まなびと!

自らが学び続ける教師でありたい。振り返りの記録です。

[セミナー]高卒人材の就職に関する有識者トークセッションに参加、刺激受けてきました!

スポンサーリンク

「進路を決められない高校生に、学校として出来ることはあるのかな?」

「高校生の就職に関する情報が少なすぎる」

皆さんが勤めている高校では、どのくらいの高校生が就職しますか?

勤務先では卒業生の4割が大学、4割が専門学校、1割が就職、残りの1割が浪人や進路未決定者となっています。

高卒で就職する場合は、「学校紹介」という形を受けてハローワークの求人票から見つけた会社を、9月から一人一社だけ受けることができます。

生徒指導その他の問題で学校推薦を受けられない生徒は、親族などの縁故を利用して仕事に就くことになります。

生徒の割合としては多くないものの、ハローワークの方を呼んで指導していただいたり、パソコン室で一緒に求人票をチェックしたり、夏休み中に見学する会社に教員が何社も電話するなど、手厚い代わりに生徒は自由に会社を選ぶことが難しく教員の負担も重いです。

そして高卒で就職した場合、3年以内に4割の若者が職を辞してしまうそうです。

f:id:usagix4:20190425190344j:image

今回は、

「社会は、高卒人材を十分に活かしきれてないのではないか」

「もっと高卒人材を支援しよう!」

とする有識者方々のトークセッションに参加してきました。

www.facebook.com

f:id:usagix4:20190425190400j:image

場所は原宿!

f:id:usagix4:20190425190407j:image

途中、クレープ屋で腹ごしらえ…。

f:id:usagix4:20190425190346j:image

竹下通りを過ぎて、ちょっと奥に入ったところに会場である株式会社ハッシャダイさんがありました。

f:id:usagix4:20190425190410j:image

高卒人材を支援しようとする動きがある!有識者トークセッションに参加!

今回の高卒人材のトークセッションに参加したきっかけは、なんとFacebookからのつながりでした。

私がFacebookグループに投稿したこのブログの記事をきっかけに定時制高校にお勤めの新井先生からご連絡いただき、ご自身が勤務先でできることを模索されたことで「再チャレンジ高校」の著者から取材を受けるまでに!

imidas.jp

そして、現在高卒人材の支援をしている団体を利用して講演して頂いたりしているそうで、今回のトークセッションをご紹介頂きました。

新井先生は、有識者としてもトークセッションにご登壇されています。

他には高卒人材の支援活動をしている方、企業の人事の方、文科省通産省の方でのセッションでした。

f:id:usagix4:20190425190349j:image

このセッションで、

  • なぜ、みなリクルートスーツを着て就活をするのか
  • 大卒と高卒の給与が違うのはなぜか

というアイスブレイクから、高卒人材への各界からの想いまでみっちり2時間ほどセッションを伺って、最後にネットワーキングタイムがありました。

f:id:usagix4:20190425190357j:image

メモメモ!

f:id:usagix4:20190425190341j:image

こんなに参加者が関わりながら進めていく会とは思わず…

痛恨の、名刺忘れるミス!!!

もっとお固い感じかと思ってまして、普段から名刺持ち歩く仕事じゃないので…すみません。

それでも、新井先生はじめ(新井先生にお目にかかるのもこれが初めて)数名の参加者の方と交流できました。

印象的だったのは、株式会社ハッシャダイの勝山恵一さんが、

「コミュニティ依存から脱却してほしい」

という思いを口にされていたこと。

家族が中卒だと、子どもも中卒でOK、家の建築業を継げばいい、みたいな感じで付き合う世界も狭くそこから抜け出せない、選択肢がないと思い込んでしまう。

勝山さん自身がそのような世界にいたこともあり、もっと高卒人材でも視野が広がるような生き方を提示していきたいとおっしゃっていました。

確かに、勤務先のいわゆるヤンキーと言われる生徒を思い出してみると、親や親族のつてをたよって進路を選ぶ割合が非常に高いです。

個人的には、学校の紹介を頼らなくても縁故で就職できるコミュニティがあって生きる力があるんだなぁ…。

くらいに思っていましたが、逆にコミュニティ依存しているという見方があるのか!と目からウロコでした。

確かに、ヤンキーはコミュニケーション上手に見えて自分のコミュニティから絶対に出ようとしないような頑なな面を持っているな…と生徒を見ていて感じます。

では、高卒人材の支援をどのように取り組めばよいのでしょうか。

定時制高校での取り組みを、勤務先に生かせるか?

株式会社ハッシャダイでは、「ヤンキーインターン」という地方の高卒人材を東京に住まわせ、企業研修を行っていくスタイルの人材育成を行っています。

hassyadai.com

神宮前に事務所があり、ハッシャダイカフェは常にオープン。

24歳以下の若者は無料でお茶を飲んだり、職員の方とざっくばらんに相談することができます。

また、勝山さんが全国の高校を回って講演活動を行っています。

「Choose Your Life」

というタイトルで、

「人生は自分で選べて、もっとワクワクできる、楽しめる」

という趣旨の内容で、進路多様校、進学校に関係なく生徒に火をつけるお話をされています。

f:id:usagix4:20190425190403j:image

NHKのU-29人生デザインでも紹介されています。

www.nhk.or.jp


【初投稿】CHOOSE YOUR LIFEを届けに常夏の沖縄へ行ってきた!

ハッシャダイのYouTubeチャンネルもあります。

一般社団法人スクール・トゥ・ワークでも、同じように若い高校生のロールモデルになるような社会人をお呼びして講演会を行なっています。

 

schooltowork.or.jp

学校は基本的にお金がない場合が多く、謝礼がネックになってしまいます。

そこも理解していただき、交通費のみで引き受けていることもあるそうです。

確かに進路多様校の生徒にとって学校の先生は、なかなか生徒のロールモデルにはなりえません。

学校の先生は基本的に大卒です。

学校が居場所でもない生徒にとって、高校時代に

「学校の先生になりたい、大学に進学したい」

と考える生徒はまれです。

勤務先でも、キャリア教育の授業で大学の先生をお呼びしたり、サポートステーションの方のお話を伺うことがあります。

思い返すと、今回のトークセッションに参加した方々に比べると熱量が足りないかも…?

働くことについて、総合的な学習の時間で生徒に授業を行うこともあります。

生徒は、アルバイト先で給与明細をもらっていなかったり、勤務時間が10時以降になってしまっていたり、合わないレジのお金を補填させられたりと働くことに前向きになれていません。

「アルバイト先の社員を見ていても、とてもじゃないけどここで正社員になりたいと思わない」

と、こぼす生徒の多いこと。

授業も自然と、

という守りの姿勢になってしまいます。

もちろん、労働者の権利を知ることもとても大切なこと。

でも、教職員がワクワクするような外の世界を知らない場合も多いですし、教員自身が忙しすぎて死んだ目をしながら授業をしていることも否定できません。

私自身内向的な生徒は私に親近感を感じて接してくれることも多いですが、いわゆるヤンキーと言われる生徒とはなかなか関わりを深めることができません。

今回のトークセッションに参加して、より一層生徒のロールモデルになりうるような人達に話をしてもらいたいと感じました。

まとめ

今回のトークセッションに集まった方の多さに驚きました。

高校の先生や大学院生、サポートステーションの方や子どもの貧困に関わるNPOを立ち上げた方など、こんなに高卒人材に興味を持っている人がいるなんて…そのことが1番意外でした。

進路多様校の生徒は、社会から見捨てられている感が強いと常々感じていたので…。

今回のトークセッションの内容を職場に紹介していきます。

キャリア教育の授業の講演会の枠で、活躍している若い社会人の方のお話を伺えるような機会が持てるよう動いていきたいと感じました。

ご紹介いただいた新井先生、ありがとうございました。

ではまた☆