[性教育]中絶は殺人なの?中学生の妊娠と養子縁組。産婦人科医河野美代子先生のブログを読んで。
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性教育のスーパーロングセラー「さらば悲しみの性」の著者、産婦人科の河野先生のブログが熱いです。
私が初めてこの本を読んだのが高校生のとき。
若い人たちの予期せぬ妊娠、繰り返される中絶、男女のアンバランスな力関係について、食い入るように読んだことを思い出します。
私がいま、性教育に関わるようになった原点。
河野先生は、若い人たちに性のことを知ってもらうためにここ数年ブログでも精力的に情報を発信されています。
miyoko-diary.cocolog-nifty.com
還暦過ぎてるはず・・・すごすぎる・・・。
今回は、「中学生の妊娠」シリーズが読み応えありました。
中絶は殺人なの?
私も同感です。中絶は殺人と脅し、妊娠したら中絶しろってどういうことなのかな。
中絶について述べます。これまでも、中絶についてこのブログに書くと、最も批判が大きく寄せられます。でも、どうしてもこれを避けることは出来ません。
教育現場では、「中絶は殺人だ」というのはけっこういわれてるのです。
赤ちゃんの命を奪うことだって。
そうして脅すことによって、若者の性行動を抑えてやろうと思っているのですね。
まるで若者は「中絶があるから性行動をしている」と思っていらっしゃるのでしょう。でも、これは効果はありません。脅すことによって若者の性行動は抑えられません。
中絶で脅すことによって起こるのは、堕ろせなくなる子が出てくるだけです。
だって、これまで言いましたように、若者の行動っていうのが、妊娠と結びついていないのです。
自分が妊娠するとは思っていないのです。結びついていないのに、中絶だけを禁止してもね。
これだけ簡単に妊娠はするものなんだという自覚がないままに行動し、そして、いざ妊娠してしまったら
「赤ちゃんを殺すのは嫌~!」
になってしまうのです。
もう、若い子は、みんなみんな「産む産む」って言います。
中学生の妊娠なんて100%「産む」って言います。
産んで育てるだけの力があるか?っていうことを、きっちり私は聞いていきますけれども。
中絶は殺人だと散々脅しておいて、そしていざ妊娠したとなると、今度は「おろせおろせ」になるわけですね。もう、彼女たちはボロボロに傷ついてしまっています。
私は中絶っていうのは、産んでも育てられない妊娠をしてしまった女性の唯一最大の救済策としてあるんだということをちゃんと提示してあげたいなと思います。
もちろん、あんなものしないにこしたことはありません。辛いから。
でも大事なのは、やはりそこから早く立ち直るということ。
もう中絶をしたらそれでその子の人生が全てダメになってしまうわけでは決してないのです。
早く立ち直って強く生きていくこと。その為には何が必要なんだろうかっていう後のケアです。
立ち直りのために大切なのは「2度と繰り返さない」ということだと思います。
彼とのこれまでの関係の見直し。彼とは、これからも付き合うのか別れるのか、付き合いを続けるのだったら、セックスは?これからもするのかどうか。
もし、これからもするのであれば、では、避妊は?これまでの避妊の何がいけなかったのか、これからはどうするのか。それを丁寧に。
20年以上前に中学生で出産し、ハワイに里子に出した女性との手紙のやりとり
「手紙」⑮~⑳ ⑯より。
子どものことは、きれいごとに聞こえるかましれませんが、本当に考えない日はなかったです。
いろんな意味でその現実はとても私の心の支えになったし、そして私の誰にも知られたくない大きな秘密でもありました。
学生の頃は修学旅行などでみんなとお風呂に入るとき、出産を経験した私の胸やお腹は明らかにほかの人とは違っていて、人に体を見られるのが本当にいやでした。
否が応でも自分のしたことに向き合わざるを得ない瞬間でもありました。
子どもたちに関わってその親に意見させてもらったとき「子どもを産んでない人には分からん!」といわれて「産んだことだけはあります」とも言えず、まぁ育てたことはないですし・・・ね。
結婚するときの戸籍の移動の時の先生からの手紙で、
「ハワイで元気にスクスクと育っているよ。何も心配しなくてもいい。今度はあなたが幸せになる番」
という言葉をもらい、それまで私自身が
「産まれたときから養子というリスクを負わせてしまった。不幸を背負わせてしまった」
という申し訳なさだけしかありませんでしたが、養子縁組は決して悲惨なできごとではなく、そうやって望まれて産まれた子どもなんだ、幸せに大切にされて育っているんだ、産んでよかった。本当に無事に産めてよかった。
今ならばもっとあの子が産まれた瞬間を心の底から喜んであげられるのに。と思えて、だからこそあの時の自分を改めて後悔し猛省しました。
やっとそこに向き合えたのが26歳の時です。
結婚相手には子どものことは話せませんでした。子どもはできませんでした。不妊治療中の夫の浮気、その後離婚。
現在34歳独身。という今の状況の中で私は生きています。きっとこの先も私は赤ちゃんと縁が繋がらないかもしれません。
いろんな偶然の組み合わせの中で、「もしもあの時」「河野先生と出会えなかったら」私の人生はとても大きく最悪なほうに変わっていただろう。どう考えても、そのことだけは明らかです。
私自身が生き直すために与えてもらった選択肢であったこと、だからこそ望まない妊娠を防ぐこと、知ること、伝えることが大切だと切実に思います。
14歳の私に関わってくださって本当にありがとうございました。近藤紘子さんにもよろしくお伝えください。
未だにやっぱり、不純異性交遊はダメ!妊娠したら退学!人生の終わり!!!
と指導する学校が多いんでしょうか?
学校の先生は、それだけ人生失敗の無い人ばかりってことか~。
まとめ
中学生の妊娠シリーズを読んで強く感じたのは、
「妊娠以降も、その人の人生はずっと続く」
ということ。
だからこそ、人生の終わりみたいな扱いはやめて欲しい。
広島にある河野先生の医院には、中学生の来院が毎日あるそうです。
特に家庭的に恵まれていないという子達は1%にも満たず、ほとんどは普通の恋愛をして、セックスを断れなくて、避妊してと言えなくて来る生徒たち。
大人は、子どもたちにどんな支援をしていけるのか?
考えさせられました。
ではまた☆