[進路]奨学金破産が怖い!毎月いくらまでなら返済可能?高校生が奨学金について知っておいてほしいこと。
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「生徒が奨学金を借りるのに、教員側も知識を持たなければ」
「授業で奨学金を扱うのに、どんな本を読めばいいの?」
勤務先でも、3人に1人が奨学金を借りて進学しています。
持ち上がりであれば、3年ごとに進路指導をします。
その際、奨学金制度の中身が変わっていることがほとんど。
今年は、進路に関わる総合的な学習の時間でも奨学金を扱うことにしました。
今回の記事では、生徒に伝えた奨学金の基礎知識についてご紹介します。
給付型の奨学金が新設されました。
多くの生徒は、日本学生支援機構から奨学金を借りることになります。
個々最近、日本では給付型の奨学金が少ないことから、給付型奨学金が新設されていました。
所得制限があり、誰でも給付される類のものではありません。
また、最大で4年間で192万円と必要な学費全額を賄えるものではないようです。
殆どの生徒は、無利子の第一種奨学金、有利子の第二種奨学金のどちらかを、または組み合わせて借りることになります。
第一種奨学金は、第二種奨学金よりも成績基準と所得制限のハードルが高いです。
リーフレットをPDFで見ることができます。
クローズアップ現代「奨学金破産」の紹介
2016年に放映されたクローズアップ現代「“奨学金破産”の衝撃 若者が… 家族が…」を生徒と視聴しました。
上記リンクより。
月5万円の奨学金を返済できず、自己破産の手続きに入った女性の話。
美香さんは高校と大学に通うため、およそ600万円の奨学金を借りました。
しかし、就職したのは非正規の保育士の仕事でした。
給与は平均で月14万円。家賃や食費、光熱費を支払うと月5万円の奨学金を返済する余裕はほとんどありません。
滞納していると、あっという間にブラックリスト入り。
滞納している人への督促の仕組みです。
返済予定日を過ぎると、5%の延滞金が上乗せされます。
延滞が3か月続くと、個人信用情報機関に登録。
一定期間、クレジットカードの使用が制限されます。
それでも返済できずにいると、債権を回収する専門の会社が督促に乗り出します。
会社に直接電話をかけたり自宅を訪問することもあります。
最終的には裁判所から一括返済を求める督促通知が届くことになります。
この映像を見ると、
「奨学金を借りてやっていけるのか…」
と、将来に対して不安な気持ちを感想に書いてくる生徒もいます。
「なぜ、は他の国に比べて高学費高負担なの?給付型の奨学金を新設したり、学費を安くするなどできることが他にあるのではないか」
と、今の教育制度に疑問を呈する声も。
奨学金を借りずに就職するという手もありますが、なりたい職業が資格を取らないと就けない場合もあり難しいところです。
賢く借りて返すための「奨学金」を借りる前にゼッタイ読んでおく本を読む
インターネットで調べるだけでは断片的な知識しか手に入らない!と感じ、今回はこんな本を購入してみました。
この本を読むと、いくらまでなら借りてもよいか、返済額から考えることができます。
自己破産してしまわないためには、毎月の返済額が2万5千円を超えないようにすることが大切だと書いてありました。
代表的な返還例として、以下のようなシミュレーションが載っていました。
- 第一種奨学金を月54,000円を4年間借りた場合…2,592,000円を毎月14,400円、15年で返済
- 第二種奨学金を月80,000円を4年間借りた場合…4,045,295円を毎16,855円、20年で返済
ただし、親元を離れて一人暮らしをする場合、これでは足りない場合がほとんど。
下宿代など含め月18万円を借りると、毎月37,000円を20年での返済となり、返済が難しくなりそう。
できれば、毎月2万以下の奨学金返済でおさめたいところです。
この返済が、就職後、結婚、子育て、マイホーム購入、子どもの教育費…が必要な40代まで続くのです。
うまく借り換えたりして、生活の中に組み込めると良いですね。
ちなみに、奨学金の給付は大学入学後なので、大学入学前の出願や初年度納入金などにかかる費用100万から130万円ほどは事前に用意しておかなければなりません。
そちらは、社会福祉協議会に相談したり、教育ローンで保護者が借りる必要があります。
お金がいくらあっても足りないよ…。
google フォームで奨学金クイズを作成!
上記の通り、インターネットの情報なども確認し本も読んでみました。
生徒がはじめに奨学金について知っておいて欲しい内容よりも複雑だと感じました。
そこで、最低限の知識を盛り込んだ奨学金クイズをGoogleフォームで作ってみました。
○×クイズ形式になっており、これだけは押さえておきたい内容になっています。多分。
①奨学金を申し込むのは、進学先が決まりはじめる9月以降だ。
みたいな質問が9個並んでます。
授業中にQRコードを示して答えてもらいました。
もし良かったら、コピーして改変して使ってください。
まとめ
知人が勤めている高校では、進学者数を増やして評判を上げるため、
「生徒に進学をすすめて奨学金を借りるよう促すのが辛い」
と言っていました。
個人的には奨学金を借りずに働いてお金を貯めてから進学するでも良いのではないかと思います。
でも、一度働いたら進学しようという気持ちを持ち続けるのはとても難しいことでもありますよね…。
非正規雇用が多い状況では、安定して借金を返済する仕組みがなく、将来に希望が持てないのがなんとも苦しいです。
ではまた。