まなびと!

自らが学び続ける教師でありたい。振り返りの記録です。

[ICT]ICTを学校に導入の際に注意すべきポイントは?成功と失敗の分かれ目をチェック!

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夏休み最後のセミナー参加レポートです。

5月の教育ITソリューションエキスポにて、

「低学力層でも『わかる』『できる』になるEラーニング」

と謳っているすららさんのお話を伺いました。

surala.jp

manabito.hateblo.jp

その後ご連絡をいただきまして、夏休み中のICTセミナーに参加することが叶いました。

場所は神田のすらら本社です。

↓神田駅。中央線久しぶりに乗車したー!

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「すらら」は、すでにICT学習のツールとして100校を超える学校や塾で、個別学習が安価で可能だと続々と導入されています。

その中でもICT学習が成功した学校と、失敗して契約を打ち切られた学校とはどのような差があるのか?

その差を確認するだけでも、このセミナーに参加した甲斐がありました。

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10年のノウハウから、

「ICT導入のためのチェックリストを見てもらってから導入してもらえるよう、企業側でも提案しておけばもっと学校様の満足度は上がったはずだ」

と、導入失敗の反省もあるようです。

どうすればICT導入が成功し、生徒が自ら学ぶようになるのか?

結構な目ウロコがありましたのでシェアしたいと思います。

学校でのICT導入に向けて知っておいた方が良いこと

eラーニングは、

「どう入れるか?何を導入するかという段階である」

「入れるか、入れないかではない。」

学び直し、補習にも有効であり、個の学びにも有効な教材を選ぶべき。

紙での放課後補習は教師の負担増を増やす上、生徒の躓きに寄り添えない。

最近ベネッセで「マナトレ」という学び直しのトレーニングが進路多様校で利用されています。

学校によっては、基礎学力テストで下位の生徒を放課後呼び出し、基礎からトレーニングをしているようです。

紙でのトレーニングでは、教師の負担も増すばかりか教材を生徒の進度に合わせて用意する手間も増えてしまうでしょう。

eラーニング教材の種類とメリット、デメリットとは?

eラーニング教材は、大きく2つのタイプに分けられます。

  1. 映像配信型
  2. 問題集型

映像配信型では、映像を見て分かるレベルの高い生徒が対象の上、演習が少ないため定着につながりません。

また、映像がずっと流れるのでパケット通信料が大きいため、利用台数が限られます。

一斉に40台のタブレットが動画を再生したら、Wi-Fiがパンクすることもありえます。

家庭からも、

通信制限がかかってしまい、動画が見られない」

と、苦情が寄せられることもあるそうです。

問題集型教材では、選択式の問題が多く役に立つ学力が身につかない。

「教えるパート」がなく、わからない生徒はいつまでもわからない。

これに対して、すららでは対話型のアニメーション教材を利用しているため、通信量はそれほど多くはありません。

低学力層でも理解できる、超スモールステップのインタラクティブ授業。

偏差値が30から60まで対応ができ、生徒のわからないところまで戻る特許取得の仕組みがあります。

一人ひとりの学力を診断し、復習できるシステムを備えているとのこと。

実際に、英語の現在完了の項目の解説を見せていただきました。

とても丁寧で、過去形と現在完了にどのような違いがあるのかもよくわかりました。

また実際に問題を解くときには、キーボードから英単語を入力するようになっています。

単語の入力がおぼつかない生徒には、単語ごとに並べ変える問題に変更され、文法の理解ができているかを確認できます。

導入校の様子と、ICT導入失敗のパターン

実際に、すららを導入されている学校の説明がありました。

以前、動画配信型の授業で失敗しているため、選択は慎重にされていたそうです。

すららを導入した理由は、3つの観点から。

  1. 問題数が十分に用意されていること
  2. 講義があり、インタラクティブであること。
  3. 個々の授業の学習状況を分析できること。

この学校では、学内の通常授業のうち、1単位をすららを利用した授業にしています。

授業外でも、放課後に教室で自習をしたり、家庭で学習をしてもらいます。

生徒が家庭や放課後に課題に取り組んだかどうかは、達成度合いが管理画面で出るためすぐに確認することができます。

プリントであれば、その場で集めてあとから確認して出してない生徒を呼び出してやらせる…手間はありません。

これにより、高校生の家庭での学習時間は増大したそう。

もちろん、平均偏差値もぐんと上がりました。

ここで、失敗を防ぐためのポイントとして分かるのは、

  • 生徒が学校外で取り組むための単元を教員が指定したり進捗状況を必ず確認
  • 100%に満たない生徒は放課後呼び出して必ず達成させる癖をつけること
  • 達成度の確認や、居残りは学年や教科のどちらが責任を取るのか所在をはっきりさせておく

教員が対応する単元を宿題に出さなかったり、ICT教材の学習を生徒任せにしてしまうと絶対に失敗してしまいます。

「ツールを与えて放置」

は絶対にダメです!

これにより、導入後では生徒の学習時間の総量がぐんと増え、偏差値も上がるという相乗効果が出ているようです。

確かに、家庭学習はせず、テスト前すら

「ノー勉」

という生徒に家庭学習の時間を増やせば少しはましになりそうです。

また、必修の授業ではなく、補習として使う利用する学校もあるそうです。

その際には、ベネッセの模試でDランクの生徒を0にするといった目標をしっかりと定めることが重要になってくるでしょう。

この学校では、補習にすららを使うことにより、学習成果を図るGTZがDランクはゼロにはならなかったものの、大幅に減ったそうです。

また、ICT導入にあたり、すべての先生が導入に賛成したかと言うと実際はそうではなく、

  • 2割は導入に賛成
  • 6割は導入に無関心
  • 2割は導入に大反対

この割合はどこの学校でも大して変わらないということを知り少し安心しました。

決済をする人間が、

「生徒につけるべき学力は何か、何を重要視するか」

によるでしょう。

このセミナーで報告してくださった先生は、

「今後、高校で基礎学力テストが高校に導入されることにより、学力を問わないAO入試を今後続けていくのは難しいのではないか」

という予測をされていました。

実際には、どうなのでしょうね。

高校段階での反復学習や、学び直しによる基礎学力の習得は意味がない、さらに生徒を傷つけてしまうと考える教員もいます。

難しいところです。

生徒募集にも有効!

すららの場合は、導入校に無料で中学生向けのIDを発行しているそうです。

学校のウェブサイトからすららのログインができるため、受験生はログインするたびに必ず学校のウェブサイトを見ることになります。

また、

「入学してからもすららを利用するのだ」

ということを理解した上で受験するため、学習に対してモチベーションの高い生徒が入学してくるかもしれませんね。

特に、生徒現象が著しい地方の学校で歓迎されているそうです。

関東近郊もそのうち同じような現象に悩まされていくでしょう。

でも、いまはゆでガエルかな…。

まとめ

ICTを導入しようと考えている学校では、

「いくつかのサービスのメリットとデメリットをよく確認」

して、

「自校の生徒にどのような形態が合うのかリサーチを欠かさないこと」

が大切だと感じました。

帰宅途中に一緒になった先生は、

  • classiを入れてみたが、学習の課題が合わないし機能が弱い
  • 自校の教員で動画を作ったこともあるが挫折した。今はスタディサプリを取り入れて反転学習をしているが、動画のため通信容量を多く使うのがデメリット
  • もっと早くすららを知っておけばよかった

とおっしゃっていました。

この先生は、ICTの決済の権限がご自身にあるのだそうです。

さて、教育ICTは今後普及していくのでしょうか?

なんでも手作りではなく、得意な分野はITに任せていけばいいと思うんだけどね。

個別に生徒がどこでつまずいているかの理解や、家庭学習の達成度が一覧できるってどの教師もできないよね?

いま、そろばんや電卓で成績処理しなくてもExcelあるよね?(まあ、まだ電卓で成績処理してる先生もいるけどさ…ホントだよ!)

surala.jp

ではまた☆