[考え]『学び合い』と私の今までとこれからを棚卸ししてみた。挫折しても気になるのはなぜ?
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このブログでもよく取り上げている『学び合い』。
上越教育大学の西川純先生が提唱している授業法(考え方)です。
先日、『学び合い』関連の方とツイッターでやり取りをする機会がありました。
その際に、
- 私が『学び合い』を知ったきっかけ
- 『学び合い』の実践経験
- 『学び合い』との関わり方
について、何かしら記事を書いているはずだ…と思っていました。
しかし、このブログを検索したところそれらしき記事が見当たりません。
それなら、今までの実践の棚卸しついでに書いてみよう!
と思い立ちました。
進路多様な高校での『学び合い』について、ご興味のある方は読んでいただけますと幸いです。
私が『学び合い』を知ったきっかけ
2007年ごろ、二人目の育休の時にインターネットのブログなどを通じて知り合った仲間に、
に出会いました。
2009年ごろに、その仲間が
「『学び合い』って知ってますか?新潟の上越教育大学の西川純先生が提唱している考え方なんです。インターネットにも手引書があるので読んでみて下さい。」
と言っていたのが気になり、手引書をプリントアウトして読んでみました。
(現在では、手引書はダウンロードできないはず…)
一斉授業がなかなか授業が成立しない中、
「一人も見捨てない」
という考え方に共感し、
「なんとか授業改善できないか?」
と、藁にもすがる思いで取り組み方を考えてみました。
実践方法については、西川先生にメールで直に問い合わせてやり取りをする中で教えて頂くことになりました。
西川先生のメールの返信が、めちゃめちゃ早いんですよ…。
どこにそんな時間があるんだろう?と思うくらいでした。
『学び合い』を実践した結果…
2009年の1学期に、西川先生のアドバイスも頂いて『学び合い』を実践してみました。
語りをした後に、15分程度で終わる課題を用意し、黒板に小テストの答えを貼り出しておきます。
高校1年生、食生活の分野でした。
「栄養素について、小テストの問題が解けるように教科書の範囲を各自プリントにまとめる」
と言ったような課題だったと記憶しています。
今思うと、
- 席は自由に動いて良い
- 各自でまとめる
あたりが、中学でオール2以下の生徒たちにとって自由度が高すぎて困った点だったのかもしれません。
- やる生徒とやらない生徒が出てきた
- やらない生徒は教室の隅に固まって地べたに座り、携帯をいじり始めた
課題の全員達成なんて、雲の上のような目標です。
やらない生徒に毎時間声をかけるのが苦痛になり…
「毎回小テストをしているのだからテストの点数は少しはマシになるのでは?」
と考えてテストの難易度を上げたらかなりテストの出来が良くない…
同じ科の教員からも、私の授業法に疑問視をする声が…
「これなら、一斉授業の方がマシ」
ということで1学期という短い間に『学び合い』の継続は厳しいと考え、2学期からは一斉授業に舵を切ってしまいました。
2010年には3人目の産休育休に入り、2011年に復帰。
2014年には、同僚が実践している
「職場の中でうまくいっている協同的な学び」
を発見しました。
「一人も見捨てない」
を頭に置きつつ、グループを作り、やっていることは個別学習(ほぼ作業)という形を取っています。
その内容はこちらの記事に詳しく書いてあります。
良かったらどうぞ。
『学び合い』との関わり方
そんな私が、
『学び合い』
にずっと興味があるのは、
『学び合い』に関わっている先生方が魅力的であること。
この一言に尽きるかもしれません。
2009年ごろの『学び合い』の会に参加していた私を覚えていてくれた方もいらして、2015年のフォーラムで声をかけてくださいました。
Facebookやブログなどで情報発信をされている方も多いです。
なかなかサークルに参加できない身でも、毎日新しい情報に触れることができます。
教科、学校種を超えて交流できるのも魅力の一つです。
「家庭科の授業をどうしよう?」
だと、交流できる先生の数が限られてしまいます。
多様な先生とこれからの教育について考えられる仲間がいると言うのは素晴らしいことだと思います。
これから、どうする?
私が、『学び合い』に乗れてから8年ほど経過しました。
その間に、『学び合い』関連の書籍はどんどん増え、揃えきれないほどになりました。
『学び合い』(二重括弧の学び合い)を聞いたことがあるという先生方もかなり増えています。
教員向け授業動画サイトFind!アクティブラーナーでも、『学び合い』の授業がたくさん紹介されています。
2学期には中学校3年生の福島先生『学び合い』数学の授業を何人かの研修委員と見て、感想の交流もできました。
職場で実践できるかは別として、これからも多くの先生方から学び続けていくことでしょう。
まとめ
今回、この記事を書いたのは、大阪で教員研修の企画運営、学校校務の業務改善支援に取り組まれている杉山史哲さんのツイートがきっかけでした。
そうですね...僻地で全校児童生徒が20人に満たないような学校と並んで、難しいと思います。。異学年合同の『学び合い』ができれば単学年単学級よりは機能しますが、異学年合同は教員間の合意や管理職の理解という別のハードルがあり、これもまた難しいですね。。 https://t.co/HU6AR9mXe5
— 杉山史哲 (@symphonicity) 2017年12月20日
偏差値が低めの高校もそうですが、逆に進学校は進学校の難しさがあります。学力の幅が一定以上ある方が『学び合い』は機能させやすい、ということです。あとは、高校は教員が生きてきたこれまでの社会階層とその高校のレベルが近い方がやりやすいというのはどうしてもありますよね...
— 杉山史哲 (@symphonicity) 2017年12月21日
杉山さんの取り組みはこちら↓
(すでに募集は終わっています。私も少額ながら寄付させていただきました)
多様性が少ない教室では、『学び合い』の効果を発揮させづらい。
例えば、僻地の少人数単学級や、偏差値で輪切りにされている高校など。
『学び合い』が成立しないのは自分の力量が低いせいなんだ…と、自分をずっと責めていました。(いや、それもあるかもなんだけども)
しかし、そのツイートを読んで…かなり救われました。
授業中も何度注意してもスマートフォンやお化粧を止めない生徒たち。
生活指導の会議も毎日のようにあります…。
退学という選択肢もある高校で、
「1人も見捨てない」
という考え方を続けていくのはかなり忍耐のいることです。
では、学力の幅が狭く、多様な人とつながる力が弱い集団に対してできる事は何なのか。
少人数学級で反復練習をする方が良いのか。
一斉授業で生徒が躓きそうなところを細かく説明していくのが良いのか。
なかなか答えが出てきません。
少し自分の実践について棚卸しができたような気がします。
杉山史哲のツイートをきっかけに、また少し交流が広がりそうです。
ではまた☆