[セミナー]学校マネジメントの超絶おすすめ本「変わる学校、変わらない学校」セミナー参加記録
「チーム学校を実現させるには、何から手をつければいいの?」
「学校マネジメントでいい本はない?」
昨年末に読み、
「これは参考になる!多くの学校関係に読んでほしい」
と、職場で勧めまくったのが、「変わる学校、変わらない学校」。
うまくいく学校がどのようなマネジメントをしているか、豊富な実例と理論を紹介してくれる良本です。
読書メーターに載せた感想はこちら。
「変われる学校」と、そうでない学校にはどんな違いがあるか?
具体性のある明確な目標設定や、これまでの取り組みの立案はできているか?学校のウェブページを見てみると、「元気な子を育てる」「やさしい子を育てる」など具体性に欠ける目標が多い。
また、校長は管理とマネジメントの違いもわかっていないとのこと。
年度末の振り返りはしても次につながってないこともある。
失敗例のあるあるが多すぎて首がもげるかと思った。
この本のFBページもあるし、今月は読書会があったみたいだけど読む前で参加できず残念!勤務先で呼べないだろうか…。
話題の本「変わる学校、変わらない学校」とは?
野村総合研究所にて学校マネジメントをされていた妹尾 昌俊さんの著作です。
多くの学校をコンサルティングする中で、うまく変われた学校にはどのような特徴があるのか具体例を挙げて説明してくれています。
教員だけでなく、ぜひ管理職や学校事務に携わる方にも読んでいただきたい本です。
「マネジメント」を勘違いしてないか?
この本で1番なるほどと思ったのは、学校の管理職が捉えているマネジメントのあり方。
マネジメントといえば職員を管理することだと捉えがち。
しかし、杉並区立和田中学校で民間人の校長を務めた藤原和博さんによると、
「マネジメントはガチガチの管理ではなくもっとより創造的な行為」
であるとのこと。
限られた教員数や予算の中、外部の力を上手に借りて生徒のためにできることはないか考えいてきます。
藤原先生のマネジメントにより、部活を外部委託にしたり、勉強が遅れている生徒のために地域の方を迎えたりして学校が変わっていったようです。
変わった学校の実例が豊富!
私の勤務校は進路多様校なので、同じく進路多様校である都立秋留台高校の例が参考になりました。
退学者数を減らすために数値目標を設定したり、身だしなみなどのルールを生徒に守ってもらうことで大幅に退学者を減らすことができました。
そういった成功例があると、苦労している学校にとっても大変参考になりますね。
変わる学校変わらない学校セミナーへ!
この本があまりにも良すぎて、著者のお話を直接聴きたくなりました。
たまたま、妹尾さん主宰のセミナーの案内を発見!
1月初旬にお茶の水女子大附属中学校で行われたセミナーに参加してきました。
変われた学校は、外部と繋がっている!
例えば、映画「みんなの学校」では、訪問して気づいたのが教室に大人が多いこと。
空いてる先生や地域の方、保護者の方が入ることがあります。
授業はいつでも地域に向けて開かれています。
都立武蔵村山高校とNPO法人育て上げネットとの連携では、進路相談の補助や自習室のチューターとしてキャリアコンサルタントや大学生による支援を行った。
進路相談BOX や回答コーナーを設置して生徒の不安に対する回答をわかりやすいように掲示した。
外部との連携が必要な理由として、
- 教員数の数は今後減っていくこと
- 教員の多忙化が叫ばれて久しいこと
- 教員が何でも抱え込むのではなくカウンセラーのような専門家に子供の発達支援を任せる方がうまくいく可能性があること
があげられます。
全ての業務を教員がこなすことには無理があります。
また、キャリア教育で保護者の仕事の話を聞いたりすることで、より社会とのつながりを実感でき、創造的な教育内容を作り出すことができます。
教員間のコミュニケーションが大事!
最近は教員間のちょっとしたコミュニケーションをとろうと思っても、多忙化により難しくなっているようです。
「相手を信頼して任せている」
と言ったら聞こえがいいですが、相手を知ろうとすることを怠ったりしている可能性もあるのではないでしょうか。
以上のようなお話を中心に伺いました。
東京のみならず、全国各地から妹尾さんの話を聞きに集まっていることと、事務職の方の参加が多いことにビックリしました。
まとめ
妹尾さんは、はてなブログでも2つのブログを運営されています。
「変わる学校、変わらない学校」を中心としたアイデアノートと、書評ブログです。
こちらも要チェックですね!!
現在フリーだそうで、ぜひ学校の研修で呼んでみたいと思っています。
春の研修には間に合わなかったので、夏の研修に来ていただけたらいいな~。
妹尾さんのお話、学校づくりの参考になると思いますよ!
ではまた☆
[セミナー]超絶オススメ本「まんがで知る教師の学び」著者、前田先生トークショー参加記録
最近「教師教育学」という学問が脚光を浴びています。
団塊の世代の大量退職によって若手の教員の割合が近年増えています。
自分も仕事をしながら、若手の育成をどのようにしていけば良いのか?
同僚と共に、学びながら成長できる職場にするために自分ができることは何か?
それらのヒントとなる漫画が昨年の春に発売されました。
「まんがで知る教師の学び」とは?
前田先生は熊本の小学生の教頭先生で、自分の時間を全てこの漫画の執筆に費やされました。
この作品には若い先生のみならず、20代から50代までの先生が登場します。
それぞれ授業や学級経営、生き方などの悩みを抱えています。
それらの悩みに対して問いを立てていくのが、臨時で採用された53歳の吉良良介先生です。
昨年読んだ教育書NO 1と言っても過言ではありませんでした。
そんな漫画の続編がこの3月に発売されました。
発売を記念して、東京のジュンク堂書店でトークショーが行われることが決まりました。
今回の記事では、トークショーで印象に残ったことを中心にを紹介していきます。
トークショーで印象に残ったこと
今回、先生はパワーポイントではなく手作りのスケッチブックを使い、いくつかのトピックについて説明してくださいました。
主体的に、対話的に学ぶということ
先生がまず示されたのが、小学生が1人で本を読んでいるイラストです。
「このイラストの児童は主体的に対話的に学んでいると思いますか?」
という問いを投げかけられました。
私もよく本を読むのでわかるのですがこう読むのは主体的な行為ですし、作者と対話しながら読み進めることもよくあることです。
周囲の生徒と共に学ぶことが主体的で対話的な学びというわけではなさそうです。
むしろ本人が学んだと思ってないと意味がありません。
「子どもがアクティブラーナーとして取り組んでいるか?」
教員は頭で考えたストーリー通りに、都合よく進んでいるところばかり切り取り、他をカットしてしまう癖があります。
気をつけたいものです。
生徒にどのような学びが起きているのか教員は良く観察する必要があります。
学びが成立しているか、ポイントは大きく分けて三つ
- レベルが易しすぎたり難しすぎたりしていないか…易しすぎると早く終わってしまい難しすぎると取り組めなくなってしまいます。情報が足りないことで活性化されることもあります。
- 学ぶということがわかってるか…学ぶということは気づいて変わることだと考えます。
- 評価について理解しているか…評価しないと単なる話し合いで終わってしまいます。
この文章はどこから?
また次に先生が写真のような文章を提示されました。
一人一人の生徒が自分のよさや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値のある存在として尊重し、多様な人々と協働しながらさまざまな社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の創り手となる。
この文言はどこからの引用かわかりますか?
そう、新しい学習指導要領からです。
現場の教員も共感できる内容だと思いますがいかがでしょうか。
強みを活かすということは…
このトークショーの中でいいなと思う質問がありました。
「強みを生かせといいますが、学校の中で衝突したりすることがあるので困っている」
という問いに対して、
「強み生かすということは、好き勝手をしていいということではない。強みを生かして、周囲の人に貢献できることが大切だ。そこを勘違いしてしまうとただのわがままで終わってしまうのではないか」
なるほど、その通りだと思いました。
「強みを活かす」という事を、「自分のやりたいことを通す」ということに勘違いしないようにしたいものですね。
先生おすすめのビジネス書
前田先生の教師の学びマンガには、必ず先生お勧めのビジネス書が掲載されています。
漫画で知る教師の学び1では、先生が紹介した8冊のうち6冊をすでに読んでいました。
今回も何冊か、ビジネス書が紹介されています。
素晴らしいのと思うのは、それらの本をしっかりと血肉にされていること。
以前読んだものの実践せずに手放してしまったものもいくつかありました。
これを機にお勧めの本を読み直してみたいと思います。
まとめ
トークショーの後は、一足お先に先生のサイン本をゲット!
まんがで、教育の最新理論が分かるので本当に重宝しています。
今回、家族に無理を言って池袋まで出かけた甲斐がありました。
- 先生がどのような考えでこのマンガを書いたのか?
- また、主人公がリーダーシップではなくマネジメントの手法を取ってるのはなぜなのか?
といったことを聞くことができ、大変満足しています。
前田先生のように、アクティブラーナーでい続けるためにこのブログを立ち上げたと言っても過言ではありません。
私も自分の強みを生かして職場をはじめ周囲の人々に貢献できたらいいなと考えています。
「まんがで知る教師の学び」シリーズのご紹介はこちら!
ではまた☆
[便利]4月を制するものは1年を制す!書き込み式で安心「ホームルーム経営計画ノート」
「去年までの反省を生かして新しいクラスでも頑張りたい」
「学級経営本を読んでも、どこから手つけていいのかわからない」
そんな若手の先生方に朗報です!
3月末からぜひ取り組んでほしい書き込み式の計画ノートがあります。
その名も、「ホームルーム経営計画ノート」!
今までもAmazonのおすすめで気になっていたのですが、やっと手に入れることができました。
ホームルーム経営が必要な高等学校ばかりではないと思いますが…4月にクラス開きをする前にぜひ手に入れておきたい1冊です。
学級経営の困った!に寄り添う!
このホームルーム経営計画ノートは、スクールプランニングノート製作委員会と高校ホームルーム経営研究会が編集した冊子です。
1年間をプランニングして見通しを持った方もホームルーム経営ができます。
このノートを使うことで、いつの間にかPDCA サイクルが身につくよう構成されています。
このノートは、
- グランドプラン編
- スタートアップ編
- イベントプラン編
- バランスチェック編
の4つの章に分かれています。
新年度が始まる前から考えよう!
まず、新しいクラスの担任に決まったらクラスの土台作りです。
学級目標を作ること、ホームルームの組織作りも、
「なぜそうするのか」
という教師の哲学がなければ生徒に受けられません。
そのあたりを洗い出していく作業ができます。
教員が目指すホームルームの姿を明確にしていきます。
席替えや班替えも行き当たりばったりのくじ引きではうまくいきません。
ホームルームでの目標実現させていくために、どのような席であれば生徒の実力が発揮できるのか考えていきたいですね。
掃除の指導についても、
- どうすれば効率よく公平な役割分担でできるのか
- どこを掃除すれば短時間できれいに見えるのか
ということを考えてみましょう。
ショートホームルームも、朝と夕方の5分の遅れだったとしても年間では授業40時間分もあります。
毎日、必ず行うアクティビティを決めてみてもいいかもしれません。
行事への取り組みも、このページを参考にまとめれば一安心。
入学式や始業式の計画では担任が大事にしていることや自己紹介など簡潔に話せるよう、まとめておきましょう。
このページをコピーして配れば、生徒同士の自己紹介も完璧!
毎週の計画を振り返るチェックシートもついています。
1学期が終わってから、
「生徒と会話できなかった」
「掃除が行き届かなかった」
ということを後悔しないように、毎週振り返ると良いでしょう。
4月から教員が取り組むべき仕事リストも充実しています。
まとめ
このホームルーム計画ノートは、年度途中に手に入れてもあまり意味がありません。
このノートに書くべき内容の半分は4月に行うべき業務内容です。
高校の先生であれば、こちらの学級経営本も大変におすすめです。
4月を制するものは1年を制すと言っても過言ではないと思います。
この時期にぜひ、手にとってみてくださいね!
ではまた☆
[便利]職員室で大活躍!スクールプランニングノートをオススメする3つの理由
「教員向けの手帳、種類が多くて迷っちゃう」
「とりあえず選ぶとすれば、どれがおすすめ?」
私はここ3年間、学事出版のスクールプランニングノートを使ってきました。
来年度もスクールプランニングノートを使用する予定です。
「手帳を制するするものは、仕事を制する」
と言っては大げさかもしれませんが、
- いつ何があったのか、最低限の記録をとり続けること
- 振り返る事
は教員の成長に欠かせない要素だと思っています。
それらの希望を叶えるのがこのスクールプランニングノートです。
すでに作るプランニングノート2017年度版を手に入れました!
私がこのノートをお勧めする理由と今年度の画像をご紹介したいと思います。
職員室で大活躍!スクールプランニングノートをオススメする3つの理由
私がここ3年間、スクールプランニングノートを使ってるのには以下の三つの理由があります。
教員のニーズに徹底的にこたえます!
このスクールプランニングノートを企画しているのは現場の先生方です。
先生方の、「こんな項目があったらいいな」「こんなページ構成だったらいいな」という要望を全て叶えています。
使い始めた年から今までのノートを見てみると、授業時間数を記入する項目が増えたりして毎年少しずつ改善が行われています。
皆さんも使ってみて、「ここが惜しい!」という項目があれば出版社に直接要望を申し入れても良いかもしれません。
週間計画表が使いやすい!
スクールプランニングノートで私が一番使っているページは週間計画表です。
週間計画表で授業がどこまで進んだのか、クラスごとに把握することができます。
また、一行でもいいので計画表に、
- 授業で困ったこと
- うまく行ったこと
- 改善したいこと
など、振り返りを書いておくと後から見返した時にどんなことで悩んだのか一目瞭然です。
また、右側のページには生徒の褒めたい行動や気になったこと、連絡事項など3項目それぞれ記録ができるようになっています。
ここに、
- 生徒や保護者から頼まれたこと
- 相談を受けたこと
- やるべきこと
などを記入しておくと、後日「いつだったっけ?」と慌てる事がなくなります。
私はこのページに、その日のtodo を書いた付箋を貼り付けています。
↓プロジェクト式になっている月間の計画表
↓見開き2ページになっている月間カレンダー
↓時候の挨拶、慣用句など
↓入学、卒業早見表が地味に便利
面談記録もお手のもの!
このスクールプランニングノートには、別冊で記録ノートが1冊ついています。
私は、このノートを生徒と面談した時の内容を記入しています。
すべてこの記録ノートに記しておけば、どんなことを話したのか確認することができます。
なるべく生徒の問題行動等で面談記録が埋まることは避けたいところ。
報告するときにも詳細が記録してあればデータでまとめることも可能です。
まとめ
教員向けの手帳は、職場でも指導週案などが配られると思います。
無料の冊子で問題なく使える場合は良いのですが、教員向けにより使いやすくカスタマイズされた手帳も最近は多く市販されているのでチェックしてみてください。
「これ1冊持って教室に向かえば大丈夫!」
という手帳が1冊あると安心感が違いますよ。
スクールプランニングノートは、小学生版と中学高校版が販売されています。
中学高校版は土曜日や日曜日にも授業や部活がある先生向けのレイアウトになっています。
4月に入ってしまうと品切れが起きて、出版社に直接問い合わせをしなければならなくなる可能性もあります。
ではまた☆
[書評]アメリカの”チャンピオン教師”が心がけていること満載!「成功する練習の法則」
勝間さんのサポートメールの課題図書。
いつも、為になる本をありがとうございます。
さて、この本は日経が出しているのでビジネス書かと思いきや、アメリカで出版された「チャンピオン教師(未邦訳)」をベースにした、「成功する練習とはどういうものか」解説している本でした。
漠然と練習しているのでは身につかない。
ああ、耳が痛いです。
そのためのルールが42ほど列挙されています。
図書館本でしたがポチしました。
なるほど!メモ
教師の練習を目的としたワークショップは、異例
教師は1日に4、5回ライブパフォーマンスを行うが、そのための準備を練習とは呼ばず、専門能力開発と呼ぶ。
毎日の授業でやることをどれ位練習しますか?と尋ねたら、大半は不思議そうにこちらを見つめ返すだろう。
無意識にできるようになるまで徹底する
教師が、生徒に指示を出す練習をした。
「指示があまり明確でない」
と指摘されたので、書き出した指示を教室でやるように声に出して練習した。
そのスキルを無意識にできるようになるまで行うことで、その教師は自分でも気がつかないうちに使えるようになっていた。
また、単純な内容を反復練習するうちに、再びバリエーションが出てきた。
無意識になると、参加者の意識を創造的な方向に解き放つことができる。
上達に必要な20%をどうやって見つけるか?
明確なデータが手に入らない時は「集団の知恵」を利用するのも一案。
例えば、サキソフォンの初心者にとって最も重要な5つの練習がわからない場合、比較的知識が豊富な人を集めて、トップ5をあげてもらい集計して上位5つを選ぶ。
答えはベストでは無いかもしれないが、かなりいいものであることは間違いなく、その分野で上達するための練習を始めることができる。
目的を目標に置き換える
「目的」という曖昧な概念を、管理、計測ができる「目標」に置き換える。
以前、あるチャンピオン教師の授業風景を撮影したことがある。
その教師の生徒は常に並外れた結果を出していた。
校長は教師たちに、授業内容を計画する時間と、目標を設定する時間の割合を書かせ、おのおの発表させた。
ある教師は、「授業内容に90%、目標に10%」と言った。
チャンピオン教師は、「授業内容に10%、目標設定に90%」と答えた。
優れた教師は、欲しい結果からまず考えるということを理解しているのだ。
得意分野を見つけて磨きをかける
ある数学教師は毎年目覚ましい結果を出していた。
とはいえ、数学に関する知識は一部不十分だし、そこそこ几帳面だが間が抜けていることもある。
しかし、彼がずば抜けているのは、生徒に活気を与える才能だった。
ここから導き出される結論の一つは、ずば抜けた力を持つ教師を育てたければ、弱みをいちいちあげつらうのをやめ、強みを最大限に引き出して、弱みを霞ませるほどすばらしいものに育て上げるのに集中したほうがいいということだ。
まとめ
この本では、最後の付録に授業のプロが教えるテクニックが載っています。
免除なし、いきなり指名など、ちょっと取り組んでみてもいいかな?と思う内容が紹介されていたので、これからじっくり読んでみようと思います。
しかし、教師は練習…しないんだよね〜。
昔、小室淑恵さんのプレゼン道場の本を読み、とにかく練習せよと書いてあったのを思い出しました。
授業が本番であり練習と言うか…。
まず、職場に練習する文化と、、、そして時間が必要、、その時間はどこから捻出すれば良いのか…。
何人かで練習会でも、ワークショップでもできたら変わるかもしれません。
話を聞くだけの研究会では、なかなか技術が身につくということはないでしょうし…。
また、「強みを伸ばす」というアドバイスに救われました。
それぞれ、教師といえども強みは異なるので、生徒をやる気にさせるためのアプローチが違ってもいいということ。
書かれると当たり前のように感じますが、周囲の優秀な先生方と比べてはため息をついている私にとって光が見えたような気がします。
なかなかのオススメ。
ではまた☆
[便利]教員向け手帳はどれにする?Amazonでも大好評「ティーチャーズログノート」をチラ見せ!
「そろそろ新年度から使う手帳が欲しいけど、おすすめはある?学校から支給される手帳ではなくちゃんとしたものを買いたい。」
「スクールプランニングノートとティーチャーズログノート、どっちがいいかしら?」
いよいよ新年度が近づいてきました。
この時期に新年度の手帳を手に入れないと、4月に入ってからでは在庫切れになってしまいます。
今回の記事では、ティーチャーズログノート(Teacher 's log note)の2017年度版を手に入れましたので中身を少しお見せしたいと思います。
謎に包まれた、ティーチャーズログノート
ここ3年間、スクールプランニングノートを使ってきました。
その中で気になっていたのがティーチャーズログノートの存在。アマゾンであなたへのおすすめと出てくるものの、アマゾンのページを開いても出版元のページを開いても作者のブログを見てもいったい中身がどうなっているのか確認が出来ません。
Amazonでのレビューは比較的良いものの、中身がわからないものに2,000円前後のお金を出すのをためらっていました。
しかし、今回思いきってスクールプランニングノートと比較するために購入してみることにしました。
ティーチャーズログノートの中身はこれだ!
ティーチャーズログノートが早速届いたので、撮影してみることにしました。
写真などのコラージュで好きに表紙を作ることができます。
どう使えばよいのか、丁寧な解説付きです。
ティーチャーズログノートの中身のほとんどはスケジュール表と振り返りの記録帳でした。
年間のカレンダーと月間のカレンダーです。
一週間の1校時から6校時での記録がつけられるようになっています。
左側は、授業で何をしたか記録がつけられます。
右側は自分がやるべきTODO や生徒の記録がつけられるようになっていました。
スクールプランニングノートと同じように別冊で面接ノートがついてます。
これは生徒と個別に面談をした際などに記録をつけるのに大変便利です。
スクールプランニングノートとの差別化、ネタ100連発!
アマゾンのレビューでも評価が高かったネタ100連発のページです。
朝のホームルームなどのスピーチのテーマや、簡単なアイスブレイクに使えそうです。
他にも時候の挨拶や、小学校や中学校で習う漢字の一覧などの付録が付いています。
まとめ
今回の記事では、ティーチャーズログノートの内容についてご紹介しました。
結論としては、
- スケジュール部分は、スクールプランニングノートとほとんど変わらない
- 違いといえば、コラージュして貼れる表紙と、授業で使えるネタ100連
くらいだと思います。
また、スクールプランニングノートは小学校向けと中高向けに分かれています。
その辺りの細かい体裁が気になる方は、スクールプランニングノートをお勧めします。
3月も下旬になってくると在庫がなくなってしまいます。
直接出版社に問い合わせる必要が出てきますので、お早めに手に入れることをお勧めします!
4月からいいスタートが切れる、よい手帳に巡り会えますように♪
ではまた☆
[書評]新年度を丁寧に!「よくわかる学級ファシリテーション①かかわりスキル編」
私の大好きな実践家、岩瀬直樹さん、ちょんせいこさんの共著です。
小学校の先生向けの学級経営本というカテゴリになるでしょうか?
学級ファシリテーションとは何ぞや?
本によると、
「幸せな子ども時代」を支える「信頼ベース」のクラスづくりをすること。
子ども達の心の体力を温めることにより、学び合いの小さな種をまくこと。
最初が特に肝心。子ども達が「僕たちって力がある」と実感できるシーンを生み出すことで、信頼の目が誕生します。小さな種をまいて、日本中の学校を幸せにしていきましょう!
いいね~!
教員が、ファシリテーターとして子どもたちとかかわるときのスキル10か条が載っています。
- クラスはチーム。「1年後にはこうなりたい」ゴールを子ども達と共有します。
- クラスや学びのオーナーは子ども達。先生もその一員です。
- 主語は僕たち、私たち。「やらせる、させる」ではなく「一緒にやろう」
- 心の体力を温める。学び合うプロセスをはぐくむ。信頼ベースのクラスづくり。
- 温める言葉:冷やす言葉=4:1。コミュニケーションのバランスを心がけます。
- 好意的な関心の態度が基本スタンスです。それも「相手にとって」が重要です。
- 体験的な学びを大切にする。スモールステップでゴールを目指します。
- 承認と共感に支えられた自己選択、自己決定。質問の技で子どもに寄り添います。
- 失敗もする、感情にも流される。それを大切な糧にします。
- 一人でがんばり過ぎない。仕事を楽しむ。学び続けます。
それぞれに、やってみたいな~!と思う実践てんこ盛りです。
体験学習サイクルの振り返りは、ぜひ授業で取り組んでみたいです。
ちなみに①なのは、この本で扱われている期間が新学期からはじめの1週間のクラス目標の作成までで終わっているから。
それだけ、はじめの一週間が大事なんですね。新年度のチェックリストもあり。
続刊にて子どもホワイトミーティングや学級活動の進め方が紹介されるそうです。
楽しみ~。
信頼ベースの学級ファシリテーション、続巻はこちら
既に続巻が出ています!岩瀬先生はお仕事されながら続々と本を書かれていてすごいなぁ…。
②ホワイトボードミーティング編
小学生のうちに、100均やニトリで売っているようなホワイトボードを使って学級内の対立を解消したり、相手の気持ちを思いやりつつ自分の意見を言えるアサーティブな関係を教室に作っていきます。
生徒がばらばらになり、学級崩壊をしていくことを「ココロの体力が冷える」と比喩しています。
勤務校の高校生にもこんなスキルを身につけて欲しい!と思うのだけれど、小学生とは違う困難がありますね…。
③授業編
こちらは、授業でいかにファシリテーションを使っていくか、そのやり方が満載です。
いきなり授業でホワイトボードを使おうとすると子ども達もわけわからず挫折をしてしまい、その後に活用することが難しくなってしまいます。
そうならないために、簡単なペアワークから、大きなホワイトボードを立ち上げてチームごとにしりとりをしたりとさまざまな仕掛けを起こしていくことが必要になります。
学級ファシリテーションを学びたくなったら?
私も以前、東京で行われた信頼ベースの学級ファシリテーション講座に参加しました。
講座では、休むヒマもないほどみっちりグループでのホワイトボードミーティングの練習ができますよ。
2017年現在もちょんさんの講座が全国で行われていますのでチェックしてみてくださいね。
まとめ
学級経営本は、アマゾンでもたくさんリコメンドされますよね…。
読みすぎて何を軸にしようか迷ったこともあります。
むしろ、いまでも自分の中のでっかい軸はないかも。
他人の意見に左右されやすい性格なんです。困ったもんだ。
ではまた。
[書評]教育への期待や幻想に冷静に突っ込む新書「教育幻想 クールティーチャー宣言」
読書メーターで他の本の感想を書いたときに、「この本を読んだ人はこんな本も読んでいます」に入っていて感想など読み即図書館へ。結局購入しました。
読んで付箋をつけていたら毎ページつけちゃいそうになって途中でやめました。。。
そのくらい、共感した本。
紹介を書いていると全ページ写すことになっちゃうかも?!と思いつつチャレンジしてみます。
教育への幻想に冷静に突っ込む
amazonの案内より。
学校の目的は「すばらしい人を作る」ことではなく、「社会に適応できる人」を育成すること。
自由も管理も理想も現実も、こと教育となると極端に考えがち。
問題を「分けて考えて」、より「マシな」解決の道筋を見つけよう。
学校の成り立ちから説明されてます。
もともと、農作業中心で自然の時間の中で生きてきた人を「産業的身体」に慣らすために作られたのが学校。
学校で当たり前と思われている「時間厳守」「忘れ物しない」「私語禁止」「気分が乗らないからと休むな」は、近代の産業社会の担い手として、国民に要求された身体性だった。
このようにして、もともと学校は高邁な理想を持って、人間の資質や個性を伸ばそうとしてうまれた場所ではない。
だからあまり肩肘張らずに、はじめから学校を理想化して思い描かないほうがいい。
バランスの良い学校イメージを保とうと言うのが主張。
学校って理想にあふれた場所である!って主張が多いので、この辺読んでてそうだよねーって思いました。
人間関係には、「ルール関係」「フィーリング関係」がある。
「僕たち仲間、一緒にがんばろう」とフィーリング関係でクラス運営をすることが多かったが、今やフィーリング関係に依存したクラス運営では上手くいかないのでは。
むしろルール関係を打ち立てていくことが必要なのでは?
ほんと、クラスを一つにって・・・難しいんだよね。。。
「人柄思考」に偏るな!「事柄思考」の視点を入れていけ!
「事柄志向」「人柄志向」というキーワードがある。
事柄は、相手の人格に影響されず、事実を見ていくこと。人柄は、事実より背景の文脈や人となりから判断すること。
心の教育は人柄志向。
いじめが起こったときに、いじめについて作文を書かせるのではなく、どうしたらこれ以上いじめが起こらないよう防ぐことが出来るのか手を打つほうが大事。
ほんと、まさにそうです。
書くことは、自分の本当の気持ちを書けるわけではない。
反省文で反省できるかって、微妙。。。
教員は、常に
「いま、自分は人柄志向で指導しているのか、事柄志向でしているのか、確認しておく必要がある」
大事なことです。
というか、やっぱり人柄志向の方に偏りがち。。。
教育のお題目の二項対立、どう考える?
上記のような、二項対立するような軸がいくつか出てきます。それが分かりやすい。
「共通基盤」「先生のプロデュース領域」
「友達関係」「上下関係」
「心の教育」「行いの教育」
「規律」「自由」
「社会総体を批判する」「現実社会での生き方を教える」
教育はどちらか極端に振れやすいので、もうちょっと間を行けないの?という主張。共感します。
ちなみに、私は特に高校時代、「自由」側に寄った学校生活を過ごしました。
最小限のルールで何とかなるような集団だったのだろうとは思うんだけど…。
もっと規律があったほうがよかったかな~子どもを入れるか?って言われたらビミョー。
(いや、今や県の進学なんとか校に選ばれて、もはや入れないんだけど)
「社会総体を批判する」も強かったかも。。
学校教育のせいかは今や不明。
ホットすぎずに、クールティーチャーのすすめ
そんなことを踏まえて、著者が提案しているのが「クールティーチャー」のススメ。
- 教育に対する情熱は人一倍持ち、しかし冷静に生徒や児童を見ていて、どんな子どもに対しても、最低限基本のサービスを提供できる先生。
- しかもさらに伸びそうな子には、個性を尊重しながらアドバイスが出来る先生。
- クラスを家族のようには考えない。つまりあまりにも共同体的志向を強くしすぎずに、子ども達の学力や状況について、客観的情報やデータに基づいた分析をきちんとできる先生。
優秀な先生は、出来てるんだろうなぁ~。
私もがんばろう。
まとめ
他、紹介できませんでしたが、魅力的な項目の数々。
- 「座学」の大切さ
- 「みんな仲良く」は実現不可能
- 自由だけが常態化するとモラルは下がる
- 先生は生徒の記憶に残らなくていい
- 学校教育に「ビジネスマインド」を持ち込むのもほどほどに
- 「おまえの人生なんだから、自分で決めろ」は無責任
- 「働かなければ、生き続けることはできない」を教える
よかったらめくってみてください~。
ではまた☆
[書評]子どもが何を、いつ学ぶかを自分で決めるデモクラティックスクール「世界一素敵な学校」
以前、教育カフェという教育やファシリテーションに興味のある人達の集まりに参加していたことがあります。
「学校」「教員」の世界にとらわれない学びのあり方を考えている人たちが多く、大学を卒業してから教員という狭い世界にいる私にはとても刺激が多いです。
そんな教育カフェの仲間のおすすめ。
仲間は、この学校を見学して教育公務員を退職して自らサドベリースクールを作っています。
「世界一素敵な学校」サドベリースクールとは?
読んでみて・・・こんな学校に子どもを通わせられたら・・・と思ってしまった。
サドベリー・バレー・スクールとは、「デモクラティックスクール」といい、日本では本田健さんがお嬢さんを通わせるためにサドベリーバレーまで引っ越してしまい、東京でも学校が開校された模様。
- どんな学校なのかというと、子どもが何を、いつ学ぶかを自分で決める。カリキュラム、時間割、評価が無い
- 子ども達もスタッフも平等に1票持ち、全校集会により学校運営、スタッフの採用、規律、予算などを決める。(デモクラティックスクールと言われる所以)
- 入学面接時に、「子どもを100%信用できるか」聞かれるらしい
子どもが必要に応じて学ぶことを決めるのは、
「必要になって学べば3年かけて学ぶことも2週間で学び終えてしまう」
こともあったりするらしく、本来人間は常に学んでおり、
「学びたくないのに学ばせられる」
ことによる弊害の方が大きいという考えらしい。
評価は、自分で自分のことは分かるので、周囲から評価についてとやかく言われるよりも自分に対してシビアに評価できるらしいです。
むしろ、「学校でいい評価をもらってきたいい子」の方が自分に評価の軸が無く、この学校では問題になってしまうらしい。
アメリカでの卒業後の追跡調査でも、周囲と不適応を起こしたりすること無く、自分のやりたいことを学び、社会でも活躍している人が多いそうです。
サドベリースクールとは言わないまでも、最近「逃げるは恥だが役に立つ」に出演していたアーティストの星野源さんも自由の森学園の出身ですね。
私の周囲でも、新たな教育を求めて「公立小学校教員→教職大学院の先生→軽井沢に小中学校を作る」計画を立てている先生方がいらっしゃいます。
子どもがさまざまな教育の形を選べるといいですね。(大阪で話題の小学校は除く)
まとめ
今の学校制度、これでいいのかな~と思っている人にはとても刺激的で良い書だと思います。
私の場合、今の自分の仕事に疑問が起こってしまうので、危険かな・・・。
関連本はこちら。日本のデモクラティックスクールについて理解が深まりました。
いやー、生徒と対話しながら学校を作るのも一苦労ですね…。
雇用を確保しながら、家族を持ち子育てしながら、は難しそうだ。
北欧も行ってみたいし、サドベリースクールも見てみたいな。
ではまた☆
[書評]「居場所がない」「疲れた」と訴える子どもたち「日本の子どもの自尊感情はなぜ低いのか」
職場で、よく子どもの自尊感情や、自己肯定感についての話題がよく出ます。
先生達の悩みは、「入った高校に誇りが持てない」ということ。
学力的に下のほうの公立を受けて落ちてくる生徒。
「こんなバカ学校」・・・日々耳にする言葉です。私たち教員の自尊感情も低くなりそう。
今後のカリキュラムなどを考える上でも、自尊感情はキーワードになってくるのかな・・・でも、そもそも学校で自尊感情を高めることはできるのか?
自尊感情を測定することは難しいのでは?
という疑問を持っていたところ、その答えになるような本にめぐり合いました。
「自尊感情」について理解が深まる本だと思いましたので、内容の一部を紹介します。
なるほど!メモ
- 著者・・・大学教授、児童精神科医。
自尊感情は、低くても高くても良くない
自尊感情とはなにか。自分の「肯定的な面」「否定的な面」を理解した上での「自分」を自分自身で考えるということ。
海外の研究では、低学力、少年犯罪、薬物依存、自殺などと自尊心の間に相関関係があることが指摘されている。
自尊感情に影響を与える要因としては、社会的階層、人種、宗教などよりも、両親との関係が大きい。
両親から関心を向けられ、良好なかかわりを持つことがそれを高めると一般的には報告されている。
特に幼児期との母親との関係が大きく影響を与えると言われている。
自尊心は高すぎても低すぎても良くない。
高すぎる場合、自信をずっと持ち続け、悪いことは他人のせいにし、自分の正しさを曲げない状態が続き、周囲が振り回されてしまう。
なんと!日本の子ども達の自尊感情は低い
ドイツで開発された調査を日本の同年齢の生徒に実施したところ、日本はどんな階層(経済的、学力的)の生徒も国際的な平均から低いことがわかった。
QOL(quality of life)調査として実施した。
項目:
小学校から、中学校、高校に向け、自尊感情がどんどん低くなる。
思春期に下がることはよくあるが、このテストは高校1年生の年齢対応。高校2,3年では実施していないので自尊感情が低いまま社会に出てしまっている可能性がある。
自尊感情が保てないまま、自分に自信を持てないまま親となり、子どもを育てることは容易なことではない。
自尊感情が高いオランダの教育と比較すると、オランダは個別教育を実施している。
日本の一斉授業は授業の進度が遅れがちな生徒にとって、取り残され感が強く、自尊感情を下げに学校に行っているようなものになっている。
親子で実施すると、親の方が子どもの自尊感情を高く見積もってしまっていることがほとんど。子どもの自尊感情を親でも把握することが難しい。
学校において、このような調査でスクリーニングをする事で、うつ傾向、自殺願望、発達障害、いじめの有無、虐待など、重要な問題の早期発見をする事ができる。
スクールカウンセラーや養護教諭の面接、医療機関、心理相談、児童相談所や警察などにつなげていくことができる。
実際にあった例:家族の調査点が0点の中学生の生徒→生徒への面接により小さい頃からの虐待が発覚→児童相談所に虐待の通告
まとめ
子どもの頃から、1つのものさしだけで同年齢のお友達と比較されて育ち、自分が優れているところはないと思いながら育ってしまう子ども達が日本には多そうです。
読んでみて、「うちの高校でもこの調査して欲しい!!!」と即連絡取りたくなったくらいでした。
勤務先でもスクールカウンセラーや各種関係機関と連絡を取っているのですが、基本的に事件が起こった後になり、どうしても後手にまわってしまうので・・・。
だいぶ前の本になりますが、まだ家に取ってあるくらい良い本なのでぜひ読んでみてくださいね。
ではまた☆