まなびと!

自らが学び続ける教師でありたい。振り返りの記録です。

[セミナー]どうすれば自分の学校で実現できる?「アクティブラーニングフォーラム2017」参加レポート

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8月の最終週の日曜日は、こちらにお邪魔していました。

未来の先生展

www.mirai-sensei.org

先生展の中で行われる、アクティブラーニングフォーラムへ。

active-learning.or.jp

「Find!アクティブラーナー」のサイトにてご案内がありました。

お台場…我が家からはめちゃくちゃ遠いです。

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会場の武蔵野大学。最近建てられたのでしょうか?とってもキレイ。

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吹き抜けのフードコート。

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晴れてはいたものの、そこまで気温が上がらなかったのが救いでした。

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冒頭に、主催者からのご挨拶がありました。

「置換力を身につけよう!」

この意味がわかりますか?

「違うから参考にならない、うちには活かせない」

ではなく、

「自分の学校ならどうすれば実現できるか置き換えて考えよう!!」

本当にその通りですね。(実際には困難も多いのですが…)

参加した際に印象に残った内容を記しておきます。

講演1・都立両国高等学校 布村 奈緒子 先生

都立両国中高は、公立中高一貫校になってから11年目の学校です。

  • 商社に勤めている人に、「グローバル人材に必要なスキルは?」と聞いたらコミュニケーション力がトップ

  • しかし、「今、自分が困っていること」は英語力

  • どちらも補うために、英語でコミュニケーションをはかる取り組みを行っている

クリッカー。質問に対してこのカードを上げます。

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ICTのない学校ではこのような工夫もアリですね。

欧米では、講演会中に「はいはい!」と手が挙がる。

もし、今後海外の方と一緒の場にいたら話をしていかなければならない。

いざ話せと言われたら、「話す」「英語」と二重の足かせになってしまう。

40人程度のクラスであれば一度起立させ、意見を言った生徒のペアから座れるといった仕組みを作っている。

こんな大人数で話せない、という場での支援をしていく。

scaffolding(足場かけ)心理学者ヴィゴツキーの言葉。

授業紹介

英語の授業でのジグゾー法、話題の本「GRIT」を用いて。(余談ですが、この本超オススメです。教育関係者必読の書)

両国高校に行きたいがなかなか集中力が出てこない中学生にアドバイスをしてみてください」

  • ジグゾーでは、マインドセット、キャロルデュエックさんのこと、本を読めばわかることなど、4つのコーナーに集まってメモを取って戻り学んだことを交流する。
  • それぞれ役割を与える。speaker listener reactionmaker discussion leaderなど。
  • ちゃんと聞いていないと反応ができない。きちんと聞くようになる。
  • Note takerが聞いたことをポストイットにメモして貼っていく。
  • どの解決法がいいのか、たくさん出た中で1つだけ出していき評価する。
  • 皆の前で発表する。

「意思をもてば、やりたいことはできますよ」

と悩み相談に対してアドバイスをする。これは生徒にも同じことが言える。

SAGE GLOBALにて日本大会から世界大会に初めて参加した。

なぜなら、今まで日本語のプレゼンが主なので優勝しても世界大会でプレゼンができないと辞退した学校ばかりだったから。

感想

自分が高校生の頃受けた英語の授業は何だったんだ?って感じで衝撃的でした。

映像では、布村先生が英語でインストラクションをされていて、ちゃんと生徒が聞いている!

私はついていけるかどうかも心配です…

布村先生の動画は、火曜日からアクティブラーナーにて配信予定だそうです。

もっと英語が好きになっていたかもしれないなぁ。

講演2・アクティブ・ラーニング学会など

アクティブ・ラーニング学会の今後の活動予定や、今回の未来の先生展に参加されている団体の紹介がありました。

アクティブ・ラーニング学会の活動予定など

アクティブ・ラーニング学会は、現場の先生を中心に設立された研究団体です。

これからは、先生も生徒もどんなデバイスを使ってもよい。

それぞれ、自分のデバイスを用いて授業を行うようになるだろう。

学会では、7つの部会に分かれて活動している。

  • 2005年の写真に、いくつモバイルフォンはありますか?数個。

  • 2013年の写真は、殆どの人がスマホで写真を撮っている。

こういった答えのない問いを考えるのがアクティブラーニング。

開智日本橋中学校にての実践。

反転学習には、ある程度の強制力が必要。 

英語は座学ではなく、単語を使っていくことでモチベーションを上げていく。

グループで話し合って答え合わせ。

間違っていると思ったら修正。解説をしない。

この授業の裏で、基礎事項の学習を家で行っているのがポイント。

基礎となるやさしい問題は家で自分で解いておく。クラスルームなどでチェックする。

英語の学習は動画でYouTubeで見てくる。

家庭で学習してくる環境づくりが必要になってくる。

70日間でグローバル人材に!very50プロジェクト

高校生、大人向けの発展途上国修学旅行について

www.pr-table.com

MoGについて検索してもらえればわかるので、ぜひご確認を!

私も後で記事を読んでみます。

21世紀型キャリア教育・ENAGEED

狩猟時代から現代、未来まで。

「する必要のないことはできなくなる」

という衝撃的な動画とプロジェクトの紹介がありました。

prtimes.jp

ラクイチ授業プラン

教材準備の時間がない先生のためのワークシート集を作られたそうです。

「準備がいらない、1時間、経験によらないこと」3つのコンセプトで始めた。

中学の見開きでコピーできるワークシート。

このまま、アクティブラーニングの授業プラントしても利用できる。

講演3・出口先生の論理的思考力について、日本での現状

これからの社会を生き抜く子どもたちを育てるのに、日本は大丈夫?

  • 隣の人の多様性、海外では必ず論証をする必要がある。言語を技術として訓練している。
  • 最後まで聞かないと、結論がわからない。日本では、なんとなくわかり合っているつもりで話している。言えば相手はわかってくれると思っている。察してくれない相手が悪いとする文化がある。察してくれない親が、学校が悪い、となる。

それらを日本人が手に入れるのに、困難がつきまとうのではないか?

論理的な武器を手に入れてからアクティブラーニングやクリティカルシンキングが身につくのではないかと考えている。

子どもたちに他者意識を身につけさせる必要がある。

しかし放っておいたら、他者意識が身につくことはない。

クラス、対教師でもなかなか身につかない。

子どもにとって仲間とは、察してくれる相手が仲間。

「あの先生ムカつくね」

そうだね、と察してくれなければ仲間ではない。それでいいのか?

一番の他者は活字。

不特定多数の他者に向けて文章を書く。

どんな文章でも、他者に向けて文章を書いている。筆者の立てた筋道を追っていくしかない。

筆者の立てた筋道を追わずに演習問題を繰り返す12年間を過ごしてしまっている。

国語の先生の力量によるところが大きい。

私は、みなさん先生方の網膜に写っている僕。

僕の講義を見て重ねている方、本を読んで、何も知識がなく見ている方。

先入主(先入観と同じ意味の言葉)によって本を読んでいる。

全部読んでも影の部分は頭に入ってこない。

好きなように読んで、好きなように解釈する。

客観的に読むには、主観的な部分を箱に入れて考えなければならない。

Amazonでは、自分の購入履歴からのおすすめしか出てこない。

SNSでも、同じような考え方の人が集まってくる。

インターネット上には、自分に都合の良い情報しか集まらなくなってくる。

筆者の意識で文章を読むのが大事。

子どもに読書をさせても、読みたいものしか読まない。

作者と自分の対話を広げていくためにはどうしたらよいか?

筆者の考えを読み、出題者の意図を汲んで解く。

二重の読解力が必要になる。

以前、書くと言えば手書きだった。

自分の文章が活字になると言えば作家や新聞記者などの特定の人だった。

今は、子どもでも電子データで文書を書く。

読み手が誰かわからない。

プロの小説家が持っていた特権を、いま、誰もが持っている。

そのデータを、誰かに転送しているかもしれない。

だから、論理的に文章を書かなければならない。

その辺の大通りをわめきながら歩いているようなもの。

これからは、そこも分かっていて子どもたちをトレーニングしなければならない。

英語=グローバルではない。

現地人のマレー人が地位の低い仕事についている。

華僑、欧米人は収入が高い。

マレー人は英語が話せるのに望むような仕事についていない。

教育は、子どもたちの一生を変える可能性がある。

論理があれば、人にわかりやすく伝えることができる。

「男女」と整理して考える。

子どもたちに考えさせる。全然違ってくる。

論理を与えなかったからいじめが出てくる。

ヘレン・ケラーの世界。

言葉がないから頭の中はカオス。

スープに触れて熱いと思ってひっくり返しても、周囲が騒いでも聞こえない。

音もせず、見えず、聞こえない。温かい水も冷たい水もWater。

ある時、

「言葉で現象を整理できるのか!」

と、世界そのものが変わった。

子どもで、頭がいいとか悪いとか言います。

それぞれ個性がある。

遺伝子は先天的。それと論理を混乱している。

言葉は、後天的な訓練で身につく。

論理力が身についていないのは、訓練も何もしていないから。

教育の責任ですよ。

当時の予備校の人気講師はみな団塊の世代。演説大得意。

今や子どもたちは漱石は読まない、ライトノベル。感情語を使う。アニメ、ゲーム。議論すればうざい。どこで論理的な学習をしていくのか?

誰かがサリバン女子にならないと。

ヘレン・ケラーは一生わがままな女の子で終わったかもしれない。

ゆとり教育、総合的な学習の時間。どの先生が教えてもできるようにならなくてはならなかった。

それでは、すべての高校の先生がスーパーティーチャーになるしかない。

しかし、実際はうまく行かなかった。

先生の文章経験を、生徒は持っていない。

赤を入れられて文章を見てみても、生徒はなぜそこに赤が入ったのかわからない。

先生が変わったらまた赤を入れる部分が違う。共通性がない。

感想

以上、先生のお話を伺っていて、日頃論理的思考について考えていたモヤモヤの霧が晴れたような感覚がありました。

読解、読解、の国語教育はいつ変わっていくのでしょうね?

それまでは、出口先生の本やワークシートに取り組むしかないのかしら…。

>>論理.jp 論理エンジン公式サイト ~国語力を劇的に伸ばす驚異のメソッド | トップページ

私立学校や塾にも教材が使われているそうなので、気になる方は手にとって見てみてもいいかもしれません。

まとめ

お台場遠い〜!

なんて思っていたら、お隣は北海道からいらした小学校の先生でした。

自分が関東近郊に住んでいて、いかにお気楽なスタンスで来ているのか反省しました。

その反省から、このブログにアウトプットして振り返っております。

「未来の先生展」は、他にも同時進行で20もの講座があります。

気になる講座があったので途中でアクティブラーニングフォーラムは失礼しました。

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しかし、無料でこれだけの講演が聞けるのは本当に贅沢です。(別途、未来の先生展への入場料2,000円が必要)

あと2つほど、未来の先生展で参加した講座がありましたのでそちらもご紹介いたしますね。

ではまた☆