まなびと!

自らが学び続ける教師でありたい。振り返りの記録です。

[便利]職員室で大活躍!スクールプランニングノートをオススメする3つの理由

「教員向けの手帳、種類が多くて迷っちゃう」

「とりあえず選ぶとすれば、どれがおすすめ?」

私はここ3年間、学事出版のスクールプランニングノートを使ってきました。

来年度もスクールプランニングノートを使用する予定です。

「手帳を制するするものは、仕事を制する」

と言っては大げさかもしれませんが、

  • いつ何があったのか、最低限の記録をとり続けること
  • 振り返る事

は教員の成長に欠かせない要素だと思っています。

それらの希望を叶えるのがこのスクールプランニングノートです。

すでに作るプランニングノート2017年度版を手に入れました!

私がこのノートをお勧めする理由と今年度の画像をご紹介したいと思います。

職員室で大活躍!スクールプランニングノートをオススメする3つの理由

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私がここ3年間、スクールプランニングノートを使ってるのには以下の三つの理由があります。

教員のニーズに徹底的にこたえます!

このスクールプランニングノートを企画しているのは現場の先生方です。

先生方の、「こんな項目があったらいいな」「こんなページ構成だったらいいな」という要望を全て叶えています。

使い始めた年から今までのノートを見てみると、授業時間数を記入する項目が増えたりして毎年少しずつ改善が行われています。

皆さんも使ってみて、「ここが惜しい!」という項目があれば出版社に直接要望を申し入れても良いかもしれません。

週間計画表が使いやすい!

スクールプランニングノートで私が一番使っているページは週間計画表です。

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週間計画表で授業がどこまで進んだのか、クラスごとに把握することができます。

また、一行でもいいので計画表に、

  • 授業で困ったこと
  • うまく行ったこと
  • 改善したいこと

など、振り返りを書いておくと後から見返した時にどんなことで悩んだのか一目瞭然です。

また、右側のページには生徒の褒めたい行動や気になったこと、連絡事項など3項目それぞれ記録ができるようになっています。

ここに、

  • 生徒や保護者から頼まれたこと
  • 相談を受けたこと
  • やるべきこと

などを記入しておくと、後日「いつだったっけ?」と慌てる事がなくなります。

私はこのページに、その日のtodo を書いた付箋を貼り付けています。

↓プロジェクト式になっている月間の計画表

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↓見開き2ページになっている月間カレンダー

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↓時候の挨拶、慣用句など

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↓入学、卒業早見表が地味に便利

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面談記録もお手のもの!

このスクールプランニングノートには、別冊で記録ノートが1冊ついています。

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私は、このノートを生徒と面談した時の内容を記入しています。

すべてこの記録ノートに記しておけば、どんなことを話したのか確認することができます。

なるべく生徒の問題行動等で面談記録が埋まることは避けたいところ。

報告するときにも詳細が記録してあればデータでまとめることも可能です。

まとめ

教員向けの手帳は、職場でも指導週案などが配られると思います。

無料の冊子で問題なく使える場合は良いのですが、教員向けにより使いやすくカスタマイズされた手帳も最近は多く市販されているのでチェックしてみてください。

「これ1冊持って教室に向かえば大丈夫!」

という手帳が1冊あると安心感が違いますよ。

スクールプランニングノートは、小学生版と中学高校版が販売されています。

中学高校版は土曜日や日曜日にも授業や部活がある先生向けのレイアウトになっています。

4月に入ってしまうと品切れが起きて、出版社に直接問い合わせをしなければならなくなる可能性もあります。

Amazon楽天なので早めの購入をお勧めします。

manabito.hateblo.jp

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ではまた☆

 

[書評]アメリカの”チャンピオン教師”が心がけていること満載!「成功する練習の法則」

勝間さんのサポートメールの課題図書。

いつも、為になる本をありがとうございます。

さて、この本は日経が出しているのでビジネス書かと思いきや、アメリカで出版された「チャンピオン教師(未邦訳)」をベースにした、「成功する練習とはどういうものか」解説している本でした。

漠然と練習しているのでは身につかない。

ああ、耳が痛いです。

そのためのルールが42ほど列挙されています。

図書館本でしたがポチしました。

なるほど!メモ

教師の練習を目的としたワークショップは、異例

教師は1日に4、5回ライブパフォーマンスを行うが、そのための準備を練習とは呼ばず、専門能力開発と呼ぶ。

毎日の授業でやることをどれ位練習しますか?と尋ねたら、大半は不思議そうにこちらを見つめ返すだろう。

無意識にできるようになるまで徹底する

教師が、生徒に指示を出す練習をした。

「指示があまり明確でない」

と指摘されたので、書き出した指示を教室でやるように声に出して練習した。

そのスキルを無意識にできるようになるまで行うことで、その教師は自分でも気がつかないうちに使えるようになっていた。

また、単純な内容を反復練習するうちに、再びバリエーションが出てきた。

無意識になると、参加者の意識を創造的な方向に解き放つことができる。

上達に必要な20%をどうやって見つけるか?

明確なデータが手に入らない時は「集団の知恵」を利用するのも一案。

例えば、サキソフォンの初心者にとって最も重要な5つの練習がわからない場合、比較的知識が豊富な人を集めて、トップ5をあげてもらい集計して上位5つを選ぶ。

答えはベストでは無いかもしれないが、かなりいいものであることは間違いなく、その分野で上達するための練習を始めることができる。

目的を目標に置き換える

「目的」という曖昧な概念を、管理、計測ができる「目標」に置き換える。

以前、あるチャンピオン教師の授業風景を撮影したことがある。

その教師の生徒は常に並外れた結果を出していた。

校長は教師たちに、授業内容を計画する時間と、目標を設定する時間の割合を書かせ、おのおの発表させた。

ある教師は、「授業内容に90%、目標に10%」と言った。

チャンピオン教師は、「授業内容に10%、目標設定に90%」と答えた。

優れた教師は、欲しい結果からまず考えるということを理解しているのだ。

得意分野を見つけて磨きをかける

ある数学教師は毎年目覚ましい結果を出していた。

とはいえ、数学に関する知識は一部不十分だし、そこそこ几帳面だが間が抜けていることもある。

しかし、彼がずば抜けているのは、生徒に活気を与える才能だった。

ここから導き出される結論の一つは、ずば抜けた力を持つ教師を育てたければ、弱みをいちいちあげつらうのをやめ、強みを最大限に引き出して、弱みを霞ませるほどすばらしいものに育て上げるのに集中したほうがいいということだ。

まとめ

この本では、最後の付録に授業のプロが教えるテクニックが載っています。

免除なし、いきなり指名など、ちょっと取り組んでみてもいいかな?と思う内容が紹介されていたので、これからじっくり読んでみようと思います。

しかし、教師は練習…しないんだよね〜。

昔、小室淑恵さんのプレゼン道場の本を読み、とにかく練習せよと書いてあったのを思い出しました。

授業が本番であり練習と言うか…。

まず、職場に練習する文化と、、、そして時間が必要、、その時間はどこから捻出すれば良いのか…。

何人かで練習会でも、ワークショップでもできたら変わるかもしれません。

話を聞くだけの研究会では、なかなか技術が身につくということはないでしょうし…。

また、「強みを伸ばす」というアドバイスに救われました。

それぞれ、教師といえども強みは異なるので、生徒をやる気にさせるためのアプローチが違ってもいいということ。

書かれると当たり前のように感じますが、周囲の優秀な先生方と比べてはため息をついている私にとって光が見えたような気がします。

なかなかのオススメ。

ではまた☆

[便利]教員向け手帳はどれにする?Amazonでも大好評「ティーチャーズログノート」をチラ見せ!

「そろそろ新年度から使う手帳が欲しいけど、おすすめはある?学校から支給される手帳ではなくちゃんとしたものを買いたい。」

「スクールプランニングノートとティーチャーズログノート、どっちがいいかしら?」

いよいよ新年度が近づいてきました。

この時期に新年度の手帳を手に入れないと、4月に入ってからでは在庫切れになってしまいます。

今回の記事では、ティーチャーズログノート(Teacher 's log note)の2017年度版を手に入れましたので中身を少しお見せしたいと思います。

謎に包まれた、ティーチャーズログノート

ここ3年間、スクールプランニングノートを使ってきました。

その中で気になっていたのがティーチャーズログノートの存在。アマゾンであなたへのおすすめと出てくるものの、アマゾンのページを開いても出版元のページを開いても作者のブログを見てもいったい中身がどうなっているのか確認が出来ません。

Amazonでのレビューは比較的良いものの、中身がわからないものに2,000円前後のお金を出すのをためらっていました。

しかし、今回思いきってスクールプランニングノートと比較するために購入してみることにしました。

ティーチャーズログノートの中身はこれだ!

ティーチャーズログノートが早速届いたので、撮影してみることにしました。

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写真などのコラージュで好きに表紙を作ることができます。

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どう使えばよいのか、丁寧な解説付きです。

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ティーチャーズログノートの中身のほとんどはスケジュール表と振り返りの記録帳でした。

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年間のカレンダーと月間のカレンダーです。

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一週間の1校時から6校時での記録がつけられるようになっています。

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左側は、授業で何をしたか記録がつけられます。

右側は自分がやるべきTODO や生徒の記録がつけられるようになっていました。

スクールプランニングノートと同じように別冊で面接ノートがついてます。

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これは生徒と個別に面談をした際などに記録をつけるのに大変便利です。

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スクールプランニングノートとの差別化、ネタ100連発!

アマゾンのレビューでも評価が高かったネタ100連発のページです。

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朝のホームルームなどのスピーチのテーマや、簡単なアイスブレイクに使えそうです。

他にも時候の挨拶や、小学校や中学校で習う漢字の一覧などの付録が付いています。

まとめ

今回の記事では、ティーチャーズログノートの内容についてご紹介しました。

結論としては、

  • スケジュール部分は、スクールプランニングノートとほとんど変わらない
  • 違いといえば、コラージュして貼れる表紙と、授業で使えるネタ100連

くらいだと思います。

また、スクールプランニングノートは小学校向けと中高向けに分かれています。

その辺りの細かい体裁が気になる方は、スクールプランニングノートをお勧めします。

3月も下旬になってくると在庫がなくなってしまいます。

直接出版社に問い合わせる必要が出てきますので、お早めに手に入れることをお勧めします!

4月からいいスタートが切れる、よい手帳に巡り会えますように♪

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ではまた☆

[書評]新年度を丁寧に!「よくわかる学級ファシリテーション①かかわりスキル編」

私の大好きな実践家、岩瀬直樹さんちょんせいこさんの共著です。

小学校の先生向けの学級経営本というカテゴリになるでしょうか?

学級ファシリテーションとは何ぞや?

本によると、

「幸せな子ども時代」を支える「信頼ベース」のクラスづくりをすること。

子ども達の心の体力を温めることにより、学び合いの小さな種をまくこと。
最初が特に肝心。子ども達が「僕たちって力がある」と実感できるシーンを生み出すことで、信頼の目が誕生します。

小さな種をまいて、日本中の学校を幸せにしていきましょう!

いいね~!

教員が、ファシリテーターとして子どもたちとかかわるときのスキル10か条が載っています。

  1. クラスはチーム。「1年後にはこうなりたい」ゴールを子ども達と共有します。
  2. クラスや学びのオーナーは子ども達。先生もその一員です。
  3. 主語は僕たち、私たち。「やらせる、させる」ではなく「一緒にやろう」
  4. 心の体力を温める。学び合うプロセスをはぐくむ。信頼ベースのクラスづくり。
  5. 温める言葉:冷やす言葉=4:1。コミュニケーションのバランスを心がけます。
  6. 好意的な関心の態度が基本スタンスです。それも「相手にとって」が重要です。
  7. 体験的な学びを大切にする。スモールステップでゴールを目指します。
  8. 承認と共感に支えられた自己選択、自己決定。質問の技で子どもに寄り添います。
  9. 失敗もする、感情にも流される。それを大切な糧にします。
  10. 一人でがんばり過ぎない。仕事を楽しむ。学び続けます。

それぞれに、やってみたいな~!と思う実践てんこ盛りです。

体験学習サイクルの振り返りは、ぜひ授業で取り組んでみたいです。

ちなみに①なのは、この本で扱われている期間が新学期からはじめの1週間のクラス目標の作成までで終わっているから。

それだけ、はじめの一週間が大事なんですね。新年度のチェックリストもあり。

続刊にて子どもホワイトミーティングや学級活動の進め方が紹介されるそうです。
楽しみ~。

信頼ベースの学級ファシリテーション、続巻はこちら

既に続巻が出ています!岩瀬先生はお仕事されながら続々と本を書かれていてすごいなぁ…。

②ホワイトボードミーティング編

小学生のうちに、100均やニトリで売っているようなホワイトボードを使って学級内の対立を解消したり、相手の気持ちを思いやりつつ自分の意見を言えるアサーティブな関係を教室に作っていきます。

生徒がばらばらになり、学級崩壊をしていくことを「ココロの体力が冷える」と比喩しています。

勤務校の高校生にもこんなスキルを身につけて欲しい!と思うのだけれど、小学生とは違う困難がありますね…。

③授業編

こちらは、授業でいかにファシリテーションを使っていくか、そのやり方が満載です。

いきなり授業でホワイトボードを使おうとすると子ども達もわけわからず挫折をしてしまい、その後に活用することが難しくなってしまいます。

そうならないために、簡単なペアワークから、大きなホワイトボードを立ち上げてチームごとにしりとりをしたりとさまざまな仕掛けを起こしていくことが必要になります。

学級ファシリテーションを学びたくなったら?

私も以前、東京で行われた信頼ベースの学級ファシリテーション講座に参加しました。

講座では、休むヒマもないほどみっちりグループでのホワイトボードミーティングの練習ができますよ。

2017年現在もちょんさんの講座が全国で行われていますのでチェックしてみてくださいね。

wbmf.info

まとめ

学級経営本は、アマゾンでもたくさんリコメンドされますよね…。

読みすぎて何を軸にしようか迷ったこともあります。

むしろ、いまでも自分の中のでっかい軸はないかも。

他人の意見に左右されやすい性格なんです。困ったもんだ。

ではまた。

[書評]教育への期待や幻想に冷静に突っ込む新書「教育幻想 クールティーチャー宣言」

読書メーターで他の本の感想を書いたときに、「この本を読んだ人はこんな本も読んでいます」に入っていて感想など読み即図書館へ。結局購入しました。

読んで付箋をつけていたら毎ページつけちゃいそうになって途中でやめました。。。

そのくらい、共感した本。

紹介を書いていると全ページ写すことになっちゃうかも?!と思いつつチャレンジしてみます。

教育への幻想に冷静に突っ込む

amazonの案内より。

学校の目的は「すばらしい人を作る」ことではなく、「社会に適応できる人」を育成すること。

自由も管理も理想も現実も、こと教育となると極端に考えがち。

問題を「分けて考えて」、より「マシな」解決の道筋を見つけよう。

学校の成り立ちから説明されてます。

もともと、農作業中心で自然の時間の中で生きてきた人を「産業的身体」に慣らすために作られたのが学校。

学校で当たり前と思われている「時間厳守」「忘れ物しない」「私語禁止」「気分が乗らないからと休むな」は、近代の産業社会の担い手として、国民に要求された身体性だった。

このようにして、もともと学校は高邁な理想を持って、人間の資質や個性を伸ばそうとしてうまれた場所ではない。

だからあまり肩肘張らずに、はじめから学校を理想化して思い描かないほうがいい。

バランスの良い学校イメージを保とうと言うのが主張。

学校って理想にあふれた場所である!って主張が多いので、この辺読んでてそうだよねーって思いました。

人間関係には、「ルール関係」「フィーリング関係」がある。

「僕たち仲間、一緒にがんばろう」とフィーリング関係でクラス運営をすることが多かったが、今やフィーリング関係に依存したクラス運営では上手くいかないのでは。

むしろルール関係を打ち立てていくことが必要なのでは?

ほんと、クラスを一つにって・・・難しいんだよね。。。

「人柄思考」に偏るな!「事柄思考」の視点を入れていけ!

「事柄志向」「人柄志向」というキーワードがある。

事柄は、相手の人格に影響されず、事実を見ていくこと。人柄は、事実より背景の文脈や人となりから判断すること。

心の教育は人柄志向。

いじめが起こったときに、いじめについて作文を書かせるのではなく、どうしたらこれ以上いじめが起こらないよう防ぐことが出来るのか手を打つほうが大事。

ほんと、まさにそうです。

書くことは、自分の本当の気持ちを書けるわけではない。

反省文で反省できるかって、微妙。。。

教員は、常に

「いま、自分は人柄志向で指導しているのか、事柄志向でしているのか、確認しておく必要がある」

大事なことです。

というか、やっぱり人柄志向の方に偏りがち。。。

教育のお題目の二項対立、どう考える?

上記のような、二項対立するような軸がいくつか出てきます。それが分かりやすい。

「共通基盤」「先生のプロデュース領域」

「友達関係」「上下関係」

「心の教育」「行いの教育」

「規律」「自由」

「社会総体を批判する」「現実社会での生き方を教える」

教育はどちらか極端に振れやすいので、もうちょっと間を行けないの?という主張。共感します。

ちなみに、私は特に高校時代、「自由」側に寄った学校生活を過ごしました。

最小限のルールで何とかなるような集団だったのだろうとは思うんだけど…。

もっと規律があったほうがよかったかな~子どもを入れるか?って言われたらビミョー。

(いや、今や県の進学なんとか校に選ばれて、もはや入れないんだけど)

「社会総体を批判する」も強かったかも。。

学校教育のせいかは今や不明。

ホットすぎずに、クールティーチャーのすすめ

そんなことを踏まえて、著者が提案しているのが「クールティーチャー」のススメ。

  1. 教育に対する情熱は人一倍持ち、しかし冷静に生徒や児童を見ていて、どんな子どもに対しても、最低限基本のサービスを提供できる先生。
  2. しかもさらに伸びそうな子には、個性を尊重しながらアドバイスが出来る先生。
  3. クラスを家族のようには考えない。つまりあまりにも共同体的志向を強くしすぎずに、子ども達の学力や状況について、客観的情報やデータに基づいた分析をきちんとできる先生。

優秀な先生は、出来てるんだろうなぁ~。

私もがんばろう。

まとめ

他、紹介できませんでしたが、魅力的な項目の数々。

  • 「座学」の大切さ
  • 「みんな仲良く」は実現不可能
  • 自由だけが常態化するとモラルは下がる
  • 先生は生徒の記憶に残らなくていい
  • 学校教育に「ビジネスマインド」を持ち込むのもほどほどに
  • 「おまえの人生なんだから、自分で決めろ」は無責任
  • 「働かなければ、生き続けることはできない」を教える

よかったらめくってみてください~。

ではまた☆

[書評]子どもが何を、いつ学ぶかを自分で決めるデモクラティックスクール「世界一素敵な学校」

以前、教育カフェという教育やファシリテーションに興味のある人達の集まりに参加していたことがあります。

「学校」「教員」の世界にとらわれない学びのあり方を考えている人たちが多く、大学を卒業してから教員という狭い世界にいる私にはとても刺激が多いです。

そんな教育カフェの仲間のおすすめ。

仲間は、この学校を見学して教育公務員を退職して自らサドベリースクールを作っています。

「世界一素敵な学校」サドベリースクールとは?

読んでみて・・・こんな学校に子どもを通わせられたら・・・と思ってしまった。

サドベリー・バレー・スクールとは、「デモクラティックスクール」といい、日本では本田健さんがお嬢さんを通わせるためにサドベリーバレーまで引っ越してしまい、東京でも学校が開校された模様。

>>東京サドベリースクール

  • どんな学校なのかというと、子どもが何を、いつ学ぶかを自分で決める。カリキュラム、時間割、評価が無い
  • 子ども達もスタッフも平等に1票持ち、全校集会により学校運営、スタッフの採用、規律、予算などを決める。(デモクラティックスクールと言われる所以)
  • 入学面接時に、「子どもを100%信用できるか」聞かれるらしい

子どもが必要に応じて学ぶことを決めるのは、

「必要になって学べば3年かけて学ぶことも2週間で学び終えてしまう」

こともあったりするらしく、本来人間は常に学んでおり、

「学びたくないのに学ばせられる」

ことによる弊害の方が大きいという考えらしい。

評価は、自分で自分のことは分かるので、周囲から評価についてとやかく言われるよりも自分に対してシビアに評価できるらしいです。

むしろ、「学校でいい評価をもらってきたいい子」の方が自分に評価の軸が無く、この学校では問題になってしまうらしい。

アメリカでの卒業後の追跡調査でも、周囲と不適応を起こしたりすること無く、自分のやりたいことを学び、社会でも活躍している人が多いそうです。

サドベリースクールとは言わないまでも、最近「逃げるは恥だが役に立つ」に出演していたアーティストの星野源さんも自由の森学園の出身ですね。

私の周囲でも、新たな教育を求めて「公立小学校教員→教職大学院の先生→軽井沢に小中学校を作る」計画を立てている先生方がいらっしゃいます。

子どもがさまざまな教育の形を選べるといいですね。(大阪で話題の小学校は除く)

まとめ

今の学校制度、これでいいのかな~と思っている人にはとても刺激的で良い書だと思います。

私の場合、今の自分の仕事に疑問が起こってしまうので、危険かな・・・。

関連本はこちら。日本のデモクラティックスクールについて理解が深まりました。

いやー、生徒と対話しながら学校を作るのも一苦労ですね…。

雇用を確保しながら、家族を持ち子育てしながら、は難しそうだ。

北欧も行ってみたいし、サドベリースクールも見てみたいな。

ではまた☆

[書評]「居場所がない」「疲れた」と訴える子どもたち「日本の子どもの自尊感情はなぜ低いのか」

職場で、よく子どもの自尊感情や、自己肯定感についての話題がよく出ます。

先生達の悩みは、「入った高校に誇りが持てない」ということ。

学力的に下のほうの公立を受けて落ちてくる生徒。

こんなバカ学校・・・日々耳にする言葉です。私たち教員の自尊感情も低くなりそう。

今後のカリキュラムなどを考える上でも、自尊感情はキーワードになってくるのかな・・・でも、そもそも学校で自尊感情を高めることはできるのか?

自尊感情を測定することは難しいのでは?

という疑問を持っていたところ、その答えになるような本にめぐり合いました。

自尊感情」について理解が深まる本だと思いましたので、内容の一部を紹介します。

なるほど!メモ

自尊感情は、低くても高くても良くない

自尊感情とはなにか。自分の「肯定的な面」「否定的な面」を理解した上での「自分」を自分自身で考えるということ。

海外の研究では、低学力、少年犯罪、薬物依存、自殺などと自尊心の間に相関関係があることが指摘されている。

自尊感情に影響を与える要因としては、社会的階層、人種、宗教などよりも、両親との関係が大きい。

両親から関心を向けられ、良好なかかわりを持つことがそれを高めると一般的には報告されている。

特に幼児期との母親との関係が大きく影響を与えると言われている。

自尊心は高すぎても低すぎても良くない。

高すぎる場合、自信をずっと持ち続け、悪いことは他人のせいにし、自分の正しさを曲げない状態が続き、周囲が振り回されてしまう。

なんと!日本の子ども達の自尊感情は低い

ドイツで開発された調査を日本の同年齢の生徒に実施したところ、日本はどんな階層(経済的、学力的)の生徒も国際的な平均から低いことがわかった。

QOL(quality of life)調査として実施した。

項目:

小学校から、中学校、高校に向け、自尊感情がどんどん低くなる。

思春期に下がることはよくあるが、このテストは高校1年生の年齢対応。高校2,3年では実施していないので自尊感情が低いまま社会に出てしまっている可能性がある。

自尊感情が保てないまま、自分に自信を持てないまま親となり、子どもを育てることは容易なことではない。

自尊感情が高いオランダの教育と比較すると、オランダは個別教育を実施している。

日本の一斉授業は授業の進度が遅れがちな生徒にとって、取り残され感が強く、自尊感情を下げに学校に行っているようなものになっている。

親子で実施すると、親の方が子どもの自尊感情を高く見積もってしまっていることがほとんど。子どもの自尊感情を親でも把握することが難しい。

学校において、このような調査でスクリーニングをする事で、うつ傾向、自殺願望、発達障害、いじめの有無、虐待など、重要な問題の早期発見をする事ができる。

スクールカウンセラー養護教諭の面接、医療機関、心理相談、児童相談所や警察などにつなげていくことができる。

実際にあった例:家族の調査点が0点の中学生の生徒→生徒への面接により小さい頃からの虐待が発覚→児童相談所に虐待の通告

まとめ

子どもの頃から、1つのものさしだけで同年齢のお友達と比較されて育ち、自分が優れているところはないと思いながら育ってしまう子ども達が日本には多そうです。

読んでみて、「うちの高校でもこの調査して欲しい!!!」と即連絡取りたくなったくらいでした。

勤務先でもスクールカウンセラーや各種関係機関と連絡を取っているのですが、基本的に事件が起こった後になり、どうしても後手にまわってしまうので・・・。

だいぶ前の本になりますが、まだ家に取ってあるくらい良い本なのでぜひ読んでみてくださいね。

ではまた☆

[書評]やりたいこと至上主義のワナ!ちくまプリマー新書「キャリア教育のウソ」

キャリアデザイン学部の先生が、キャリア教育のワナについて書かれた本。

なるほど!メモ

30代後半の4人のモデル

著者が大学で教え始めて今も連絡を取っている卒業生の状況。

2人はストレートに就職したが、起業して失敗、ブラック企業に勤めて体調を崩す。

結婚して離婚している人も。

2人は卒業後もフリーター状態だったのが、小学校でのボランティアをきっかけに小学校教諭の免許を取って教員になったり、在学中からIT関係の仕事を個人で請け負っていて、そのまま何人かで起業してなんとかなっている。

大学を卒業してそのまま正社員になり、一生その会社に勤められるような時代ではない。

卒業して就職しなくても何とかなっている生徒も多い。

確かに、周囲を見回して見てもストレーターが少ないです!

先生も講師経験が何年かある人も多いし、私も転職1回。

むしろ、生徒には一生同じ会社に務めることはあまりないことを教えておいた方がいいかも。

ストレーターを増やすのがキャリア教育?!

よく、就職ガイダンスで出てくるのが

「フリーターと正社員の生涯賃金一覧」

この生涯賃金を札束の模型で表している大学もあるとか。

しかし、フリーターは避ければ、努力すれば正社員になれるものではなく、構造的に生み出される仕組みになってしまっている。

こんなに今は予測不可能な世界であるのに、はたして正社員に向けた準備は可能なのだろうか?

私が教えている子どもたちも構造的にフリーターになることが大変多いのでホントよくわかる。

それでも正社員になってほしいと賃金一覧をだして…それでも善意のつもなのだけれど。

キャリアを日本語に訳すと?

学生と考える授業をしているが、なぜかしっくりこない。

なぜかというと、日本は標準的なモデルが存在したのでそもそもキャリアを考える必要がなかった。

いま、変化の激しい時代をどう乗り越えて行くのか必要性が出てきてはいるが、「職業や仕事への適応」だけがクローズアップされてしまっている感が否めない。

やりたいこと重視でいいの?

繰り返し聞かれる「将来何になりたいか?」

おかげで、高校生のなりたいものランキングは公務員以外教員、看護師などの専門職で溢れかえっている。

しかし、ほとんどの子どもたちはそういった職業につけないし、そもそも「仕事が明確」な仕事につくことが日本では稀。ジョブ型ではないので。

それなのに「やりたいこと」が求められるのは無理があるのではないか?

夢を追うことを中心としたキャリア教育をすすめた課題集中校では、3年生になり就職口が夢と合わず学校斡旋ルートに乗らない生徒も出てきてしまった。

あまりにやりたいことに偏りすぎず、「自分が働いて行く上でどんな価値観を大切にしたいのか?」人を支援したい、コツコツと物事を地道にやりたいなど軸がしっかりしていればOKではないか。

軸を持っていれば、特定の仕事につけなくても困ることにはならない。

就職実績をめぐる学校間競争

高校、大学では正社員モデルへの信仰が厚い。

高校、大学は、そうした信仰を利用し、少子化の中での生き残りをかけて、就職実績をめぐる学校間競争に奔走している。

正社員になるためにどうするかというセミナーはあるが、非正規雇用になったらどうすればいいのかと教示してくれるようなセミナーはない。

むしろ、現実に即した非正規雇用のためのキャリア支援を充実させたところで生徒確保の好材料になることはなく、むしろマイナスの効果になるだけである。

確かに保護者も、進路の円グラフを見て、フリーターが少ない学校を選ぶよね。。。

そこで、労働に関する知識を学んで非正規雇用になっても大丈夫…とはとても言えないけれど、構造的に非正規雇用になる仕組み。

人は誰しも一生に1度は非正規雇用になる時代と思う方が良さそう。

総合的にライフキャリアについて考えられる家庭科の出番かも!

高校の家庭総合学習指導要領には、「生涯の生活設計」という内容があり、家庭生活や職業生活のあり方について考えさせる項目がある。

キャリア教育というと、社会や総合が思い浮かぶが、過程かも非常に有益な教科であると考えられる。

ただ、そもそも人生の設計なんて時代的にもできるのか?

アメリカの大学の研究員によると、

「今年、小学校に入学した子どもの65%は、大学の卒業時、今は存在していない職業に就くことになるだろう」

と予測されています。

ただし、多くの学校ではキャリアプランを作る時間がない。

家庭科の授業の時間減らされてますんで…。

調理実習やるだけで1学期終わっちゃいますよ…。

教師の善意が生徒を傷つけてしまう分野なのかもしれないなぁ。

キャリアについては一生考え続けるものと捉え、困った時にどう調べたり助けを求めたらいいのかを扱う方が現実的でいいかもしれない。

キャリア教育の今と問題点が分かる、オススメの良本です♪

ではまた☆

[書評]これからの教育を展望する!すべての子どもに生きる力を。「教育の力」

尊敬している先生方が読んでいるのを知り、手に入れてみました。

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若い教育学者が、教育について考えた本。

Amazonの紹介より。

「平等か競争か」「ゆとりか教え込みか」「教育は子どものためか社会のためか」…

教育界に渦巻く不毛な対立を乗り越え、みんなのための、より「よい」教育のあり方を提示する。

すべての子どもに“生きる力”を。

 

すでに何冊か哲学的な本を書かれていますし、最近では軽井沢に新しい学校を作るとのことで代表に名を連ねていらっしゃいます。

ここ数年、私もチェックしている『学び合い』や、学びの共同体についても触れられていました。

なるほど!メモ

教育の目的

公教育は、全ての子どもが自由な存在たりうるよう、そのために必要な力を育むことで、各人の「自由」を実質的に保障するものである。

自由に生きるためには、他者の自由もまた認めることができなければならない。

公教育が発明される前の身分社会においては、人びとは時として、身分が違えば相手を同じ人間だと思うことさえなかった。

もう一つのキーワードは、「一般福祉」。

できる子により教育投資をすることで、できない子たちもそのおこぼれにあずかってそれなりの生活を送れるようにという改革は、一般福祉の概念がほとんど見られないと言わざるを得ない。

早い段階から教育の質の機会に差をつけてしまう政策は、まさに一部の子どもたちだけの自由を促進し、他の子どもたちの自由を侵害する政策になってしまっている。

教育は何のためにあるのか…つい、役に立つとか選択肢を広げるとか俗っぽい考え方した出来なかったりしますが、自由、一般福祉。なるほどスッキリしました。

学力とは何か

学力とは、時代によっても求められる力が違ってくる。

現代の公教育が保障すべき学力は、「学ぶ力」のことである。

現代社会は、私たちに「学び続ける」ことを強要する社会であり、そこから「降りる」ことを許容しない、ある意味では極めて息苦しい社会である。

そうなんですよね…。

勉強が苦手だから、頭を使わない仕事に就きたいという希望も生徒から耳にしますが、そもそも頭を使わなくていい仕事自体が存在しないというか…。

昔の人が頭使わなかったワケじゃ無いだろうけど。

学びのキーワード

学ぶ力を育むためのキーワードは、

  1. 「学びの個別化」
  2. 「学びの協同化」
  3. 「学びのプロジェクト化」

である。

子どもの興味感心はそれぞれ異なるし、学ぶスピードも、自分にあった学び方も、本当は人それぞれ違っているはず。

一律にやらされる勉強は、子どもたちの学習意欲を削いでしまう大きな要因になる。

「学び合い」は教師一人の授業力に頼りすぎるのではなく、多様な子どもたちの力を持ち寄ることで、是認の実りある学びを達成することを目指す授業のあり方である。

よく、競争が学力の向上策として取りざたされるが、実は教育学や心理学などの様々な調査研究において、その通念はは多くの場合かなり間違っている。競争より、協同の方が高い生産性を産む。

『学び合い』は、8年ほど前に出会って「これだ!」

と飛びついたものの、中途半端な実践で終わってしまってます。。。

学校空間の再構築

学校といえば、学級をイメージする。

しかし、この学級を舞台に様々な問題が噴出している。

学級という仕組み自体が、時代にそぐわなくなってしまっている。

「学級は一つの共同体であるべき」という規範や、仲間作りの文化などが重視された。

このような共同体においては、クラスに馴染めないこと、場の空気を読めないこと、集団としての規律を乱すことなどが単純に悪と見なされやすくなってしまう傾向がある。

より、「人間関係の流動性」を保障する仕掛けが必要になる。

学級って、息苦しいよね…。

空気を読めない者が悪い、になっちゃうんだもんね。

教師の資質

教師の専門性とは、「これからの教師はこのような資質が絶対に必要である」などと強固に主張するのは非現実的。

学校には多様な先生がいていい。

省察的実践家であるために、子どもたちの学びを支え導く教師自身が、常に「学び続ける」ことが求められている。

教師が信頼するのは生徒の成長であり、今の自分の期待が裏切られるのは当たり前のこと。

多様な先生がいてもいい、というくだり、励まされました。

生徒の見本になるくらいでいいのかもしれませんね。

ディベートのすすめ

  • 対立する意見の底にある、欲望、関心を自覚的にさかのぼり明らかにする
  • 互いに納得できる「共通関心」を見出す
  • この「共通関心」を満たしうる、建設的な第三のアイデアを考え合う。

私たちのこれからの世代には、絶対的な正解のない、極めて複雑な問題が山積している。

あちらかこちらかで争うのでも、正しいことなんてなにもないで済ませるのでもなく、どうすれば相互に共通理解を得られる考えを出しあっていけるか考えることがこれからの教育が育むべき教養と言えるのではないか。

まとめ

教育は皆が経験することであり、専門家だけでなく多くの人が意見を持っている分野なだけに、振り子のような振れ幅の大きい教育政策に現場も振り回されて大変…だったりします。

建設的な第三のアイデアを出し合えるような教育に賛成です。

沢山の人に読まれますように。

ではまた☆

[書評]授業中に生徒の積極的な活動、協同、教育を促す!「アクティブラーニング入門」

Amazonから、「あなたへのオススメ」に表示された本。

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しかし、評価が一つもないのが気になる。本を購入するのに、失敗するリスクをおかしたくない人です(本くらいでそんな…!)。

数打ちゃあたる、なんでしょうけど。しかも、教育書は図書館にないのよおぉぉぉー!!

結局、Facebookつながりの先生がオススメしていたのでがっつりポチしちゃいました。

最近、仕事にも本当にFacebook役立ってますよ。

著者は、元埼玉の県立高校の物理の先生。

定年の6年前からアクティブラーニングを始めたということです。なんてアグレッシブなんでしょう!

もう40歳だしとか思った人が負けですね。

再任用は不自由とのことで、河合塾の研究員を経て現在は産能大の教授をされています。

アクティブラーニングを始めた頃は、まだ知られていない授業の手法でした。

現在文科省がアクティブラーニングを文言に使っているので、今では講演に、体験授業にと、引っ張りだこだそうです。

なるほど!メモ

アクティブラーニング型授業の概要

小林先生のアクティブラーニングの実践を一例として紹介しています。

勤務校は65分授業のため、

  • 学習内容の説明 15分
  • 問題演習 35分
  • 確認テスト、総合採点と振り返り(リフレクション・カードの記入) 15分

の流れを一年間続ける。

講義はパワーポイントのみ。内容をプリントにして配布、板書ゼロに。

「今まで、板書を写すので精一杯で授業の内容を聞けなかった時があったので助かります」という生徒のフィードバックがあった。

リモコンで机の間を回りながら次の画面へ進めます。

演習では、生徒同士で協力しながら問題の理解を目指します。

アクティブラーニング型授業は、キャリア教育の機能も持つ

多くの場合、キャリア教育は、「総合的な学習の時間」や、LHRや学校行事で行われています。

キャリア教育では、「積極的な活動、協同、教育」を求めているのに、教科科目の授業では「動くな・しゃべるな・手伝うな」と矛盾したメッセージを伝えがちという側面もアクティブラーニングでは解消できます。

更に「キャリア教育」など「○○教育」を教科の授業外で行うと、担当教師の負担は更に増大し、その増大した労力分を授業準備から割くことにより授業の質が低下するという矛盾もありそうです。

態度目標と内容目標の設定

授業のはじめに態度目標と内容目標を示し、このような態度で授業に望むように生徒に伝える。

態度目標は、「しゃべる・質問する・説明する・動く・チームで協力する・チームに貢献する」

このうち動く、は教室内を立ち歩いて質問したり、説明したりすることを意味しています。

黙っている、じっとしているは悪い授業態度だからね、と説明するそうです。

内容目標は「教える内容」を提示していますが、「態度目標」が示しているのは、「学び方」の目標です。

前者は教師の目標で後者は生徒の目標です。「態度目標=学び方の目標」を提示した効果は絶大だったそうです。

説明で気をつけていること

評価しないで生徒の発言を促進する。

すぐ教師が評価せず、「A君はこう言ってるけど、B君はどう思う?」など。聞いていない生徒、おしゃべりは注意しない。

注意の大きな声を出せば安全安心の場は損なわれ、生徒の学習意欲は低下する。

質問で介入する。「なにか気になることがありますか?」「このまま私の説明を続けてもいいですか?」

選択させる。 それでも雑談が続く時。1年に1度は次の介入をしました。

「やめられない話があるようですね。授業後に話すことにして、今は授業に集中できますか?授業どころでないなら、相談室に行くか、廊下に出て話してきても良いですよ。」

効果的だが、学校のグランドルールの兼ね合いや生徒の状況、生徒と担当教師との関係性などによって使い方は変動するでしょう。

これらの授業方法により、教科書は年度途中で終了し、生徒の成績は上がり、物理の授業選択者を増やし、放課後も有志による勉強会が発足したとのことです。

演習問題は、教科書会社が出している問題データをそのまま利用していたそうです。

まとめ

「このスタイルは、生徒から常にフィードバックしてもらい作り上げた」とありました。

「生徒の居眠りをなんとかしたい。」居眠りという言葉が本に何度も出てきました。先生自身、授業にかなり悩みがあったのだろうということがよく分かりました。

しかも、多くの生徒が苦手とする物理!ご苦労が偲ばれます。

この方法なら、いまの授業を全て変えなくても取り入れられるような気がしてきました。

講義と演習の時間の割合を変えれば生徒が頭を使う時間が増えますね。

最後に、「実践者に必要な態度は、“一般解を求めない”こと。私たちに必要なのは、『目の前の生徒たちを大切にして』、彼らに役立つ授業を創り出し、実践すること。その導きの糸は『生徒たちの声』です。」と結ばれていました。

研修では、今までこのような形で授業を受けたことのない先生のために模擬授業を行っているとのこと。

「仕事場にも是非呼びたい!」と声をあげてみました。

しかし、今のところ諸々の理由によりアクティブラーニング関係は情報の周知はしても研修はしない予定だと研修担当の先生より。

まずは形から入る、でも放課後生徒が残って自主勉強を始めたり、自分で答えを見つける喜びがあるならいいんじゃないか?と思うんですけどねぇ〜。

「生徒が授業の主役になるならどんなアプローチでもいいんじゃないか」というのはダメなのかしらん。

ではまた☆