[書評]簡単で副作用が少ない!相手の力を信じる本「解決志向ブリーフセラピー」
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「先生が簡単にできて、副作用のないカウンセリングってないのかな?」
麹町中学校の工藤先生の「学校の当たり前をやめた」という本で紹介されていた、
「<森・黒沢のワークショップで学ぶ>解決志向ブリーフセラピー」
が、問いへの一助になるかもしれません。
画像にあるように、200ページ弱の薄い本ですがたくさん付箋がついてしまいました。
ここ1ヶ月は夜の読書のお供として繰り返し読んでいます。
生徒と接するとき、また人生哲学としても面白い考え方だと思ったので皆さんにもご紹介します。
対話形式になっているのでとても読みやすいですよ。
解決志向の中心哲学、人生にも必要な考え方かも!
この本では、解決志向ブリーフセラピーの中心哲学の3つのルールがまず紹介されています。
「うまくいってるのなら、変えようとするな」
「もし1度やって、うまくいったのなら、またそれをせよ」
「もしうまくいっていないのであれば、(何でもいいから)違うことをやってみよ」
これらの原則に則って解決志向のアプローチをしていきます。
この哲学、人生にも応用できそうです。
うまく行っているのに変えてしまう時、ありますよね。
そして、一度やって成功しているのに継続していないことってあるある!
で、うまく行っていないのに毎回同じことを繰り返してしまうこと…あるわーーーー。
ってなりました。
生徒との接し方、一度試して上手く行かないなら「なんでもいいから」違うことをしてみるのです。
試してみて、失敗したらどうしようと思う気持ちが失敗なのかも。
このシンプルな問いだけでカウンセリングが成立するみたいです。
ここ2日位、クラスの生徒と面談したときにちゃんと、この3つの問いを駆使してみればよかった…。
使えそうなときがあれば、自然な形で取り入れてみたいですね。
解決志向に大切なものの見方「4つの発想の前提」
そして、さらに大切なものの見方として「4つの発想の前提」があります。
「変化は絶えず起こっており、そして必然である」
「小さな変化は、大きな変化を生み出す。」
「解決について知るほうが、問題と原因を把握するよりも有用である。」
「クライエントは、彼らの問題解決のためのリソースを持っている。クライエントが、(彼らの)解決のエキスパート(専門家)である。」
クライアントは悩んでいることの原因は何なのかということにフォーカスするのではなく、どうすれば解決できるかという具体例をクライアントと探ります。
もしもクライエントが抱えている原因が母親の子育てだったとしても、その原因を知ったところでどうすればいいのかと困ってしまうこともあるでしょう 。
そのため、このセラピーは問題解決ではなく解決思考という名前がついているのです 。
過去のトラウマに触れる必要がなく、クライアントは今にフォーカスしていきます。
そのため副作用も少なく、日常の会話の中でカウンセリングを進めることができるのです 。
クライエントの「リソース」をフル活用。
解決のための答えは、本人が持っているはず!と、クライエントを信じるのです。
6年間神経症で悩んでいた男性を、2回のカウンセリングで解決した例など、パワフルな方法だと感じました。
まとめ
印象的だったのは、ビジターとして訪れた生徒に深堀りして話をするのではなく、来たことを褒めたり、今やっていることについて承認していくことで自然と問題が解決することがあることです。
本当に小さな行動を何度も試していくことで、雪だるまのように行動が変わっていく例をいくつも読み、相手への声かけ一つで変わっていくことの重要性を感じました。
まさに、「言葉はウイルス」なんですね。
カウンセリング時のみならず、日常生活にも活かせそうな原則が他にも載っているのでぜひ読んでみることをおすすめします
ワークショップ形式なので語り口が軽く、本自体が薄いのでささっと読めます。
実際に生かすことができれば、人生が変わりそうな予感がします。
ではまた☆