[書評]荒れた学校にしないためのノウハウを生徒指導のプロが指南!「荒れには必ずルールがある」
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中学校・高校教員向けの本。
著者は、生徒指導コンサルタントとして200校を超える学校を見てきました。
副題は、
「間違った生徒指導が荒れる学校をつくる」
です。
読んでいて、
「あ〜、私、間違ってるわ」
と思うところばかりだったので忘れないようにメモしておきます。
なるほど!メモ
「荒れた生徒」ばかりに取り組む学校は荒れる
教員の「限りある労力」をどこに使うか。
エネルギーはできるだけ「中間的集団に使うべきである。」
中間的集団は、周囲の状況次第で真面目な生徒、逸脱した生徒、どっちにでもなりうる最も人数が多い集団。
この中間的集団が逸脱した生徒の集団につくことによって、さらに大きく荒れて行く。
荒れている生徒には最低限の指導をし、学力の低い生徒の指導を充実させ、頑張っている生徒が活躍する場所を作る。
中間的集団を育てることは、逸脱した生徒の問題行動を抑制することになる。
#金八先生のクラスは、中間的集団はいたのかな…?
常に問題行動に一人で立ち向かっていた気が…まあ、ドラマですけど。
法的対応に迷う学校は荒れる
激しく荒れている生徒を、卒業まで何があっても「教育の力」で対応すべきか、「法の力」で対応すべきかという迷いが学校現場にはある。
この迷いに拍車をかけているのがマスコミや評論家。
生徒が死に至った事件に対しては、
「なぜ、警察に出さないのか」
と学校の対応の甘さを批判するのに、死に至らなかったケースでは
「なぜ、もっと教師は向き合わなかったのか」
などと批判する。
しかし、そもそもいきなり法的対応をする学校など日本中に一つも存在しない。
誰もが政治や経済には限界を認めるのに、教育だけには限界がないという論理が理解できない。
もし、法的対応をしても、青少年に対しての対応は厳罰ではなく矯正教育が目的なので誤解のないように。
#法的対応が必要な場合も、あると思います。学校だけでは抱えきれない。
生徒指導部は目標を持て
目標は数値で示すのが良い。
- 例えば、割れたガラス代を100万位内にする。
- 生徒の徘徊を1人も出さない。
など。
抽象的な目標よりも具体的に示すこと。
さらに、どんな時にガラスが割れるのか?徘徊の時なのか?など、根源的な問題に目を向けられると良い。
#でも、学校は全体的に数値目標を出して行くことには消極的ですね。
流行に弱い指導部
「カウンセリング研修」が流行っている。
年間の研修内容を見たところ、年間15回もある県もあった。
研修も半ばを過ぎた頃から、この研修と実際の学校現場での生徒指導とが結びつかないということに気がついた。
事件の原因を心の闇など中に求めることにより、生徒指導に新たな流行がもたらされた。
#教員は、カウンセラーじゃないからね…。現場で必要とされていることはこれなのかな?って思うこともありますね。
カウンセリングの技法自体は知っていて損はないですが。
荒れのメッセージに気づく
生徒の悪を理解しても、その行為を認めてしまってはいけない。
初期の問題行動は、親や教師を試し、もっと見てくれ、目立ちたいというメッセージを発している。
生徒から発せられるメッセージはどれも自立に関わることである。
悪と自立の深い関係がわかる。
メッセージの背景には、「親子関係」「家族関係」があることがほとんどである。
メッセージには共感しても、その行為や言動を認めてはいけない。
まず、その生徒の話をよく聞くこと。
そうしたくなったきっかけくらいはどんな生徒も話せる。
#生徒に迎合しないこと。大事。
あと、坊主憎けりゃ袈裟まで憎いもダメ。
生徒を多面的に見ることが大切ですね。
厳しく叱ることが大切
叱ることで得られる効果は、
- 叱ることは、生徒の心に葛藤を呼び起こす。
- 叱ることは、見捨てられていないという気持ちを育てる。
- 叱ることは、生徒の自己抑制力を育てる。
しかし、信頼関係のない大人に叱られると、素直には受け入れられない。
心が離れることを恐れて、生徒ととの人間関係をいつも優先してしまって、叱らない教師になってはいけない。
一人の教師の中にも、「厳しさ」と「優しさ」の両方が必要。
#生徒たちと信頼関係が持てた!とこちらが思っていても、生徒が思わないと厳しいなと思ったりします。
まとめ
本を読んでいて、知り合いが3ヶ月で学校の教員を辞めてしまったことを思い出しました。
「だって、教えるために教師になったのになんで毎日スカートの丈なんか測ったりしなきゃいけないの?意味が分からない」
確かに、仕事の大半をこの生徒指導が占める時期もあります。
得意、不得意の分かれる分野かも。
多くの教師は生徒指導するために教師になったんじゃないはずなんだけど…。
問題行動の指導はそこそこに、中間的生徒を中心に全ての生徒がイキイキと学校生活を送れるよう支援したいものです。
こちらも読み始めました。
スーパー先生でなくてもできる普通の指導に励まされます。
去年、また新しい本が出版されていましたね!チェックしておこう。
ではまた。