[セミナー]ことわざを写真に収めるとどうなる…?!「国語表現とICT」セミナーに参加してきました。
スポンサーリンク
先月下旬に、たまたま Facebook で流れてきた「国語表現と ICT」 というセミナーに参加してきました。
私は国語科ではありませんが、池田修先生と石川晋先生が実践報告をしてくださるセミナー!
お二人のお話を初めてお聞きするチャンス!
場所は六本木でした。写真は新国立美術館。
↓「国語表現とICT」リンクより
教育情報化では、校種や教科領域によっても親和性が高かったり、あるいは拒絶感が強かったりといった違いが見られる。
たとえば、国語教育で扱う「表現」では、情報機器を用いる効果が高いことが見込まれても、従前の手書き中心のカリキュラムへのこだわりは強く、長らく活用が広まらない厳しい現状がある。
新学習指導要領で示される【思考力・判断力・表現力等の育成】のために、国語に限らず全ての教科で必要とされるジェネリックスキル(ベーススキル)をどのようにとらえ、ICT活用とともに育てていくべきだろうか。
今回は、特に国語に関わる先生方から話題提供をいただき、その方向性について検討してみたい。
話題提供
「ことわざを写真で撮ろう」〜非連続型テキストの表現のための読解〜
池田修(京都橘大学 教授)
画像を言葉で説明する授業は、media literacyで行われている。しかし、言葉を画像にする授業は、実施するのが難しかった。何故ならば、画像作成を手書きに頼らざるを得なかったからである。しかし、タブレットPCのおかげで実に簡単にできるようになった。文を写真にするには、文の内容を理解する必要がある。
小学校三年生に行ったことわざを写真にする授業を中心に、国語科の読解、ICT活用、アクティブラーニングについて考えてみたい。
「わたしたちの『撮る教室』で、結局何をしていたのか」
石川晋(授業づくりネットワーク 理事長)
昨年度まで北海道の中学校教員でした。国語が専門ですが、最初の荒廃した中学校(生徒がスノーモービルを運転して登校してくることもあった)での体験から、教科の枠組みに収まらない授業の展開を考えてきました。最後の学級には年間20名、延べ80時間以上ゲストティーチャーが入りました。
今回は子どもたちの義務教育最後の存在証明としての写真集づくり、その取り組みを撮影したプロカメラマンとの協同による写真絵本の出版過程を紹介します。また、テレビCMをベースにした合科的な取り組みも見ていただきます。
池田先生と石川先生の実践報告から
それぞれ、聞いていてなるほど!と思うことが多くありました。
池田修先生の報告
亀の甲羅に文字を書いてみたり、「急がば回れ」が琵琶湖の中山道周辺が元になっていることから、実際に陸路と水路を比較してみたりしているそう。
教室から飛び出し、故事成語や文献から資料を読んで、
「本当にそうなのか、実際にやってみる」
ところが素晴らしい先生と感じました。
他にも、
「ワンピース1巻で小学生で学ぶ漢字の半分が使われているのに、なぜ国語の教科書で常用漢字を習うのに6年間1800ページも必要なのか?」
という問題提起もされていました。
確かに!国語教育への強い情熱を感じました。
今回の実践報告では「ことわざを実際にスマホで撮影する」という内容で、実際に参加者も5分でことわざを写真におさめてくる課題が出ました。
お題「二階から目薬」
五人一組で撮影したもの。
他にもユニークな写真が紹介されました。
「ボケて!」など、写真にキャプションを入れるものは多いが、逆はないのでは?
大学や小学校で実践したところ、はじめは意味がわからずイメージで撮影してしまうが、ディスカッションのあとはまずことわざの意味を調べてから撮影するようになったとのこと。
確かに、「二階から目薬」は指すほうが笑っていてはダメなんですよね…。
これは高校生の国語表現でも使えそうです!
石川晋先生の報告
はじめに、絵本の読み聞かせとその絵本の構成についてのお話にぐっと引き込まれました。
石川先生は、北海道の中学で国語の選択授業をされていた頃の実践や、ホームルームにゲストティーチャーを呼び、生徒同士で写真を撮って本にした時のお話をしていただきました。
生徒とCMを撮ってみると、撮影者側の意図が見えてくることってありますよね。
合科的な取り組みでは、家庭科についても取り上げて頂いて嬉しくなりました。
来てよかった…!
石川先生は、
「いま、感じたことをありのままに話します」
というタイプの方で、「正直さ」を感じました。
よく見せるために対面を取り繕わない、というのかな…?
池田先生が取り繕ってるということではナイです!
石川先生の本は気になっていたので、一冊手に入れてゆっくり読んでいるところです。
その後、質疑応答に移りました。
セミナーの感想
最先端の方々が集まっているからか、分からない用語が飛び交ってました。
メディアリテラシーは、メディアに対して騙されないぞという感覚を養うものだったのかしら?
とか、
モンタージュって…どういうときに使う用語?意味分からない…。
など。
犯人を特定するときにモンタージュ使うよね?
と、心の中で思ったりして…。
実際には、こういうことらしい…勉強になります。
モンタージュ技法とは、人物と景色を交互に映し出すことによって、全く関係ないふたつの画像に関連性を持たせる技法です。しかもカメラと登場人物の視線を一致させることで、あたかも自分がその景色を見ているかのような効果が得られるのです。ただ淡々と全体を映すよりも、女性の視点に共感して見るようになります。
質疑のレベルの高さが半端なかったです。
聞き取るだけで精一杯でございました。
セミナー後、六本木の夜
同僚と、ラーメン、餃子、チャーハンナイトでした。
「お気軽にどうぞ」と書いてあるのにコース一万円しかない小料理屋が軒を連ねていて、金銭感覚が狂いそうになっちゃいました。
危うかったけど、餃子屋さんで気軽に飲み食いできて助かりました。
美味しく頂きました!!
まとめ
全く知らない方が主催する研究会にも参加してみるものだなぁ…!
というのが率直な感想です。
家庭科や、総合的な学習の時間にICTを利用して何かしらできそうな気がしてきました。
一緒に参加した同僚が、
「来年度国語表現を持つので大いに参考になりそうです!参加してよかった!」
と言ってくれてホッとしました。
池田先生のブログ、著書はこちら
スペシャリスト直伝! 中学校国語科授業成功の極意(明治図書)
石川先生のブログ、著書はこちら
suponjinokokoro.hatenadiary.jp
わたしたちの「撮る教室」(学事出版)
学校でしなやかに生きるということ(フェミックス)
国語表現は、NHK高校講座でも毎週放映されています。
ではまた☆