[書評]多様な性を知るなら、新書でマンガ付きの読みやすいこちらはいかが?「百合のリアル」
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仕事で性を教えているので参考に読んでみました。
著者の牧村朝子さんは、レズビアンレポーターだそうです。
テレビあまり見ないので知りませんでした。
女性同性愛者が書いた本は珍しい。
男性だと、この辺り有名かと。
石川大我さんとかね。
マンガと対話で進みます。
私が買った理由も、
「絵がいっぱいあるし、なんだか読みやすそう。資料にできるかも」
というものでした。
性教育に携わり15年以上経ちますが、まだまだ私の知らないことがたくさんありました。
やっぱり、日々勉強しないとダメですね。
同性愛者でなくても、この世の中を生き抜くヒントがちりばめられています。
なるほど!メモ
いつもの長めメモを書こうとしましたが、なぜかこの本、目次がない!!!
章だてはあるんですけどねぇ…。
短めに、気になったところメモします!
・日本で性同一性障害と呼ばれているものには、海外では疾患という扱いではなかったりする。
アルゼンチンでは、「ジェンダーアイデンティティ法」という法律があり、生まれた時に決められたものと違う性別を選ぶ気持ちを個人の権利として扱っている。
なので日本のように手術や裁判を必要としない。
・同性愛者は少数派であっても少数とは言えない。同性愛者の割合は、日本の中でのAB型や、左利きの人の割合よりちょっと少ないくらい。
2013年に行われた日本での調査では、男性の4.9%、女性の7.1%が同性愛者だという結果が出ている。
・東京ディズニーリゾートで行われた同性婚
2012年に、レズビアンカップルの結婚式が行われた。
しかし、日本では法的な結婚は認められない。
著者は相手がフランス人だったことで法的結婚をすることができた。
自身の意思に関わらず、私たちは社会制度によって区別され、管理され、選択肢を与えられながら生きている。
でも、諦めなければならない義務はない。新たな選択肢を作ろうと動くこともできる。
・セックスのルールはシンプル。
「している人同士の安全と意思がそれぞれ守られること」
・カミングアウトして嫌われたとしても、嫌われたのは自分自身ではない、と考えて欲しい。
その人は、その人の頭の中にある「同性愛者」「性同一性障害」とかのイメージを嫌っているだけであって、あなた自身を嫌悪しているのではないと考えましょう。
まとめ
セクシュアリティを定義する言葉はいろいろあっても、その言葉の数だけしかセクシュアリティがないわけではなく、人それぞれ性格と同じように多様性を持っています。
グラデーションって言うのかな…。
読み進めていくと、絶対に自分はノンケと言えるのか?わからなくなってきました。
セクシュアリティに限らず、人はマイノリティを感じる部分があるんじゃないかな。
今回は記していませんが、牧村さん自身の経験談もかなり具体的に載っています。
「男の良さを教えてやる」
という男性にお目にかかることも…
「そんなに男がいいって言うなら私なんかに構ってないであなたが抱かれたら?」
という気もちになるとか。
ホントその通りですな…。
もうちょっと、社会制度が緩やかになるといいんだけど。
生徒にも読んで欲しい一冊。
ではまた☆
(2013年に雑記ブログに書いた記事のリライトです)