[実践]裁判の傍聴は何歳から可能?方法は?高校生と傍聴してきたレポート
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総合的な学習の時間の一環で、高校生と地方裁判所へ傍聴に行ってきました。
館内は撮影禁止のため写真はなし、録音も禁止です。
夏休みの課題で有志を募ったところ、30人弱の生徒の申込みがありました。
途中で締め切りましたが、このまま増え続けたらどうしようと悩むほど人気のフィールドワークになりました。
もし、裁判の傍聴を考えている先生方への参考になりましたら幸いです。
裁判の傍聴は何歳から可能?高校生も傍聴できる?
裁判の傍聴については、年齢制限はありません。
赤ちゃんから傍聴が可能だそうですが、声や音を出すと審理の妨げになりますので退場するよう注意を受けてしまうでしょう。
適切な年齢は?と聞かれたら、なんとなく話している内容が分かってくるのが高校生くらいでしょうか。
中学生でも、法律に興味のある生徒さんは審理を聞いていてワクワクするかもしれませんね。
模擬裁判など、学生向けのイベントもありますが、(私もイベント自体に参加したことはないですが…)
「本物に勝るものなし」
ではあるなと、今回人生初の裁判傍聴してみて感じました。
裁判の傍聴の方法は?注意点は何?
裁判の傍聴は無料ですし、関係者でなくても傍聴できます。
話題になっている裁判は抽選で整理券が必要だったりするようですが、私たちが伺ったときはどの裁判もガラガラだったので、概ね膨張できると思って良いと思います。
裁判傍聴は平日に。夏休みなど長期休みを利用しよう!
裁判の傍聴は平日のみで、土日は傍聴できません。
そのため、高校生と裁判傍聴に行きたい場合はテスト休みなど長期休みを利用するのがおすすめです。
ただし、夏休みは裁判の数自体が多くはないそうです。
お盆前後よりは、7月のテスト休みの方がたくさんの裁判から選べそうですね!
服装の注意はないが、持ち込み不可なもの、ボディチェックはある!
裁判所の外は自由なので、看板の前で、自撮り棒を使って写メしてる他校の生徒がいました。
そんな感じでいいのか…。
裁判所で傍聴するのに、服装の指定は特にありません。
高校生は私服でも良いのですが、身だしなみをしっかりしてほしかったので制服で集合してもらいました。
入口は、飛行機の荷物検査場そのもの!
刃物など、危険物は持ち込みできないので注意です。
民事と刑事どちらを選ぶ?狙うは新件!
ボディチェックのあとは、検索コーナーでめぼしい裁判を調べます。
タッチパネルで検索が可能で8名ほどが同時に検索できるようになっていました。
生徒にロビーで待ってもらい、何時からどの裁判があるのか確認して手帳にメモメモ。
建物内は撮影禁止なので、タッチパネルを撮影するのは禁止です。
裁判の内容によっては2時間かかるものもあるとのこと。
私達のグループは、はじめに民事裁判の3審、次に刑事裁判の新件を傍聴させていただくことにしました。
ちなみに法律用語に詳しくないので、一応ググって書いていますが正確な表現でないかもしれないのですみません(汗)。
裁判の傍聴に高校生と行ったレポート!割とカジュアルな印象を受ける。
生徒は先週センセーショナルな事件の傍聴を希望しており、
「殺人事件はないの?殺人のは犯人が見たい」
「先生、婦女暴行って何?」
などと言い、刑事事件推しでした。
さすがにあまりに凄惨な事件について詳細に説明を受けるような裁判をトラウマになっても責任が持てないので、我々の想像の範疇に収まるような事件を探しました。
教員2名に対して生徒6名を引き連れて法廷に入ります。
民事と刑事それぞれひとつずつで約2時間弱かかりました。
三回目の民事裁判・おそらくは「家賃の不払い」
ちょうどいい時間の裁判が3回目でしたがとりあえず初めての裁判なら早めに終わるものが良いだろうと思い入ってみました。
書記官と裁判官、被告と原告がいて全部で6名ほどでしょうか。
傍聴を希望しているのは私達高校生と、もう一人、見学が趣味と思われる高齢の男性一人でした。
私の想像では裁判の間にそれぞれが言い分を大きな声で話し、ディベート的な話し合いになるのかと思っていましたが全く違いました。
前回までの話し合いを踏まえて、誰々がいくら支払うということを淡々と決めていくような印象でした。
生徒と、
「家賃不払いであれば、裁判に持ち込まれる前に何とかなったんじゃないかね〜」
と、傍聴が終わってから話題になりました。
新件の刑事裁判「勤務先に明け方入り込んで備品を盗んだ罪」
新件の刑事裁判は、不法侵入と窃盗についての裁判でした。
この裁判の前に、薬物を使用した罪で審理が行われていました。
扉についている小窓から、裁判の様子を見ることができます。
刑事裁判の親権は民事裁判よりも大きな法廷で行われており、薬物の裁判は割と満員の状態で傍聴が行われていました。
途中入場もできますが、座れない場合は退場になりますし、音も出るので迷惑になると考え廊下で待機しました。
私たちが傍聴する裁判の時間になり、入れ替わりの時間になってもそのまま座っている人が何人もいたため、関係者だけではないと思われます。
不法侵入と窃盗についての裁判、被告の知り合いは誰も来ていない様子でした。
被告が法廷に入ってきた時は、屈強な二人の警察官に付き添われて手錠がついていたため、生徒も私たちも緊張が走りました。
被告は四十代後半。
地方から都会に出てきて身寄りがなく、住所不定、今までも窃盗を繰り返しており前科7犯。
今回の窃盗は、ゴールデンウィーク中に働き始めた職場が休みになってしまい、公園で寝泊まりしている間に雨が降ってきたそうです。
雨宿りをするついでに、たまたま覚えた4桁の鍵の番号を用いて事務所に入り、備品を4点ほどを盗み転売にかけてしまいました。
それがバレて、今裁判にかけられているわけです。
その後、被告人が呼ばれて証言台に出てきて裁判官の質問に答えたり、検察官が様子を説明したり、弁護人が罪の軽減を求めたりといった様子をリアルに見ることができました。
検察官から、懲役2年を求刑されていました。
驚いたのは、次の裁判の日時を決める様子。
裁判官「次結審ね。検察官、次いつ空いてる?」
検察官「えーっと、○日の午前なら」
弁護士「○日なら、早めの時間でお願いします。」
裁判官「じゃあ、○日の9時に結審になりますのでよろしくお願いします。」
ランチのお誘いかよ!!!と思うくらいのカジュアルさでした。
生徒たちは付き添いの警察官が新人の警察官が先輩に怒られたり、眠気を我慢して白目になっていたよ!とワイワイ様子をおしゃべりしていました。
他の班は、民事で離婚の裁判の傍聴をして、50枚以上の写真を見ながらだったり(浮気の証拠などの写真??)、傍聴が趣味の方から裁判が長期に渡ることなどを知ることができたようです。
地下のコンビニで軽食ゲット
裁判所の地下にはコンビニや食堂、郵便局などが集まっているフロアーがあります。
裁判の間に時間があったため、
「軽食を買って食べてもいいよ」
と伝えたところ、お昼を食べていなかった生徒はコンビニでカップ麺やお菓子を買って小休憩を取りました。
本屋さんには法律関係の本がズラリと揃っていて、一般人はだいぶ近寄り難かったです。
まとめ
以上、高校生とお邪魔した裁判の様子についてお伝えしました。
ポイントは、
- 平日しか傍聴できないので、長期休みに生徒に呼びかけること
- どれを傍聴したら良いかわからないときには、刑事裁判の新件を狙うこと
- 1人の教員が引率できるのは5人前後、うるさくしないよう注意すること
時間があれば、民事裁判と刑事裁判の違い、裁判の進め方、なぜ裁判になるのかといった事前学習ができれば更に理解も深まっただろうなというのが反省点です。
普段は授業に対して興味がない生徒も、裁判の傍聴はしっかりと聞いていました。
審判の様子もしっかり聞いていて、自分なりに意見を持って
「あの人はこれからも罪を犯しそう。刑務所のほうが食事も寝るところもあるってどうなんだろう」
とか、
「誰も身寄りがなくて、住む家もなかったら自分もあんな風にならないとは言えないな」
などと感想を述べていました。
私も初めての裁判傍聴でしたが、高校生の時に一度行っておいても良かったかも。
ホンモノに触れて、人生をいろいろ考えさせられる機会になりました。
法廷ドラマを見る目が変わりそうです。
できれば、これからも自分が裁判所にお世話になる時がないといいんだけど…。
ではまた☆