まなびと!

自らが学び続ける教師でありたい。振り返りの記録です。

[書評]あなたは大丈夫だと胸を張って言える?「教師の資質 できる教師とダメ教師は何が違うのか?」

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ぐさっとくる題名。

中身もぐさっときました。

付箋だらけ。

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Amazonより。

大津中2いじめ事件でのずさんな対応、体罰、人権侵害まがいの暴言…… 教師の問題が取りざたされる今、本当に求められる資質とは何なのか。

「教師を支える会」代表として、全国の学校の問題に取り組んできた著者が、今、最前線の教師像を説く。

参考になった部分を紹介しようと思ったら、すべてのページを丸写ししてしまいそうです。

その中でも、選んでいくつか記しておきます。

教師だけでなく、保護者も参考になる本なのでオススメです!

なるほど!メモ

教師の資質とは

できる教師とは、

「学級経営が上手で、学級に安心・安全な雰囲気を作ることができる」

「子どもたちの能力を高めることができる」

子どもたちにどんな力が必要か見極め、その力を伸ばすことができる教師。

ダメ教師は、暴言を吐く、特定の異性にメールをする、体罰など。

人の気持ちが分からない、人間関係が苦手な教員もいる。

能力のバランスが悪く、大学、高校の教員に多い。

#耳が痛い…。

私も、高校で学級経営するとは思わず。

自分が通っていた高校は、クラスはほぼ解体、体育祭は生まれた季節、文化祭は部活ごとに何か出し物をしていたので、教えることをメインに考えていたら現実は違いましたね…。

出身校が稀だったんだと後から気付きました。

公立と私立の教師はどちらが優秀か

大きな違いはないというのが著者の実感。

しかし、不登校体罰などの問題は有名私立校でも当然ある。

多種多様な人がいる環境で育てたい人は公立、同じような価値観を持った人が集まる環境で子どもを育てたい人は私立に進ませるべき。

ただし、教員対象の研修については公立に一定水準が確保されている。

私立は学校による違いが大きく、20年校内研修を行ってないという学校もあり、公立なら当然知っているスキルを私立の先生が知らないということもある。

#私立の学校では校内研修はせず、主要教科の先生は予備校で学んでくるとかそういう話を聞いたことがあります。

教員採用試験を合格しているだけ、学力の質は公立にあるのかなと思うときもあります。

孤立する教師

教師の9割は、同僚や管理職に相談できる人がいない。

これは民間企業に勤めている人よりも著しく少ない数字。

同僚や管理職に相談しても、共感してもらえなかかったり、「それはあなたの指導力不足なのではないか」と言われてしまい、心を病む教員が多い。

こうした現状の中で求められるのは、弱音を吐ける職員室づくり。

ある教員は、うつ病になったのは真剣に責任感を持って仕事をやっている証拠。うつ病は教師の勲章だ」と管理職に言われ、なんとか休職せずにうつ病を治すことができたとのこと。

#共感的な管理職がいないと、教員間でもいじめがある。

また、東京では人事考課で必ずDをつけなければならないので、さらに助け合いの輪が広がらないなど弊害もあるとか。

何のための評価なのか、教員を苦しめるだけになっていないか…どうなんでしょうね。

今の子どもを取り巻く環境

9割の子がいじめの被害者であり加害者。

子どもをいじめから守ることができるのか?

この問題を考える上で踏まえておかなければならないのは「いじめや仲間外しという行為が常態化している」ということ。

小4から中3までの六年間で仲間外しにあったことのない生徒は一割しかいない。

#子どもを取り巻く環境はかなり厳しく、教室を生き抜くサバイバルゲーム状態になっているのかもしれません。

子どもに援助希求をしてもらうために

生徒に幾つかの簡単なアンケートをこまめに取ることで子どもにSOSを出してもらうチャンスを作ることが効果的。

悩みができた時にこの先生なら相談できると思えるような安心できる関係を作っておくことに意味がある。

学校のすべてのスタッフを書いた用紙に、この人なら安心して話ができるかもと思える人三人に丸をつけてもらう。

#最近は教室の状態を知るための簡単なテスト、QーUに取り組んでいる学校も多いようです。

担任には利害関係があり相談しにくい場合もあるので、一人でも頼りになる先生を見つけておくことは必要かもしれません。

教師が力をつけるために

できるならば、10年現場に出て、一年大学院で学べるようなシステムがあると良い。

理由は二つあり、

10.20年と時間が経過するうちに、社会が変わり、教師に求められる資質や力量が変化するから。

もう一つは、30年も連続して勤務し続けられる仕事ではないから。

しかし、現在の大学院では現場感覚に富む大学教員の絶対数が少ない。

#確かに、今50代の教員が、20代の頃小学校で英語を教えるようになるとは夢にも思わなかったでしょう。

英語に限らず、教師に求められる資質は常に変わっており、それらを仕事しながらスキルを身につけ対応してのはなかなか厳しいなと思うときもあります。

でも、大学院がそういったニーズに対応できているかというと、それぞれの学問を専門的に修めているだけで実務経験もない教員が多く対応できるのか心配です。

まとめ

学校で使えるカウンセリング技法など、少しの心がけでできそうな小技が満載でした。

最後のまとめには、教師の資質が18カ条にもなり、「生徒を見捨てない教師」が最も重要な資質だと結ばれていました。

図書館本でしたが、買い上げ決定。

新書でとても読みやすいので、ぜひ一度手に取ってみてください。

ではまた☆