[セミナー]自分の教育実践と理念が結びついてるか分かる!TPチャートのワークショップに参加しました
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「普段の実践を振り返るよいツールがほしい」
最近、私の周囲で盛り上がっているツールにTP(ティーチング・ポートフォリオ)チャートがあります。
元々は大学教員向けのツールです。
今年2月、小中高の先生向けに本も出版されました。
題して、
”教師のための「なりたい教師」になれる本!”
チラッとTPチャートという言葉が書かれてますね!
インタラクティブティーチングでお馴染みの東京大学の栗田先生と同僚の吉田先生、公立高校教諭の大野先生3人の共著です。
TPチャートとは?
元々は、大学の教員が自己評価のために作成するチャートでした。
大野先生が授業改善研究会を主催していたところ、方法論に終始してしまいなかなか議論が進まなかったそうです。
そんな状況を打開するために、栗田先生・吉田先生が提案してくださったのがこのTPチャートなのです。
実際に使用してみたところ、その先生が大切にしている考え方をスムーズに交流でき、有意義な研究会になったとのことでした。
実際にTPチャートを作るワークショップに参加!
3月3日、年度末の実践の振り返りにちょうど良い時期にTPチャート作成のワークショップが行われることになりました。
今まで参加を希望していながらもなかなか都合がつかず。
なんとか子どもたちの世話を母にお願いして半日ワークショップに参加できました。
初めての東京大学本郷キャンパスです。
東大広い!迷子になりそう…。
安田講堂のお隣の工学部の教室で行われました。
より良いワークショップ実施のため、TPチャート作成前アンケートと作成後アンケート、最後の振り返りまで終わった時点での全部で3回のアンケート実施がありました。
TPチャートの紹介はそこそこに、早速付箋を使ってTPチャートを作成していきます。
思ったより、使用する付箋が小さいです。
相手に読めるよう、丁寧な字を心がけます。
TPチャート作成では、まず仕事で追っている責任や役割、改善方法、そこからの成果をふせんに記録します。
ここまで書いたところで、普段自分が無意識レベルで行っている方法をどんどん書いていきます。
「授業時間のはじまりと終わりは必ず守る」
など。
心がけていることではなく、実際に自分が行動していることを書きます。
方法を書き終えたところで、なぜその方法をとっているのか、方針をふせんに書き上げます。
例えば、
「授業時間のはじまりと終わりは必ず守る」
ならば方針は、
「教員自らがルールを守る」
といった感じに。
その方針を書き終えたら、その方針を掲げている理由をその上位概念である理念の欄に書き留めていきます。
例えば、
「教員自らがルールを守る」
という方針からは、
「生徒の良い見本となるような教師でありたい」
という理念が出ることもあるかもしれません。
「生徒に対しての願い」
や、
「こんな教師でありたい」
と言う自分の理想が書き留められていくはずです。
理念を書いたあと、その理念に至った個人的なエピソードをりんごマークのふせんに記入します。
ここまで記してきた付箋は今までの過去のものなので、それぞれの方法を改善する手立てはないか考えます。
それぞれの責任や方法、成果について、エビデンス(ふせんに書かれたことの根拠資料になるもの)がないか、小さい付箋に書いていきます。
普段、無意識の行動レベルで行っていることを振り返る機会はなかなかないですよね。
生徒の様子を写真に撮っておくなどの手立てだけがないか改めて確認できます。
次に、未来にできることはないか、短期目標と長期目標を付箋に書き留めます。
途中、4回隣の人とペアでシェアをしていく時間がありました。
傾聴が大事なので、
「あなたにはこれがいいと思う」
と言うようなアドバイスをしないことが大切です。
指導ではないので…!
同じ教科で組まない方が、相手にわかりやすく説明する必要が出て言語化が進むそうです。
聞き手はメンターの役割を果たします。
自分が作った付箋の説明をペアの方にしてみると、方針と理念が全然つながってないじゃん?と改めて気づくことができました。
方針と理念の整合性が取れるように付箋の貼り直しをしたり、付け足したりしたあと、TPチャートの見直しのためにさらにペアで対話を深める時間が取られました。
TPチャートの理念や方針をチェックする質問をお互いにしていきます。
理念をチェックするときには、
「その理念が大切だと思い至った理由」
を交流したところお隣の方と大変盛り上がりました。
シェアするほどに考えが深まり、可視化されたふせんがクリアになって洗練されていくのを感じました。
ワークショップからの気づきは?
まず、アンケートを通して自己肯定感が少しアップしたと思います。
「こんな自分でも、意外とやれてることあるんじゃないの?」
みたいな…笑。
今までの自分の実践を俯瞰して見ることができるっていいですね。
ざっくり作ってから深めることが大切だとも感じました。
じっくり作るのかと思いきや、それぞれのテーマについて3〜5分程度でさくさくすすめていけました。
その後、見直して修正する時間を多めに取るほうが充実感がありました。
このチャートは、
「担任ポートフォリオ・チャート」
「子育てポートフォリオ・チャート」
「生徒指導ポートフォリオ・チャート 」
など、なんでも応用できそうです。
小学校の先生は授業中心で働けているかもしれませんね。
私が勤務する学校は、担任ポートフォリオチャートや生徒指導ポートフォリオチャートを作って見直してみる方がいいのかも…。
授業が軽んじられているわけではないのですが、なかなか授業準備に時間が取れなかったり、授業中も私語やスマホなどの態度ばかり注意していて滅入ることも多いです。
また、見直しの時間に付け足しで書いたふせんが増えすぎて、どれから手をつけて良いのか迷います。
どの付箋を優先させたらよりよい実践ができるのか考えてみたいと思います。
まとめ
今回は、栗田先生や吉田先生の丁寧なインストラクションのおかげで、安心、安全を感じられる空間でTPチャート作成ができました。
ありがとうございました。
↓栗田先生のTPチャート。とても見やすいです。
が、ものすごく疲れました…!
たまたまペアを組ませていただいたお隣の方が、フェイスブックでたまにお見かけしていた方で、その場でお友達申請させていただきました!
偶然に感謝です。
職場でも、TPチャートの本を紹介してみています。
有志でTPチャートを作る機会を持てないか考え中。
普段、授業の方法について会話できても、その方針や理念までたどり着くような対話はできてないですから…。
TPチャートの資料は、栗田先生のブログからダウンロードできます。
ではまた☆