[セミナー]シンプルな質問で「生徒の志」を引き出そう。自己肯定感もぐっと上がる「志教育」とは?
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未来の先生展に参加したシリーズの最後です。
社団法人「志教育」の北見俊則先生によるワークショップでした。
横浜市立上永谷中の校長先生を定年退職され、いまは志教育が広がるために奔走されています。
中学校の校長時代、生徒の「志」を引き出す授業を行っていました。
生徒のみならず、校長室を訪ねてきた来客と志を作るようにしていたところ、評判を聞きつけた町内会長さんから
「私の志を作ってください」
と声をかけられるようになったという…!
「90分で自分の志なんて大層なものができるものだろうか???」
「さすがにムリなんじゃないかしら?」
と思っていましたが…なんと、作ることができました!
上手に生徒と志を作ることができれば、
「生徒の自己肯定感も上がるのではないか?」
と感じましたので簡単にご紹介しておきます。
今回のワークショップのねらい
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志教育を体験してみる!
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志教育を導入してみたい!と思ってもらえる
90分の授業で、志を明確にしてみる
生徒の評判もよく、学年を上がるごとに志を作りかえることによって、より強い目的意識を持った「志」を作ることができたとのことです。
2つの質問で、人間のタイプが分かる
そんな質問あるの?
実は、あるんです!この質問に答えてみてください。
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クールか? 情熱的か?
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DRY合理的か? WET情緒的か?
この2つずつで、4つの部屋ができます。
それぞれ、勇、愛、親、知の 4タイプに分かれます。
北見先生は、勇タイプ。
自分がいいと思ったことを提案したところ、「親」タイプの先生に
「皆さんの了解を取ってくださいね」
と言われて心のブレーキをかけられた気持ちになった。
しかし、お互いのタイプがわかっていれば、いいサポーターやアドバイザーだと感じられる。
勇の人にとっては、世界が同じタイプの人に見えているがそんなことはない。
それぞれのタイプが、世界をより良くするために分担して生きている。
また、それぞれのタイプも自分の中に少しずつ入っている。
「省」を中心に置き、自分のどこが出すぎてしまっているのかを注意して他者と関係を築くことが大切。
メタ認知能力のことですね。
幸魂、奇魂が縁結びの神様として出雲大社にお祀りされている。
一霊四魂は、日本書紀から書かれている考え方なので、日本人が親しみやすい考え方なのだそうです。
表の参考文献はこちらでした。
ワークシートへの記入をしてみることにしました。
夢と志の違いは?
よく言われるのが、「夢」と「志」の違い。
「夢」は、自分が主語になる。
「志」は、相手のあること。他者をどのような状態にしていくのか?
例えば、羽生結弦さんのインタビューを聞けばわかる。
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オリンピックで金メダルを取るのが自分の「夢」です。
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オリンピックで金メダルを取り、東北の人たちを元気づけるのが私の「志」です。
違いが分かっていただけたのではないでしょうか。
ペアワークを入れながら、志を深掘り!
ペアワークをいくつか入れながら、志づくりをしてみました。
- 「一緒にいる」ペアワーク
一人がもう一人の手の上に手を載せて、下の人が勝手に手を動かすとバラバラな動きになるのに対して、
「一緒にいる」
と上に乗せている方が目をつぶって気持ちを一つにすると、あら不思議!手が重なったまま動くというもの。
- Oリングテスト
親指と他の指で輪を作り、嫌いな言葉を思い浮かべながら相手に引っ張ってもらう。
すると、指の力が抜けてしまう。
逆に、好きな言葉だと指が離れない。
「自分のために頑張る」
は、指が離れてしまうが、
「他者のために頑張る」
とイメージすると指が離れない。
試しに取り組んでみてくださいね。
こんなワークを行いながら、ペアでお互いの志に近づいていきます。
それぞれの志は?これからの志教育は?
先ほどのワークで知った自分のタイプから、志にふさわしい動詞がわかります。
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最後の動詞をまず考える「○○する」
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誰を、何をと言う対象を決める
- 手段を考える「どうやって」
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「〜のために」と、目的を定める
という順序で志を作ると、10分も立たずに志の雛形ができていきます。
作ってみた志をペアで共有し、聞いた人が志を言い返してしっくり来るか確認します。
私は、「日本を変える」「世界を変える」といった大きな志はしっくりきませんでした。
今すでにしていることで周囲に役立ちそうなこと、
「人々がよりよい選択をできるよう、行動したことや考えたことを発信して周囲の人々を幸せにする」
提案された4つの項目にうまく入りませんでした汗。
まさに、いま書いているブログや職場でのレポート、授業改善への取り組みがそれに当たるのかなぁ。
小さいけれど、自分の強みを生かすことしかできません。
大人の場合は、
「いま、強みを生かせていることで人の役に立っていると思われること」
がそこそこわかっているので考えるのは辛くないかもしれませんね。
若い世代だと、まだ何もしていない段階で
「これからなりたいもので、他者に貢献できること」
を考えていくのは大人よりも時間がかかりそうかもしれません。
まとめ
最後に、志を布に書いていきました。(写真撮り忘れ)
この布を、2020年のオリンピックに向けて作り、それぞれをつなげていくプロジェクトが進行中なのだそうです。
「いま、していることが実は他者の役に立ち、生きがいに繋がっている」
と考えると、少し生き方が変わってくるのではないでしょうか?
より良い人間の生き方を説いている本「7つの習慣」では、「ミッションステートメント」がこの志ワークに当たります。
が、このミッションステートメントに近づくために、
「墓石にどんな墓碑を掘られたいですか?」
という質問や、本「さあ、才能に目覚めよう」で自分の強みを調べたりするのは結構な時間もお金もかかってしまいます。
まだ、墓石なんて40過ぎた自分でも考えにくい…。
今回のセミナーで知った「志教育」は、2つの質問だけで自分のタイプが分かり、それをもとに志を作っていくだけ。
教師の負担も軽く、生徒は
「自己理解」
と、普段忘れがちな
「他者を幸せにする」
という視点を持てるようになるのが魅了的だと感じました。
会場を後にした際は、すでに日がとっぷりくれていました。
気になる方はこちらのサイトを見てみてください♪
>>志教育プロジェクトとは|志教育プロジェクト KOKOROZASHI ART PROJECT
賛否はあるかな…?(リンクを探していて発見!)
ツールとしては悪くないと思います。が、どうなんでしょう?
未来の先生展への参加レポートはこちら。
ではまた☆