まなびと!

自らが学び続ける教師でありたい。振り返りの記録です。

[授業見学]都立科学技術高校での今井先生国語『学び合い』普段の授業の様子は?

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11月のある日、『学び合い』実践集を執筆されている今井清光先生の授業見学に行ってきました!

今井先生は、現在都立科学技術高等学校に勤務されています。

いわゆる、スーパーサイエンスハイスクールという位置づけの高校で、江東区の住吉にあります。

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猿江恩賜公園のそば、スカイツリーも近そうです。

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廊下側がガラス窓になっており、教室内がよく見えます。

白衣姿の生徒が実験している姿が微笑ましい。

そんな理数系の高校で、国語科はなんと専任の3名のみ!

今井先生お一人で、一学年国語総合3単位を6クラス分お持ちになっています。

理数系とはいえ、AO入試の試験対策や、ゆくゆくは研究成果を論文に認めるために国語力は必須ですよね。

今井先生と知り合ったきっかけ

2009年に、当時はまっていたファリシテーション仲間から『学び合い』という授業の方法があるよ、と教えてもらいました。

一時期西川純先生に直接メールでやり取りしていろいろ教えていただきました。

その頃東京で開かれた『学び合い』おにぎりの会などで今井先生とお目にかかる機会がありました。

2015年に東京で開かれた『学び合い』フォーラムでは、今井先生が担任をされていた前任校の卒業生がフォーラムに参加され、『学び合い』の考え方の魅力を語ってくれていたのがとても印象的でした。

当時の様子はこちら↓

manabito.hateblo.jp

『学び合い』授業の様子

スーパーサイエンススクールということで、生徒さんは理数系が得意。

国語に対しては思いもよらない辛い体験をされている生徒さんも少なくないとの事でした。

志賀直哉の「城の崎にて」最初の導入で4人組で丸読みと、5時間を想定したプリントの課題に取り組み始めます。

プリントは1枚。

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おとなしめの生徒さんが多い印象。

それでも自分が必要と思ったときに動き回って周囲の助けを借りて課題に取り組む生徒さんや、自分の机周辺の仲間で取り組む生徒さん、1人で黙々と取り組んでいる生徒さんなどよく課題に取り組んでいたように感じます。

 授業の途中、今井先生の方で

  • 正解のある課題に解答
  • 採点基準が必要な課題には基準が書かれている

プリントを黒板に貼りました。

『学び合い』に慣れているせいか、先生が取り組む内容を指示するための言葉数は少なく、プリントを見ればわかるようになっています。

それよりも、

「なぜ、なんのために」

を何度も語っていらっしゃいました。

このプリントに取り組むことで、

「城の崎にて」

の場面のイメージが頭に浮かぶことを目指してほしい。

ただプリントを文字で埋めることがことが目的になってはいけない。

私もつい、目先のことに囚われて、

「何かしら作業すること、目に見えること」

など行動にフォーカスしてしまう傾向があるので気をつけたいと感じました。

プリントの設問、採点基準は?

2時間の授業後、30分ほどお時間を取っていただき今井先生と交流をさせていただきました。

プリントの設問は、基本的に教科書から。

一斉授業なら教員が説明すべき部分を問いに立てて、考え方をヒントとして載せている。

根拠、理由、解釈の3点セットで解釈できることを目指しています。

論述問題には考え方のヒントが載っており、クラスによっては何人かの生徒を指名して黒板に論述問題の回答を書いてもらって皆の前で採点することもあるそう。

(※今井先生のコメントから↓指名はしていないそうです。
一点、生徒に答案を書いてもらう時、指名はしていません。
やりたい人にやってもらうことにしているので、手の挙がらない時もあります。)

e-chigoya.hatenablog.jp

佐藤佐敏先生の実践を参考にされたそうです。

こちらの本のようです。Amazonで入荷待ち…!

国語の先生に大いに参考になりそうですね!

私の悩み…

ちなみに、私の悩みについても少しお話してくださいました。

大きくは2つ。

1.一人も見捨てないという考えに自分がなってない

『学び合い』を語るのに、

「一人も見捨てない」

という考えになかなかたどり着けません。

勤務先では、授業を全く受けない生徒も少数ではあるものの何人かいて、クラスの生徒も教師も迷惑に感じています。

そんな中、自分が生徒を信じてないのに

「一人も見捨てない」

って語れないよなぁ…。

今井先生

「そのことも語ってみては?」

なるほど〜!(まだ考え中)

2.授業中の環境整備

今井先生が教えていらっしゃる高校は、落ち着いて授業を受けられる環境が整っているように見えました。

私が困っている状況を聞いて、今井先生曰く、

「治安が良い、悪いって表現をよくしているのですが」

とおっしゃっていました。

治安をよくするのは生徒の努力で。

といいつつ、授業中教室のゴミを拾っていらした今井先生。

勤務先でも、教師や生徒の努力で「治安が良い」文化を作りたいものです。

こうして振り返ってみると、自分の悩みが「授業以前」であることに改めて気付かされます。

いつまでこの悩みは続くのでしょうか…。

今井先生の国語の授業がスマホやPCで見られる!

そんな今井先生の授業が、

「Find!アクティブラーナー」

で近日中に公開される予定です!

find-activelearning.com

私が訪問した翌日が、アクティブラーナーさんの撮影日だったそうです。

「アクティブラーナーの授業動画に、なぜ今井先生が載らないのかしら?」

とずっと疑問だったのでそのことを伺って嬉しくなりました。

国語の授業の動画は、今のところ数があまり多くないので…。

また、仲間内で見ていた無料動画が最近はどんどん授業動画が学校導入版に加えられており、無料ログイン視聴できる動画がとても少なくなりました。

勤務先で導入してくれたらなぁ…。

ダメ元で、来年度の予算に提案予定です。

まとめ

宿泊行事の引率など忙しい時期ではありましたが、代休を使って外に出て、よい刺激になりました!

授業見学を快諾してくださった今井先生に感謝です!

ありがとうございました。

早速、持ち帰ったプリントを職場の国語科の同僚にシェアしました。

もう少し信頼しあえる環境整備に力を入れたいと思います。

ではまた☆