[まとめ]家庭科の授業ネタになる実践、教材、本、サイト(主に高校)
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「家庭科の授業、自転車操業で回している。参考になるネタはないだろうか」
先日、若い家庭科教員の方のツイートを拝見しました。
家庭科教員の皆さんにお願い
— 家庭科の先生 (@kateikakoushi) 2019年5月10日
毎日自転車操業の私に
家庭科の授業で使える実験実習等を教えてください。
ちなみに、企業等で行なってる出張授業とか、公演とかもあれば是非お願いします。#家庭科 #家庭基礎 #家庭科教員 #アクティブラーニング #研究授業
自分もそんな時期があったなぁ…と思いながら、いくつか返信させていただいているうちに、
「そういえば、このブログで家庭科のおすすめ本やネタについてまとめたことがなかったかも!」
ということに気がつきました。
今回の記事では、私がこれまで授業で行ってきた家庭科のネタや書籍についてご紹介します。
授業のねらいや評価について詳しくは述べていないのでざっくりとしたかたちになりますが、何かしら参考になりましたら幸いです。
家庭科の授業ネタ、実践、教材
このまなびとも、家庭科のカテゴリを見たらそんなに実践について書いてないですね。
すみません…。
このようなまとめ記事を作ることで、欠けている分野がよくわかりました。
さらに分野別に個別記事を書いていきたいと思います。
取り急ぎ、簡単に授業で使えそうなネタをご紹介しておきます。
食生活
食生活は家庭科の花形とも言える分野ですね。
「先生、調理実習はいつやるんですか?」
と生徒に毎年聞かれます。
食生活分野での授業ネタ・栄養計算
5大栄養素の分野でエネルギー計算をしています。
生徒がよく食べそうなお菓子のパッケージ(じゃがりこ)のコピーを配布。
教科書を参考にして、
「なぜ、各栄養素がこのエネルギー量になっていて、どう計算すればこの総量が出るのか」
という問いを出して4人グループで合流させます。
あらかじめ
と教え込むよりも、身近なお菓子のパッケージを用いて
「なぜこうなるのか」
を考えさせる時間を与える方が、生徒の印象に残るような気がします。
食生活分野での授業ネタ・スーパーのチラシを見て輸入品の割合を確認する
最近は、家庭で紙の新聞を取ることも減ってきてしまいました。
そのため、宿題に新聞の切り抜きを出すことが難しいです。
食生活分野では、スーパーのチラシを扱って自給率について考えさせます。
学校で取っている新聞についてくるチラシを、1ヶ月分ぐらい集めておき、それらを授業に使用します。
一人一枚あれば生徒が飽きることなく授業に取り組むことができますよ。
スーパーのチラシは、「国産(県)、外国産」と産地が書かれています。
お肉であれば、100グラムあたりの価格も書いてありますので比較もできますね。
お肉や魚介、野菜に分けて三つずつプリントに商品と産地、価格を書いてもらいます。
外国産の商品はどのような食べ物が多いのか?
国内産の商品の特徴についてチラシで調べます。
外国産の商品が安いことや、野菜はほぼ国産などの特徴を確認します。 このチラシを見ている際に、
「そういえば、昨日さんま食べたよ」
と話しながら作業しているのも微笑ましいです。
生徒の食生活が少し透けて見えるような気がします。
食生活分野での授業ネタ・調理実習
調理実習は2時間続きの授業内で3回ほど行っています。
現在は、
- 三色丼
- 一汁二菜の献立
- お弁当作り
ご飯ものが多くなっています。
以前は小麦粉、牛乳を使用したシチューなども作っていました。
しかし、小麦粉、乳製品アレルギーの生徒が毎年1人はいるので作らなくなってしまいました。
中には、小麦粉や乳製品などに触れるだけで皮膚が赤くなってしまうような生徒もいます。
そのような場合、調理実習時には他の部屋にいてもらうこともあります。
調理実習自体が命に関わるようになるなんて以前は思ってもみませんでしたね…。
衣生活
生活での実習は手縫いで袋物を作っています。
学校に十分なミシンの台数がなく、授業は助手がおらず一人で回しているためです。
微細運動が苦手な生徒が、びっくりするような縫い目を披露することもあります。
眼と手を上手く連携させて働かせることが苦手な生徒、年々増えてきているような気がします。
衣生活分野での授業ネタ・繊維に触れる
綿やポリエステル、麻などの布を十センチ四方程度に切って、グループになり生徒に触れてもらいます。
触れてみた繊維の特徴を書いてみて、どのような季節に着れば良いか、どんな服に使われれば良いか、という交流をしていきます。
麻は涼しげな素材なので夏に良いとか、綿やポリエステル、それぞれの特徴を生かして制服のシャツが混紡で作られていることなどを、実物を見ながら確認します。
衣生活分野での授業ネタ・原毛に触れる
衣生活分野の授業では、布に触れるだけでなく原毛に触れる授業も行っています。
例えば、ポリエステル綿と天然の綿では触り心地が全く違います。
あまりに天然の綿素材の触り心地が良いので、いつまでも触っている生徒もいます。
普段、ぬいぐるみやクッションの中身に使われているのがポリエステル綿だということがよくわかる授業です。
綿花も持って行き、どのような植物であるかも見てもらいます。
羊毛の原毛に触れることで、ベタベタしていた羊の毛が洗われて綺麗な毛の状態になっていく様子なども確認します。
衣生活分野での授業ネタ・織物と編み物
時間があれば、衣生活分野で織物と編み物の組成について折り紙を使って作成させることもありました。
編み物の組成を作るのは無理なので、平織や綾織、朱子織など隙間に細い紙を差し込んで織り方によって触り心地が違うことを確認します。
大昔は、これら全てを織り機や手作業でやっていたと思うと、反物がどれほど貴重なものだったかということを思い知らされますね。
綿花を綿と種に分け、その綿を糸にする実習を家庭科教員の研修で行ったことがあります。
糸一本作るのも手作業だとこんなに大変なんだということがよくわかりました。
人間の原体験にかえるような実習も、時間があれば生徒と体験してみたいものです。
衣生活分野での授業ネタ・ズボンの立体模型を作る
この実習は、新しく職場に勤め始めた先生が取り組んでいらっしゃったものです。
B4の紙にズボンの立体模型の型紙を書いておき、切り取らせ、この形からどうやってズボンができるか試行錯誤をさせる授業をしていました。
股上の部分をどうすれば立体にできるか?というところがポイントです。
生徒にズボンの展開図を書かせたら、多分前と後ろで松葉状の図面を書いてくることでしょう。
自分たちが普段着ている服が、どのような型紙からできているかを知る。
もし、私が衣生活分野を担当したら取り組んでみたい実習の一つです 。
衣生活分野での授業ネタ・平面構成、浴衣を着てみる
人間の衣服には平面構成と立体構成の二つが2種類があり、普段私たちが日常できている普段着は西洋が起源の立体構成の服です。
日本やアジアで伝統的に着られている平面構成の服の代表的なものとして、浴衣を生徒の代表者に着てもらっています。
平面構成の衣服は、動きにくいというデメリットがどうしても目立ってしまいます。
ただ、
- どの体型の人にも、一定着られるようになっている
- 糸を解いた時に一枚布になるので作り直すのも難しくない
- 使わなくなったものは雑巾やおむつにできる
など、環境面では大変優れている縫製方法であることを生徒と確認します。
住生活
住生活の分野は、間取りを考えるのが好きな生徒もいて、学習を楽しみにしている生徒も少なからずいます。
一人暮らしをしてみたいという生徒もいて、そのためにもどのぐらいの費用が必要なのかを考えさせることもあります。
私が家庭科教員になった20年前はシェアハウスなどの考え方はなく、現在は住まい方の多様性が広がっているんだなと改めて感じます。
住生活分野での授業ネタ・住まいの歴史、世界の住まいについて知る
それぞれの分野に関わる歴史を歴史に触れて生徒と考えることで、生徒に
「今と同じような暮らし方がずっと続いていたのではない」
という確認ができます。
日本の住居の歴史では、鉄骨やガラスを使った家が建てられたのは最近で、それまでは自然素材の木や紙石土などを利用した家が大半だったこと。
また、世界の住まいはその地域に豊富に使えるものを使って家を建てていたことなどを紹介します。
例えば石材がたくさん採れる地域では、石造りの家、雪しかない地域では雪を積み重ねた家を建てること、などです。
この授業の内容が印象的だったとアンケートに書いてくれる生徒もいます。
住生活分野での授業ネタ・一人暮らしにかかるお金
最近では教科書にも掲載されている内容ですね。
一人暮らしをする時にかかる初期費用を、毎月の家賃を元に計算していきます。
不動産屋さんに行き、見学した後
「この部屋に住みたい」
となった場合に、敷金・礼金や不動産手数料などを計算していきます。
ただし、ここのところ人気のない物件がだぶついていることもあり、以前のように
「敷金2ヶ月礼金2ヶ月」
の物件はかなり減っているように感じます。
紹介手数料も0.5ヶ月程度のところもありますし、敷金礼金ゼロを謳っている不動産会社もあります。
20年近くこの授業をやっていると、暮らしの変化を感じるとともに時代に合った授業を行う必要性を感じました。
住生活分野での授業ネタ・一人暮らしの部屋選び
こちらも、自分たちの住んでいる地域に実際にあるアパートやマンションの情報をいくつか提示して、
「自分ならどの部屋を選ぶか」
を考えてもらう授業です。
部屋を選んでもらうためには、地域の物件情報が必要になるのですが…。
以前は不動産屋さんの前に物件情報誌が無料で置いてあり、それらを切り取るだけで授業が成立しました。
しかし、最近では SUUMO などインターネットサイトで賃貸物件を見るのが当たり前になっており、プリントに上手くはまらない情報が増えてきてしまいました。
もう少し、B4サイズに10件程度収まるようにまとまっているとありがたいのですが。
(まあ、そんな都合で物件情報を作っているわけではないですし…仕方ないですね)
生徒は、マンションがいいとか、少し古くても広い方がいいとか、ロフトがいい、などの譲れない条件をもとに自分の住みたい部屋を選んでいきます。
その際に入居費用も計算させると、初めにどのぐらい貯金が必要かということも確認できます。
ただ、この計算をさせるとはじめに30万程度の貯金の必要があるということがわかり、一人暮らしの意欲をなくしてしまう生徒もいるのが悩みです。
ずっと実家にいるという選択をする生徒が出てきてしまうんですよね〜。
家庭経済
生産者から消費者へ。
家庭科での消費者教育の重要性は増すばかりです。
特に、18歳成人が決まってからは、高校生でも契約を取り消すのが難しくなってしまいます。
高校生のうちにもう少しお金について学べる機会が増えると良いのですが…。
今の状態では、何も装備がなく、丸腰で社会に出るようなものだと思うのです。
家庭経済分野での授業ネタ・大切なものワーク
自分たちの大切なものと、お金の関係を知るためにおこなっている簡単なワークです 。
B5の紙を9分割にして、自分が今大切にしているものや人について書いていきます。
書いてもらったら、どんどん年を取ることでで大切なものが三つずつなくなっていき、最後にひとつだけ残るようにします。
なぜそれが最後に残ったのか?
自分が大切だと思ったものと、お金の関係について書いてもらいます。
最近の高校生が考える大切なものを見てみると、
「スマートフォン」
と書いてくる生徒が格段に増えました。
生徒にとって、スマートフォンは
「単なる機械ではなく、みんなとの思い出の写真やトーク内容など大切なものがたくさん詰まっている」
そうで…だから授業中に取り上げると金切り声で叫び、全力で嫌がる生徒がいるんだなと妙に納得しました。
変わったところでは好きなアイドルグループを書いて来る生徒もいますし、多くは家族と書いています。
内容自体も準備も簡単で、大したことはないのですが、グループで行うことにより何を書いたか交流したりできるのが面白いところです。
グループで書いたものを回し読みすると、それぞれの価値観が浮き出てきます。
「大切なものはお金で買えるのか、買えないのか」
ということについて考えさせるのによいネタです。
家庭経済分野での授業ネタ・君とみらいとライフプラン
学校から注文すると、「君とみらいとライフプラン」という小冊子を一人一冊無料で送ってもらえる機関が生命保険文化センターです。
きみと未来とライフプランの生徒分無料配布はいかがでしょうか?https://t.co/72pHvaM97K https://t.co/cqq1QXaKV1
— まなびと!@高校&家庭科🌈 (@manabito1) 2019年5月10日
こちらで頂いた冊子は、ライフプランの年表やシールが貼れる活用度が高いもので、それらを用いて自分の人生について考えてもらいます。
特に保険や年金についての項目が手厚いため、生徒にライフイベントやリスクについて考えてもらうきっかけにしています。
家庭経済分野での授業ネタ・ライフサイクルゲーム
第一生命が作ったライフサイクルゲームは、すごろくゲームでありながら消費者問題に関わる内容が学べるゲームです。
ライフサイクルゲーム
— まなびと!@高校&家庭科🌈 (@manabito1) 2019年5月10日
アナログゲーム好きな生徒も多くて盛り上がりますhttps://t.co/9w8IxQFxG1
四人一組程度で行うと、授業50分授業に収まるため、授業の時間調整が必要な場合などに大変助かっています。
デジタルなスマホゲームに毎日触れている生徒は、
「こんなアナログゲームなんて…」
というのですが、意外にはまって大きな声で盛り上がる姿が印象的でした。
チャンスカードや質問カードがあり、悪質商法にはまった時に弁護士に相談して騙されたお金が戻ってきたり、私でも答えるのが難しいような消費者問題についての問いに答えるカードがついています。
ただし、一枚のお金の単位が100万円であるためたくさん儲かる生徒は最終的に1億円の黒字を出すことも。
その辺りは非現実的な面もあるかなと思いました。
ゲームということは生徒もよくわかっているので、ざっくりと人生にかかるお金を確認するには悪くないと思います。
家族分野
家族制度の歴史から、現在の家族のあり方について考えるきっかけになる分野です。
自分の家族を見つめ直すのはなかなかしんどいものがあるので、新聞記事やニュースなど、客観的に見られる教材が必須です。
家族分野での授業ネタ・婚姻届を書いてみる
最近では、資料集にも掲載されている婚姻届です。
婚姻届のコピーを生徒に配り、実際に書いてみるとどのような不都合があるかなどを考えさせるようにしています。
出生届でも同じような内容の授業ができます。
婚姻届を区役所に取りに行った時は、茶色のインクで作られていることに驚きました。(まだ、若かった…!)
テレビでよく見る届出用紙は離婚届だったので、緑のインクで書かれているプリントの方が馴染みが深かったというのが大昔の思い出です。
家族分野での授業ネタ・結婚相手に求めるダイヤモンドランキング
こちらは、南野先生の岩波新書にも載っているネタです。
結婚相手に対して、学歴や外見、収入、経済力、家事をする、健康などの条件を9個ほどプリントに印刷して、どのような条件を結婚相手に求めるか、グループで交流しながら作成します。
同僚の先生方にも同じランキングを作っていただき、担任の先生はどのような条件を優先したか生徒に知らせる方もいらっしゃいました。
このダイヤモンドランキングを行うと、勤務先ではだいたい学歴が最下位に来てしまいます。
「自分たちにも学歴がないから相手に学歴を求めるのもなんだかおかしいし、人生にあまり意味がない、役に立たない」
と言っていたのが印象的でした。
保育
妊娠出産から、子どもの体の発達、心の発達、子どもを取り巻く環境まで内容をすすめていきます。
教科書によっては、妊娠出産を扱わず、いきなり子どもが生まれたところから始まる会社のものもあり、それぞれのスタンスが見え隠れするような気がします。
保育分野での授業ネタ・グループで絵本の読み聞かせ
教室の人数分、絵本が必要な実践になります。
生徒が教室全員の前で読み聞かせる必要もなく、四人グループで一人一冊読み聞かせるだけ。
時間も大して必要ありません。
3歳児ぐらいまでが対象の、せなけいこなどの小さな絵本を人数分用意しておきます。
私は自分の子育てに利用した絵本を家から30冊程度持ってきて使っています。
まず、簡単な絵本の読み聞かせ方法についてレクチャーをします。
レクチャーをした後にグループごとに4冊取りに来てもらい、自分が読む本についての紹介を書いてから読み聞かせの練習をします。
読み聞かせの練習をしたら、一人3分程度で読み聞かせを始めてもらいます。
聞いている人は、感想をプリントに書いていきます。
なるべく良いフィードバックを書いてもらい、時間がある時にはグループで感想を回し読みすることもあります。
小さい頃に読んだ絵本が当たった生徒は「懐かしい!」と喜ぶこともあります。
「なぜ小さい子がこのような内容の絵本を喜ぶのか、今の自分には全くわからない」
という感想を書いて来る生徒もいて、それぞれが自分たちの成長を感じる良いきっかけになると嬉しいです。
保育分野での授業ネタ・赤ちゃん人形
新生児人形を使って、首がすわっていない赤ちゃんの抱っこの仕方や、赤ちゃんの肌着がどうして縫い目が外側についているのか、ということを生徒と確認していきます。
だいぶ前に作られた人形だからか、赤ちゃんの目がはみ出ていて生徒にはあまり好評ではありません。
ただ、赤ちゃんに接する機会のない生徒が多いため、肘で赤ちゃんの首の後ろを支えることや、抱っこした時に赤ちゃんとアイコンタクトを取ることなど、指示をしっかり守っている生徒も多くて微笑ましくなります。
保育分野での授業ネタ・妊婦体験
こちらも数は多くないのですが、妊婦体験ができる重りのついた妊婦体験キットが職場にあります。
それらを主に男子生徒につけてもらい、歩いてもらったり椅子に座って靴下を脱いだりする作業をお願いすることがあります。
実際に出産前は体が重くなり、一つ一つの動作が苦しくなるものです。
妊婦のお腹の重さは胎児だけではない事、羊水や胎盤、子宮などの重さもあることを生徒に伝えています。
約9 kg 程度あるという重さ自体に、生徒は結構驚いています。
高齢者
なかなか時間をかけられないのが高齢者です。
だんだん、実体験を語れる年齢に近づいてはいますが…。
生徒が高齢者分野に興味が無いかというとそうでもなく、周囲は高齢者で溢れているため観察すればいくらでもできる環境ではありそうです。
高齢者分野での授業ネタ・高齢者体験グッズ
前任者が予算で購入した高齢者体験グッズを利用することもあります。
白内障キットでは、ゴーグルに白内障や視力が低下した人、曇り空の時の状態を付け替えて確認していきます。
また、手袋をはめてお財布のお金を取り出したりすると高齢者の手先の感覚の鈍さも確認ができます。
これらの体験をした際、
「そういえば、コンビニのレジに来る高齢者のお客さんは小銭が取り出せなくていっつも1000円札を出してくる。だから財布が小銭でいっぱいだ」
という話を生徒がしてくれたのを思い出します。
生徒の結論は、
ということでした。
高齢者分野での授業ネタ・高齢者向けの食事を食べてみる
高齢者向けのレトルトパックを授業で食べたことがあります。
毎年行えているわけではないのですが…職場で予算の都合がつかなければ、販売元に問い合わせて賞味期限の近いものを譲ってもらう事ができるかもしれませんね。
湯煎したレトルトパックを小分けにして生徒に食べてもらいます。
また、高齢者になっても自分の歯で食べるにはどうしたらいいか考えてもらうプリントを作ったこともあります。
環境分野
それぞれの分野で環境について扱うこともあります。
教科書によっては、環境問題について特別のページを用意しているものもありますね。
環境破壊によって私たちの生活が持続可能ではなくなっていることが生徒に伝わってると良いのですが。
最近はSDGsなどのネタを生徒と共有することも多いです。
環境分野での授業ネタ・SDGsのユーチューブを紹介したり…
環境分野のSDGsのYouTube を紹介したりすることがあります。
ピコ太郎のSDGsの紹介は、
「懐かしい!」
と言いながらもどのような取り組みが持続可能な社会のために必要か、考えさせられる内容です。
他にも、フェアトレードのチョコレートとそうでないチョコレートの作り方にどのような違いがあるかという動画を紹介することもあります。
絵本の読み聞かせ
授業の最初に絵本の読み聞かせを行うこともあります。
と言うか、去年から授業の初めに毎回行っている儀式のようなものです。
生徒が絵本に興味を持ってくれると良いのですが、、、ざわついている中で本を読むこともあり継続していて良いのか少し迷う時もあります。
実践については記事をいくつか書いているのでよかったら読んでください。
大阪の家庭科教員イチさんの読み聞かせ、40冊の絵本の紹介は尊敬というほかありません。
家庭科でのアクティブラーニング・作業の協同
普段は教科書を中心とした学習を行っています。
私が家庭科教員になった頃は、教科書も2色刷りで図やイラストも少なく、生徒に分かりやすく伝える役割を果たしていないものがあったように思います。
しかし、現在では資料集と見間違うようなカラフルさ。
フルカラーですし、内容もある程度コンパクトにまとまっています。
授業では、プリントを使って生徒自身がまず課題に取り組むことで、私1人がしゃべりっぱなしで特定の生徒が答えるスタイルの授業はしないようにしています。
もう少し教科書から発展させた知識も伝えたいと思うのですが、基礎的な部分を押さえ、また教室に入れない生徒が自分で学習できるようにするため、基本的には試験範囲のは教科書を大きく外れないようになっています。
私の場合は、指定したページを4人グループで机をくっつけさせて教科書を丸読みをします。
丸読みが終わったら今日取り組むプリントを配布して、教えあいをしながらプリントの完成を目指します。
最後に生徒が間違えやすかった部分について簡単に解説をして、授業中にプリントのチェックを済ませておきます。
職員室では、なるべくプリントチェックをしないよう心がけています。
家庭科の授業に役立つ本、書籍
今回、家庭科の授業に役立つ本をお伝えしようとしたところ…21世紀に入ってから家庭科関連の書籍があまりないことに気がつきました。
それはなぜかと言うと、1997年に家庭科が男女共修となり、その頃は男女で学ぶ、高等学校で学ぶ家庭科といったテーマで書籍が出版されたこともありました。
しかし、教育課程の改革で中学校の家庭科は3年間で1.5単位、高等学校でも70%の学校が3年間で2単位を学ぶ家庭基礎を選択しています。
高等学校で1年間、週2時間の授業で豊かな実践をしていくのはかなり無理があるのではないかと感じています。
そうなるとネタに困るというよりはいかに実践を厳選していくかということの方が課題になってきてしまいます。
そんな中、家庭科の価値を再発見し書籍にまとめてみても売れる可能性はかなり低いですよね。
家庭科教員の人数自体が、すべての教員の中でも割合が低いでしょうし…。
20世紀の本は、現代の価値観に合わないものも多そうです。
家庭科ワークブック、以前とてもお世話になりましたよ〜。
Amazonのマーケットプレイスならかなり安く購入できるので、歴史的な流れを知りたい方にはおすすめかもです。
家庭科の授業実践など
家庭科の授業実践の本が少なく、ちょっと残念に感じました。
教科書や資料集でもかなりの部分カバーできますものね。
正しいパンツのたたみ方
この本、私が書いたかと思ったくらい家庭科の教科観が似ている。
家庭科を教えているうちに、みんなこのような考え方になっていくのかもしれない。
著者は男性、元英語科の教員で、生活を自分でやっていくうちにこれは授業で教えたいと家庭科の資格も取ったそうです。
家族を考えるときは自分がバツイチであることを伝え、消費生活では大学時代に悪徳商法に引っかかったことを例に出す。
人生ムダなことは何もないどころかネタになり本を執筆するってすばらしいですね♪
家庭科教員のみならず、お子さんの自立について考えたい人は必読です。
すぐに使える家庭科授業ヒント集
教科書会社が発行している、ワークを中心とした実践集です。
各分野バランス良く、57の実践が報告されています。
こういう実践集は、
「ほんとにこれ、授業で取り組んでるの??」
と疑問が残るようなものもある中、比較的簡単に取り組めてプリントもそのまま使えるようになっているので一冊職場にあっても良いのではないかなと思います。
人生の答えは家庭科に聞け!
2014年版のNHK家庭総合で放映された内容をもとに編集したもの。
2ページの見開きマンガと、2ページのコラムで構成された30章。
家族、保育、家庭経済、衣食住、LBGTとかなり幅広く網羅されています。
現在の家庭が抱える問題についてざっくり知りたい方、高校の家庭科で教えられている内容を知りたい方におすすめします。
家庭科の教科書
一般の子ども向けに作られた書籍です。
フルカラーで、子どもの自立に必要なスキルがわかりやすく描かれています。
生徒に基礎的なスキルを教えるときに手元に一冊あると良いと思いますよ!
どちらかと言うと小学生向けかも?
衣食住分野
食べるってなんだろう
20世紀に出版された、特に食生活での調理実習で使えるようなネタがたくさん載っています。
著者が大切にしている「食べること」に共感します。
この本を読み、干物を作ったり燻製を作ったりして生徒と楽しみました。
こういった実習は年月が過ぎても変わらないものなので、よかったらぜひご一読ください。
中高生のための「かたづけ」の本
年末のお片付け燃料におすすめの一冊。
内容の対象は、中高生かどうかはちょっとナゾ。
お片付けのステップは、1すべて出す、2分ける、3選ぶ、4収める。
保育園で子どもたちが躊躇なく片付けができるのはモノの住所が決まっているから。
家でも保育園のように置き場所が決まっていれば片付けに時間がかからないはず。
「不要なものを捨てること」よりも「自分に必要なものは何か選ぶこと」が重要視されているのが印象的でした。
モノがあふれているこの時代、家庭科の住居分野でもっと「片付け」を重視してもいいんじゃないかな。
家族・家庭経済、保育、高齢者、環境
シアワセなお金の使い方
NHK家庭総合講座の監修もなさっている大阪の家庭科の先生の本。
「正しいパンツのたたみ方」につづく第二弾。
お金のつきあいかた、どういう消費者になるかは家庭科の授業の中でもなかなか時間が割けないということで主に経済的な面から見えるお金、見えないお金などをワークなども含めて分かりやすく書かれています。
生活者、というくくりでは学生問わずオトナの人にも読んでもらいたい良書です。
家庭科の授業に役立つサイト・ブログ
何と言ってもNHK家庭総合の動画が参考になります。
何年かおきに改定されているのですが、徐々に高校生ゲストも減り、出演者が少なくなっているのが気になりますね。
NHK家庭総合
放送の章立てを確認するだけでもOK。
時間がない場合は、画像と文字で見るタブがあるのでそちらをクリックすると放映内容の大体の流れがつかめますよ。
知るぽると
金融広報中央委員会の「知るぽると」です。
暮らしに役立つ身近なお金の知恵・知識情報サイト。
金融教育について知りたいことが網羅されています。
教員の金融教育実践のコンクールも行っていますよ。
「これであなたもひとり立ち」という小冊子を無償提供してくれています。
こちらも申し込んでみると、住居や家庭経済の分野で役に立つのではないでしょうか。
ジヨン子の家庭科教材研究
2016年で更新が止まっていますが、高校家庭科の授業で読める絵本を探しているときにヒットしたブログです。
多くの家庭科の先生が発信してほしいですね。
日本家庭科教育学会
私は教育学部卒ではないのでなかなか馴染みがないのですが…。
職場にも学会に入っていて、学会誌を定期購読している同僚がいます。
一度、勝間和代さんの講演が聞きたくてお邪魔したことがありますよ。
家庭科教育研究者連盟
現場の家庭科の先生が集まって研究している、いわゆる民間教育団体です。
私も以前所属していて、とっても昔にホームページ制作をお手伝いしたことがあったのですが…
いまもhtmlなページで驚きました(汗)。
まとめ
以上、家庭科の授業ネタ実践まとめでした。
実施しているのは偏差値40前後の高校生向けであることをご了承ください。
生徒のいまの生活、将来の暮らしを考えたらとっても大切な教科だと思うのですが…強化担当に任されている裁量が大きすぎて、教員によって実践の幅が大きそうです。
もし、おすすめの実践、書籍、ホームページなどありましたらぜひご紹介くださいね。
ではまた☆