新しい本が出版されていましたね!チェックしておこう。
ではまた。
[書評]教師は何よりも、一斉授業がうまくなれ!「一斉授業10の原理・100の原則」
個人的にファンな北海道の中学校教師、堀先生の教育書です。
なぜ、著作を出すような教師は北に多く、南には少ないのか?ナゾ。
さて、この本は、学校において軽視されがちな(よくない…本当に良くないね…)授業について焦点を当てています。
部活指導がうまくて授業が下手な教師はいるか?
ファシリーテーションなど共同学習が下手で一斉授業が下手な教師はいるか?
まあ、一般にはあまりいないでしょう。
読み進めてみると、いかに自分がピントがずれた、ボケた授業をしているかがわかってしまい、えらく恥ずかしくなってしまいます。
私は何を教えているのか?
穴があったら入りたい、いや、教師やめたほうがいいのではないか。
改めて勉強し直したくなりました。
なるほど!メモ
ゴールイメージの原則
3学期の子どもの姿を想像しよう!そのためには、どうすべきか逆算しましょう。
4月に研究する教材は、年度最後の教材である。
3学期にどのような授業ができたら満足なのか?
子どもを育てられたと自信を持って言えるのか?
考えよう。
3学期に自力で討論できるようになるとは?
1学期にペアワークを取り入れなければ間に合わないのではないか?
ホント、初回からの授業の組み立てが3学期まで引きずりますからね~。
研究授業だけペアワークやってもうまくいかない訳です。
授業のフレームを意識しているか
授業には、「習得型」「活用型」「探求型」などに分かれている。
こうしたフレームを教師と子どもが確認し合い、今日は何を目的とした授業なのか、共通理解して授業が進んでいるかはとても大切なことです。
もし、それがなければあなたの中でフレームが確認できていないということです。
耳が痛い…
実際、今の授業では習得型がほとんど。
しかもプリントを解説したりするような授業が続いています。
以前の学校では探求型の授業に取り組めていたのだけれど。
今は授業に向かう姿勢がない少数の生徒たちを前にして、そういう生徒でもなんとか参加できそうな授業方法を選ぶと…プリント使用の一斉に解説するような授業を選んでしまうのが辛い。
授業の指導事項を教材名で答えていないか
指導内容を明確に意識できるようになるためには、「教材内容」と、「教科内容」と、「教育内容」を分けて捉えること。また、指導事項の質、指導事項の定着のあり方を具体的に想定しておくことが大事。
著者の堀先生は毎時間ここまで意識して授業しているとのこと。
私も先生の授業を受けてみたいものだわ…。
グループワークを毎時間入れていく
もしあなたが、最終的には子どもたち同士の交流、協同によって課題解決を図るような授業を展開して行きたいと考えているならば、4月からの計画的な指導が必要になる。
ペアによるワークからグループワークへ、徐々に慣れて行くような教材研究が求められる。
一斉授業とはいえ、最低限8分以上のグループワークを入れる方が交流も深まるし、生徒たちを学びに向かわせることはできないとのこと。
私もペアワーク入れたいな。
コミュニケーションが難しい生徒も中学校にはいるんだから、できるはずなんだよねぇ。
学びは個人のもの。個人の学びをパーソナライズ作文へ
パーソナライズ作文は200字程度がよい。それをファイルなどに閉じさせ、学期ごとに振り返りを行うことで生徒を支える「人生という物語」が見えてくる。
国語の授業以外でもできるかな?
たまに何を学んだか書かせること、振り返ること大事だよね。
それだけのことを書かせられる授業がしたい。
教材と指導事項はイコールではない
「教科書を教えるのか、教科書で教えるのか」
「教科書や教材で何某かの指導事項を教えたり扱ったりしている」
そうでないとしたら、国語の説明文では文章の読み方ではなく、動物の生態や花の生態を教えていることになってしまう。
数学で教科書の問題が解けても、その原理がわかることは似て非なるものである。
家庭科の教科書で何を教えるか?
指導書読み返そうかな…
評価をとる媒体に注意する
音楽の鑑賞について鑑賞文を書かせて提出させ、それを評価資料としてはいないか。
その中に、作文力、文章力が紛れ込んでいないか。
作文力はないけれど、話し言葉で表現すれば鑑賞力として秀でたものを持っている…評価資料の媒体が評価をゆがめてはいないでしょうか。
評定資料を取ろうと決めた学習活動においては、かならず事前に評価基準を予告する必要がある。
事前に示されていれば、意図的で具体的な努力をすることができる。
うちの子も、話し言葉では意外と難しい言葉が使えるのだけれど、文章にすると「楽しかったです」としか書けないのよね。
まあ、書く力はないってことなんだけど。
入試といい、書く能力、暗記する能力しか日本では評価されないようです。
まとめ
以上、色々と考えさせられる本でした。
学級でファシリテーターになれる教員は、一斉授業も上手です。
若い人は、初めから協同的な学習に取り組むよりも、一斉授業の腕を上げるほうが近道かもしれません。
ファシリテーションの本と合わせてよむとさらに理解が深まると思いますよ。
ではまた☆
[セミナー]学校マネジメントの超絶おすすめ本「変わる学校、変わらない学校」セミナー参加記録
「チーム学校を実現させるには、何から手をつければいいの?」
「学校マネジメントでいい本はない?」
昨年末に読み、
「これは参考になる!多くの学校関係に読んでほしい」
と、職場で勧めまくったのが、「変わる学校、変わらない学校」。
うまくいく学校がどのようなマネジメントをしているか、豊富な実例と理論を紹介してくれる良本です。
読書メーターに載せた感想はこちら。
「変われる学校」と、そうでない学校にはどんな違いがあるか?
具体性のある明確な目標設定や、これまでの取り組みの立案はできているか?学校のウェブページを見てみると、「元気な子を育てる」「やさしい子を育てる」など具体性に欠ける目標が多い。
また、校長は管理とマネジメントの違いもわかっていないとのこと。
年度末の振り返りはしても次につながってないこともある。
失敗例のあるあるが多すぎて首がもげるかと思った。
この本のFBページもあるし、今月は読書会があったみたいだけど読む前で参加できず残念!勤務先で呼べないだろうか…。
話題の本「変わる学校、変わらない学校」とは?
野村総合研究所にて学校マネジメントをされていた妹尾 昌俊さんの著作です。
多くの学校をコンサルティングする中で、うまく変われた学校にはどのような特徴があるのか具体例を挙げて説明してくれています。
教員だけでなく、ぜひ管理職や学校事務に携わる方にも読んでいただきたい本です。
「マネジメント」を勘違いしてないか?
この本で1番なるほどと思ったのは、学校の管理職が捉えているマネジメントのあり方。
マネジメントといえば職員を管理することだと捉えがち。
しかし、杉並区立和田中学校で民間人の校長を務めた藤原和博さんによると、
「マネジメントはガチガチの管理ではなくもっとより創造的な行為」
であるとのこと。
限られた教員数や予算の中、外部の力を上手に借りて生徒のためにできることはないか考えいてきます。
藤原先生のマネジメントにより、部活を外部委託にしたり、勉強が遅れている生徒のために地域の方を迎えたりして学校が変わっていったようです。
変わった学校の実例が豊富!
私の勤務校は進路多様校なので、同じく進路多様校である都立秋留台高校の例が参考になりました。
退学者数を減らすために数値目標を設定したり、身だしなみなどのルールを生徒に守ってもらうことで大幅に退学者を減らすことができました。
そういった成功例があると、苦労している学校にとっても大変参考になりますね。
変わる学校変わらない学校セミナーへ!
この本があまりにも良すぎて、著者のお話を直接聴きたくなりました。
たまたま、妹尾さん主宰のセミナーの案内を発見!
1月初旬にお茶の水女子大附属中学校で行われたセミナーに参加してきました。
変われた学校は、外部と繋がっている!
例えば、映画「みんなの学校」では、訪問して気づいたのが教室に大人が多いこと。
空いてる先生や地域の方、保護者の方が入ることがあります。
授業はいつでも地域に向けて開かれています。
都立武蔵村山高校とNPO法人育て上げネットとの連携では、進路相談の補助や自習室のチューターとしてキャリアコンサルタントや大学生による支援を行った。
進路相談BOX や回答コーナーを設置して生徒の不安に対する回答をわかりやすいように掲示した。
外部との連携が必要な理由として、
- 教員数の数は今後減っていくこと
- 教員の多忙化が叫ばれて久しいこと
- 教員が何でも抱え込むのではなくカウンセラーのような専門家に子供の発達支援を任せる方がうまくいく可能性があること
があげられます。
全ての業務を教員がこなすことには無理があります。
また、キャリア教育で保護者の仕事の話を聞いたりすることで、より社会とのつながりを実感でき、創造的な教育内容を作り出すことができます。
教員間のコミュニケーションが大事!
最近は教員間のちょっとしたコミュニケーションをとろうと思っても、多忙化により難しくなっているようです。
「相手を信頼して任せている」
と言ったら聞こえがいいですが、相手を知ろうとすることを怠ったりしている可能性もあるのではないでしょうか。
以上のようなお話を中心に伺いました。
東京のみならず、全国各地から妹尾さんの話を聞きに集まっていることと、事務職の方の参加が多いことにビックリしました。
まとめ
妹尾さんは、はてなブログでも2つのブログを運営されています。
「変わる学校、変わらない学校」を中心としたアイデアノートと、書評ブログです。
こちらも要チェックですね!!
現在フリーだそうで、ぜひ学校の研修で呼んでみたいと思っています。
春の研修には間に合わなかったので、夏の研修に来ていただけたらいいな~。
妹尾さんのお話、学校づくりの参考になると思いますよ!
ではまた☆
[セミナー]超絶オススメ本「まんがで知る教師の学び」著者、前田先生トークショー参加記録
最近「教師教育学」という学問が脚光を浴びています。
団塊の世代の大量退職によって若手の教員の割合が近年増えています。
自分も仕事をしながら、若手の育成をどのようにしていけば良いのか?
同僚と共に、学びながら成長できる職場にするために自分ができることは何か?
それらのヒントとなる漫画が昨年の春に発売されました。
「まんがで知る教師の学び」とは?
前田先生は熊本の小学生の教頭先生で、自分の時間を全てこの漫画の執筆に費やされました。
この作品には若い先生のみならず、20代から50代までの先生が登場します。
それぞれ授業や学級経営、生き方などの悩みを抱えています。
それらの悩みに対して問いを立てていくのが、臨時で採用された53歳の吉良良介先生です。
昨年読んだ教育書NO 1と言っても過言ではありませんでした。
そんな漫画の続編がこの3月に発売されました。
発売を記念して、東京のジュンク堂書店でトークショーが行われることが決まりました。
今回の記事では、トークショーで印象に残ったことを中心にを紹介していきます。
トークショーで印象に残ったこと
今回、先生はパワーポイントではなく手作りのスケッチブックを使い、いくつかのトピックについて説明してくださいました。
主体的に、対話的に学ぶということ
先生がまず示されたのが、小学生が1人で本を読んでいるイラストです。
「このイラストの児童は主体的に対話的に学んでいると思いますか?」
という問いを投げかけられました。
私もよく本を読むのでわかるのですがこう読むのは主体的な行為ですし、作者と対話しながら読み進めることもよくあることです。
周囲の生徒と共に学ぶことが主体的で対話的な学びというわけではなさそうです。
むしろ本人が学んだと思ってないと意味がありません。
「子どもがアクティブラーナーとして取り組んでいるか?」
教員は頭で考えたストーリー通りに、都合よく進んでいるところばかり切り取り、他をカットしてしまう癖があります。
気をつけたいものです。
生徒にどのような学びが起きているのか教員は良く観察する必要があります。
学びが成立しているか、ポイントは大きく分けて三つ
- レベルが易しすぎたり難しすぎたりしていないか…易しすぎると早く終わってしまい難しすぎると取り組めなくなってしまいます。情報が足りないことで活性化されることもあります。
- 学ぶということがわかってるか…学ぶということは気づいて変わることだと考えます。
- 評価について理解しているか…評価しないと単なる話し合いで終わってしまいます。
この文章はどこから?
また次に先生が写真のような文章を提示されました。
一人一人の生徒が自分のよさや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値のある存在として尊重し、多様な人々と協働しながらさまざまな社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の創り手となる。
この文言はどこからの引用かわかりますか?
そう、新しい学習指導要領からです。
現場の教員も共感できる内容だと思いますがいかがでしょうか。
強みを活かすということは…
このトークショーの中でいいなと思う質問がありました。
「強みを生かせといいますが、学校の中で衝突したりすることがあるので困っている」
という問いに対して、
「強み生かすということは、好き勝手をしていいということではない。強みを生かして、周囲の人に貢献できることが大切だ。そこを勘違いしてしまうとただのわがままで終わってしまうのではないか」
なるほど、その通りだと思いました。
「強みを活かす」という事を、「自分のやりたいことを通す」ということに勘違いしないようにしたいものですね。
先生おすすめのビジネス書
前田先生の教師の学びマンガには、必ず先生お勧めのビジネス書が掲載されています。
漫画で知る教師の学び1では、先生が紹介した8冊のうち6冊をすでに読んでいました。
今回も何冊か、ビジネス書が紹介されています。
素晴らしいのと思うのは、それらの本をしっかりと血肉にされていること。
以前読んだものの実践せずに手放してしまったものもいくつかありました。
これを機にお勧めの本を読み直してみたいと思います。
まとめ
トークショーの後は、一足お先に先生のサイン本をゲット!
まんがで、教育の最新理論が分かるので本当に重宝しています。
今回、家族に無理を言って池袋まで出かけた甲斐がありました。
- 先生がどのような考えでこのマンガを書いたのか?
- また、主人公がリーダーシップではなくマネジメントの手法を取ってるのはなぜなのか?
といったことを聞くことができ、大変満足しています。
前田先生のように、アクティブラーナーでい続けるためにこのブログを立ち上げたと言っても過言ではありません。
私も自分の強みを生かして職場をはじめ周囲の人々に貢献できたらいいなと考えています。
「まんがで知る教師の学び」シリーズのご紹介はこちら!
ではまた☆
[便利]4月を制するものは1年を制す!書き込み式で安心「ホームルーム経営計画ノート」
「去年までの反省を生かして新しいクラスでも頑張りたい」
「学級経営本を読んでも、どこから手つけていいのかわからない」
そんな若手の先生方に朗報です!
3月末からぜひ取り組んでほしい書き込み式の計画ノートがあります。
その名も、「ホームルーム経営計画ノート」!
今までもAmazonのおすすめで気になっていたのですが、やっと手に入れることができました。
ホームルーム経営が必要な高等学校ばかりではないと思いますが…4月にクラス開きをする前にぜひ手に入れておきたい1冊です。
学級経営の困った!に寄り添う!
このホームルーム経営計画ノートは、スクールプランニングノート製作委員会と高校ホームルーム経営研究会が編集した冊子です。
1年間をプランニングして見通しを持った方もホームルーム経営ができます。
このノートを使うことで、いつの間にかPDCA サイクルが身につくよう構成されています。
このノートは、
- グランドプラン編
- スタートアップ編
- イベントプラン編
- バランスチェック編
の4つの章に分かれています。
新年度が始まる前から考えよう!
まず、新しいクラスの担任に決まったらクラスの土台作りです。
学級目標を作ること、ホームルームの組織作りも、
「なぜそうするのか」
という教師の哲学がなければ生徒に受けられません。
そのあたりを洗い出していく作業ができます。
教員が目指すホームルームの姿を明確にしていきます。
席替えや班替えも行き当たりばったりのくじ引きではうまくいきません。
ホームルームでの目標実現させていくために、どのような席であれば生徒の実力が発揮できるのか考えていきたいですね。
掃除の指導についても、
- どうすれば効率よく公平な役割分担でできるのか
- どこを掃除すれば短時間できれいに見えるのか
ということを考えてみましょう。
ショートホームルームも、朝と夕方の5分の遅れだったとしても年間では授業40時間分もあります。
毎日、必ず行うアクティビティを決めてみてもいいかもしれません。
行事への取り組みも、このページを参考にまとめれば一安心。
入学式や始業式の計画では担任が大事にしていることや自己紹介など簡潔に話せるよう、まとめておきましょう。
このページをコピーして配れば、生徒同士の自己紹介も完璧!
毎週の計画を振り返るチェックシートもついています。
1学期が終わってから、
「生徒と会話できなかった」
「掃除が行き届かなかった」
ということを後悔しないように、毎週振り返ると良いでしょう。
4月から教員が取り組むべき仕事リストも充実しています。
まとめ
このホームルーム計画ノートは、年度途中に手に入れてもあまり意味がありません。
このノートに書くべき内容の半分は4月に行うべき業務内容です。
高校の先生であれば、こちらの学級経営本も大変におすすめです。
4月を制するものは1年を制すと言っても過言ではないと思います。
この時期にぜひ、手にとってみてくださいね!
ではまた☆