まなびと!

自らが学び続ける教師でありたい。振り返りの記録です。

[セミナー]外部コンサル必要!「デジタルシフト的学校組織開発研究会」へ参加しました。

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「職員室って、全然デジタルシフトできてないよね…」

「職員室の対話の総量が足りない!少人数でも有志でプロジェクトをすすめていくために有効なツールは?」

職員室でデジタルツールを使って教職員で対話したり、プロジェクト管理ができている学校…多くは存在しないのではないでしょうか。

また、ミドルリーダーに仕事が集中しすぎて、新しいことを思い出したり考えたりする暇もないというのが職員室の実情かもしれません。

そんな中、魅力的な紹介文と共に、Facebookにお知らせが紹介されたのが今月初め。

gakko.site

「デジタルシフト的学校組織開発研究会」にお邪魔してきました♪

 「GLOCOM六本木会議」主催のセミナーは、過去こちら↓にも参加しました。

manabito.hateblo.jp

 

「デジタルシフト的学校組織開発研究会」の内容は?

今回の内容は、以下のとおりです。

2017年9月発足した「GLOCOM六本木会議」では、情報通信分野の技術革新と新しい社会への移行を産官学民の多様なステークホルダを交えて議論しています。

  1. 話題提供(50分) 「デジタルシフト的学校組織開発」 ~ミドルリーダーがアクティブになれば、学校は活性化する~ 杉山史哲(学校組織開発コンサルタント

外から見ても「勢いのある学校」は、30〜40代のミドルリーダーが元気です。それは授業の面に限らず、学校経営の面でも同じ。でも、なぜこの世代なのでしょうか?

キーワードは、「デジタルシフト」と「働き方の価値観」です。今回は、ある学校で現在進行形の学校改革の事例をご紹介し、その事例がどのような要因で起こっているのかについて深掘りします。勢いのある学校作りに関心のある方、是非ご参加ください。

◆話題提供者プロフィール◆ 杉山史哲(すぎやま・ふみのり)

「組織開発」の切り口からの学校経営支援(授業改善/業務改善/人材育成)と、オンライン教育事業(教員採用試験スクール「みんなの教採」/ 学び続ける先生のための「みんなのオンライン職員室」の運営)をしています。学校組織と教師の学びをアップデートすることを志向しています。 twitter @symphonicity

  1. ディスカッション(50分)

 

「勢いのある学校は、ミドルリーダーが元気」という紹介文に胸を撃ち抜かれまして…😅

この日は行事があったのですが、なんとか六本木に定刻で間に合いました。

どの駅からも遠い、六本木。

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大阪で、教頭補佐の経験がある杉山先生。

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今は、関西の私立学校をメインに組織開発のコンサル業、また「みんなのオンライン職員室」などの運営をされています。

 

manabito.hateblo.jp

 昨年関わった学校での実践を例に、教頭や副校長の仕事の再定義と、若手のミドルリーダー育成のために利用した手法とツールの紹介をしてくださいました。

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杉山先生のパワーポイントを見ながら、ApplePencilでiPadに書き込んでいきます。

Google Driveにシェアしてもらえると有り難い!

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ポイントは、

「教頭・副校長、もしくはミドルリーダーの仕事は組織開発である」

ということです。

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組織開発の手法として、「対話を中心とした合意形成のワークショップ」や、「スモールチームでのアプローチ」「学校の10年後を想像する会議」などを行いました。

ワークショップを終えた後も対話がやりっぱなしにならないように、ポイントとなるテーマについては「Slack」のチャンネルを置いて継続して話し合えるようにしました。

get.slack.help

Slack って何? チームのメンバーが連携しながら仕事を進める場。それがビジネスコラボレーションハブの「Slack」です。プロジェクトの立ち上げから予算についての話し合いまで、どんなテーマでも Slack を活用できます。

教員のキャリアパスを考えて、「10年後にどんな仕事をしていたいか」「仕事で大切にしてること」を共有していきます。

シートを見ながら管理職が面接することで、30代の先生が「様々なことにチャレンジしてもいいんだ」と気づき、モチベーションも上がっていきます。

モチベーションの高い教員にはの特命ミッションを与えていくことで、Slack上で報告・共有をしてもらうことで、コストをかけずに効果が上がったそうです。

スモールチームでのアプローチは、自主的ではない委員会を設置したところ期待した成果が出なかったので解散。

当事者意識を高くもって動けるスモールチームを作り、分掌の仕事を軽くしたり授業を減らすなどして、他校への視察や研究会への参加を続け、月に1回必ずイベントを入れて行きました。

校長が即座にSlackをチェックして、「いいね!」のフィードバックを行ったそうです。

この学校ではSlackがかなり有効だったそうで、Slackを利用していた若手教員が入試広報の業者とのやり取りでもSlackを使ってほしいとリクエスト。

校務分掌での業務の軽減が行われたと報告がありました 。

注意点としては、

  • いきなり全員ではやらないこと
  • ポテンシャルのある30代と一緒に進めるために、業務を思い切って減らし学ぶ機会を与えること
  • デジタルシフトは使えそうな人に目的を共有して始めること

とにかく、管理職がトップダウンで改革を行ったとしてもあまり効果は得られないとのことです。

報告の最後では、ティール組織のフレームから考える学校組織の発達段階が紹介されました。

今の学校は「順応型」アンバー型組織であり、せめて「多元型」グリーンの状態までたどり着くためにはどうしたらよいか、考えさせられる時間がありました。

対話タイムでお話した小学校の先生によると、昔は学校の小学校は各クラスごとに自主経営をしていてある意味ティール組織だったのではないか?という話が興味深かったです。

おすすめの書籍はこちら。

入門組織開発

ティール組織

豊福先生のFBに、今回の講演会の動画がまとめられています。

「デジタルシフト的学校組織開発研究会」を受けて、考えたこと

私が勤める学校では毎年夏と春に教育研究会がありまして、講演者を呼んだり今後の学校の在り方についてじっくり対話できる時間が用意されています。

職員室も、フラットな関係ができていると思いますし、ギスギスした印象はありません。

アナログでの交流が進んでいるためか、デジタルツールを使った組織開発までは行われていません。

今のところ、教科の集まりやプロジェクトの仲間でLINE のグループを作ることはありますが、利用者が偏っているという面があります。

Slackのようなデジタルツールまではたどり着かない…というのも悩みの一つです。

普段、生徒指導に追われて仕事が終わるのが21時過ぎ。

将来の学校構想どころか、明日や来週の授業の準備をする時間すら取れないというのが実情です。

コンサルタントを入れるにしても、それだけの金銭的な余裕や時間の余裕があるかどうかというのはなかなか難しい問題だと思いました。

また、学校改革の本やこのような報告を読むと、「オフサイトミーティング」いわゆる飲み会がその対話の下支えになっていることが多いです。

お酒が飲めず、育児のための時間を取らなくてはならない人間にとっては、あまり好ましいと思えるものではありません。

オフサイトミーティングに参加できない教員が対話に参加できるよう、Slackのようなデジタルツールを活用するのは賛成なので、それぞれ参加方法が選べるといいですね。

まとめ

以上、「デジタルシフト的学校組織開発研究会」の簡単な内容と、参加した感想を中心にお送りしました。

公立学校では、「生徒の個人情報をどこに置くか」「情報交流のためにデジタルツールを使うのはセキュリティ面で良いのか」という問題や、コンサルティングするとなった場合には金銭面がネックになっていくでしょうね。

教育界で生計を立てるのはなかなか難しいでしょうし…。

今回杉山先生のお話を伺って、勤務先にも組織を少し交通整理してくれるような方がいたらいいのにな〜と感じました。

ご紹介くださった杉山先生、 対話して下さった参加者の皆様、ありがとうございました。

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ではまた☆