まなびと!

自らが学び続ける教師でありたい。振り返りの記録です。

[働き方]私立学校で、労働基準監督署の是正勧告により職場に起きた変化とは?

スポンサーリンク

f:id:usagix4:20180923084250j:plain

「職場の労働環境はどうすれば良くなるの?」

労働基準監督署の是正勧告が入ってどうなった?」

最近教員が労働環境について声を上げることが多くなってきました。

この「まなびと」のTwitterからも情報発信をするようになってから現役の先生方とも交流するようになりました。

twitter.com

匿名で、教育実践のみならず労働環境についてツイートをしている方が多いです。

「これだけ酷い環境で労働しているのはやりがいを通り越して辛い」

「なりたくて教員になったけれども、自分の身を守るだけで精一杯。周りの新人の先生が潰れていくのを見ていくだけ」

といった悲しいツイートを目にすることもあります。

私の勤めている職場は離職率はそれほど高くはありませんが、度重なる生活指導や労働時間の長さなど、他の学校と同じように問題を抱えています。

組合員で積極的に活動している先生方は、労働環境を良くするために日々努力していらっしゃいます。

それでもなかなか仕事のルールが変わらない状態のなか、数年前に勤務先の高校に労働基準監督署の是正勧告が入りました。

www.roukitaisaku.com

是正勧告のお陰で仕組みづくりがすすんだのか、もともとそうなる予定だったのか?

労働基準監督署の是正勧告の前後に起きた労働環境の変化について書いてみたいと思います。

タイムカードが導入された

以前の勤務先ではタイムカードが導入されていたため、今の職場で働き始めてタイムカードがないことにびっくり。

残業しようがしまいが給料が変わらないため、勤務日ににハンコを押すだけで勤怠管理していました。

しかし、是正勧告があってから、ICカードでの勤怠管理を行うようになりました。

自分がどの程度、何時間働いたのか、職場のサイトからも確認することができます。

また、規定時間以上の残業があった職員に対しては、産業医の面接が行われます。

36(サブロク)協定が結ばれた

雇用者と組合の間で、36(サブロク)協定が結ばれました。

あまり詳しくは分かっていなかったのですが、「時間外・休日労働に関する協定届」ということで本来は協定届をしないと時間外、休日労働はさせるのは違法らしい…?

www.teamspirit.co.jp

労働基準法第36条には
「労働者は法定労働時間(1日8時間1週40時間)を超えて労働させる場合や、休日労働をさせる場合には、あらかじめ労働組合と使用者で書面による協定を締結しなければならない」と定められています。

会社が法定労働時間以上の残業や法定休日出勤を従業員に課す場合には、本来は労使間で「時間外労働・休日労働に関する協定書」を締結し、別途「36協定届」を労働基準監督署に届け出ることになっています。

勤務先にも公立学校の教員と同じように調整手当があり、一定の割合で支払われています。

調整手当に加えて、毎月一定時間以上の残業が重なった場合には残業代が出るようになりました。

とはいえ、校長が認める、指示した残業についてのみです。

授業準備をしたり、学級通信を書いたり、部活での残業には当然残業時間分の手当はつきません。

「労働安全衛生委員会」が発足した

職場に作らなければならないはずの労働安全衛生委員会が発足しました。

>>労働安全衛生委員会を設置しましょうー厚生労働省

何人かの職員が集まり、職場環境が安全かどうかアンケートを取ったりしています。

ただし、このアンケートが取られたからといって、職員室の環境が改善することはあまり無いように感じます。

職員室の荷物の高さ制限とかね。

あ、でもトイレの洋式化は実現しました。

個人的には、勤務時間の喫煙は控えてほしい!

しかし、アンケートに書いても改善される見込みはなさそうです。

この委員会に参加することで、労働時間が長くなってしまう人がいるのも少し考えものです。

夕食補助がなくなった

我が職場には長年、勤務時刻が19時を過ぎると一定程度の夕食補助がつくという謎の仕組みがありました。

夕食が届いてから食べるまでの時間に仕事をすればもっと早く帰れるのではと思うのは私だけでしょうか。

長時間労働を助長するような仕組み…?

やっと補助がなくなり、予想していた通りに多くの職員の労働時間は短くなりました。

 

さまざまな仕組みのお陰で、労働時間が短くなった

上記のような取り組みで、職員の労働時間はかなり短くなったようです。

100時間を超えるような超過勤務をしている教員は数えるほどになりました。

多くの教員が19時過ぎに夕食補助を取り、夕食を食べてからまた一仕事ということで10時過ぎに帰る教員も多かったようです。

(私は、子どもの保育園の送迎もあり、遅くとも19時までに職場を出るようにしています)

施錠時間が早まったこともあり、多くの教員は21時前後に帰れるようになりました。

まとめ

 

労働時間に関しては、個人の努力で帰宅時間を早めることも可能ではありません。

でも、ゲームのルールが変わらない中、そこで上手くやろうと努力するのって限界がありませんか?

そもそもの「働き方」ゲームのルールをどう変えていくかがこの教員の働き方改革に求められている気がしてなりません。

職場のどなたが、労働基準監督署に申告をしたことで労働基準監督署の是正勧告が入ったことになります。

私立学校は公立学校と異なり、民間企業と同じ扱いになります。

是正勧告が入った場合には改善をしなければならないので、外圧を利用するのも一つの手。

なるべくなら教育環境をを気にせずに教育実践を中心にこのブログで書いていきたいのです。

でも、現実は教員といえども労働者。

働く環境を改善していくことで、教員が毎日元気でいられることもよい教育をしていくためにも大事なことですよね。

ではまた☆