[見学]誰にでもわかりやすい授業を目指して。ユニバーサルデザインの授業研究校に見学へ。
ユニバーサルデザインの授業を研究テーマにしている中学校に伺ってきました。
この本にもたくさんの実践を寄せている意欲的な中学校です。
昭和に建てられた団地に囲まれた、多摩丘陵のてっぺんにある、ものすごく見晴らしの良い学校でした。
見学に至るまで
夏休みに特別支援のレポートを発表し、
「実際に実践している学校に行ってみたい!」
と周囲に熱い想いを撒き散らしていたら(迷惑だな)、仲の良い同僚が
「日野の中学に勤めていたことがあるので、連絡とってみましょうか?」
と声をかけてくれてコーディネートしてくれました。
貴重な平日の代休、声をかけたら4名の仲間が集まりました。
持ち物:
- 名刺
- 手土産(すっかり忘れていた・・・次回も気をつけよ!)
- きちんとした格好
- あらかじめ考えておいた質問メモ
- 明晰な頭脳(と、いつも会議のときに冗談で言う先輩がいます)
見学内容
校長先生から、沿革や、簡単にユニバーサルデザインの授業のあらましについて伺いました。
「ユニバーサルデザインの授業を心がけても、それぞれ発達の抱える課題は異なるので、完全な個別化はムリ。すべての生徒にユニバーサルは難しいが、できる限りの工夫をさせて頂いている。」
確かに。でもやらないよりは全然まし。
見学したのは中3の数学と英語でした。
数学
教室にて、統計の授業を行っていました。
小規模校だからか、すごく落ち着いてる!先生が声を張り上げる必要がありません。
まず、電子黒板で課題の復習。
パワーポイントで今、どこをやっているのかが示されます。
黒板には小さなホワイトボードで「今時にやること」が示され、授業の構造を可視化しています。
前の黒板の横の掲示板には、掃除分担、避難経路、年間行事予定、月別予定、生活目標が貼られています。
廊下側の掲示板には、委員会、係、学年、学級便り、保健便りなどが貼られています。
後ろの黒板と掲示板には、時間割、今日明日の時間割と持ち物、詳しい予定、書初め、クラス目標が貼られていました。進路関係の書籍もあります。
ごちゃごちゃした情報は後ろに貼ることで、前には余計な情報を置かず、注意が他にそれないよう工夫されてあります。
(最近、この工夫で劇的に変化した児童の話がシェアされていましたが、教育の世界では実践している人が多いんだと思ってた。違うのか??)
授業プリントも見せていただきました。
たとえば解の公式なら、公式に入れる前にa=□、b=□・・・と、スモールステップを取り入れている、足し算、引き算はできるがまず<たす><ひく>と問題の意味を解説しているなど工夫がされていました。
英語
習熟度別で、2クラスに分けての授業。
空き教室がとても多いので、プロジェクター型電子黒板を置きっぱなしにできる教室を使っていました。いいな。
ここでも、「この授業で行うこと」が前に示されていました。
電子黒板で、関係代名詞を使った早口ことばを示していきます。
黒板にいちいち文章を書く必要が無く、行ごとに色を変えたりできるのでとっても効率がよさそうです。
プリントの課題ごとに色の違う紙を使っていたのがうらやましいです。
特別支援担当の先生からの説明
通級指導教室を少し見学した後、研究発表で使われたパワーポイントを見せていただきながらお話を伺いました。
小規模校ということもあり、1割の生徒が発達障害のグレーゾーンであるということ。
その中でも、いろいろな立場の保護者がいて、通級に通う子もいれば、診断をしない保護者もいる。
診断は受けないが、近所の大学で療育してもらっている子もいる。
高校に入るのは厳しいので、近所の○○学園に通うことになる生徒が多い。
生徒の困り感は、入学時にアンケートを書いてもらったり、小学校からの引継ぎで話を聞いている。
ただ、ここでも色眼鏡をかけて見ないで欲しいという親もいる。
中学も生徒指導で授業まで手が回らないという学校も多い中、普段心がけている小ネタを集めることはできるのでは?と始まり、実践集ができた。
たとえば、
- 歴史の授業で、漢字に振り仮名を振る・・・漢字で学習につまずいてしまう子どもを取り込む。
- 合唱で、輪になり手をつないでfは手を上げていく・・・強弱を可視化する。
取り組むことで、生徒に達成感、安心感を与えていく。
生徒、保護者へのアンケートは好評、集中力がついたと教員も感じている。
去年の研究発表では、
「なんでもかんでも丁寧に教えるでいいのか?もっと困難を乗り越えるような経験があってもよいのではないか?」
という意見があり、
”ユニバーサルデザイン授業の中でも、逞しく育てる”
が今年の研究テーマに入った。
研修は校内で、少人数で対話型も取り入れている。
明星大学の小貫先生に、支援の必要な生徒への授業の工夫など講演していただき、スーパーバイズしていただいている。
見学を終えて
代休に足を運んだ甲斐がありました。
実際に見て、感じるって大切ですねーーー!!!
「逞しく・・・」については、
目が不自由な子に逞しくさせるよう、「段差つけましょう」なんて言わないよね?
それだけ見えない障害への風当たりは強いんだな~
ユニバーサルデザインの授業を全校で取り組めるのもすごい!
と思いましたが、電子機器の普及(電子黒板、無線LAN、生徒は電子辞書で計算してた)も中学でこんなに進んでいることにショック受けました。
我が校、電子黒板の購入をつい先日見送ったばかりです。。。
「授業の構造を示す」など、やってみようかなと言ってくれた同僚もいて、心強いです。
(私はすでに取り組んでいます。好評、というか教員もゴールを再確認できて良いと思う)
コーディネートしてくれ、一緒に参加してくれた同僚、お忙しい時間を割いてくださった中学の先生方に感謝です!!!
この情報は、2012年に雑記ブログに載せたものが元になっています。2017年になっても自分の職場に変化がないことに驚愕してしまいました。
ではまた☆
[書評]高校でも配慮が必要な生徒は多いはず。「通常学級での特別支援教育のスタンダード」
職場で発達障害についてのレポートを発表してから、困っている生徒のために何ができるか考えています。
まず、本を読みました。
特に、高かっただけあって(2940円!)日野市の取り組みはものすごく勉強になったし、すぐ取り組めそうなアイデアがいっぱいでした。
通常学級での特別支援教育のスタンダードは超おすすめ本!
↓読書メーターの感想より。
日野市の小中学校の先生にチェックシートを記入してもらい、できていない部分について全校で取り組んだ実践を集めた本。
A4、300Pというすごいボリュームですがその価値はある!
こういう教育を受けてきた生徒が高校に入ってユニバーサル授業がでなかったら失敗経験、叱責経験も多くなってしまう。
高校もユニバーサルデザイン授業について学ぶべき。
本質と違うところ、たとえば漢字が読めなくて学びから遠ざかるなんてもったいない。
個人的には発達障害は「理解と支援が必要な”個性”」というコラムに共感しました。チェックシートも必見。
チェックシートは、学校環境についてコーディネーターや校長、教員が記入するもの。
組織作り
□校内委員会は、適切に運営できる体制でしたか。
理解・啓発
□校内委員会として、発達障害などの理解に必要な資料、文献などを校内の教員に対して紹介をしましたか。
個々の教員に対しては、
学級環境
□座席の位置は個々の特徴に合わせたものになっていますか。
□クラス内のルールはシンプルで誰もが実行できるものに設定していますか。
□助け合ったり、協力したりする場面を意図的に設定していますか。
授業における指導方法
□授業のはじめに内容の進め方について全体的な見通しを提示していますか
□時間の流れの中で、イマ、何が行われているかわかる工夫をしていますか
□課題についてできる限り学習内容の細分化(スモールステップ化)していますか
□集中の持続が可能なように、課題の内容や取り組み方に少しずつ変化を持たせていますか
などなど。
小中学校では意識されている項目かもしれないけれど、高校では
「高校生なんだから過保護すぎ。自分で考えて動くのが高校生でしょ?」
という声が根強いような気がする。
障害は個性か?
この本では「障害は個性か?」というコラムがあり、「個性」について腑に落ちない編者が、「理解と支援が必要な個性」と説明を受け、腑に落ちたという文章にとっても共感しました。
私も、先日の研究会で「障害は個性」との意見を聞いて、
「うーーーん、そんな、個性とは言えないほど苦しい経験してきている生徒がいるんでないの?」
と思っていたのでした。
今のところ、そう言われたら・・・
目が悪い人の例えを使おうと思っています。
視力が悪い人は、メガネをかければ改善できるとわかっている。
もし、
「目が悪いのも個性だから、そのままでいいんじゃない?」
「メガネ使うなんて、不平等じゃない」
って言われたらどうでしょう??
発達障害の支援も同じことじゃないかな?
と思うのですが。。。
本を読んで早速やったこと
・授業の構造をはっきりさせて、開始時に流れを説明してから授業に入り、今何をしているか視覚的につたえる。
すると、こちらも生徒もやるべきことが明確になり、多少いい感じ。
(とはいえ、「静かを作る」ことが本当に難しい。。話を聴けないのはどうしたらいいの?)
これからも続けてみようと思います。
学んでみて、疑問2つ。
ユニバーサルデザイン授業のための、「刺激を少なく」という項目
『学び合い』では、本時のゴールは示されるものの、授業中立ち歩いて話してOK。
となると、話し声が過剰な刺激になってしまう生徒には苦しい学習環境かもしれない、と思うのですが・・・。
すでに実践されている方、どうなんでしょうか??
見学したい、話を聴きたい学校にどうやってアポを取ればいいのか?
日野の中学校を始め、見に行ってみたい学校や、話をしてみたい大学の先生がいくつか出てきました。
(クリエイティブスクールの神奈川県立田奈高校とか。)
職場ででもいろいろな学校を見学しに行こうという動きがあり、
「早速行きたいね!」
と話せる仲間ができました。とっても嬉しい!!!
でも、知り合いがいない時はどうやって見学のアポをとればいいのか・・・。
うーん悩み。
ではまた☆
[便利]無印の仕切りトレーが大活躍!年度始めは職場の机を片付けて効率化をはかろう!
「机の引き出しの仕切りがお菓子の箱だ!」
「ストックがあるのに見つからなくてAmazon注文しちゃった!」
それ、どちらも私のことです。
最近、家の模様替えをプロに頼んだのをきっかけに、片付け熱が出てきました。
この本を読み、
「無印でも使い方によっては職場の引き出しがキレイになりそう」
と確信し、無印良品週間にまとめ買いしちゃいました!
新年度準備のついでに、机の引き出しを使いやすくした記録をご紹介します。
20世紀の引き出しに愕然!
職員室では一人ひとりに机が割り当てられています。
それぞれ、机の引き出しに文具や付箋、教材などを入れています。
いつから仕切りにお菓子の箱を使っているか記憶が定かでは無いのですが、特に疑問もなくずっと使っていました。
それが、片付け本を読んでから、
「なぜ私はお菓子の箱を仕切りに使ってるんだろう?20世紀か!」
と、ふと気がつき愕然としました。
確かに、家でも収納を揃えずに段ボール箱や空箱を使ってしまっています。
皆さんのおばあちゃんちもそんな感じだと思いますが、昭和の家って感じがしますね。
今回はそんな昭和感を打開すべく、シンプルに決めようと決意しました。
引き出し片付けに、無印良品投入!
今回引き出しの仕切りに導入したのは無印良品のポリプロピレンデスク内整理トレーです。
事前に引き出しの内寸を測って、無理なく入るよう設計しました。
1つ200円と無理のない価格帯なので、思わず家庭用と合わせて12個注文してしまいました。
職場の新年度準備の日に、早速引き出しの中身を全て出し、それにうまく収納できるよう整理整頓しました。
普段使わない文具がたくさん入っていており、あらかた処分しました。
開ける度にニヤニヤする引き出しに変身!
整理前と、整理後の引き出しはこちらです!
- 引き出し1ビフォー
(職員室の引っ越し時の撮影の為、マウスが入ってます)
- 引き出し1アフター
- 引き出し2ビフォー
- 引き出し2アフター
普段使う文具を前に配置して、あまり使わないものを奥に配置しました。
これならば、スペアを持っているのに、
「なくなってしまった!」
と勘違いして注文してしまう失態とは無縁になりそうです。
まとめ
生徒に、
「片付けなさい!整理整頓しなさい!」
と言っている割には自分の机が整理されていないことに気づきました。
- 全て取り出し、不要なものを処分する
- 使いやすい収納器具を購入する
- 必要な物の住所を決めてあげる
この3つのステップを繰り返すことで使いやすい場所になると実感しています。
普段使う場所を整理整頓することで、仕事や作業の効率化がはかれることでしょう。
何だか今年1年、すっきりした気持ちで過ごせそうな気がしてきました。
慌ただしい時期ではありますが、皆さんも机の整理整頓を心がけてみてはいかがでしょうか。
もし、他にも良いアイデアがあれば教えてください♪
ではまた☆
[映画]学校に関わる、すべての人に観て欲しい!「みんなの学校」
ずーっと観たい!と思っていた映画「みんなの学校」観てきました!
↓公式サイト
世田谷の有志による【映画『みんなの学校』を観て語る夕べ in 世田谷】へ。
この情報も、Facebookの先生つながりから。
以前参加していた信頼ベースの教室ファシリテーションや、『学び合い』関連の先生方からの情報は本当に役立ちます。
場所は三軒茶屋のしゃれなあどホール。
ホールは100人が入れるくらいの大きさで、スクリーン映画ほどではないサイズ。
映画「みんなの学校」とは?
みんなの学校とは…公式サイトより
大空小学校がめざすのは、「不登校ゼロ」。
ここでは、特別支援教育の対象となる発達障害がある子も、自分の気持ちをうまくコントロールできない子も、みんな同じ教室で学びます。
ふつうの公立小学校ですが、開校から6年間、児童と教職員だけでなく、保護者や地域の人もいっしょになって、誰もが通い続けることができる学校を作りあげてきました。
すぐに教室を飛び出してしまう子も、つい友達に暴力をふるってしまう子も、みんなで見守ります。
あるとき、「あの子が行くなら大空には行きたくない」と噂される子が入学しました。
「じゃあ、そんな子はどこへ行くの? そんな子が安心して来られるのが地域の学校のはず」と木村泰子校長。
やがて彼は、この学び舎で居場所をみつけ、春には卒業式を迎えます。いまでは、他の学校へ通えなくなった子が次々と大空小学校に転校してくるようになりました。
このとりくみは、支援が必要な児童のためだけのものではありません。
経験の浅い先生をベテランの先生たちが見守る。
子供たちのどんな状態も、それぞれの個性だと捉える。
そのことが、周りの子供たちはもちろん、地域にとっても「自分とは違う隣人」が抱える問題を一人ひとり思いやる力を培っています。
映画は、日々生まれかわるように育っていく子供たちの奇跡の瞬間、ともに歩む教職員や保護者たちの苦悩、戸惑い、よろこび・・・。そのすべてを絶妙な近さから、ありのままに映していきます。
そもそも学びとは何でしょう? そして、あるべき公教育の姿とは?
大空小学校には、そのヒントが溢れています。
みなさんも、映画館で「学校参観」してみませんか?
まず、校長がかっこ良すぎる!役者さんか?シナリオあるのでは?と思うほど言葉に力があり、名言続出でした。
校長自身も、開校当時に学校内をとにかく逃げまわる問題のある生徒を目の当たりにして
「この子さえいればいい学校になるのに」
と思ったことがあると告白していました。
その後、あるエピソードをきっかけにその子は逃げることがなくなるのですが…。
先生も孤立しない「みんなの学校」
先生が孤立しない。みんなで作る学校だ!と言いながらも、「教室のトラブルは担任の責任」と周囲の教員が全く助けないことが学校ではよくあります。
余裕のない激務の中、お互い助け合える余裕が無いというのもあります。
この小学校なら、先生がひとりぼっちになることなく、
「ほかの教職員と助け合って1年間過ごすことができるかも!」
と思えるほど教員の層が厚いです。
あと、「しんどい」という言葉がよく出てきました。
私が敬愛するファシリテーターのちょんせいこさんも大阪人で「しんどい」をよく使われます。
関東だとしんどいに当たる言葉って微妙にない気がする。
もしあったら教えて下さい。「疲れた」「つらい」よりも相手や自分を思いやり、いたわる気持ちがあって好きです。
語り合いたくなる映画
上映後に、周囲の人とこの映画について話し合うトークタイムがありました。なんと、世田谷区長も参加。
同じく教育関係の方、主婦の方と感想を語り合うことに。
それぞれ、日頃思っていることから、
「自分が小さかった頃は今よりもこの小学校のあり方に近かったのではないか」
「今は学校が受け入れる生徒の幅が狭いのではないか」
という話になりました。
私はぼーっと「いい映画だったなー」としみじみしていたところ、主催者の方が
「どうでしたか?色々な見方があると思います。例えば、みんなで作ると言いながら校長のリーダシップが強すぎないか、とか」
と仰っていて、なるほど、そういう考えもありだと思う、でもまだ見たばかりでそこまでは考えられない、感じていたい気分でした。
最後に「こうすればもっと学校は良くなるのではないか」というテーマで話し合い、付箋に書いて終了となりました。
区内に住んでいる友人のお子さんが、残念ながら担任の先生や管理職から
「いろいろあり、この子はもう普通学級で見ることはできない」
と言われ、特別支援学級への転校を勧められてしまいました。
そのことを書き、このような学校を理想と思うなら特別支援学級をすべての小学校にも置くことはできないのか?という内容を付箋に書かせてもらいました。
ママ友のSNSの投稿でも、
「隣のクラスが学級崩壊した」
「自分の子どものクラスは何とか被害を免れたい」
「あの子がいると学級が落ち着かなくなる。なんとかならないのか」
など見かけますし、私もトラブルの多い生徒を預かるのは正直「しんどい」と思うことが多いです。
それでも…希望を持ち続けたい!と思える映画でした。
まとめ
パンフレットもオススメです。監督がこの映画に関わることで自分も変わってきたことを読んで、また目頭が熱くなりました。
教育関係者だけでなく、学校に関わるすべての人に観てもらいたいなぁ。
多分またどこかの映画館か上映会に行くと思います。
主催者の皆さん、ありがとうございました!
当日の夜ご飯。
同僚と行くはずでしたが、諸事情によりひとり。アジア屋台で鶏肉と野菜のフォーを上映前に頂きました。
この記事は2015年6月に雑記ブログに書いた記事で、その後、夏の職場の教研でも上映することができました。
今どこで上映されているかは、以下のサイトから確認することができます。
木村校長先生の本も激オススメです。
電車の中で目頭が熱くなり、
「ああ、電車で読む本ではなかった…!」
映画で気になるあの子のその後が書かれていますよ!
教育の原点を思い出させてくれます。
ではまた☆
[書評]「目標と学習と評価」の一体化!新年度に向け、『学び合い』を改めて学ぶ。
気持ちはすでに来年度。
今年度よりも良い授業を目指したい!!
今から準備するとしたら?
良いと言われる授業を見学したり、レポート書いてみたりしました。
職場でうまく言っているケースを真似るのが大事。
ということはわかっているものの、またもや本を買いまくってしまいました。
好きなだけ?!本が買えるって、大人っていいよね…。
「成功する練習の法則」によると、優れている教師は、授業内容に20%、目標設定に80%使ってるそうです。
ほしい結果からまず考えるのが大切らしい。
新年度に向け、『学び合い』を改めて学ぶ
授業の目標を立てるのに参考になりそうなので、『学び合い』の本を5冊購入。
「成功する『学び合い』はここが違う!」も、具体的で分かりやすい良書でした!
なるほど!メモ
『学び合い』の考え方とは?
どんな状態が「知る」「理解する」状態なのか?
生徒が理解したことを知るための評価方法は?
- めあて
- めあてができたかどうかを確認する方法
- 制限時間
- めあてを達成するための手順
- めあてを達成するための条件
『学び合い』の3つの考え方
- 「学校は、多様な人と折り合いをつけて自らの課題を達成する経験を通して、その有効性を実感し、より多くの人が自分の同僚であることを学ぶ場」という学校観
- 「子どもたちは有能である」という子ども観(万能ではない)
- 「教師の仕事は、目標の設定、評価、環境の整備で、教授(子どもから見れば学習)は子どもに任せるべきだ」という授業観
『学び合い』の方法
- 子どもに課題を与える(課題達成に必要な資料も用意)
- 子ども同士で教えあって、課題を達成してもらう
- 「全員がわかる」が目標。それがどれだけできたかを評価
『学び合い』スタートブックより、目標の立て方の例
- 全員が達成できるレベルになっているか
- 教師だけでなく子どもが評価できる表現になっているか
- 具体的なゴールがわかりやすいか
- インプットしたものをアウトプットさせるようになっているか
- 相手を意識させるようになっているか
- 削って削って、シャープにシンプルになっているか
例
- ○○に理解してもらえるように説明することができる(下級生など)
- ○○という単語を使って、150字以内で書き表すことができる
- よくわかってもらえるように○○に手紙を書くことができる
- 発表できる
- 安全に使うことができる、コツや理由とともに結果を求める
- (ゴールフリーの課題の場合)なぜそのように考えるようになったのか、その理由と一緒に、お友達によくわかってもらえるように自分の考えを説明できる
- プロセスを説明できるようにする
その時々で響くところは違うと思います。
まとめ
協同学習の本も購入してみました。
実は、協同学習は「学習」という面が強調されがちですが、アメリカ合衆国などの教育困難な地域においては、学級の学び合いを支え、広げるために力を発揮してきた手法なのだそうです。
背景を知って、なるほどでした。
読んでも、なかなか実践まで至らなかったり、実践してもうまくいくケースはとっても少ないですけどね。。。
ではまた☆
[セミナー]子どもがやる気になる質問とは?魔法のしつもん・先生向け研修に参加!
こちらの研修に参加してきました。
>>しつもん財団
2013年から、教職員向けの講座を無料で開催しているそうです。
子どもがやる気になる質問ってどんなものだろう?と好奇心で参加したら、参加者数の多さと熱気に圧倒されちゃいました。
100名以上の、教科、学校種を問わない先生方が大集合!!
昨年の講習を受けたり、地域でキッズインストラクターの研修を受けたりして、すでにしつもん先生として実践されている方が大多数の印象でした。
右がマツダミヒロさん。
お若くて気さくな感じがします。
午前中は、魔法の質問のインストラクションとワークショップ
この1日が終わっていたときに、どうなっていたらいい?
まずはこの問いから始まりました。
コーチングの初めにコーチから質問される問いと同じですね!
質問のルールについて
①答えはすべて正解
②答えが出なくても正解
③他の人の答えを受け止めることが大事。十人十色。
自己紹介
・ペアで共通点を見つける
#目に見えるところ以外で。ママイキでも出た課題だが、久々だったので意外に苦労しました。
・うまく行っていること3つを書く
人は欠けているところに目が行くので、意識してあるところに目が行くように質問する。
・褒めまくりゲーム
まず、褒めるために「言われて嬉しいこと」を10個書く。それをみんなで見て1分間褒める。
褒める方が関係が築きやすい。それぞれ、褒められて嬉しい言葉は違う。
何をやるかよりも、誰がどんな状態でするかの方が大事。
#言われて嬉しいことを書く時に、目的が示されていなかったので人に見せることを想定していないことを書いてしまいちょっと恥ずかしい思いをしました。
あと、見知らぬ人から褒められるのは苦手ということが分かりました。
質問を作る時のコツ
・シャンパンタワーの法則
シャンパンタワーは、一番上が自分になるが、まず自分を満たすことが大丈夫。
自分のグラスを満たすために、一番大事なことは?
・質問の種類について
疑問、クイズ、命令質問、尋問は、自分のための質問。WHYが多い。
質問を始めると、人間の脳は答えを探し始める仕組みになっている。
どうすれば〜できるか?が、HOWの質問。
できる前提で物事を進めていける。
さらに、ワクワク感を感じるバージョンにする。
その人にとって一番大切なことはなにか?
その人を見ながら質問を作ることが大事。
お昼休みは、机が一緒になったメンバーでランチへ。
メンバーの中で、全く初めての参加は7人中2人でした。
午後は、魔法の質問を使っている先生方のお話を伺う
高校では、1時間の授業の目標を立てたり、どんな力がついたら最高ですか?という問いを講習の表紙に書かせたりしている。
SHRでは、しつもんトランプをめくって考えたり、隣同士で伝えあったりしている。
小学校では、朝の会に今日の質問を作ったり、未来質問といって未来に到達したと仮定して質問をする方法。
この方法で、小テストでほとんどの生徒が100点を取ることができた。
などなど、何名かの先生からの熱い報告ののち、魔法のしつもん授業を行うにあたっての解説と、魔法のしつもん作りの練習を行いました。
まとめ
内容がぎゅーーーっと詰まった7時間でした。
印象的だったのは、ものすごいエネルギーを持った先生方がこんなにいらっしゃるんだ〜ってこと。
私は近県からの参加なので日帰りできますが、北は北海道から南は沖縄までこのために参加され、仲間が増えていくのを見て圧倒されました。
内容的にはドリームマップと重なっていることも多く、子ども達にもっと夢を持って欲しいと願っている人がそれだけいらっしゃるんだなと思いました。
まずは、教師がイキイキしないといけないんだけどね。
9月から、習った質問スキルを活かせるよう頑張ります〜。
(この記事は、2014年の雑記ブログをリライトしたものです。)
ではまた☆
[実践]職場でうまくいっている協同的な学びのためのテクニックを集めてみました!
年度末、「勝手に授業改善プロジェクト」と称しまして様々な授業を見学に行きました。
10数時間見学する中で、実際、「生徒が失業者になっていない」と思われた授業は本当に少しだけ。
私の授業もかなり崩壊していて、皆さんに偉そうなことは言えないのですが…
罪滅ぼしに、授業を見学して「協同的な学びの技法で、我が社の子どもたちに有用だと思われる(ただ真似るだけで成功するとは言えないが…)」テクニック集をまとめてみました!
協同的な学びに有効なテクニック集
以下に紹介していきます。
机を並べ、くっつける
4人の机をくっつけて、隙間が出来ないようにする。絶対に隙間ができないようにするのは法則化のスキルでもあったような。
年度当初から
「この授業はこうするものだ」
と生徒にインプットしてしまわないと続かなくなる気がする。
途中から実践すると、机をくっつけてくれなくなる。(実際私もそうでした)
丸読み
教科書やプリントを配布し、黙読ではなくグループで音読させる。その際、「。」で次の人にバトンタッチする。(だから、丸読み)
丸読みが終わった班から次の課題のプリントを配布し、取り組ませる。
それぞれが黙読する、では課題に取り組まない生徒が必ず出てくる。作業の協同を徹底するために、グループで取り組まなければ次の課題にすすめないというシステムを作っておく。
1・2・3・4
時計回りに1・2・3・4と番号を割り振り、「1の生徒はプリントを配る、2の生徒は司会をする」など教師が課題を席で割り振る。
班の中で担当を決めさせると力関係で弱い立場の生徒が押し付けられたりして、協同での学習を拒否する生徒が出てくる。
キッチンタイマーで時間管理
課題を全体で取り組む時間を区切り、小テストの制限時間をはかるのに有効。
時間を区切るのは、教師も生徒もけじめをつける上でとっても大切なことですね。
パワポで板書
黒板に板書している時間は、教師が生徒に背を向けてしまい、生徒が手持ち無沙汰になる空白の時間。
この時間が長いと時間のムダになる。
あらかじめパワーポイントに板書してしまい、TVモニタに写すと一瞬で必要な情報が手に入るので、生徒が集中できる。
職場の同僚は、Googleドキュメントなどを用いてスマホを使ってHDMI経由で写してました。
が、私物なので途中電話がかかってくることがあったり、通知が表示されないように授業前にすべて通知をオフにすることがあったらしい…。
機内モードにすればその心配はないですね。
本当は私物を使わなくてもいいように予算を立てて欲しいけど、お金がない。全員がPC使えるわけでもないし。
小テスト用メモ作成
授業中に課題を終えたら、時間の最後に、小テストに持ち込めるメモを作成する。
どんなメモを作っても良い。
最後にテスト、となると燃える生徒が出てくる。
ホワイトボードでグループごとに解答
グループで評価するために取り組んでいる先生がいらっしゃいました。
小さいホワイトボードに答えを書き、時計回りで解答して行きます。制限時間は15秒でした。
答えを間違うと、グループごとに評価が下がるので気を抜けない。ちょっとしたゲーム感覚ですね。
その他、本で読み良さそうだと思った技法
棒で当てる
出席番号を書いた割り箸を持って行き、その場でランダムに当てる、を具体的に見えるようにする。
職場で、iPhoneアプリを使ってランダムに当てている同僚がいましたが、4,6,8,4…と「重複してしまう」らしく困ってました。重複しないアプリありませんか??
課題の進み具合を可視化
名表をマグネットで作り、課題が終わった人、班を可視化する
→わからない人が終わった人に聞ける
これ、やってみたいことの一つです。小学校とは異なり何クラスか教えるので、クラス分作るのは厳しいー!なので、学校ぐるみで作ってくれるのを希望!
「数字マグネットでもいけるかな?」
って思いましたが生徒は他人の出席番号なんて覚えてないですから…。
更にいうと、1年かけてもクラス全員の名前を覚える生徒はごくわずかなので実際に作ってみても我が社で有効かはわかりません。涙
自分の考えを伝えて、相手が理解したら、プリントに評価の丸をつける
丸をつけることが目的にならないように注意すべきですが、答えが1つではないゴールの課題は相互評価させるのもひとつの手だと思います。
まとめ
以上、ざっくりテクニック紹介でした。
考え方も大切だけど、考え方を実現させるためのテクニックも軽視できないと思うのです。
目標を達成するためのテクニック。
テクニックありきにならないよう、気をつけます。
勝負は4月…それまで、やることが沢山ありますね~。ふぅ。
ではまた☆
[セミナー]幸せ度世界一!?オランダの子どもたち。リヒテルズ直子さんの講演会に参加!
オランダの教育について、お子さん2人をオランダで育てた経験を元に日本にも広めているリヒテルズ直子さん。
本は何冊か読んでいたものの、お話を聞く機会を逃していたので
「講演会があるよ」
との噂を聞き、行ってきました!
私立小学校での講演で、一般参加可でした。ラッキー!
参加者のほとんどは小学校の保護者のようでした。
小学校から私立を選ぶだけあって、教育について深く考えている方が多そうです。
講演は、パワーポイントの資料と、オランダの実際の教育の様子を動画で見ながら丁寧に説明していくスタイルでした。
今回子連れでも参加したのは、テーマが気になったから。
「これからの時代を幸せに生きる子どもたちを育てるため親ができること」
自分にとっての幸せとはなにか?
幸せを感じとれる大人になって欲しいと個人的に考えているので個人的にはヒットでした。
こんな本が出ています。
講演会場でも売ってたけど、買いそびれた…!
なるほど!メモ
幸せ度の高い、オランダの子どもたち
2013年の先進国29カ国の調査で、第一位。
オランダの子どもたちは、
「級友は親切で助けてくれる」
「母親、父親となんでも話せる」
割合が8割を超えており非常に高い。
- 日本とオランダの15歳での学習到達度はほとんどは変わらない。
- オランダの子どもたちは、親とよく話をしている。親子の接触の時間が長い。
- 学校でも、家庭のような雰囲気がある。
学校の自分の席は一つではない。本を読むなど、それぞれの仕事にはふさわしい場所がある。
安心の場の必要性は、脳科学でも証明済み。
つながりの感情がないと、自分を認めてくれる存在がいない、無気力、攻撃性が出るなど問題がある。
#岩瀬先生の教室でも、リラックスできるように畳スペースやクールダウンスペースを作ったりしていましたね。
- 自立とは、自分が出来ること、できないことを知り、出来る人に助けてと言えること。
身の回りのことは出来るだけ自分でさせるため、保育園には1歳を過ぎた子どもが自分で登ってオムツを替えてもらう交換台がある。
幸せに生きるために
- グローバリゼーション、環境問題、高度科学技術発達などの変化に対してネガティブな面を見るだけではなく、プラスの面を見られるようになることが大事。
- 子どもたちの到達度は、面談時にタブレットでグラフにして表せるよう半年ごとにテストがある。各教科ごとではなく、読む力などもっと細かく分かれているらしい。
- 特に、イエナプランの小学校では、朝、夕にクラスがサークルになり対話をする時間を設けている。そこで言いたいことを言う力、聴く力、調整していく力がついていく。
- 親が子どもとの関わりを深めるため、夫婦で働き方をワークシェアにシフトすることが多い。2人合わせて7日位働くので、必然的に親子で過ごせる時間が長くなる。
- 子どもの頃から社会のニュースに触れ、考える機会を持っている。サークルの対話では311の話題も出ていて、リヒテルズさんが見学で訪れた時に子どもから質問が出たりしていた。
- 教育は社会の鏡。社会がダメだと教育もダメだとなんでも社会のせいにせず、まずは教育から変えていくことが必要。オランダも40年かけて変えてきた。
- 日本の子どもは、オランダとは逆に良いものを捨てさせられながら成長していくように感じる。
この講演を聴いて、会場になった小学校の先生が、
「この小学校は民主的で理想的な学校だが、社会はそうではないと出ていく人もいる。しかし、教育から変えていくことの重要性も語って頂けて大変元気が出た」
とおっしゃっていたのが印象的でした。
まとめ
私が学んでいる間、子どもたちは外で裸足になって遊んでました。
子どもたちよ、ありがとう〜!
幸せ度の高い、自立した大人に育てたいと思うものの、実際には難しい?!
仕事を続けていく上でも役立ちそうです。
(この記事は、2014年の雑記ブログ記事をリライトしたものです。)
ではまた☆
[実践]今よりもマシな授業づくりのためのチェックリストを作成しました!
進路多様校での「勝手に授業改善プロジェクト」、一人で盛り上がってます。
授業を成立させるだけで精一杯な進路多様校において、授業を改善すること自体がかなり大変なことです。
生徒が取り組むブライト・スポットな授業を広めたいのですが…
多くの仲間が実践している授業とあまりにも異なるので正直、困っています。
話し合う必要のない「作業の協同」
先日、アドバイザーの方が来てくださり、現時点で成功している授業の特徴を「作業の協同」と紹介してくださいました。
「作業の協同」の実践方法はとてもシンプルで、
- 説明よりも先に、生徒で協同して演習を行う
- 生徒が壁に当たってから一斉に戻して説明する
- 協同する必然性のある評価を行う
テキストで書くとそんなに難しくないように思えますが…
受けたことのない授業を実践するのはとてもハードルが高いんですよね。
何回か授業を見ればある程度イメージが湧くとは思うのですが、そこまでも行ってないんですよね。。。
今年に入り、職場で1.2番を争う位授業を見学していく中で、
「こうすれば目の前にいる子ども達にフィットする授業が出来るのでは?」
と思うリストが浮かんできたのでメモ。
一緒に見学している若手のお仲間も、リストを見て同じ感想を持ったそうで、心強い!!
見えてくるものがあるよね〜!!!
ってことで
「チェックしていくと今までよりはマシな授業になるかも?!」
リストを作ってみました。
協同的な授業を行うためのチェックリスト
□チャイムが鳴るまえに教室に入り、出欠の確認を事前に行う。
□すぐに授業を開始する。号令、出欠、黒板消しなどでもたもたして、授業開始が10分後にならない。
□スマホなど、授業を中断して注意しなくても済むように、新年度に厳しめにしておく。
□目的、目標を明示し、授業の価値を生徒に伝える。
□教師の説明は最低限に、指示を明確に。
□生徒全員に行き渡るよう、教科書を印刷したもの、参照できる資料を用意する。
□50分間、フルに生徒の活動をイメージし、保証する。
□みんなで考えよう的な、コミュニケーションしないとできない課題は与えない。
□グループで行う際、個別の課題がある。自分の役割が決まっている。
□模造紙1枚をみんなで作成せず、個別に調べた結果を貼れるようにする。
□グループの活動が評価できるような課題を用意する。
□継続してグループ活動を行う。
当たり前のこと過ぎますよね…?
でも、できてないんですよ…。
まとめ
今、モーレツに読んでるのは『学び合い』関連の本。
「考え方が中心」とは言え、スタイルをまず参考にしてみます。
以前ハマって何度も見ていたオンライン講座「インタラクティブ・ティーチング」でも「目的と目標を明確にすること」、とありました。
あまりに読みすぎて、夢の中にも目的と目標が出てきて、違いがわかった!!!と膝を打つ私…
夢にまで出てこなくていいですよ。
実は、『学び合い』を6年前に実践して、挫折して封印していたのです。
今回思い出して1時間だけ実践してみたら、生徒が自主的に取り組んで居眠り激減しました。
経験に、ムダはないんだな〜と実感しましたよ。
ではまた☆
[実践]2016年度のチャレンジ!高校生の振り返りジャーナルはどうなった?&悩み
最近、出版されましたね!振り返りジャーナルの本。
私も手に入れました。
なんと、オールカラーと大盤振る舞い〜。
この本のレビューはまた書きたいと思います。
今回は、2016年度私が実践した振り返りジャーナルについて報告したいと思います。
昔、挫折した振り返りジャーナルのこと
ちょんせいこさんと岩瀬直樹さんが提唱されている「信頼ベースの学級ファシリテーション」。
本もたくさん出版されています。
お二人の取り組みに共感し、2014年にも振り返りジャーナルに取り組みました。
毎日は大変だな…と思ったので週1回。
ちょんせいこさんが、
「毎日できないなら、やらない方がマシ」
とおっしゃっていましたがその通りでした。
毎日記録して、前日の振り返りを見て成長するものですよね…。
一応、一年続けましたが週1回だったので30回も書けなかったと思います。
2015年は続ける勇気がなく、とりくみませんでした。
2016年は、振り返りジャーナルのメリットを実感
2016年は一年生を担任し、生徒の様子を見て
「このクラスなら、最低夏休みまでは続けられるのではないか?」
と感じ、4月から取り組むことにしました。
取り組んだ内容はこちら。
- B5ノートを1/3に切る(本来なら1/2だが、それだけ生徒が書けると思えず)
- 表紙のシールを貼る(ラベルシールに印刷。自作しました)
- 終礼で配り、書いてもらって後ろから集める
- 私が20分程度で返事を書いて、翌日また終礼で配る
- 列ごとの番号を書き、配布がラクになるようにする
6月の行事まではみんな書いてくれ、生徒の状況を把握するのに大変役立ちました。
高校では毎日授業で会えるわけではなく、生徒全員に話しかけられるわけではありません。
そんなときこの振り返りジャーナルがあることで、生徒は今どんなことを考え、悩んでいるのか?交換日記のようなノリで相手のことを知ることができました。
しかし、書くことを苦手とする生徒を中心に徐々に提出日が悪くなり…夏休み前にすべての振り返りノートを回収することができませんでした。
夏休み明けの新学期には、紛失分で17冊ほどノートを補充しなければなりませんでした。
出さない子の呼びかけ方に悩む
この振り返りノートの記入は絶対ではないものの、なるべく書いて出してくれるようにお願いしました。
高校の終礼は早く終わってくれることを待ち望む生徒が多く、ノートを前に送って戻すことすらめんどくさがる生徒もいます。
もともとプリントをファイルに綴じて片付けることや、荷物を適切に管理することが苦手なADD傾向の生徒も多いです。
書いてくれない生徒に注意するわけにもいかず、お願いするだけにとどまったところ、3学期の終わりにはほぼ半数はノートに何も書かない状態になってしまいました。
テーマをほとんど決めず、チャレンジに欠ける日々だったか
また、毎日ノートに書くテーマをしっかり決める事はありませんでした。
「定期テスト前にはどのくらい勉強しているか」
「テスト後には出来がどうだったか」
というテーマを設定したことがあるくらいです。
学級ファシリテーションの本に
「チャレンジに満ちた日々であれば振り返りジャーナルをどんどん書くことができる」
と言う文章があったような気がします。
しかし自分のクラスの生徒たちを見ると、なんとなく学校に来て退屈な授業を受け、部活に入らず帰っていく生徒が目立ちます。
充実した、チャレンジに満ちた日々を送ってほしいと思いつつ、それだけの環境を用意してあげられない無念さを感じました
数字で見る、振り返りジャーナル
振り返りジャーナルの振り返りを数字でお送りします。
- 手元にあるノート 27冊/38人
- 最終日の書き込みがあるノート 12冊/27冊
- 2冊目に突入した人 14/人38人
振り返りジャーナルは60ページです。
学校に来ている日数は180日程度。
2冊目に突入しなかった生徒は、60日書けてないってことですね…。
2017年も続けるか?
今1番悩んでいるのは、2017年も続けるかと言うことです。
今年度は新入生の担任ではないので、黄金の三日間で
「振り返りジャーナルを書くものだ」
と定着をさせるのが難しいような気がしています。
私自身が価値のインストラクション(なぜそれをするのか、目的を説明すること)が苦手。
生徒のモチベーションが下がり、提出してもしなくても良いものだと認識されてしまうことも自分の課題として受け止めています。
また、ホワイトボードミーティングでオープンクエスチョンの練習をすれば、もう少し振り返りの量が増えるのかもしれません。
それだけの時間を作るのも、なぜそれをしなければならないのか説明するのも難しいです。
まとめ
最近発刊された振り返りジャーナルの本を読んで、小学生でもこれだけの振り返りが書けるのに高校生でなぜ1行や2行で終わってしまうのか、悩んでしまいました。
もともと、小学生の頃から「遠足が楽しかった」としか書けないような生徒が割合として多いということもあると思います。
また思春期と言うこともあり、教員とノートで交流すること自体気恥ずかしくてできないと言う生徒もいるでしょう。
2016年も、この振り返りジャーナルを夏休みまででやめようかと思っていたところをSNSの友達に励まされて続けることができたのでした。
新年度まであと3日しかありません。
それまでに振り返りジャーナルを続けるのか、こちらの本をもう一度読み直したいと思います。
ではまた☆