まなびと!

自らが学び続ける教師でありたい。振り返りの記録です。

[セミナー]やらされアクティブラーニングから脱却するには?『学び合い』フォーラム分科会参加レポート

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※2015年に東京で行われた『学び合い』フォーラムの記録です。

1.2日目に行われた分科会の様子を中心にお送りします。

それぞれ、10分科会ほど用意されており、1分科会10から30人くらいの参加だったでしょうか。

分科会の前に発表者によるCMタイムもあり、パンフレットの紹介文で選ぶのもいいけれどこんなやり方もいいなと思いました。

あと、以前は小学校の先生が多いように感じていました。

今回は高校の先生の発表も多く、選ぶのに迷うほどでした。

1日目…都立高校・大野先生の生物『学び合い』授業と内発的動機づけ

Facebookの『学び合い』グループでもよく投稿されている先生で、ウェブサイトの資料が超充実しています。

もし、『学び合い』で生物を教えたいと思うのであれば大野先生と、鍋田先生という元都立高校の先生のウェブサイトをチェックするとよいと思います。

>>プロフィール - 『学び合い』高校生物(大野先生)

>>製作者 - aplysiaNの『学び合い』実践(鍋田先生)

家庭科も、こんな先生現れないかしら〜。

実名でウェブで発信する姿は刺激になります。

私も実名で資料を置いておくページ作ろうかな。

さて、『学び合い』を始めて3年目の大野先生、今年転勤されて進学校で『学び合い』を実践されています。

生徒へ実施したアンケートの結果と、ご自身が『学び合い』での授業をすすめていく上で大切にしていることなどをまとめた資料を頂きました。

生徒に、どのように内発的動機付けをするか。

「やらされアクティブ」からの脱却。

やらされアクティブ…よくわかる!自分の中に、どうモチベーションを保てるか?と考えると相手の語りはとても大切であるということが分かります。

半分は大野先生の発表、残りの半分は周囲の参加者とのディスカッションで大野先生のお話を詳しく伺うことができました。

へー!と思ったのは、

学ぶための環境整備を大切にしていること!

生徒は一斉指導に慣れているので、

「なんで教えてくれないの?」

「このやり方で力がつくんだろうか?」

という心配が先に立つと安心して学べないので、必要だと思えば教えるし、質問にも答える。

一斉でやって欲しいと生徒からリクエストされ、50分みっちり授業したこともあったそうです。

でも、自ら仲間と学び合う方が力もつくし、自分たちの力になる、と思うようになると、先生に頼らなくても学習が進むとのこと。

なんか、目からウロコ?!

生徒の不安を感じ取り、うまく学びの世界に入れるようにサポートするように努めれぱ生徒からのクレームも減るかもしれません。

大野先生は、随時授業見学を受け付けているとのことです。

いつか行くしかない!

2日目その1…卒業生に聞く!イマキヨさん学校ではどうなの?

都立高校で国語を教えていらっしゃる今井先生とその卒業生が2名参加してくれ、当時の授業やホームルームの様子を話してくれました。

卒業生のお二人は野球部で、朝から放課後まで練習漬け。

1人は、練習が大変で授業は寝てる時間だった…けれど、今井先生の古典の授業は起きていられて、楽しい時間だったそうです。

では、初めから授業ですべての生徒が起きていたかというとそうではなく、寝ている生徒もいたし、今井先生のクラスではホームルームでジャーナルという短い文章を綴る振り返りノートをつけていたのですが、

「書かない子もいるし、なによりなくしちゃう」

という話を聞き超ビックリしました!

私も去年週一で取り組みましたが、生徒があまりに取り組まないので挫折。

他の学校の現実を見ると、ああ、ウチだけじゃなかったんだな〜とホッとしたりして…(´Д` )。

自分の理想に近づけようと、現実を見ないでムリすると長く続かないし、1年位のスパンで見ていくのが良さそうです。

学校だけでは解決できない課題をかかえ、授業どころではないだろう生徒も多いので。

「自分だけ成績がよければいい!」

という生徒もいたが、その生徒は得意な科目を人に教えることによって自分の強みが人の役に立つことを知って変わっていったそうです。

そんな話を先生ではなく卒業生が語るってすごい!!

イマキヨ先生と合わせて3人でクラスTシャツを着てきたのも印象的でした。

そんな今井先生はじめ、さまざまな先生の実践の現実を知ることができる良書です。

この本を読み、かなり元気出ました!

2日目その2…『学び合い』とリフレクション

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こちらも都立高校生物の樋口先生による、教員のリフレクション(振り返り)方法についての分科会でした。

オランダのコルトハーヘンが提唱しているALACTモデルを参考に、この夏に取り組んだリフレクションのプリントを見せてくださいました。

>>せきねまさひろぐ: 「リフレクションの理論と実践」

このモデルは、振り返って終わりではなく、次につなげるためにらせん状に上向いていくためのフレームワーク

  • 自分は何をしたかったのか?
  • 何を感じたのか?
  • 何を考えたのか?
  • 何をしたのか?

これを相手にも問いかけます。

生徒と教師の求めていたものははたして同じだったのか?!

前期などの長いスパンでも、この授業、この瞬間とこのリフレクションのモデルを使うことができそうです。

このリフレクションの分科会をお持ちになった樋口先生も、前期のテストの成績がなかなか振るわず大変だったそうです。

詳しいことは、今回講演をされた武田信子先生の訳書である「教師教育学」という本に詳しく載っています。

教師のもつ力をどのように伸ばしていくか?

今後、どのような教師が求められているのか、考えさせられます。

2016年に出版された「教師のためのリフレクション・ワークブック」もおすすめです!

今回、たまたまお目にかかった岩手の中学の社会の先生、京都の高校の生物の先生も『学び合い』がなかなかうまくいかず悩まれていました。

初対面でも悩みを語りつつランチ…!

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  • できない子が可視化されて、助ける子もいない
  • テストができない
  • 1人でどんどんやる子にイヤミを言ってしまう
  • 生徒に、一斉に戻してほしいと言われた…など!!

「あー、それはもう1人の私では?!」

と思ってしまうほど。

「じゃあ、一斉ならみんな取り組むか?」

といったら…ぼーっとしちゃう子も多いでしょう、と思うんだが…。

悩める同士との交流も楽しいものです。

武田先生のワークも、職場で取り入れられそう。

このワーク、他人事ではないです。

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まとめ

実践がうまく行ってなくても、研究会に参加する意義はある!

今回、多くの先生のお話を伺ったり、つながる機会を頂き感謝です。『学び合い』マインドが参加者のあり方にも出ている気がしました。

目的を伝えることが大切。

どうしても、子どもとの関わりで方法を伝えてるな〜。

って思うことがこのフォーラムに参加して思うこと。

特に、我が子との関わりでは100%方法を伝えてるよな〜。

2017年の『学び合い』フォーラムは8/5.6に大阪で行われるそうです。

去年は仕事で参加できず…今年は多分、参加すると思います!

ではまた☆