まなびと!

自らが学び続ける教師でありたい。振り返りの記録です。

[書評]開校2年目にして現在4,700人が学ぶ、新しいカタチのN高校に興味津々!「ネットの高校、はじめました」

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「今の学校制度って、このままでいいのかな?」

「多様な生徒のための、新しい高校について知りたい」

今回、こちらの本を読んでFacebookでシェアしたところ、

「勤務先の中学で進学した生徒がいる」

「子どもの通う中学の進学先として出てたよ!」

というコメントが寄せられ、編入先としてではなくストレートに進学する選択肢としてN高校が選ばれていることに驚きました。

今回の記事では、ニコニコ動画でおなじみのドワンゴと、傘下の会社が参考書を作っているカドカワが設立した新しい通信制高校にについてご紹介したいと思います。

nnn.ed.jp

N高校とは?「ネットの高校、はじめました」

勤務先で、退学予定の生徒の編入先としてN高校を選んでいる生徒がおり、気になってはいました。

実は…我が家の中学生の息子は、発達の偏りもあって勉強が苦手です。

3文字の単語(cat,dogなど)まではなんとか書けるようになりました。

それでも、英語の成績は壊滅的。

すべての単位を習得しないと進級できない全日制高校への進学は難しいのかなと感じていたところで、とてもタイムリーでした。

この本では、

  • 2016年時点でN高校に進学した生徒へのインタビュー
  • 沖縄県伊計島の廃校した小学校を利用しての5日間のスクーリングの内容
  • 先生方が1人ずつ現地を訪れて開拓した本気の職業体験
  • どのような方法を用いて生徒同士のコミニケーションをはかっているのか
  • ドワンゴ、角川ならではのオリジナル学習プログラム
  • 開校までの経緯

が紹介されています。

オリジナル学習プログラムでは、IT企業で働いている現役のプログラマーに教えてもらえたり、ライトノベルの巨匠に小説を書き方を習ったり、著名なイラストレーターから作画の秘訣を教えてもらったりできるそうです。

学校行事のイベントでは、インターネット遠足と称してドラゴンクエストのゲーム内でキャラクターに扮して先生とともに目的地まで到達します。

学校行事の文化祭では、ニコニコ超会議で演奏やダンスを披露することができます。

来場者15万人と言う事ですので、集客数が日本で1番大きい文化祭と言えるかもしれません。

読んでみて、不登校普通高校に通えなくなった生徒の受け皿としての通信制高校ではなく、中学を卒業してすぐに入りたい高校としてエヌ高校が選ばれる理由がわかりました。

N高校を開校する前は、ニコニコ動画を視聴しているユーザに不登校の生徒が多く、昼夜逆転しがちである事が気になっていたそうです。

しかし、現在入学した高校生の中には著名なスケーターや、すでにプログラミングで収入が得られるレベルにある生徒などがいます。

あの御三家、桜蔭出身者も在学しているそう。

toyokeizai.net

全日制高校に時間的な制約があって通えないケースや、自分のペースで学べない一斉授業にムダな時間を使いたくないと生徒もかなり多く見られたそうです。

他にも、カドカワ傘下には参考書作りで有名な中経出版が含まれており、授業動画なども全てドワンゴの映像技術を用いてオリジナルコンテンツを作っているとの事。

授業を担当する教員も参考書の著者に依頼。

高校を作るための設備投資として、新たなことに取り掛かる必要は無かった…と言うところに、

「現代の学校に求められているのは、はたして既存の学校にあるのか?実はなかったりして…」

ふと考えてしまいました。

N高校は2016年に開校し、卒業生が出ていないにも関わらず現在4,000人以上の在校生がいるそうです。

入試広報担当の夫に伝えたところ、

「宣伝できるものはなんでも使うのが当たり前でしょ!いいことしか書いてないじゃない?」

とのこと。

おお、すごい!!

と思ってた気持ちが少し冷めました…。

いや、授業や特別活動のコンテンツをすべて自前で作れる新設校なんてなかなかないと思うのですが…どうなんでしょう?

どんな生徒がN高校に向いているのか?

本を読み、思わずN高校のパンフレットまで取り寄せてしまいました。

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パンフレットについてきた雑誌の特集記事などを読み、改めて感じた事がありました。

N高校は、はっきりした目標を持っている「意識の高い生徒」でなければ続かないのではないかと言うことです。

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たとえば、

  • N高校でやりたいことがある
  • 通信制のメリットを生かして、空いている時間に趣味やバイトをしたい
  • もともとニコニコ動画が大好きで、超会議にも参加している

など。逆に、

  • 普通高校に入れないから仕方なく通信制の高校を選ぶ
  • 自分で計画性を持ち学習を続けていくことが難しい
  • やりたい事は特に決まっていない。

といった生徒さんは、全日制の普通科高校に通った方が続くのかもしれません。

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やりたいことが決まっていないことが悪いことではありません。

しかしこれからの時代、やりたいことが決まっていない人間はますます肩身の狭い思いをしていくのではないか…?と感じました。

まとめ

我が家の息子の進路が気になり、現在高校の説明会に行ってみたり、通信制高校を調べたりしています。

息子が通信制高校が向いているのか改めて考えたところ、

  • 特にやりたいことが決まっていない
  • N高校の得意とする、プログラミング学習は英語の壁が高く、ラノベなども愛読するだけにとどまっている

という現状を考えると、入学はしても続かないのではないかと感じました。

本当に好きなことがN高校にあれば、全日制普通科にこだわらず選択肢として考えてみるのも良いと思います。

授業料も、通信制なら3年間で30万円台と思いのほかお安いので…。

機会があれば、N高校の学校説明会にも参加してみたいと思います。

nnn.ed.jp

ではまた☆