まなびと!

自らが学び続ける教師でありたい。振り返りの記録です。

[性教育]高校生への講演会。産婦人科医によるポジティブな妊娠・出産・中絶の話。

スポンサーリンク

放課後の性の講演会も5回目。今回は堀口雅子先生に来ていただきました。(2010年の記録です)

www.shinchosha.co.jp

1930年生まれ・・・ってことは80歳ですか????そんな年齢もまったく感じさせないパワフルかつ飄々としたトークで、生徒もこれまたよく聴いていました。

聴いていて感じたのは、「若者の性へのあたたかいまなざし」があるということ。

たとえば、

  • 高校生で出産しても、周囲のサポートを受けて立派に子育て出来ている人もいる。
  • 中絶は、女性はもちろん傷つくが、男性も傷つく。
  • 女性、男性によってホルモンのピークが異なり、接触欲にも違いがあるのを知っておいたほうがいい
  • 若い人がセックスするのは、寂しさ、人に関わりたいからが一番の理由。
  • あなたたちは、親に小さいときにかわいさというギフトをくれたから、親はその貯金であなたたちと付き合っていける。今仲が悪くても大丈夫。
  • 何年か経ったら、あなたたちも信頼できるパートナーと幸せな生活を送ってほしい。

同じテーマでも、

「傷つくのは女性」

「中絶すると、こんなに悪いことが」

と、事実であっても性をネガティブに伝えがちなんですよねーーー。反省。

またもやメモをご紹介します。

講演会・堀口雅子先生

自分の高校時代は戦争中だった。

恋愛のことを考えるゆとりがなかった。

今は豊かだなと思いながらも、ものや情報があふれすぎて逆に大変な世の中なのかなとも思う。

産婦人科医として、様々な人に関わる立場としてお話します。

若者の性行動は、アクティブになっている。その代償は?

性行為をすると、妊娠をする。

高校生なら、出産でいい母さんになっているケースも見ている。

妊娠には、中絶、流産、子宮外妊娠などのトラブルがあることをわかってほしい。

望まない妊娠は、女の子ばかりだけではなく、男の子も心が傷つく。

男の子も、大人になったときにセックスができなくなってしまうこともある。

例)中学3年生の男の子。

男の子が、隅っこで泣いている。今、彼女が中絶の手術を受けている。こんなことになるとわかっていたら、そんなことをしなかったのに・・・。

性感染症のリスクもある。

出産時に産道を通して、赤ちゃんが感染することもある。

恋愛=セックスなんでしょうか?

なぜ、人間は性行動をするのか?

人間は生き物だから。

思春期になると、ホルモンが分泌される。異性のことが気になる。もっと知りたくなる。その究極が性交。

ホルモンの分泌から考えると、男性の方がピークが早い。思春期の女性がいつも一緒にいたいくらいなのに、男性はセックスしたがったりして、性別によって性的欲求のずれがあるのは知っておいた方がいい。

出産か、人工妊娠中絶か

周囲のサポートで立派な親になれる。親族・地域社会・福祉による。

18歳の高校生。祖母の応援があり、無事出産した。

赤ちゃんはかわいいので周囲も受け入れた。

男性はピンとこないので、赤ちゃんを受け入れられずそのままいなくなってしまうこともある。

ある高校に行ったら、高校生で同棲している生徒を紹介された。

その生徒は自分の母親も15歳でその子も出産しており、あんたのせいで人生めちゃめちゃになった、と言われて育っており、とても寂しい人生を送っていることがわかった。

人工妊娠中絶の可能な時期・・・制約がある。妊娠22週未満。

異常妊娠で亡くなってしまうこともあるので、早めに妊娠に気づいたら病院に行ってほしい。

性交を誘われたときにしたくないときはNOと言える女の子になってほしい。

NOと言われたとき、立ち止まれる男の子であってほしい。

NOと言われたとき考えられる男の子を選んでほしい。

基礎体温をつけてほしいが、排卵はずれることもあるので基礎体温だけで避妊をしないでほしい。

超音波を使うと、胎児の成長をみることができる。

避妊法について

  • NO SEX
  • ALL コンドーム 立ったらつけよう、コンドーム 

「先走り汁にも精子がいる」

と言っている。そのときにあわてないよう、つける練習をしておこう。

  • ピルは、女性の避妊の方法。

緊急避妊ピルもある。

  • 間違った避妊法

膣外射精 その一滴で親になる

安全日の嘘 排卵は一定しない、不安定、男性は信用しないで!

AVの間違い

90%の高校生はみていると思う。

膣外射精、オーラルセックスを普通だと思ってしまう。

口にも性感染症を起こす可能性がある。オーラルセックスにもコンドームを使ってほしい。

ピルは、血圧測定などの検査が必要。たばこを吸う人には処方しない。

緊急避妊ピルホットライン 03ー3267ー7776 平日、10~16時

住んでいる場所により、ピルを処方してくれる病院を処方してくれる。

私の場合、性感染症の検査もする。

19歳の100人に1人が中絶している計算。

若者はなぜセックスをするのか?

結局、人と人との関わりをしたくてセックスをする。

外来診療の実際

  • 性体験有りの場合…初体験、パートナーの年齢、今までの性交歴、いま同時に何人と?
  • 性体験なしの場合…今好きな人に求められたら?そのとき気をつけることは?どんな避妊方法?

と聞く。

親に憎まれ口を言っているかもしれないけれど、あなたたちは赤ちゃんの時、親ににかわいさというプレゼントをしてくれた。

逆に言えば、あなたたちが何年か経ったときに信頼できるパートナーと、楽しい育児生活をしてほしい。

四谷で、ティーンズカフェをやっているので、よかったらきてほしい。

そして、親と性について話し合えるような関係であってほしい。

今の親は、娘が彼氏のうちに外泊しても平気。

妊娠について心配するが、性感染症については心配していない。

女性は産婦人科、男性は泌尿器科に相談してほしい。

まとめ

2017年現在は堀口先生ではなく、別の産婦人科の先生をお呼びしています。

産婦人科」は、女子にとっても未知の領域で、

  • 妊娠していなくても行っていいのか?
  • 男の先生だったら嫌だなぁ
  • あそこ見られちゃうんでしょ?!やっぱり行きたくない

なんて声がちらほら聞かれます。

元々経済的な余裕がなく、高校で医療費補助がなくなり通院へのハードルが高い生徒たちです。

全ての女子生徒に産婦人科ホームドクターがいたらいいのにな~~~と感じました。

(男子には泌尿器科ホームドクターかな??)

幸せな性、という切り口でまた授業を組み立ててみたくなりました。

ではまた☆