[性教育]性教育の全国大会にて、広島の産婦人科医・河野美代子先生の講演を聞く。
スポンサーリンク
性教育の全国大会、二日目の午後の報告です。(2012年の記事です)
産婦人科医の河野先生による、「性教育と人権教育・平和教育との連携」実践報告です。
以前の大会でもお話を伺いました。とにかくパワフル!!ブログ愛読しています。
miyoko-diary.cocolog-nifty.com
河野先生の生い立ち
広島に住んでいた家族。父はたまたま原爆を逃れた。被曝二世として生きる。
産婦人科医になってからも、平和活動は欠かさない。
今年の平和の集いでも司会をされています。
時代による性の規範に、ご自身も揺れる
例えば、エイズなど新しい病気が見つかれば、
「血友病のエイズは本当にお気の毒だが、性交でかかったエイズは自業自得である」
など。
産婦人科は医療の中でも時代の規範に影響を受けやすい科のようです。
また、純潔教育まっさかりの頃、性教育のシンポジウムでは、
「中絶の入院のため学校を休んでいる生徒の診断書は偽って書かなければ学校を辞めさせられるのか知りたい」
と、質問すれば非難され…。
性、ジェンダーの分野もかなり時代により常識が変わるものだなと感じます。
現代の性をめぐる問題
若い人の性については、ここ数年の比較では14歳以下の中絶、出産が微増。
子どもへの虐待では、10代の出産当日の虐待死が最も多いです。
動物だってそんなことはしない、とただ責めることもすることもできるでしょう。
しかし、妊娠したことを誰にも言えず、周囲も気づかず、検診も受けられず出産を自宅で迎え、陣痛を一人で耐えて産んだものの産声が周囲に漏れるのを恐れて口を塞いでしまうというケースがほとんどだそうです。
近親者が妊娠に気づいていたのが1例のみ。
どれだけ孤独な妊娠生活だったことでしょう。
少々やんちゃな、怒られ慣れている女の子なら周囲に相談もできるが、今までいい子で来てしまった場合ほど一人で抱え込むとおっしゃっていました。
妊娠は相手のあること。
女性だけが責められることなのでしょうか。
そんな中、河野先生は若年層や婚外子、近親出産など事情のある赤ちゃんの海外養子縁組のコーディネートを始めるようになります。
海外の両親の中ですくすくと育っている子どもたちが会いに来てくれることもよくあるそうで、やはり育ちと感じるとおっしゃっていました。
被爆者二世として
また、広島で被爆者二世として暮らしていて、福島のことは他人事ではないと広島で支援活動も行っているとか。
甲状腺の腫瘍など、親子の検査をしたところすでに何割か症状が出てきている。
ガンが出てくるのはもっと後、4年後以降になってから。
できれば避難するほうが望ましいのだが…とおっしゃっていました。
子宮頸がんワクチン、女性の性の健康について
また、子宮頚がんワクチンの質問にも答えてくださいました。
子宮頸がんはウイルスでかかるので、予防接種がきくことがわかっている。
16型、18型が有名。
18型が、腺癌というたちの悪いガンになる。1年前は問題ないのに取り返しのつかないことになっていることがある。
サーバリックスが2価といい16型、18型の予防に優れているが、もう一つのワクチンは4価で、18型ワクチンの効きが今ひとつ。
小児科では2価よりも4価がたくさんの病気に効くという理由で使われているがオススメしない。
子宮ガン検診の割合も、先進国ではとても低いです。
女性の性の健康にとことん遅れている日本
ピルは、40年間認可されなかった。
子宮頸がんワクチンが認可されたのが100国目。
緊急避妊ピルは最後の6カ国目。残りは北朝鮮、イラン、イラク、アフガニスタン、ペルーなど5カ国。
値段も高い。緊急避妊ピルが15,000円。
イギリスでは保健室で配ったりしているそうです。
学校があいていないときのためスーパーで売っているものは1500円だそうです。
中絶よりも副作用が少ないと思いますが…どうなんでしょうか。
二時間の講演、圧巻でした!
まとめ
仕事して、平和、性、人権の活動をされていながらさらにブログも毎日更新とは…。
同じ24時間が与えられているとは思えませんでした。
常に熱い想いを持ち続けている方から元気を頂けるのもこういった研究会の醍醐味だと思います。
この日は、ランチでピルコンのあすかさん、マドレボニータの里紗さんとランチをご一緒することができました。
夕食は、福岡に移られたママ友のびゆらさんと。山口と福岡が160kmも離れているとは知らず。。。
出張ついでに会いたい人とお会いすることができました。
本当にありがとうございました。
次は、最終日の性同一性障害についての学びをシェアしたいと思います。
ではまた☆