まなびと!

自らが学び続ける教師でありたい。振り返りの記録です。

[実践]合同相談会すべて中止!情報不足の受験生へ、オンライン説明会を実施せよ!!

「コロナで、どうやって学校を選んだら良いのか不安…!」

こんにちは。まなびとです。

今年、中学や高校の受験生の人達はどうやって情報を得ているのか興味があります。

何せ、私にも来年受験生になる子どもがいます、

  • 学校見学に行ってもいいのか
  • 学校説明会のどのように開催されるか分からない

とにかく、学校の様子を知る機会がなさすぎます。

もしかしたら、なるべく公共交通機関を使わない学校選びがなされるかもしれません。

なぜこのような話をするかと言うと、今年から学校の宣伝を担当する部署に異動したからです。

異動で入試広報担当になりました。私立は生徒が入ってナンボ

よく生徒から、

「先生は公務員だからいいよね」

と言われることがありますが、私立学校の教員は公務員ではありません。

収入は補助金もありますが、生徒が入ってこなければ補助金も減らされます。

もし生徒が入ってこない年が続いてしまえば、募集停止、廃校もあり得ます。

公立学校の先生と喋っていると、そのあたりの感覚が全く違うと思い知らされます。

翌年の募集定員は教育委員会が決め、入試問題を作ることもありません。

生徒募集が失敗して定員割れしても、近所の学校と統廃合して教員は異動すれば良いだけです。

ゆえに、入口となる宣伝部…入試広報部の働きが非常に大切になってきます。

合同相談会がすべて中止!情報提供のためにオンライン説明会を企画

知名度のない学校は、地元の学校が集まる合同相談会に参加して、興味のある受験生に宣伝をすることになります。

しかし、今年度は新型コロナウイルス対策のため軒並み合同相談会が中止になってしまいました。

塾開催の相談会はいくつか開催されているものの、大型の規模のものは一切行われません。

そんな中オンラインの説明会を行う学校も増えており、本校もその波に乗ってみました。

正直全てのことが初めてで、手探りで…疲れました。

4月からオンライン説明会を行っている学校があった!

休校中、どこよりも先駆けてWEB説明会を行っている学校に申し込み、偵察。

参加してみたところ、オンライン会議ツールのZOOMのウェビナー(ウェブセミナーの略)という機能を利用していることがわかりました。

>>ビデオウェビナー - Zoom

ウェビナーを利用すると、参加者の顔や名前が他の参加者に見えません。

ミーティング機能で他校の説明会に参加した同僚は、友人が参加しているのが分かって気まずかったとも…気にかけたいところですね。

説明会実施中と、説明会実施後はQA機能を使って個別に入力して質問できるようで、その機能を使うことにしました。

5月、6月、コロナの影響が深刻化。

軒並み合同相談会が中止!(10月までひとつも開催されず)

7月のオープンキャンパスまでイベントなし。

受験生への情報源が受験雑誌、ホームページしかない中、WEB説明会の検討を開始。

今回のコロナ騒ぎもあり、 Web 出願を始めるということもあってオープンキャンパスや学校説明会もオンラインでの完全予約制になりました。

すべて初めて!手探り状態の中、壁にぶつかりながらオンライン説明会を実施!

今、オンライン説明会が終わって振り返ってみると怒濤の2カ月間でした。

前回の記事にあるように、ほとんどの教員は IT 機器を使い慣れていません。

manabito.hateblo.jp

やっと Google Classroom を導入して、授業の対応や、コロナウイルスでの日程変更、そのための会議に追われ、てんてこまい。

そんな中、オンライン説明会を行うための準備や情報収集、セッティングなど全て自分にのしかかってきました。

責任重大です!!!

7月、まずはウェビナーの契約から!!!

Zoomウェビナー機能の契約をしようとしたところ、ZOOMの契約はクレジットカードのみで、なんと法人のクレジットカードがないことが発覚。

職員のクレジットカードを使って立て替える事態に。

ちなみに、ズームのウェビナー機能は人数ごとに契約料金が異なります。

100人までなら年間8万円で契約が可能。

「一年に何回行うかわからない学校説明会に8万円払うのはどうか?」

とも考えましたが、リアルな合同説明会の参加費用はだいたい1日10万円前後です。

合同説明会がすでに何件もキャンセルになっているため、その費用をオンライン説明会に振ってもペイできると考えました。

WEB説明会の日程を確定し、申し込みフォームの作成。

ウェビナーは、チャット機能を入れるか、入室時にマイクをオフにするか、など細かい設定は必要で、その辺りをどうしたらよいのか悩みました。

大まかな流れを確認、40分前後におさめることに。

生徒に、短時間でのインタビュー撮影を依頼。

8月…なんとか無事にオンライン説明会開催!!!!

学校説明会のリマインドメールを作成します。

インターネットからの完全予約制にすることにより、受験生のメールアドレスを取って、事前にリマインドや変更のお知らせを送ることができるようになりました。

これがリストマーケティングなのか…と、ビジネスに思いを馳せたりしました。

オンライン説明会には2パターンあって、その場でリアルタイムに説明するものと、すでに録画してあるものを流すタイプのものがあります。

勤務先では後者のあらかじめ録画をすることにしました。

これがなかなか大変で、

  • 生徒のインタビュー撮影
  • パワーポイントナレーション録画
  • 校長挨拶撮影 
  • 初めと終わりの注意事項、QAの方法についてパワポ録画

すべて、雑音が入らないよう離れの教室にて、エアコン切りながら。

カメラ好き先生の一眼レフカメラとフワフワマイクが大活躍。そして汗だく。。。

これらの素材をまとめ、動画編集。

動画編集は、iphoneのアプリのみで完成までこぎつけました。

apps.apple.com

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趣味で、スマホ動画編集講座に参加しておいて良かった…?

入室時に、待合室の代わりとなるオーディオテストの動画を作成しました。

編集途中の動画を利用し、ウェビナーのテスト。

素人が撮影した動画を編集するのも大変なのに、ウェビナーで動画配信テストを行った際に 配信時のカクカク問題にぶち当たる…!

これが開催2日前。

撮影した動画は滑らかに動かず、配信された側で綺麗に写りません。

当日ギリギリまでに、ひたすらググる

www.note.lespace.co.jp

いくつか対策を講じてカクカク問題解消しました。させました。

動画がカクカクしてしまった時には無線 LAN を利用し、mp4の規格がタブレットPCと合わず、 YouTube からダウンロードしながら配信しなければならない状態でウェビナーにアップロードをしていました。

なんでネットワークを使いたがったかというと、学校のPCの共有フォルダに動画を入れようとすると容量不足と表示されるから!!!

なんで10G程度の動画が入らない????なんで???
結局、外付けHDD(1T)をつけてそこに保存するっていう…なんなん…。

それらの要因を取り除くために、

  • 有線 LAN を使用
  • ズーム以外のアプリをすべて終了させる
  • MP 4などローカルな状態で保存してある動画を高画質ではなく画質を落として配信する

この三つを心がけただけで、スムーズに動くようになりました。

ちなみに有線 LAN のポートがあるパソコンが職場になく(タブレットPCか、10年前の低スペックデスクトップしかない。涙)私物の15インチノートパソコンを家から持っていきまして…物理的に重かった。

事前に、ホストが質問に答える職員のアカウントをパネリストに昇格させておきます。

昇格させることで、質問事項を見ながら誰がその質問に答えるか割り振ることができます。

開始前にオーディオテストの画像を流し…そこでまた学校に電話が…

「ZOOMに入れない!」

「テスト画像が流れているけど、これでいいの?まだ始まらないの?」

Oh…!

動画を配信しながら、説明会中ウェビナーの機能を利用した質問に答えるスタイルでなんとか1時間弱。

結果、約80組の申し込み、ドタキャンがほぼなく100%の参加!!

質問タイムは20件で、

「こういう質問があるんだ〜〜〜〜」

と参考になりました。

次回のため、このQAはコピーして保存しておきます。

まとめ

振り返ると、本当に怒涛の4ヶ月間でした。

とくに7月からは、PCで仕事できるから、家に帰ってから夜まで土日も、家でずーーーっと働いていましたね…。

壁にぶつかるたびに、すでに同様の手法でオンライン説明会を行っていた同業他社の夫に毎回質問しながらすすめてました。

開始前のオーディオテスト動画作成のアイデアは夫から。

夫には感謝しかありません。

夫婦の会話がほぼ募集についてなのが、良いのか悪いのか…。

しかも、夫の職場はオンライン説明会申込みは平均400組なんだとか。

羨ましすぎる。

とりあえず短い夏休み、オンラインで仕事するのをやめて、とにかく休みます。

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あつ森の部屋も、気がつけば教室だけどね…!

ではまた! 

[ICT]今年上半期の学校内ICT改革記録!コロナ禍で「10年が3ヶ月で来た」

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ご無沙汰しております。まなびとです。

ブログ久しぶり…もう、半年以上経ってますかね?! はてなPRO2年プランを昨年うっかり更新してしまったので、noteにも移らずもう少し頑張ってみようかと思います。

今回は、実録「コロナとICT」職場内の大変革

さて、久しぶりのテーマはコロナとICT.。 何年も呼びかけても変わらなかった学校のICT改革が…コロナ禍で「10年が3ヶ月で来た」

「10年が1年で来た」というのは、ユニクロの柳井さんが新聞で語っていた言葉です。

でも、学校は3ヶ月でなんとかしなければなりませんでした。

このブログを読みかえすと、2017年頃からGoogleセミナーに出ては

Google classroomは無料なんだから、学校で使えるようにしてください!!!」

と何度も何度も訴えてきました。

でも、

「学校にWi-Fiが整備されてないから」

「使えない先生もいるから」

「具体的にどう使うのか説明して」

とかなんとか情報担当者に言い含められ、諦めかけていたその時…!

2020年上半期、コロナに対応するために小さな私立高校に起きた変化

3月からの大変革!!!

私は活用している方ですが、 ついていくのが大変だった先生も多かったと思います。

では、紹介していきます。

3月[まさかの休校]

卒業式はかろうじて生徒と教員のみで行う。

しかし、それ以降は首相の要請に従って休校。

学年末テストが行えず、成績をつけて終わり。出勤は短時間。

4月[紙とICTの間で]

入学式なし、始業式なし。

新学年の教科書、自習課題を紙で宅急便で送る。

教員もなかなか出勤できないため、何人かで学校に掛け合い、Google classroomのアカウントを教員に発行。

教職員のクラスを作って連絡するように。

生徒への連絡は一斉メール。

5月[生徒にもgoogle classroom導入!]

学校のホームページに、課題をPDFで配信。

ドメインの問題などありつつも、Google classroomのアカウントを生徒に発行。

教師の感染も心配なので、ほぼ出勤させず。

生徒への連絡手段はメール。しかし、生徒の不安に寄り添うため電話を使って安否確認。

やっと、google meetを使用してオンラインで職員会議できるようになりました。

6月[オンライン授業、HR、面談を開始!]

classroomに課題を配信、分散登校で授業。

並行してGoogle meetでオンライン授業を行うことに。

しかし、学校のWiFiが非力すぎて教職員がオンライン授業のテストを行うと電波が切れてしまうことが発覚!

オンライン学習が決まってからそのことが分かったため、ポケットWiFiを10台購入することに…。

ポケットwifiを用いて朝はgoogle meetでホームルームを行い、生徒との面談もmeetを利用。 

※学校支給のパソコンは、生徒が情報の授業で使った型落ちデスクトップ(10年くらい使っていて、情報の先生によると「なぜこれが今も動いているかわからないレベル」らしい)

※職員室のデスクトップPCはカメラがなく、オンライン授業ができない。職員用の貸し出し用のタブレットPCが15台あるが、多くの教師は私物スマホかパソコンで授業。

※生徒に端末が配布されてないのため、スマホで見てる模様

7月[生徒の登校開始]

7月から通常登校に。それでも時差登校、短縮授業、最終下校時刻も早め。

google classroomは利用を継続中で、課題を出している教員もまだ多い。

初めて全員揃う生徒たちを見て、

「密だな〜〜〜」

と思ってしまった。

8月まで授業と試験。

この騒ぎもあり、来年度の新入生から何かしらの端末を一括して購入してもらうことになった。

どの端末を購入するか、どこから購入するか、MDMは入れるのかなど、早めに決めないと同じような学校が多く購入できなくなるらしい。

Wi-Fiの工事も、どこも予約が一杯ですぐに増強できないらしい…ひえ〜

8月[短い夏休み…]

8月中に新学期。この暑い中、学校再開できるのかな???

まとめ

コロナ疑いの生徒は学校に来られずテストを受けられなかったり、授業回数が少ない中成績をつけなければならなかったりという状況です。

年度初めに予定していた行事はすべて行えず。

4,5,6,7月…と、毎月行事の見直しをしては予定通りに行かずでして、その度に日程変更の会議に参加するのがとっても負担でした。

会議の時間は生徒に還元できてないし。

同じような状況の夫の職場は、勤務先よりも1ヶ月早く進んでいました。

・4月

Google classroomの整備 スタディサプリ(契約済み)視聴とネット経由の課題を出す

・5月

ZoomとGoogle classroomを利用して時間割通り(40分)のオンライン授業開始(学校から端末は配ってない)

・6月

生徒の登校は6日に1度(短時間滞在) 授業はオンラインのみ、7月からぼちぼち登校

「勉強どうなった?」と聞いたところ、 オンラインは演習時間ないし、ひたすら説明がとっとと進むので対面より進んじゃってる…らしいです。 他の科目も同じく。

体育や実技科目は別ですけど😅 私立の中高はあんまり影響受けてないかも(そもそも、高2までに履修範囲は終えますし)?

さて、これからどうなるのでしょうか…不安しかありません。

皆さんの学校の取り組みも教えていただけると嬉しいです。

[セミナー]私立中高のICT教育事情を聞いてきた!やっぱり理想はBYOD…?

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中学校 高校 ICT BYOD

私立中高のICT教育事情について講演会聞いてきました。

教員クラスタの方、中高保護者クラスタ、特に学校でデバイスを購入された方などぜひ状況お聞かせ願えると嬉しいです。

講演会は大変参考になりました。報告者の先生方に感謝です。

ちなみに私の勤務先は、授業中もゲーム、SNSスマホの取り締まりがもぐら叩き状態。

ルールもマナーもほぼ守られておらず大変困っています。

授業では教員がモニターにパワポ映したり、少人数クラスでPC使ってコースの論文書かせるくらいかなぁ。

A学園(最近共学、中堅中高)の取り組み

・2013年からの取り組みで、年度によりChromebookiPadsurfacemacbookと、4種類のタブレットやPCを学校が指定して家庭に購入してもらった。今は全コースsurfaceで統一している。

・教室整備、導入費用はそれなりにかかり、それらの修理費用も毎年かなりの額が飛んでいく

・価格、保全などそれぞれのメリット、デメリットがある

iPadは、キーボードが一度bluetooth外れると大変

Chromebookは、トラブル多く、故障が半端ない、修理が海外、修理の連絡だけで1時間くらい電話したことも。価格は安いがもう使わない

・ICT担当がとにかく大変、分掌を外してほしいくらい。外注でICT支援員を雇って修理などはそちらにお願いするようにしている

・細かいトラブルなら1日2件、支援員に相談するのが年間100件、修理で年間50件

・新入生に渡して、1週間で端末を落として割る

・端末導入までに1年は教員が使うようにしないと、生徒に持たせても「使わないじゃん」状態にになる。初年度は3ヶ月前に導入して、教員が使えるようになるまで半年くらいか かった。

・まずは、教員に端末一人一台必要。

・教室内のプロジェクターは、電子黒板機能付きが理想。

・導入にあたっては、なんのために、何を目指すのか、というルールやポリシーが絶対必要。どこまで電子化するのか。電子化にはコストも多分にかかる。

・ロイロノート、MDM、Classiというサブスクリプションサービスだけでも年額約1万円を家庭に負担させることになる。

・フィルタリングしすぎて、調べ学習できない問題

・保護者から、「家でYoutubeばかり見ている」「ずっとゲームをしています」クレーム

中高一貫だと、端末の買い替えも視野に入れなければならない(3年くらいで使えなくなる消耗品扱い)

・教員もはじめは頑張るが、途中から以前のスタイル(楽だから)に戻っちゃう問題

・補償は必ず。修理に出している間の代替機にも補償をかけないとダメ。代替機を割ってしまった生徒もいる。

surfaceだから○○できない、など端末に依存しない取り組みが必要になってくる。

・最終的にはBYOD(bring your own device)が望ましい。学校が管理したときのトラブル対応が大変すぎ。高いお金払ったのに活用されてない問題、このデバイスじゃないとだめということがないようにしたほうがいいという理由から。

B学園(娘を入れたい名門中高一貫女子校)の取り組み

・中学生はダメだが、高校生から完全BYODにした。

・BYODだとipadiphoneの共存が論理矛盾しているため。端末がスマホでもいいんじゃないの?となり、持ち込みOKになった。

スマホの問題は、学校がどうこう以前にすでにある

・生活上のルールは変わっていない。学校を出たら通学時間はスマホは使わない。

・若い教員の意見を聞いて上下関係なく議論ができるのが、ICT教育のいいところ。

・文房具の扱いとして、シャーペン的にデバイスを使わせるように心がけている。「教具」ではなく「文具」。

・統一した場合、都合がいいのは教員。なんのために持たせるのか?高校での学びが大学、社会につながるように。そのために中高でも使わせようという目的だったはず。

・職員会議の大前提が、「話の中心に生徒を置く」ため、能動的な生徒を育てるために学校で悩み、行動する機会を増やす。学校でできることを提供しようということになった。 (進学率だけにこだわってなさそうでステキ、さすが名門✨)

・受動的ではなく、積極的にデバイスを使いこなす。大学、社会ではどうせPCを使うのだから、高校生からの利用させて問題ないはず。クレバーな使い手を増やしていく。

・この講演会も、いろんなデバイスでノート取っていますよね。紙にペンだったり、PCだったり。そういう状況を学校でも行う。

・朝のテストは、Googleフォームで作ったもの。単語テスト。

・一斉にやるので、240人がGoogleから配信されたテストをやる。(でも、Wi-Fi通ってたら検索できちゃうし、予測変換出てくるよなーって素朴な疑問)

・(写真を見て)教室のコンセント。タブレットを充電しているように見えて裏でスマホを充電している。これはさすがに注意している。

・校内のWi-Fiを2台まで登録できるため、タブレットやPC端末がダメなときにスマホで代用できる。

・困ったときの対応は学校ではしない。「文具」なので、壊れたシャーペンのフォローは先生に言いに来ないよね?ということ。

・(ロイロノートを一斉に表示させる画像を見て)これだと一斉に同じ端末があったほうがいいとなってしまう。教員のための教具になっている。

・今年が2年目で揺り戻し。私の授業ではICT使わないからという問題も起きた。

・「いま写せ、今使うな」とか教員の都合で使わせてしまう問題もある。

・自由な学びの方法を提供しているんだ!という考え方(すんばらしー。桜丘中学と同じ)

・同じ機種を持っている人で協同する。豚の肝臓を解剖してiPhoneで撮影した写真をエアドロで共有している。

・BYODにして、それぞれどの端末を使っているかアンケートを取ったところ、iPadとWindowsPC、Surfaceが多いかな。Chromebookmacbookは少ない。

・使っているツールは、Googleclassroom、ロイロノート、まなBOX

・生徒は、IDとパスワードの管理が大変(ログイン時?)

・英語のプレゼンテーションも、画面が小さいがiPhoneでスライドを見せて生徒同士で見ていることもある。(画像を見せて下さり、様子がとてもよくわかった!!)

・周波数に対応しているものの購入をお願いする。5GHzに対応していないPCを持って来たこともあった。

・生徒は、自分が使いやすい端末を家庭から持ってくるため、端末にとても愛着が湧いている様子。BYODにしてどうだったか、生徒会からの発表もあったが概ね好評、使い方に気をつけようという注意喚起も生徒からあった。

・近隣の家電量販店やAmazonビジネスに協力してもらい、使用機器についてのアドバイスをもらったり、対応機種を提示してもらうようにし始めた。

・みな、社会ではデバイスを使っている。学校だけ、隔離されてBYODになってないんですよ!と、校長先生がおっしゃっていた。

・GLOCOMの豊福 晋平 (Shimpei Toyofuku)先生の発信内容を参考にしたので、よかったら読んでくださいとのこと。(私も参考にさせていただいています!)

gakko.site

まとめ

たいへん有意義な講演会でした。

端末の責任を学校が負うのか、家庭が負うのか。

学校間、個人間格差がどんどん広がりそうだわ〜😅

黒板とチョークしか無かった時代から未来へ…今回のコロナウイルス騒動でも、ネットのインフラがあった学校とそうでない学校では対応が分かれそうです。

私の勤務先は全くインフラなかったので、課題を送るとしても郵送になっちゃうんですよね〜。

夫の職場は、スタディサプリで実施できなかったテストを配信して、(スタディサプリにそんな機能があるとは!)解説を動画で見てもらうらしいっす。

ではまた☆

[セミナー]世田谷区立桜丘中学校校長・西郷先生の講演メモ。すべての子どもたちが楽しい中学校とは?

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最近、世間を賑わせている東京の2つの中学校があります。

千代田区麹町中学校と、世田谷区立桜丘中学校。

今回、世田谷区立桜丘中学の校長である西郷先生の講演を伺う機会があったのでお邪魔してきました。

90分ほどお話を伺ったのですが、インターネットの記事ではまだまだわからないことがあるんだなと。

bunshun.jp

www.news-postseven.com

そりゃ、細切れの記事ですからね…。

「全ての子どもたちが、3年間を楽しく過ごせること」

を目指した教育とはどのようなものだったのか、よくわかりました。

もちろん、改革はすぐに進んだわけではありません。

取り組みながら振り返り、そこに問題は必ず起きてきます。

それでも、何もしないことが失敗なのではないかという想いを強くしてきました。

お話を伺いながらメモをしてきましたので、皆さんにシェアできたらと思います。

西郷先生のスタンスは、

「ワクワクすることは、受け入れる。学校はルーチンばかりで楽しくない。チャンスは逃さない。」

ことだそうです。

どんなことに取り組まれているかというと…

世田谷区立桜丘中学校の「お金がないあるある」対策…借りたり、もらったり、助成金に応募したり

公立中学校はお金がない。そこをどうするか。

桜丘中学では、swift3.0など、アプリが作れるソフトを入れたり、3Dプリンターを導入している。

しかし、公立学校はお金がないので、作っている企業に提携を持ちかけて、研究対象としてお願いする。

 

ペッパーもお借りしている。

Wi-Fiを入れるのも、お金がないので地域の人にお願いしていて、校内の配線は先生たちがつなげてくれた。

休み時間に生徒がゲームはじめてしまうと、とたんにネット回線が重くなる。

世田谷区立中学校の廊下活用法と、生徒の「やりたい」にどんどん応える

生徒のやりたいとはこんなこと。

ゲームクラブがあり、廊下で麻雀をやっている。

「家に麻雀牌があった」と生徒が持ってきた。

持ってきたということはやりたいということだよね?

4人集めて麻雀で遊んでみた。

週1くらいでギターを習える日がある。

生徒からポカリスエットのダンスをやりたいと言われて学校として協力、準優勝で5万円もらった。

バレー部の生徒が文化祭でバンドやったり、ギター弾いたりしている。

ゲリラ的に子ども食堂、夜の勉強教室も。同窓会、助成金など寄付を募っている。

孤食で過ごしている子もいるので、こういうところに来てもらう。

心配している子は来る。

学校ってつまんなくて、授業と部活くらいしかない。

「ここでは友達ができる」とかいろんなところで居場所ができる。

いまは、昭和のように「地域をフラフラしていれば友達ができる」とはならない。

3割の子は運動会好きじゃない。運動会好きな前提でやってるでしょう?

玉入れを導入してみたら、運動嫌いな子が朝練までやっていた。

「浴衣の日」は、浴衣で授業を受ける異空間を作る。

3年生になると、だいたい英語が喋れます。

知ってる単語だけでも相手と意思疎通をしようとする積極的な姿勢が出てくる。

桜丘中学では、「生徒総会で議決したことは必ず実現します」と約束

「生徒総会で議決したことは必ず実現します」と約束したため、生徒たちが500人の前で意見を言って喧々諤々する。

・体育館に冷房

・校庭を芝生に

定期テストをやめる

自動販売

この4つが最近決まったこと。

体育館に冷房は、世田谷区が導入する予定だったので早めに入れてもらえるよう頼んでいる。

校庭全てに芝生を植えようと思ったら、2ヶ月くらい芝生のために休ませる期間が必要。

運動部が困るということで、校庭の一角に芝生スペースができた。

自動販売機は、電気代どうするんだとか面倒くさいが、同窓会に頼んで入れてもらおうかなと思っている。

生徒は、大人が頑張っていることは認めてくれている(と思う)。

インクルーシブ教育の再定義

わかりやすい言葉で

「全ての子どもたちが、3年間を楽しく過ごせること」

幸せに生きる方法はなんだろうと考えること。

目の前の子どもたちの「観察」が大事。

理論先行ではなく、自然科学の方法を採っている。

目の前の子どもたちは自然だと思っている。

大好きな先生とお話できる「ゆうゆうタイム」

大好きな先生とお話できる時間として設定しているのが「ゆうゆうタイム」。

1年生が落ち着かなかったのですでにやっている。

選ばれない先生もいるて、多い先生は40人くらいの生徒とお話する。

おべっかを使う先生は見透かされる。

きちんと指導してくれる先生が人気がある、人間性を見抜く。

あやふやな先生に話しても仕方がない。

こういう職業を選んだ人は子どもが好きでなったので、本当の姿は管理する姿ではないと思っている。

10年前の桜丘中学校と、映画「みんなの学校」の衝撃

10年前の桜丘中学の生徒は、怒鳴らないと言う事聞かない、

「並べ、なにやってんだ!」

校長が話している間も話しているので先生が怒鳴っているような状態だった。

10年目で、少しずつ変えてきた。

中学生のルールを守る、反発するエネルギーをもっと別のことに使えないか。

頑張るところはそこではない。

校則を徐々に見直して、3つだけにした。礼儀、出会い、自分を大切に。

学力の向上も重要。

3年間楽しくても、勉強できないまま3年生になっても楽しくない。

そんなころ、渋谷のアップリンクで、「みんなの学校」を見てしまった。

minna-movie.jp

でも、この大空小には先がないんですよ。

「みんなの学校の小学生が通う中学校にしよう」

と火がついた。

そのほか、桜丘中学校の様子

授業中の居眠りを注意しない。

寝たほうがいい。20分くらい寝ると、頭が冴える、起こしてはいけない。

自分で時間を管理するために、ノーチャイムにしている。

聴覚過敏がある子もいる、ただ、発達障害の子はチャイムがあったほうがいい子もいる。

桜丘中学校の生徒は、高校に入って苦労している。チャイムや椅子で苦労。

苦しんでいる子は、我慢しないで、対応しましょうとしている。

椅子の下にはテニスボールを入れて、聴覚過敏の生徒に対応。

たった一人でもいたら、対応してあげる

環境のUDの推進は、教室全面の掲示物をはずしたくらいで…集中した。

全ての子どもたち一人ひとりに特別な配慮が必要だと考えている。 しかし、

「インクルーシブ教育をすると学力が落ちる、レベルを下げる」

と誤解された。

そんな声に対抗するため、GTEC、大学入試の英語をやっている。

会話を吹き込んで、ネイティブが採点してくれる、最先端の学習を導入した。

中学のタブレット使用が断られたといって転校してくるLDの生徒がいる。

みんなと同じように授業を受けるのは大変だな、東大に行って、こういう子がたくさんいるということを知った。

大変でいやだなぁと思わず、手間をかけてあげる。

この子が来たので、授業中のタブレット端末利用をだれでも使えるようにしたり、いろいろなことが楽になった。

他にも、

・英語教育

・プログラミング教育

・才能開発教育

に力を入れている。

どうやって才能を見つけ出して、活かしていくかやっている。

ロボットを使った英会話の授業をしていて、ロボットはHなことも喋るが、それだけ理解できるのは大したもので、帰国子女のような生徒しか理解できず笑っている。

英語を使う場所がないのでプログラミング習得しているし、英語で授業を行う料理教室もやっている。

そうすることで、英語でのコミュニケーションに抵抗を感じなくなる。

3Dプリンターをつかって両生類の心臓を作る授業は、成功例があるんだけどその前にたくさん失敗している。

FLL ファーストレゴリーグなども利用。レゴで、問題解決をする

アメリカに視察に行った際に、勉強ができる子を残してさらに数学を教えていて、そりゃ日本は負けると思った。

日本は、吹きこぼれた子どもたちを大切にしていないし、できない子をみんなと一緒にしないとダメだ、になっている。

最後に…桜丘中学校の「4つのOS」とは?

パソコンで言うところのOSは、様子が地域や学校で違うから、独自に作らなければならない。

CPUが違うのだから、生徒の様子を見ながらOSをつくるとやりやすい。

共通したOSとは?

1多様性の受容

きみはきみでいいんだよ、ということ。

2愛情を持って生徒に接する

愛情ってなんだという先生も増えているが、まずは一人の生徒に愛情をかけると全体に愛情を書けられるようになる。

3一人ひとりを大切にする

4子どもとともに生きる

一緒にいる、ではなく子どもと一緒に生きること。

テスト時の合理的配慮として、

・拡大用紙の利用

・ひらがな、カタカナでもテストの回答が可能。

・解答用紙をマス目に

・時間延長

タブレット端末やPCの利用、PDFの利用、読み上げ可能

みんなこれを利用していいよ、と伝えている。

デキる子は、別に10分延長も必要ないし、ひらがなで書くほうが大変。

今は、定期テストを廃止した。

20点を5回、毎日テストがあって毎日勉強しなければいけなくなった。

運動部の子は試合と期末テストがあたってしまうことが悩みだったが、解決した。

いまは分散しているから苦労しなくても良くなった。

Q&A

・出欠管理、廊下の生徒について

遅刻はとらない。どの授業に出たか、出ないか

学校の中にはいる、という管理は行っている。

1クラス40人、1学年190人中90人が越境してくる。

タブレットは把握していて、タブレットがないと勉強できないのは3人くらい。

不登校の生徒は、家でタブレット学習をすることで出席になるという法整備が整ったことで、遅刻はとらないというシステムが運用できるようになった。

・教員の労働時間について

中学教員の労働時間軽減は、部活をなくすしかない。

本当はさらに問題となって、世間にインパクトを与えないといけない。

現在の教育は教員の善意で支えられている。

目の前の子どもたちがいると残ってしまう。

総量規制で部活動は1週間に10時間まで、水曜と日曜は部活は禁止。

夏休みは2週間連続して休めと言っている。強制して来てはいけないと言っている。

・会議、校長の仕事について

会議で何かを決めるということはなく、やりたい人がやるシステム。

お金がないと言うと、どうやってお金と場所確保しようと校長が奔走する。

条件整備をするのが校長、人・モノ・金。

先生たちの希望も叶えてあげたいと思っている。

・人材育成について。異動の多い中学校でどのように今のような中学校にできたのか?

なるべく新規採用の人に来てもらっている。

新規採用は教えなければならないので敬遠されるが、教えるのが好きなので苦ではない。

教務主任は30歳、平均36歳。

公立の学校にずっといる必要はなく、スキルを身につける、価値を高めるためにいるんだ、となる。

将来は文科省に行きたいとか、民間に行きたいとか夢を持つようになる。

いま、保護者対応しながらこのスキルを身につけるというメタ認知をするようになる。

まとめ

公立中学校でもこれだけできるんだ〜〜〜って目からウロコの講演でした。

世田谷区立桜丘中学の校長も10年目ということで、今年でご退任なのだそうです。

みんなの学校は、木村校長先生が退任されたあとも「みんなの学校」として続くよう残られた先生が頑張っているようですが…。

お話を伺って考えたのは、

「自分の頭で考えられる」生徒を育てるために頑張っておられるんだなということ。

長期的に見ると、自主的に動ける人間と、言われたことをやるだけの人間になるのとどっちがいい?って話です。

諸外国に比べて自分の意見がなかったり、年齢に対して幼かったりするのは、日本の管理的な、押さえつける教育が原因の一端を担っているのでは…。

さらに印象的だったのはインクルーシブ教育。

他の中学校で、学習障害の生徒がタブレット端末の使用を断られたりするのが今の日本なんだなってガッカリしてしまいました。

目が悪いからメガネかけるのと同じだと思うんだけどなぁ…。

全員が使っていいよ、となったら障害の有無(親が気がついているかどうか)関係なく使えるようになるわけで、それこそがインクルーシブ教育じゃないんですかね。

西郷先生は、10年ほど特別支援教育に携わっていた時期もあるということで、障害のある生徒に対してどのような手を差し伸べることができるのか、よく考えられているのが素晴らしいと感じました。

なんとかしたいと思っても諦めちゃうから…(私も、諦めがち)。

子どもたちのために立ち上がって、ここまでの中学校になるなんて。

もちろん、何でも素晴らしいということはなくて、現在進行形で問題はあると思いますが、それでも管理でガチガチ、みんな同じスタンダードよりはいくらかマシなのではないかな?

募集が関わってくる私立では、なかなかここまで振り切ることは難しいかもしれませんが…その学校なりのOSについて考えてみたくなりました。

ではまた✩

[実践]裁判の傍聴は何歳から可能?方法は?高校生と傍聴してきたレポート

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総合的な学習の時間の一環で、高校生と地方裁判所へ傍聴に行ってきました。

館内は撮影禁止のため写真はなし、録音も禁止です。

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夏休みの課題で有志を募ったところ、30人弱の生徒の申込みがありました。

途中で締め切りましたが、このまま増え続けたらどうしようと悩むほど人気のフィールドワークになりました。

もし、裁判の傍聴を考えている先生方への参考になりましたら幸いです。

www.courts.go.jp

裁判の傍聴は何歳から可能?高校生も傍聴できる?

裁判の傍聴については、年齢制限はありません。

赤ちゃんから傍聴が可能だそうですが、声や音を出すと審理の妨げになりますので退場するよう注意を受けてしまうでしょう。

適切な年齢は?と聞かれたら、なんとなく話している内容が分かってくるのが高校生くらいでしょうか。

中学生でも、法律に興味のある生徒さんは審理を聞いていてワクワクするかもしれませんね。

模擬裁判など、学生向けのイベントもありますが、(私もイベント自体に参加したことはないですが…)

「本物に勝るものなし」

ではあるなと、今回人生初の裁判傍聴してみて感じました。

裁判の傍聴の方法は?注意点は何?

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裁判の傍聴は無料ですし、関係者でなくても傍聴できます。

話題になっている裁判は抽選で整理券が必要だったりするようですが、私たちが伺ったときはどの裁判もガラガラだったので、概ね膨張できると思って良いと思います。

裁判傍聴は平日に。夏休みなど長期休みを利用しよう!

裁判の傍聴は平日のみで、土日は傍聴できません。

そのため、高校生と裁判傍聴に行きたい場合はテスト休みなど長期休みを利用するのがおすすめです。

ただし、夏休みは裁判の数自体が多くはないそうです。

お盆前後よりは、7月のテスト休みの方がたくさんの裁判から選べそうですね!

 

服装の注意はないが、持ち込み不可なもの、ボディチェックはある!

裁判所の外は自由なので、看板の前で、自撮り棒を使って写メしてる他校の生徒がいました。

そんな感じでいいのか…。

裁判所で傍聴するのに、服装の指定は特にありません。

高校生は私服でも良いのですが、身だしなみをしっかりしてほしかったので制服で集合してもらいました。

入口は、飛行機の荷物検査場そのもの!

刃物など、危険物は持ち込みできないので注意です。

民事と刑事どちらを選ぶ?狙うは新件!

ボディチェックのあとは、検索コーナーでめぼしい裁判を調べます。

タッチパネルで検索が可能で8名ほどが同時に検索できるようになっていました。

生徒にロビーで待ってもらい、何時からどの裁判があるのか確認して手帳にメモメモ。

建物内は撮影禁止なので、タッチパネルを撮影するのは禁止です。

裁判の内容によっては2時間かかるものもあるとのこと。

私達のグループは、はじめに民事裁判の3審、次に刑事裁判の新件を傍聴させていただくことにしました。

ちなみに法律用語に詳しくないので、一応ググって書いていますが正確な表現でないかもしれないのですみません(汗)。

裁判の傍聴に高校生と行ったレポート!割とカジュアルな印象を受ける。

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生徒は先週センセーショナルな事件の傍聴を希望しており、

「殺人事件はないの?殺人のは犯人が見たい」

「先生、婦女暴行って何?」

などと言い、刑事事件推しでした。

さすがにあまりに凄惨な事件について詳細に説明を受けるような裁判をトラウマになっても責任が持てないので、我々の想像の範疇に収まるような事件を探しました。

教員2名に対して生徒6名を引き連れて法廷に入ります。

民事と刑事それぞれひとつずつで約2時間弱かかりました。

三回目の民事裁判・おそらくは「家賃の不払い」

ちょうどいい時間の裁判が3回目でしたがとりあえず初めての裁判なら早めに終わるものが良いだろうと思い入ってみました。

書記官と裁判官、被告と原告がいて全部で6名ほどでしょうか。

傍聴を希望しているのは私達高校生と、もう一人、見学が趣味と思われる高齢の男性一人でした。

私の想像では裁判の間にそれぞれが言い分を大きな声で話し、ディベート的な話し合いになるのかと思っていましたが全く違いました。

前回までの話し合いを踏まえて、誰々がいくら支払うということを淡々と決めていくような印象でした。

生徒と、

「家賃不払いであれば、裁判に持ち込まれる前に何とかなったんじゃないかね〜」

と、傍聴が終わってから話題になりました。

新件の刑事裁判「勤務先に明け方入り込んで備品を盗んだ罪」

新件の刑事裁判は、不法侵入と窃盗についての裁判でした。

この裁判の前に、薬物を使用した罪で審理が行われていました。

扉についている小窓から、裁判の様子を見ることができます。

刑事裁判の親権は民事裁判よりも大きな法廷で行われており、薬物の裁判は割と満員の状態で傍聴が行われていました。

途中入場もできますが、座れない場合は退場になりますし、音も出るので迷惑になると考え廊下で待機しました。

私たちが傍聴する裁判の時間になり、入れ替わりの時間になってもそのまま座っている人が何人もいたため、関係者だけではないと思われます。

不法侵入と窃盗についての裁判、被告の知り合いは誰も来ていない様子でした。

被告が法廷に入ってきた時は、屈強な二人の警察官に付き添われて手錠がついていたため、生徒も私たちも緊張が走りました。

被告は四十代後半。

地方から都会に出てきて身寄りがなく、住所不定、今までも窃盗を繰り返しており前科7犯。

今回の窃盗は、ゴールデンウィーク中に働き始めた職場が休みになってしまい、公園で寝泊まりしている間に雨が降ってきたそうです。

雨宿りをするついでに、たまたま覚えた4桁の鍵の番号を用いて事務所に入り、備品を4点ほどを盗み転売にかけてしまいました。

それがバレて、今裁判にかけられているわけです。

その後、被告人が呼ばれて証言台に出てきて裁判官の質問に答えたり、検察官が様子を説明したり、弁護人が罪の軽減を求めたりといった様子をリアルに見ることができました。

検察官から、懲役2年を求刑されていました。

驚いたのは、次の裁判の日時を決める様子。

裁判官「次結審ね。検察官、次いつ空いてる?」

検察官「えーっと、○日の午前なら」

弁護士「○日なら、早めの時間でお願いします。」

裁判官「じゃあ、○日の9時に結審になりますのでよろしくお願いします。」

ランチのお誘いかよ!!!と思うくらいのカジュアルさでした。

生徒たちは付き添いの警察官が新人の警察官が先輩に怒られたり、眠気を我慢して白目になっていたよ!とワイワイ様子をおしゃべりしていました。

他の班は、民事で離婚の裁判の傍聴をして、50枚以上の写真を見ながらだったり(浮気の証拠などの写真??)、傍聴が趣味の方から裁判が長期に渡ることなどを知ることができたようです。

地下のコンビニで軽食ゲット

裁判所の地下にはコンビニや食堂、郵便局などが集まっているフロアーがあります。

裁判の間に時間があったため、

「軽食を買って食べてもいいよ」

と伝えたところ、お昼を食べていなかった生徒はコンビニでカップ麺やお菓子を買って小休憩を取りました。

本屋さんには法律関係の本がズラリと揃っていて、一般人はだいぶ近寄り難かったです。

まとめ

以上、高校生とお邪魔した裁判の様子についてお伝えしました。

ポイントは、

  • 平日しか傍聴できないので、長期休みに生徒に呼びかけること
  • どれを傍聴したら良いかわからないときには、刑事裁判の新件を狙うこと
  • 1人の教員が引率できるのは5人前後、うるさくしないよう注意すること

時間があれば、民事裁判と刑事裁判の違い、裁判の進め方、なぜ裁判になるのかといった事前学習ができれば更に理解も深まっただろうなというのが反省点です。

普段は授業に対して興味がない生徒も、裁判の傍聴はしっかりと聞いていました。

審判の様子もしっかり聞いていて、自分なりに意見を持って

「あの人はこれからも罪を犯しそう。刑務所のほうが食事も寝るところもあるってどうなんだろう」

とか、

「誰も身寄りがなくて、住む家もなかったら自分もあんな風にならないとは言えないな」

などと感想を述べていました。

私も初めての裁判傍聴でしたが、高校生の時に一度行っておいても良かったかも。

ホンモノに触れて、人生をいろいろ考えさせられる機会になりました。

法廷ドラマを見る目が変わりそうです。

できれば、これからも自分が裁判所にお世話になる時がないといいんだけど…。

ではまた☆

[セミナー]成年年齢引き下げの影響は消費者教育にも?!「暮らしとリスク管理」参加レポート

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7月末に参加した、「暮らしとリスク管理セミナーのレポートです。

www.jili.or.jp

家庭科教員向け。

2022年に成年年齢が20歳から18歳に引き下げられることで、家庭科の消費者教育にも影響が及んできます。

2004年4月2日以降生まれの子どもは、2022年の18歳の誕生日に成人になります!

今までは、18歳から20歳までの間に未成年取消権があり、消費者として守られてきた部分があるのですが…成年年齢引き下げによって、18歳から契約したときに取り消すことが難しくなるようです。

100人以上の先生方が参加されていたように思います。

全体では、以下のような流れでした。

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簡単にご紹介します。

基調講演「成年年齢引き下げとどのように向き合うか?─中高生に求められる消費者としての資質・能力─」

公益財団法人 消費者教育支援センター 柿野 成美 氏

成年年齢引き下げとどのように向き合うか?中高生に求められる消費者としての資質・能力についての発表でした。

小学校の教科書にも、契約の売買が教科書の項目に入ってくる!驚きですね。

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スペインへ消費者教育の視察に行ったときに見たもので、高校生が「哲学」の授業のあとに受けて作ったイラスト。

高校生は、見る人に何を伝えようとしたのか?

操られている女の子に紐がついている、手にはクレジットカード。

「広告によって動いている」 「自分で選んでいるようで、実際は自由ではない」 というイメージ。

マーケティング、流行、ステータス、社会的な圧力、広告によって、私達の購買欲はコントロールされている。

女子高生がお店の行列を見て、タピオカミルクティーを飲みたくなるように。

現代は、インターネット利用の拡大により、見えない「お金」の広がり、キャッシュレス社会になっている。

世界的にな問題としては、地球温暖化による異常気象、気候変動、貧困の格差拡大などがある。

今は、キャッシュレスで、お金の管理ができるのがとても便利。

管理をしようと思ったら、記録が手元に残るので歓迎すべき側面もある。

消費者の自立を支援していくにあたって、H24に作られた消費者教育の法律がある。

「被害に合わない消費者を目指しましょう、こんな悪質商法がありますよ」ではダメ。

そして、140年ぶりに、成年年齢を引き下げる民法改正が成立した。

18歳が成年年齢になったら可能な行為

  • 親の同意がなくても契約できる
  • 携帯電話の契約
  • ローンを組む 
  • クレジットカードをつくる
  • 一人暮らしの部屋を借りる 
  • 10年有効のパスポートが取得できる
  • 公認会計士司法書士、医師免許、薬剤師免許など国家資格を取れる
  • 結婚年齢が男女とも18歳になる。
  • 性同一性障害の人が、性別の取扱いの変更審判を受けられる。

18歳が成年年齢になっても、できないこと

皆さんは、成年年齢の引き下げに賛成?反対?と質問がありました。

子どもたちの自立を考えると、毎日が投票、参院選投票率が低いことも心配。

主権者教育とも絡めなければならず、それぞれが独立したものではない。

世界では、成年年齢はだいたい18歳。

でも、日本の子どもたちがあまり成熟しているとはいえない。(同感です)

参考になりそうな教材はコチラ。

>>NHK DVD教材 18歳成人 できることできないこと

 成年年齢引き下げによる、未成年者取消権の消失による影響は?

民法改正による成年年齢の引き下げにより、未成年者取消権が消失してしまう。(ひえー!)

「契約時の年齢が18歳未満であること(今は20歳)」と2022年にはなってしまう!!

  • 親権者が同意していないこと。
  • お小遣いの範囲ではないこと(小遣いの目やすは1万円)

現在は未成年の相談件数と、20歳以上の相談件数が増えている。

未成年取り消しができないので事業者が狙ってくる可能性がある。

男性はアダルト、マルチ。女性はエステ、美容関係

契約金額は、年齢が上がるにつれて上昇している

もしあなたが消費者トラブルにあったら…おすすめのDVDが、

>>「もうけ話にご用心」

小学生の家庭科教科書に、消費生活、環境について書かれている。

高校生になってからの消費者教育は遅すぎる!

ぜひ、小学生から買い物や契約について学んでほしい。

子どもも、課金の問題など消費生活センターに相談できるようになることが大切。

消費者庁「社会への扉」をチェックしてみて!

>>社会への扉 ―12のクイズで学ぶ自立した消費者―(高校生(若年者)向け消費者教育教材 生徒用教材・教師用解説書) | 消費者庁

小学校の先生でも、一般の人と同じくらいしか解けない。

だまされやすさを測る心理傾向チェックをする!

消費者庁若者の消費者被害の心理的要因からの分析にかかる検討会報告書」も読んでみてほしい。

相談被害は、ネットで共有されているので、訴えていくことができる。

社会を変える大きな力になっていく。

生命保険文化センター日本損害保険協会による教材紹介

今回主催してくださった団体による教材紹介がありました。

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「君とみらいとライフプラン」は無料配布で、勤務先でも使っています。

ライフプラン年表も、生徒は割と楽しんで作っていました。

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リスク管理まで生徒は頭がまわるかしら…最近は、若い人が起こした自転車事故での損害賠償がよくニュースになりますね。

授業実践報告

昼食のあと、授業の実践報告を伺いました。

家庭科授業実践報告 「生活設計やリスク管理に関する授業実践報告」

東京大学教育学部附属中等教育学校 楢府 暢子 先生

テストに出しやすいから、教科書にあるから、という授業づくりではダメ。

「ライフプランを考える授業」で、年表を埋めさせるだけだけでよいのか?

実際に、受講者でライフプランを考えてみましたが…なかなか思いつかないものです。

逆に、過去に自分に影響を与えたことを書いてみると、割と参加年齢が高いので「結婚、出産」などがすらすら出てきます。

40代の私でもライフプランを考えるのが難しいのに、生徒はもっと大変ですよね。

過去のことを振り返って話すのは結構ありかも?とは思いました。

生徒は完全に夢だと思って書いてくるか、書けなくなってしまうか、2つに分かれるのに納得しました。

楢府先生は、保護者の方にインタビューする課題も出されているようでした。

公民科授業実践報告 「社会保障制度や民間保険に関する授業実践報告」

東京都立蒲田高等学校 浅川 貴広 先生

浅川先生の勤務先では特別支援教育が必要な生徒もいて、学びのユニバーサルデザインを意識してUDフォントを使われているそうです。

「最近話題になった2000万円の報告書は、2000万円足りないということばかりに触れているのではなく、高齢社会における資産形成が必要だ」ということが中心になっているので読んでみてください、と熱い想いをお持ちの浅川先生。

公民科で社会保障制度や民間保険制度を扱う過程での実践報告でした。

社会保障制度の意義や仕組みを理解した上で、社会保障人生ゲームを通じて、社会保険と民間保険の必要性を理解するという授業でした。

人生ゲームは、25歳から75歳までの6ターンでじゃんけんをすることでリスクに直面し、貯蓄が減ったり保障が手厚かったりするという誰でも実践できそうな内容です。

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実際に、列ごとに分かれて

  • 保険に入らないグループ
  • 公的社会保険のみのグループ
  • 公的、私的保険どちらも入っているグループ

でゲームを試してみると、保険に入らないグループは2,3回じゃんけんに負けるだけで収支がマイナスになってしまいました。

他にも、家庭科や情報科と教科間連携をしていて、消費者教育ウイークと名付けて集中的に授業を行っているそうです。

なかなかできないことなので、羨ましいですね!

セミナー参加した教員による、グループ別情報交換会

授業実践のあと、名札についている番号ごとにテーブルに集まって情報交換会を行いました。

普段、同じ教科で学校を超えた交流がなかなかできないので大変有意義な時間でした!!

私立、公立問わず高校の先生とお話して共通していたのは、

  • 高校は家庭基礎が殆どで1年間に週2時間しかない。そのため消費者教育に充分な時間を割くことが難しい。←時間確保が本当に大変!年間70時間に衣食住、保育、高齢者、消費者教育、家族家庭…入らないよね?
  • 講師派遣をしていただきたいが、全クラス集めて話を聞く時間が持てない→各クラスに派遣してもらうことも可能らしい…!実際に、6クラスに1時間ずつお邪魔して講演されたことがあるらしいです。

他にも、理系教育やICT教育に力を入れているのだけれども家庭科は蚊帳の外で調理室がない、などの悩みも聞かれました。

定時制の先生は、スマホをやめない生徒に注意したらキレられたり、おしゃべりをやめなかったり、コミュニケーションが苦手な子も多くてグループワークが成立しないなどの悩みを聞き、どこも同じなんだなとホッとしたりして…。(いや、ホッとしてる場合じゃない)

まとめ

以上、「暮らしとリスク管理」参加レポートでした。

「成年年齢引き下げとどのように向き合うか?」

という点についてはあと3年ほど猶予はありますが、今から

  • いつから18歳成年になるのか
  • 18歳成年年齢になってできること、できないことは何か
  • 子どもたちを18歳までに大人にする(選挙に行こうと思えるくらい自分なりの考えを持つ、それらを表明できる、精神的自立ができる)ためにはどうしたらよいか

という点についてしっかり考えて置かなければという気持ちになりました。

教員同士の交流タイムもしっかり保証されていて、とても有意義なセミナーでした。

来年も参加しようかなと思いました。

今年は、定員に達してしまいお断りすることもあったそう。

ご興味のある方はぜひ参加してみてくださいね♪

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ではまた✩

[セミナー]福岡『学び合い』フォーラムで苫野先生の講演を聴く。「一人も見捨てない」の意味を再確認。

今年も8月3.4日に行われた『学び合い』フォーラムに参加してきました♫

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福岡は、修学旅行の引率で九州に訪れて以来、ほぼ20年ぶりにお邪魔しました。

食べ物も美味しいし、人も優しいし素敵な時間でした!

過去に『学び合い』フォーラムに参加した際の記事は以下の通りです。

 

manabito.hateblo.jp

manabito.hateblo.jp

manabito.hateblo.jp

manabito.hateblo.jp

 

『学び合い』とは?

二重かぎかっこのついた『学び合い』とは、上越教育大学の西川純先生が提唱した考え方です。

『学び合い』とは
『学び合い』は「クラスの全員が、20年後、50年後も幸せに生活できるようになることを目指す授業」です。
上越教育大学の西川純教授が提唱し、全国で実践されています。

『学び合い』の定義
下記の学校観・子ども観・授業観に基づいた教育を『学び合い』と呼びます。

学校観  学校は、多様な人と折り合いをつけて自らの課題を達成する経験を通して、その有効性を実感し、より多くの人が自分の同僚であることを学ぶ場である
子ども観 子どもたちは有能である
授業観  教師の仕事は、目標の設定、評価、環境の整備で、教授(子どもから見れば学習)は子どもに任せるべきである

『学び合い』wikiより

www24.atwiki.jp

セミナーなど、一般的には教科(コンテンツ)を中心にして行われることが多く、家庭科の研究会に長らく参加していたこともありました。

そうなると多様性とは程遠いメンバー構成になってしまうので(濃い話をするにはいいのかもしれないけど…)最近はコンテンツ寄りの宿泊セミナーには参加してないかな。

何年セミナーに参加しても、『学び合い』を実践できているわけでもないんですけどね〜。

「メンバーの2、3割が課題の内容を理解している」

という状態は、低学力の高校では無理ゲー(汗)。

『学び合い』福岡フォーラム参加記録

今回の一番の目玉は、2日目の苫野一徳先生の講演と、パネルディスカッションでした。

2日目の飛行機を早めに取ってしまったのが悔やまれますぅ〜〜〜。

『学び合い』福岡フォーラム1日目

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今回の福岡フォーラムは、午前10時からの開催。

全国で講演会や一人芝居をされている福永先生の『学び合い』一人芝居から。

fukunaga.sub.jp

主人公は、カリスマ教師を目指している小学生教師。

家庭訪問の場面から始まります。

勉強が苦手なお子さんの家庭訪問後、スマホを忘れたと家に戻ろうとしたら…家の中から叱責する母親の声と、勉強ができないことの辛さを訴える子どもの泣き声が聞こえてきます。

その話を聞き、一人も見捨てず教室の子どもたちを救うために、同僚の先生から『学び合い』の話を聞き実践を始めます。

同僚からの奇異の目、保護者からのクレームなど困難はありながらも、子どもたちが変わっていく様を見て涙が出てくるというストーリー。

勉強ができない子どもの声は、私もホロリときてしまいました。

その後、実際の『学び合い』の授業を動画で見たあと休憩となりました。

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初日の昼食を、参加している友人と食べようとしていたところ、路上で声をかけてきた女性2人と昼食を共にすることになりました。

フォーラムでは、必ず近くの人と話したりしてコミュニケーションをとる時間があります。

『学び合い』をやってみたい興味があるという人は割と周囲の人に声をかけるのも苦ではないのかもしれません。

しかも、話しかけてきてくれた女性はそれぞれ教員ではなく、教育委員をしていたり、外国人エンジニアの転職サポートをしている方でした。

各教科の研究会に参加すると、教科の先生と教科書会社の人と大学の先生くらいしか参加していないことが多いので、バラエティ富んだメンバーが参加するというのは『学び合い』フォーラムの大きな特徴ではないかと思います。

お一人は宮崎県の地方で、子どもが集まれるような居場所作りをされている方。

苫野先生の本を読んでこれだ!と感じ大学に電話し、苫野先生が30分ほど時間が作れるということだったので、そのためにわざわざ直接会いに行ったことがあるそうです。

もう一方は福岡で読書会を開きたいと考えていらっしゃる方でした。皆さん、エネルギッシュですね〜!

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午後の分科会は、福岡の小学校教師である岡田先生の授業の見取りに参加しました。

ベテランの先生方は、『学び合い』の授業で生徒の様子をどう見ているかがよーーーくわかりました。

「一人も見捨てない」

を体現するとはどういうことか?

単元は算数。少数と分数の計算で、説明する課題がイマイチ理解できていない生徒がわかるようになるまでとことん付き合う生徒。

説明するために、仲の良い友人だけではなく多様なクラスメイトと関わろうとする生徒。

課題解決をするのに、仲良しだけでは解決できない場合のほうが多く、その場合は理解できている生徒、できていない生徒と関わる様子が見られました。

岡田先生も、もともとはカリスマ教師を目指していたが、ここ10年ほどは今まで築き上げてきた方法が通用せず退職も考えておられたとか。

それが、『学び合い』に出会うことで、卒業式や修学旅行などの行事だけでなく普段の授業でも生徒の力を目の当たりにして感動することがよくあるそうです。

こんなふうに、子どもたちが仲間を一人も見捨てない教室ってどうすれば実現可能なのかな…って思っちゃいましたね。

『学び合い』福岡フォーラム2日目

まずは、苫野一徳先生の講演から。

講演については、ノートPCでメモを取ったのでよかったらご覧ください。

苫野先生の本は、「教育の力」「子どもの頃から哲学者」など読んでいたのですが、直接、例えなどを用いてお話してくださると苫野先生の考え、実現したいことなどよーーーーく伝わってきました。

やっぱり、直接お話伺うの大事だな…。

話が脱線してもわかりやすいし、ちゃんと戻るし、かなりの切れ者とお見受けしました。

こういう会に来られない人のために、YouTubeでチャンネル持ってほしい…。

と思ったら、「苫野一徳 YouTube」で検索するといくつかありますね。


【教育対談】苫野一徳 × 内田良『みらいの教育』を語る

いやいや、勝間和代さんくらいのライトなおしゃべりでいいので作ってくれたら本も売れるし学校づくりも加速するんじゃないかと本気で思ってます。

苫野先生の教え子で、今は教職についている方が司会・ファシリテーターを務めてくださいました。

さて、以下はメモです。長いです。すみません。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

熊本大学の研究室は、外部の学生が来ることが多い。

同質性の高い学部ではあるが、自分のゼミは中高生から40代まで多様性が確保されていると思う。なぜか自転車で来てくれる(笑)。

そもそも教育はなんのためにあるのか?
自由はいかに可能なのか?

現在、幼・小・中「混在」校(一環ではない)の軽井沢風越学園を作っていて、設立準備に携わっている。
軽井沢風越学園では、探究をカリキュラムの中心にしていこうと考えている。

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4〜6割を探究に。自分たちで問いを立て、自分たちでたどり着くような学びをしていきたい。
そのため、建設中の学校ではライブラリを大きく真ん中に据えている。

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教育を語る際には、「一般化のワナ」に陥らないこと。
過去の自分の経験から語りがち。
「学校での勉強が辛かったので、学校は子どもたちを苦しめるだけのものだ」
過度に一般化してしまうワナに陥ってしまい、教育議論を非常にしにくいものにしてしまう。

人間はそもそも経験からものを考えることしかできないのですが、自分は一般化していないかと問いながら話すことが大事。

学者こそ、一般化のワナに引っかかってしまう。
「哲学やる人間は頭がおかしい」とか「なんで生まれたんだ」みたいな話。友達もいないし。
私は、便所飯のパイオニア!25年前から中学でトイレ弁当を始めていた。学校生活をサバイバル!生きづらい、周囲に馴染めない人間だった。
そのことを周囲に言ってやりたいという気持ちがあった。批判ばっかりしている。非建設的だなぁ。

そして、みんなが納得できる良い教育はなんだろうと問題意識を感じていた。

問いを立てるときには、問い方のマジックに引っかからない。
「AかBか?どちらかが正しいのではないか?」
これでもマジックに引っかかる。

二項対立は、
「教育は子どものため?社会のため?」
このマジックは、二項対立になり手を上げてもらうと2つしかなくなってしまう。
これは、問い方のマジックだと思ってしまう。本当に問に値するものを考える。

「あっちもこっちも納得するより良い考えを出そう!」

教育は問い方のマジックに溢れているので、これは問いの立て方を変えないといけないのでは?という思考にしたい。

理想、当為(shoud)主義と相対主義アポリア(難問)
「これが正しいからこうすべき」
信念の対立が教育界にはびこっている。

ヘーゲルによると、徳の騎士(字、あってないかも)良かれと思ってやっている。
だからこれに従え、信念の人、正義の人は他者を攻撃する恐ろしさがある。
ロベスピエールは、「自由・平等・博愛」のために何千人も断頭台に送り込んだ。
とてもいい人が信念によって他者を攻撃する。

現場でも、教育、教育哲学では逆に相対主義が猛威を奮っている。

あらゆるものを相対化する。
「絶対正しいものなんてないんだよ!」
これが相対主義

教育の哲学の世界も巻き込まれている。
「あなたの考えも絶対に正しいとは言えないでしょ?」

相対化の対策もある。
帰謬(きびゅう)法と言われ、どんなことを言われても論破できる。帰謬法返しもある。
「カラスは黒い」
カラスは人間に認識できない紫外線が見えていて、お互いを黒とは見ていない。
黒かどうかはわからないよね。人間とその他の生き物と相対化していく。
あなたの黒と私の黒は違うよね、という言い方もある。
やりすぎると本当に虚しい。

良い教育って?って話をしにくくなる。

教育の哲学の意味がない。
土台が総体化されてしまったら、意味がない。

そこで、欲望相関性の原理を利用する。
「物事は、絶えず私の欲望とと主に相関的に現れる」
絶対に正しい先生はいない。ただ、この学校はいい学校だ。
ビールの絶対的価値などはないが、その時々に、その人に対する価値として現れる。

あらゆるものは疑える。それは疑っているこの私が確かである。
2500年の哲学の歴史を見ると、歴史に残るのは総体化を打ち破った新しい考え方。
ちゃんと自分で考えて自分で解く!という風にする

フッサール現象学を発達させた。

疑えないものが2つある。個的直観と本質的直感。
私が水と確信したら疑えない。
夢かもしれないということだけ疑える。
見えていることは疑えない。
水という意味を持って見えていることは本質直感、疑えないから。
それぞれがそれぞれの確信をもっているので見つけていこう。

教育に応用すると、
「正しい学校はない、ただ、これはいい学校だと直感された」
こういう共通確信を見つけていこう。

「絶対に正しいことから共通了解へ」

情動所与も疑えないものもある。
音楽を聴くと、情動性が喚起される。懐かしいなぁ、ワクワクするなぁ、寂しいなぁと、情動性を伴って世界を認識している。

「恋をしているときは、空が青い」
欲望に相関的に景色が見える。

いい先生、いい学校が立ち現れてくる。
あなたの欲望からすれば、このような教育がいいって言えるんですよね。

いじめをしたような生徒を退学にする、教育論として絶対に正しいか?
あなたの欲望、関心からすると退学にする理由がわかるよ。

お互いの欲望や関心から良い教育を探ることはできますね、となる。

信念の対立を解きほぐす考え方。
相手の欲望を知ることができれば、お互いの次元まで遡ることがとても大切。
その教育論の意味がわかる。

私の欲望、関心からすると意味があるんです。

そういうことだったのか、もっといい考え方を出していこう、となる。

あらゆるところで使える。

ただ、夫婦喧嘩だけは使えない。妻には手の内を知られている、家族は要望、関心をさらけ出し合わずにわかってくれとなる。
お互いに遡りあえばよいはず。でも手の内を知られているので妻には使えない。笑。

みんなが納得する欲望・関心はあるだろうか?

それを叶えるための教育ができたらいいのにと考えたとき、人間的欲望の本質は自由であるとなる。

一万年前、定住、農耕、蓄財から、普遍戦争状態へ。
定住するから戦争が始まる。
離れられない。
現代は、警察、司法が整っている。子連れて公園に行っても安心できる。

ただ、昔はそうではなかった。
殺られる前にやってやろう。部族単位になり、集団単位になると戦争になる。
なくなるためには、誰かがてっぺん取るしかない、統治状態になるから戦争はなくなる。

人間の歴史、教科書はずっと戦争をしている。
力づくではなく、みんなの合意で覇権を取ることが大事。
統治されると、2%の貴族しか自由がない。

ルソーが唱えたことは、対等な市民であると認め合おう。市民社会。民主主義社会の土台になっている。

思想の大革命。ここからフランス革命が起こり、現代の民主主義社会になった。
自由の相互承認の原理。

「全ての人が対等で自由である」

現代の民主主義社会の本質。自由の相互承認を原理とした社会である。

なぜ、人間だけが戦争をなくせないのか?

自由を巡る命の奪い合いだけではなく、
お互いの自由を認め合おう。
お互いの自由を調整し合う。
市民社会の根本原理。
ありがたく奉るものではなく、テーブルの上で置く営み。
稟議しあい、丸裸になってみんなで検証することが大切。

多くの人に吟味してほしい。

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どうすれば、自由の相互承認に基づいた社会が作れるのか?

法律、教育、福祉

実際に自由に生きるためには力がいる。
生きたいような生き方をするには、読み書き、運動などの能力がいる。
憲法によって、お互いの自由ができますよと言われても、感受性が育まれていなければ意味がない。
全ての人に、自由の相互承認の力を育む。

しかし、教育の力が及ばない部分がある。
福祉、自由を得られない市民に福祉行政が最後の砦となる。
福祉行政で自由を得られる仕組みを保障する。
戦争は激減しているのに、今は暴力的な時代だと思われている。

ピンカーの暴力の人類史を読んでみる。

どれくらい暴力が減っているか見ると、ものすごい暴力が減っている。
我々は日々暴力の中を生きていた。
残酷な拷問、こういう残虐なことは当然だと思っていて、ローマの殺し合いを見世物だと思っていた。

いまからしたら驚きであるが、精神の大革命が起きた。

自由の相互承認を知ったから。じわじわ広がって、何よりも教育の力で自由の相互承認を現実のものにしようとしてきた。
みんなおんなじ人間なんだという感受性を持っている。
わずか200,300年前にはこんなことを思っていなかった。そんな時代を生きていた。
奴隷なんてとんでもない。拷問なんてありえない。感受性レベルで変わったんだ!

では、自由の相互承認の感度は、どうすれば育めるのか?

不登校、いじめ、体罰、小1プロブレム、落ちこぼれ、吹きこぼれ、同調圧力、空気を読み合う人間関係…。
学校は、すでにシステムとして機能していない。
確実に、20年後には全く違う学校システムが立ち現れてくる。
いまの制度の中でもできるし、どんどん変わっていく。
公教育の構造転換は、すでに世界中で始まっている。まず走ることから。
人間が作ったシステムだから、人間が変えられる。

【パネルディスカッション】自由の相互承認の感度を育むために、『学び合い』でできること

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・多様な子がいて、折り合いをつけること
誰と関わるか、が子どもたちに決定権がある
心地よい関係を作ること
相互承認をする機会をより多く持てるようになるのではないか。

・『学び合い』では、なんでも自由にやっていいんじゃないかな?
と思われがちだが、なんでも自分がやりたいことをやっていいわけではない。
自己承認が必要。一定のルールがある。

・折り合いをつけるときも、失敗するときもある。
任せて自由にしているが、ルールはどんなものがあるのか?
誰一人見捨てないというルールを語って言い続ける。

・学び合いで学んでいるのは教師。
子どもを見取ることで教師の感受性が変わっていく。

・感受性の本質ってなんだろう?
教育の基本は、信頼して任せて支えること
youやっちゃいなよ、でいい

・あれダメ、これダメ、教育現場が何をやっているんだろう?
安心して失敗できる環境を整えることが大事。リスクを冒させないようにしてしまう。
学び合いの実践現場では、あるべき感受性が育まれるということではないか?ということ。

・子どもが学習ができなくて泣いているときがあって、声をかけないでくださいと周りの子に言われた。

特別支援学級にいる子どもも、一緒に学ぶことができるという確信が持てたこと。
障害が診断で下りたから、ではなく課題が違っても全員ができるようになろうという子どもたちの考え方があればいろいろな立場の人が同じ場所で学ぶことができるのではないか。

・『学び合い』の最大の魅力の一つは、多様なメンバーでの学びが進むこと。学年学級制で、いろいろなものを分断してきた。
学校種、学年、性別などで分けてきた。学び合いでは、多様な人々と学びあえる良さがある。
多様な集団であるからこそ、学び合いが成立する。

特別支援学級の子どもたちと、大学生や中学生と学んだりして、出会いを多くしている。
語る時に、自分の感じたことを語っていいんだということ。

・カリスマ教師を目指していた。学校中の悪い子が自分の言うことを聞いた。でも、限界が来た。
『学び合い』で、生徒みんなが見捨てなくなった。支援級の生徒と一緒に修学旅行に行った。それをみて教師の自分が感動した。
そういうのってできるんだなと、「自由」の意味を思い出させてもらった。

・若い人は、自由にピンとこない。
いま、自由であることの苦しみを抱えている。

・先進国は、長いトンネルの先に出ていて、自由であることに苦しんでしまっている。
自由の相互承認は、もう後戻りはできない。
長いトンネルはどんどん短くなっている。
自由の相互承認のありがたみ、憲法のありがたみを感じにくい。
自由という言葉に震えられる。
『学び合い』は、同調圧力を使えてしまう。
映画のthe waveを思い出してしまう。
いじめの子がヒットラー状態ではいじめられなくなる。でも、この状態をやめようとなれずに自殺してしまう。

・人間関係の流動性、多様性を担保することが大事。
どこかに、価値観の合う人が出てくる。離れる自由があること。

・小中高では優等生、大学に入っていざ自由、自分が何したいかわからず虚しさがあった。
ゼミに入ったらみんな自分の関心があって、面白い。
普段固まった仲良しでは達成できない課題がある。
これ、どう解いた?という流動性が高まる。
何していいかわからない、何をしたいのか、何が嫌いなのか、自分自身を理解できる機会を持てているのかな?

・自由な環境の中で不自由なのでそこから自由になりたいと考えている。
自己了解が必要、他者了解、共通了解が必要。
自分の欲望はどのようなものなのか?欲望と折り合いをつけることが大切。
何をしていいのか苦しい。
むしゃくしゃしているのは、自分と折り合いがついていない。
何だ自分、こんなことがしたいんだ!と自由にめがけて努力することができる。
他者とのコミュニケーションが取れる、価値観、感受性を交流してみると自分が見えてくる。
他者関係の中で自分を了解していく。
なんだ、人生、社会は悪くないなとコミュニケーションが取れるようになる。

・よくわからんけどイライラしてる子、うつ伏せになっている子も、自己理解への営みの表れでもある。
やりたくない子、イライラしている子に、自分の欲望を知り感度を高めること。
子どもが暴力的。何か欲望が溢れているがわからない。
徐々に言葉を知る。言葉にできる。コントロールできるようになる。
たっぷりコミュニケーションの機会がないと、語彙がたまらない。欲望と折り合いをつけていく経験が大事。

質疑応答で…

・いま、日本社会は自由なのかな?選べるのかな?という疑問に対して
<苫野先生>

哲学者なので、1万年くらいのスパンで考えている。(!)
自由というのは、社会、自由経済があるから。ピラミッドの下にいた人がここで作ったものを他で売ったら売れる!
俺たち自由なんじゃない?となる。

自由経済で、格差と勝ち負けが生まれる。格差をなくすために、国家が自由になるために、世界的な流れで画一的に染まれというグループと、勝ち組になれという自由な人が出てきている。

現代は、私達の知らないフェーズになっている。
保守的な発想、勝ち組となって自由を謳歌しろという二極化が起きている。

孤立した世界に閉じこもっていることが、不自由さを生み出していて、苫野先生、学び合いが切り込んでいくんだなと感じました。

自分はバトンをもらっている。
哲学と経済学を融合して、60歳くらいには新しい原理を出していきたいと考えている。

考えれば答えが出てくるという確信を持っている。
自分が無理でも、次の世代にバトンをつないでいくという考えがある。

この私の問題をどうすればいいのか?神経症もかかえて、躁うつ病も持っていた。毎日思っていた。この私から逃れられなかった。

哲学によって自分の問題を解いた。
自分は社会とつながっている、社会の問題とリンクしているんだ、自分のことを考えていると、苦しむ。
自分の問題だけで苦しまなくなる。社会との関わりで解いていこうという気になった。

苫野先生の講演を聞いて

苫野先生が考えている時間のスパンの長さに唖然としました。
多分、倫理の教科書の思想史に載っちゃう先生なんだと確信しました。

そして、自由の相互承認問題。

職場では、苫野先生の本を読んでいる教員が何人もいます。

いま新しいカリキュラムを作ろうとしている時に、校則を守らせきるか(いま、守らせきれていなくて校則を破る生徒が教室に半分くらいいる)、校則を無くしてしまうか検討中なのです。

可能であれば、校則を無くしてしまいたい。
桜丘中のように、校則を指導したり守ったりするエネルギーをより学びに使えるようにしたい!
と思うのですが、校内では
「自由の相互承認」
が教室内で保証されておらず…という状態です。
衝動性が高く、目の前のやりたいこと(スマホ、化粧など)に心が奪われてしまう。
ルールを破る子が目立つし、先生もそちらに力を入れてしまう。
派手目な生徒が教室でワガママになり、地味な生徒は我慢している。

真面目な子がバカを見るような、教室内で人権が保証されていないならルールは守らせる方向性に向かっています。
ルールを守らせきらないと、学校が考えるような「学び」に気持ちを向けるのが難しい生徒が多い印象です。

午後の対談の様子は、ツイッターにまとめられていましたのでよろしければご覧ください。

グルメ・宿など

福岡駅周辺の観光メモ。

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福岡空港のラーメン滑走路では、各地方のラーメンがいただけます。
豚骨だとおもって食べたラーメン、本店が歌舞伎町だった…。

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私が行ったのは、太宰府天満宮九州国立博物館です。

8月2日の昼間、この日は猛暑日の37度…酷暑の中を歩き回ったのでかなり体力を消耗しました。

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太宰府天満宮では、学問の神様と言われる菅原道真が祀られてるということで、今年中学校3年生になる息子の進路と、今担任している高校3年生の進路決定を祈願して絵馬に初めて願い事を書きましたよ。

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こちらは、水みくじ。

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九州国立博物館では、アジアと日本の交流をテーマに、縄文時代から江戸時代まで使われた土器や陶磁器、道具などを展示しています。

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九州も古墳が多いんですね!初知り。

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大宰府天満宮の参道を1本外れたところに入口があるので、セットで見学するのが良さそうです。

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天満宮に行く参道では、名物の梅が枝餅と抹茶をいただきました。
梅が枝餅も冷たい抹茶もとても美味しかったのですが、抹茶に浮かぶ氷が飲む時に口のほうによってきてこぼしてしまい、服が汚れてしまいました(泣)。

福岡空港から大宰府までは地下鉄と西鉄線を使い到着したのですが、帰りは博多駅のバスを利用してみようとチャレンジしました。
バスの中の冷房の効きが悪く、汗だくで立ちっぱなしの40分間でした…。

前泊の夜は、『学び合い』フォーラムのサポートセンターとして15回ほぼ皆勤で参加しているすみちゃんと夕飯を頂きました。

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福岡在住の友人がオススメのお店を紹介してくれたので、博多の美味しい食事にありつけることができました。

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博多名物屋台も見学!

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当日の夜は、福岡在住の友人と夕食を。

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次男が生まれた頃に知り合って早13年!悩みや関心などもかなり変わり、お互いいい感じに年を取ったことを讃え合いました〜。

がっちりマンデーで紹介されていたご当地アイスのムース。

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福岡の人は給食の味ということで、懐かしく思う食べ物のようです。

今回泊まったホテルは西鉄ホテルくルームという、博多駅前にあるホテルです。

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ロビーは落ち着いた椅子やスペースがあり、部屋も大変清潔、しかも大浴場や露天風呂もあり大満足のホテルでした。

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以前は、宿泊先を二段ベッドのドミトリータイプのホテルにしてしまい、若者が夜遅く戻ってきたりする音でほとんど眠れなかった記憶があります…。

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それ以降、宿泊先はシングルでしっかり寝られる、ホテルに泊まるようにしています。

まとめ

今回も、人との出会いに感謝するセミナーでした。

昨年の『学び合い』フォーラム以降、Twitterでお知り合いになった先生とも直接お目にかかることができました!

苫野先生の講演会を聞いている間、私はノートパソコンで概要を打ち込んでいたのですが、それをたまたま目にした近くに座っていた女性が講演会の後話しかけてきてくださいました。

ライターか編集者、出版関係と思われたようですが、とりあえず「ただのしがない教員です」と答えておきました。

声をかけていただいて、名刺をお渡して何度LINE交換までさせていただきました。
その方は福岡で、子どものための居場所フリースクールを主宰されているとのこと。

自営業の方はどんなチャンスも無駄にしない、とにかく声をかけるということを信条としていらっしゃることが多いのかなと感じました。

普段は周囲にガンガン声をかけるタイプではありませんし、日常では知らない人に声をかけるのは恥ずかしいと思ってしまうことがあります。

しかし、私が最近好んで聴いている、勝間和代さんのYouTubeでも情報は必ず人が持ってくるという動画を見て本当にその通りだなと感じました。

本が持ってくることも多いですが、その人が感じた経験、一次情報にかなうことはありません。

だいぶ私も歳を重ねてきたので、もう少し周囲に図々しく話しかけてもいいのかしらと思うようになりました。

普段、「人に迷惑をかけないよう」にと思って生きていることが多いので、もう少し周囲に頼ったりしていくすべを身につけて行ってもいいのかも。

『学び合い』のフォーラムは、生き方自体を変えてみようかな?と思うような旅でした。

苫野先生の講演は、この本にだいたい書かれています〜。

ではまた☆

[書評]2時間勉強してもスマホ時間が3時間なら無効化!?「スマホが学力を破壊する」

「子どもがスマホを手放せない。高校生でも預かろうとすると暴れだす」

「子どもが半日スマホを使っているように見える。大丈夫だろうか?」

私の勤務している学校でも、スマホ中毒なのでは?と思うような子どもたちが多いです。

歩きスマホ

授業中のスマホ

休み時間もスマホ

いつでもスマホ稼働中です。

充電器は必須アイテム。

教室の電源も充電されているときがよくあります。

授業で、「大切なものを9個書く」と言う課題を出したところ、多くの生徒がスマホをあげていました。

物理的な価値よりも、「画像や思い出がたくさん詰まっているから」という声を聞き驚きました。

なるほど~でした。

で、「スマホが学力を破壊する」。

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東北大学で、脳トレを提唱した川島隆太先生が行った調査から見えてきたことを紹介しています。

ざっと読んでみて、気になった部分を記しておきます。

スマホが学力を破壊する、どんな調査を行ったの?

仙台市内の中学校に通う生徒、約2万2000人のデータを解析しました。

生徒の学力検査の点数と、普段から携帯電話やスマートフォンを平日にどれぐらい使っているかをアンケート調査。

全く使用しない群から4時間以上使う群の6群に分けて平均点を計算したそうです。

自宅学習時間が長いほど成績が良いということがわかりました。

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しかし、調査の結果わかったのは、自宅で勉強を「してもしなくても」「携帯やスマホを使う時間が長い生徒たちの成績が悪い」ということです。

スマホが脳を破壊する?勉強しているのにスマホ時間分記憶がなくなる?

勉強時間よりも長くスマートフォンを使ってしまうと、せっかく行った勉強時間が無駄になり成績が悪くなってしまうというのです。

また家では勉強せず、学校で勉強するだけの生徒はスマートフォンを触らなければ数学において62点の平均点を取れています。

しかし、家でスマホを1時間以上使うと使った時間の長さに応じて成績が低下してしまいます。

4時間以上使うと、平均15点も低くなってしまいます。

また、全ての学習時間とスマホ利用時間を足すとありえない時間になってしまうことがあります。

学習中にスマートフォンを使いながら勉強していることも見えてきます。

家庭学習中にスマホを使うマルチタスクを行うと、家庭での学習が成立しなくなってしまうそうです。

使用アプリの数が多いほど成績が下がっていることもわかりました。

スマートフォンは机の上に置いてあるだけでも集中力を削がれ、成績が下がることも分かっています。

スマホが学力を破壊する!脳の前頭前野の活動が抑制され、発達が遅れる!

最近では、近赤外分光装置を利用して、大脳の前頭前野の活動ができているか計測をすることができるようになっています。

前頭前野が発達していることが「人の脳の最大の特徴」であり、前頭前野には人間ならではの心の働きが関係しています。

衝撃的な事実として、ITを使うと前頭前野は働かないことがわかりました。

対人コミュニケーションの場面で実際に誰かの顔を見て話をすると前頭前野は働きますが、同じ人と電話で会話をすると全くと言っていいほど働かないことが分かります。

テレビ会議のシステムを使っても前頭前野は働いていません。

囲碁や将棋ですら、コンピュータ相手に打っても全く働かないのです。

文章を書くときも、手書きで手紙を書くと前頭前野はたくさん働くのに、パソコンや携帯電話で打ち込んでも前頭前野はまったく働きません。

ゲームやテレビは長時間の使用で学力が低下するばかりではなく、健常児の言語知能の発達に悪影響を及ぼします。

さらに悪いことには、新しいゲームを始めた時には前頭前野が大いに活動します。

しかしゲームに慣れた時に、前頭前野が安静時よりも活動量が少なくなる「抑制現象」が生じたのです。

どのようなゲームでも、前頭前野に強い抑制がかかってしまいます。

前頭前野を使わなくてはいけない課題をしていたにも関わらず、ゲームををやめた後30分経っても前頭前野がきちんと機能していませんでした。

ゲーム、テレビ、スマホの共通点として前頭前野に抑制がかかることがわかりました 。

子育てにスマホ、どうしたらいいんだろう?

スマートフォンを使うことで睡眠時間が短くなることも指摘されています。

日本の日本人の睡眠時間は元々世界的に短いと言われています。

スマートフォン利用で睡眠時間がさらに短くなっているというわけです。

教育の世界では、睡眠時間が短いほど学力が低いことが常識となっています 。

親が子どもを静かにさせるためにスマホの動画を見せることも多いことから、

スマホに育児、子守をさせないで」

というキャッチフレーズも出てきたほどです。

夫の育児の手助けが得られない、いわゆる「ワンオペ育児」では母親の育児の手が足りずスマートフォンや映像作品などで子守りをさせるのはよくあることです。

今、母親からスマートフォンを取り上げたとしたら、反対運動が起きてしまうかもしれません。

まとめ

私も子どもがいるので、このテーマはかなり気になります。

中学生と小学生の子供がいますが、映像サービスでは Amazon プライムビデオやネットフリックスにお世話になっています。

調べものや学習にタブレットを利用させるつもりが、タブレットにゲームを入れてくれと頼まれて入れることもしょっちゅうです。

なるべくスマートフォン利用を減らすよう伝えていますが…。

こんなことなら、タブレットスマートフォン動画サービスを契約しない方が良かったのではないかと思ってしまいました。

学習障害など書字が苦手な生徒には、 IT ツールの是非使わせたいと思っていました。

このような結果が広まってくると、子供達へのITツールの利用はどうするのか議論がまた出てくるでしょう。

私が普段付き合っている高校生は、偏差値が40前後で勉強が苦手な生徒が多いです。

そのような生徒たちはスマホ依存が本当に激しく、一日6時間や8時間ぐらい触っていることも普通。

今回の調査で、「低学力層がやることがなくスマートフォンを触ってしまう」という文章がありましたがまさにその通りです。

スマートフォンへの依存が激しく、授業中に使っていて注意してもやめないというような状態もあるほどです。

時間割引率が高く、けじめがつけられないんですよね…。

偏差値が50以上の高校に見学に行くと、机の上にスマートフォンを出していたとしても全く使わず本当に必要な時だけ調べもののために使っていました。

自制心が働いていることにとても驚きました。

勤め先の生徒は Instagram や、オンラインで友達と遊べるゲーム、Twitter、LINEなどを常時開いています。

何か調べものに使うという時も、なかなか調べるための単語が思い浮かばないような状態もあるようでした。

勤め先のような学校では、スマートフォンを学習のため有効に利用するというのは難しいかもしれません。

スマホが学力を破壊する」の文中には、スマートフォン依存とインターネット依存のチェックリストがあり、依存度がわかります。

当てはまった場合、速やかに治療してもらった方がいいのかもしれませんね…。

自分もネット好きな方なので気をつけます。

こんな記事も見つけました。

デジタルデヴァイスは、「何に使うか」が重要。

これも確かに…ですね。

wired.jp

ではまた☆

[セミナー]EDIX東京(教育ITソリューションEXPO)とは?ITで学校の諸問題を解決!

先月に開かれた、EDIX東京(教育ITソリューションEXPO)にお邪魔して来ましたー!

www.edix-expo.jp

出展側のママ友さんもいて、教育ICTについてお話もできて楽しい1日になりました。

EDIX東京(教育ITソリューションEXPO)とは?参加した理由

EDIXのサイトから。

大学、小・中・高校、教育委員会、塾・予備校、専門学校などの職員、教員が来場する教育分野日本最大の総合展。 教育ITソリューションEXPO、学校施設・サービスEXPO、STEM教育EXPOの3展から構成され、 学校・教育現場のあらゆる課題解決に役立つ製品・サービスが一堂に出展されるほか、文部科学省や大学、学校トップによるセミナーも開催されております。

毎年、山のように招待状が送られてきます。

1年ぶり、3回目の参加かな?

4年前とは出展社の変化があり、経年で見ていくと楽しいかもしれません。

そして、個人的には

「職場の諸問題はテクノロジーである程度解決できるのでは?」

という仮説を持ってます。

勤務先への問題意識は以下の通り。

・教室内の生徒の学力差が激しく、下位層の生徒に照準を合わせているため生徒が勉強しなくなる問題、生徒の学力をだれも把握してない問題 ・大学を一般受験したい、という生徒に、「予備校通わないとウチの授業ではムリです」と伝えて終わり問題

・プリント、紙に囲まれる問題

・生徒指導の聞き取り会議に追われ、放課後生徒の勉強みたり一切できない問題

う~ん、これらの課題はITにある程度おまかせすることで、学力のアセスメントを把握したりできるようになるのではないでしょうか?

職場の教務システムではお手上げです。

そして、他にはアナログな小テストなどしか手段がないという…。

低学力と言われる学校だからか、「学力を上げる」ことにあまりこだわりがないように感じられます。

EDIX東京(教育ITソリューションEXPO)に参加した感想は…

今回は、東京テレポート駅近くの青海会場にて行われました。

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講演会はビックサイトで行われたのかしら?本当は聞きたい講演があったのですが、時間帯的に難しかったです。

全てのブースを回ることは難しかったです。

今回は、この辺の単語を知っておくと良さそうでした。

・BYOD…(Bring Your Own Device)とは、従業員個人が所有しているスマートフォンタブレット、ノートPCといったデバイスを業務でも利用することを指す。神奈川県は予算がないのでBYODを許可したそう。

・STEM教育(ステムきょういく)とは、"Science, Technology, Engineering and Mathematics" すなわち科学・技術・工学・数学の教育分野を総称する語である。

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・今年初、大人気のGoogleブース。Google education入れてほしい…。(Chromebookなら端末4万円で手に入る)

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また、時間帯によっては和光や広尾学園の生徒、町田の小学校の児童が実際に来てくれて話をしてくれたらしい。

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・偏差値低めの生徒に向けたインタラクティブなICT教材を提供しているすらら。いつの間にか160の高校に導入されていました。通信制で自社のコンテンツは豊富にあるはずのN高校でも、対話型の教材はないということで導入されていたそうです。こういうデジタル教材を入れることで何もかも解決するわけではありませんが…生徒がどこで躓いているのか、データで確認できるのは良いシステムだと思うんですけどね〜。

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・趣味で立ち寄った、楽譜を電子ペーパーに。4000曲入ります。18万円

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・アナログのカードやコマを使ったり、ドローンでプログラミング学習 (英語とプログラミング、STEM教育だけでかなりの出展!小学校や中学校でICT教育がすすむと、高校に来て「あれ?」って思われること間違いなし?)

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・生徒の英作文を撮影するとOCRで読み込み、スペルや文章の組み立てを添削してくれるソフト。スピーキングについても添削可能。英検対策など。

まとめ

その後、予約していた新宿ハイアットリージェンシーアフタヌーンティーをママ友と楽しみました。

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ノンアルコールでも乾杯OK!

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それぞれに趣向が凝らされており、お腹いっぱいになっちゃいました。

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ママ友さんの息子さんの学校では、classiを導入していてe-ポートフォリオを作りたいのだけれど、部活は入力してはいけないとかコピペができないとか色々不満があるようです。

個人持ちのPCのあるなし、導入されているサービスの有無など、情報機器の格差は今後ますます広がっていくでしょうね…。

発達の凸凹が大きい生徒ほど、IT機器を使いこなせれば可能性がもう少し広がりそうな気がするのですどね…。

ではまた☆

[セミナー]外部コンサル必要!「デジタルシフト的学校組織開発研究会」へ参加しました。

「職員室って、全然デジタルシフトできてないよね…」

「職員室の対話の総量が足りない!少人数でも有志でプロジェクトをすすめていくために有効なツールは?」

職員室でデジタルツールを使って教職員で対話したり、プロジェクト管理ができている学校…多くは存在しないのではないでしょうか。

また、ミドルリーダーに仕事が集中しすぎて、新しいことを思い出したり考えたりする暇もないというのが職員室の実情かもしれません。

そんな中、魅力的な紹介文と共に、Facebookにお知らせが紹介されたのが今月初め。

gakko.site

「デジタルシフト的学校組織開発研究会」にお邪魔してきました♪

 「GLOCOM六本木会議」主催のセミナーは、過去こちら↓にも参加しました。

manabito.hateblo.jp

 

「デジタルシフト的学校組織開発研究会」の内容は?

今回の内容は、以下のとおりです。

2017年9月発足した「GLOCOM六本木会議」では、情報通信分野の技術革新と新しい社会への移行を産官学民の多様なステークホルダを交えて議論しています。

  1. 話題提供(50分) 「デジタルシフト的学校組織開発」 ~ミドルリーダーがアクティブになれば、学校は活性化する~ 杉山史哲(学校組織開発コンサルタント

外から見ても「勢いのある学校」は、30〜40代のミドルリーダーが元気です。それは授業の面に限らず、学校経営の面でも同じ。でも、なぜこの世代なのでしょうか?

キーワードは、「デジタルシフト」と「働き方の価値観」です。今回は、ある学校で現在進行形の学校改革の事例をご紹介し、その事例がどのような要因で起こっているのかについて深掘りします。勢いのある学校作りに関心のある方、是非ご参加ください。

◆話題提供者プロフィール◆ 杉山史哲(すぎやま・ふみのり)

「組織開発」の切り口からの学校経営支援(授業改善/業務改善/人材育成)と、オンライン教育事業(教員採用試験スクール「みんなの教採」/ 学び続ける先生のための「みんなのオンライン職員室」の運営)をしています。学校組織と教師の学びをアップデートすることを志向しています。 twitter @symphonicity

  1. ディスカッション(50分)

 

「勢いのある学校は、ミドルリーダーが元気」という紹介文に胸を撃ち抜かれまして…😅

この日は行事があったのですが、なんとか六本木に定刻で間に合いました。

どの駅からも遠い、六本木。

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大阪で、教頭補佐の経験がある杉山先生。

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今は、関西の私立学校をメインに組織開発のコンサル業、また「みんなのオンライン職員室」などの運営をされています。

 

manabito.hateblo.jp

 昨年関わった学校での実践を例に、教頭や副校長の仕事の再定義と、若手のミドルリーダー育成のために利用した手法とツールの紹介をしてくださいました。

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杉山先生のパワーポイントを見ながら、ApplePencilでiPadに書き込んでいきます。

Google Driveにシェアしてもらえると有り難い!

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ポイントは、

「教頭・副校長、もしくはミドルリーダーの仕事は組織開発である」

ということです。

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組織開発の手法として、「対話を中心とした合意形成のワークショップ」や、「スモールチームでのアプローチ」「学校の10年後を想像する会議」などを行いました。

ワークショップを終えた後も対話がやりっぱなしにならないように、ポイントとなるテーマについては「Slack」のチャンネルを置いて継続して話し合えるようにしました。

get.slack.help

Slack って何? チームのメンバーが連携しながら仕事を進める場。それがビジネスコラボレーションハブの「Slack」です。プロジェクトの立ち上げから予算についての話し合いまで、どんなテーマでも Slack を活用できます。

教員のキャリアパスを考えて、「10年後にどんな仕事をしていたいか」「仕事で大切にしてること」を共有していきます。

シートを見ながら管理職が面接することで、30代の先生が「様々なことにチャレンジしてもいいんだ」と気づき、モチベーションも上がっていきます。

モチベーションの高い教員にはの特命ミッションを与えていくことで、Slack上で報告・共有をしてもらうことで、コストをかけずに効果が上がったそうです。

スモールチームでのアプローチは、自主的ではない委員会を設置したところ期待した成果が出なかったので解散。

当事者意識を高くもって動けるスモールチームを作り、分掌の仕事を軽くしたり授業を減らすなどして、他校への視察や研究会への参加を続け、月に1回必ずイベントを入れて行きました。

校長が即座にSlackをチェックして、「いいね!」のフィードバックを行ったそうです。

この学校ではSlackがかなり有効だったそうで、Slackを利用していた若手教員が入試広報の業者とのやり取りでもSlackを使ってほしいとリクエスト。

校務分掌での業務の軽減が行われたと報告がありました 。

注意点としては、

  • いきなり全員ではやらないこと
  • ポテンシャルのある30代と一緒に進めるために、業務を思い切って減らし学ぶ機会を与えること
  • デジタルシフトは使えそうな人に目的を共有して始めること

とにかく、管理職がトップダウンで改革を行ったとしてもあまり効果は得られないとのことです。

報告の最後では、ティール組織のフレームから考える学校組織の発達段階が紹介されました。

今の学校は「順応型」アンバー型組織であり、せめて「多元型」グリーンの状態までたどり着くためにはどうしたらよいか、考えさせられる時間がありました。

対話タイムでお話した小学校の先生によると、昔は学校の小学校は各クラスごとに自主経営をしていてある意味ティール組織だったのではないか?という話が興味深かったです。

おすすめの書籍はこちら。

入門組織開発

ティール組織

豊福先生のFBに、今回の講演会の動画がまとめられています。

「デジタルシフト的学校組織開発研究会」を受けて、考えたこと

私が勤める学校では毎年夏と春に教育研究会がありまして、講演者を呼んだり今後の学校の在り方についてじっくり対話できる時間が用意されています。

職員室も、フラットな関係ができていると思いますし、ギスギスした印象はありません。

アナログでの交流が進んでいるためか、デジタルツールを使った組織開発までは行われていません。

今のところ、教科の集まりやプロジェクトの仲間でLINE のグループを作ることはありますが、利用者が偏っているという面があります。

Slackのようなデジタルツールまではたどり着かない…というのも悩みの一つです。

普段、生徒指導に追われて仕事が終わるのが21時過ぎ。

将来の学校構想どころか、明日や来週の授業の準備をする時間すら取れないというのが実情です。

コンサルタントを入れるにしても、それだけの金銭的な余裕や時間の余裕があるかどうかというのはなかなか難しい問題だと思いました。

また、学校改革の本やこのような報告を読むと、「オフサイトミーティング」いわゆる飲み会がその対話の下支えになっていることが多いです。

お酒が飲めず、育児のための時間を取らなくてはならない人間にとっては、あまり好ましいと思えるものではありません。

オフサイトミーティングに参加できない教員が対話に参加できるよう、Slackのようなデジタルツールを活用するのは賛成なので、それぞれ参加方法が選べるといいですね。

まとめ

以上、「デジタルシフト的学校組織開発研究会」の簡単な内容と、参加した感想を中心にお送りしました。

公立学校では、「生徒の個人情報をどこに置くか」「情報交流のためにデジタルツールを使うのはセキュリティ面で良いのか」という問題や、コンサルティングするとなった場合には金銭面がネックになっていくでしょうね。

教育界で生計を立てるのはなかなか難しいでしょうし…。

今回杉山先生のお話を伺って、勤務先にも組織を少し交通整理してくれるような方がいたらいいのにな〜と感じました。

ご紹介くださった杉山先生、 対話して下さった参加者の皆様、ありがとうございました。

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ではまた☆