[セミナー]『学び合い』フォーラム2017in関西に参加!元気に夏休み明けを迎えよう!その2
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前回に引き続き、大阪で行われた『学び合い』フォーラムについてのレポートをお送りします。
ホステルGOENに宿泊!
懇親会の後に「寝るだけ」なら、ホステルでもいいなと感じ予約したのがTsiteが運営するホステル「GOEN」
外観は古めの建物ですが、建物内はTSUTAYAらしい装飾であふれていました。
展示されているマンガは持ち込み自由。興味のある漫画は1巻が既に借りられていました。
カードキーにて、ドミトリーフロアに入ります。
40歳過ぎで2段ベットの上階は…なかなかきついものがあります。
せめてはしごに角度がついていると良いのですが、垂直だと非常に登りにくいですね。
消灯が12時のため、それまでは廊下が明るいままです。
ドミトリーフロアでは皆さん静かにしているものの、スマートフォンのバイブの音が気になったりしてなかなか寝付けませんでした。
シャワーとトイレはドミトリーフロアに1つずつ備え付けられています。
ただ、同じ階にシャワールームがありますのでシャワーのために待つ事はありませんでした。
こちらはキッチンフロア。
翌日は、一緒に泊まっているお仲間と7時から営業しているt-siteのベーカリーカフェにて朝食をいただきました。
インスタ映えしそうな店内ですね。
食べ物の撮影はもっと精進が必要?!
ここでも、同僚と『学び合い』仲間との交流の輪が広がりました。
午前中のシンポジウム「失敗から学ぶ」
シンポジウムのテーマは、「失敗から学ぶ」
4名のパネリストの先生方のお話を伺いました。
以下、箇条書きでメモしておきます。
- 『学び合い』をすることによる学力への不安。例えば、偏差値が上がるのかどうかといった不安があった。
- 生徒が『学び合い』に取り組むことについては問題がなかったが、周囲との職員の関係に気を遣うようになった。
- 本に載っている学び合いの形式にこだわってしまう。例えば、全員が〇〇になるはずだ。といった期待や思い込み。
- 価値のインストラクションについて。これから生徒の皆が必要なのは、「人の中に入り込む力」と「人を巻き込む力」が必要だと事あるごとに授業で語っている。それができるようになれば勝手に点数が上がっていく。
- 『学び合い』の失敗を決めるのは誰なのか?生徒になったら成長のチャンス。
- うまくいかないときは、生徒たちに相談している。生徒との関わりあいを大事にしていく。生徒たちはゆくゆくは同志になっていく。
- うまくいかないときは、『学び合い』の3つの観、学校観、子ども観、授業観に立ち返る。
「子どもたちは有能である」
「学校は、多様な人と折り合いをつけて自らの課題を達成する経験を通して、その有効性を実感し、より多くの人が自分の同僚であることを学ぶ場である」
「教師の仕事は、目標の設定、評価、環境の整備で、教授(子どもから見れば学習)は子どもに任せるべきだ」
>> 『学び合い』を成立させるには? - 「もっと 縦横無尽」より
こんな考え方も
教師主導の授業は、山の頂にゴールがあり、ゴールに教員がいてここまで来いというイメージ。
逆に、『学び合い』では生徒と一緒にゴールを目指したり、遅れている生徒を励ましたりしているのが今のイメージかも。
今までは、自分の理想の授業の動きを考え、ここまで来なさいとゴールまで求めていた。
教員が形を押し付けているのかもしれませんね?
教員のスキルって?
『学び合い』は、一斉授業よりも授業のスキルが身についたと教員が実感することが難しい。
何を持って授業のスキルとえるのか…?
難しいです。
パネリストのお一人が、『学び合い』について興味深い記事を書かれています。
『学び合い』の形態は、極力削ぎ落としてシンプルな方が良いという意見に対しての越後屋さんの考え。
玉ねぎ…?なんじゃそりゃ?と思った方はぜひお読みください。
パネルディスカッションの後は、新潟の中学校の木花先生の「みんなが自主的に学ぶ英語」、大阪の中学校の福島先生の「『学び合い』の影響の輪」に参加してみました。
分科会2「みんなが自主的に学ぶ英語」
新潟の中学校の木花先生は、短い時間ながらもコンパクトに英語での実践について語ってくださいました。
なんと全校で42人の小規模校なのだそうです。
授業では、考え方や語りを意識したいところですが、1年間で140時間もある英語の授業で毎時間語る事は難しいです。
そこで各教室にある学級目標を確認します。
ワンフォーオール、オールフォーワンであれば学級目標と授業の目標が一致するでしょう。
ただ、学級目標がYDKであったりするとなかなか厳しいかもしれませんね…とのこと。確かに。
また、全てが叶っていて人々が皆幸せである架空の街を例にして語っています。
その街の幸せが、「1人の地下牢に閉じ込められている子供の犠牲によって成り立っている」とするならば、その後放っておいて良いのだろうか。と生徒に問いかけているそうです。
50分の授業中に、生徒が40分活動する時間を作っています。
部活動の顧問であれば、毎月の活動予定や練習メニューをカレンダーに書いて配布していきます。
英語の授業も同様に、授業の予定とここまでは終わらせていこうと提案する方法をとっています。
自分で勉強する方法を選び選択していくことで、生徒が予習をして課題を終わらせてくることも多いそうです。
生徒に「予習している科目は?」とアンケートを取ってみると、英語がダントツで1番でした。
部活で苦しいメニューをこなすのと同じように、英語のメニューも「苦しいけれども頑張っていこう」という集団の雰囲気を作り出すことができているそうです。
生徒のモチベーションを高める語りなど、大変参考になりました。
分科会3「『学び合い』の影響の輪」
find!アクティブラーナーの授業映像でおなじみの福島先生の分科会では、『学び合い』失敗の分類として、
- 密着型…特定の生徒としか『学び合い』をしない。仲良しとしか関わろうとしない
- 孤立回避型…なんとなく孤立が嫌で、目的も定まらないまま周りの生徒についていってしまう。
- 集団離脱型…非行傾向の生徒に多く、一斉授業では居眠りを続けたり、全く聞かない層。
これらの3つの形があるとのことです。
それぞれ参加者の悩みによってグループを分け、『学び合い』形式で交流を深めました。
私は集団離脱形に参加しました。
その後、理想の『学び合い』集団とは?身の回りにある『学び合い』集団について福島先生の経験から語っていただきました。
福島先生も、なかなかしんどい生徒を教えていらっしゃるようです。
しかし、普通なら交流することがないのではないかと思われるような生徒同士が日常的につながり、助け合う姿が見られたそうです。
他の分科会も参加したかったな…体が5つ欲しい。
フリートークから閉会式へ
これらの分科会の後、90分ほどフリートークの時間は戻りました。
その後閉会式になりました。
閉会式に参加された先生方の数はあまり多くなく、閉会式まで90分は少し長かったかな?とも感じました。
また、閉会式と同じ頃に枚方市に大雨が降り始め、枚方市駅まで徒歩5分のところですがタクシーに乗って帰らなければいけないほど。
それでも体がびしょ濡れでした…
まとめ
今回のフォーラムは、フリーディスカッションが2回ほどありました。
『学び合い』フォーラムでは、その考え方に基づいて自分から近くの人に話しかけたり、ディスカッションしたりする自主的な参加が求められます。
これが意外と頭フル回転で大変…!
また、上越教育大学教職大学院で学んだ先生がかなり多く参加されていること、小中高大民間等の参加があることで、教科を超えた交流ができるのもフォーラムの魅力の1つです。
今回私は、大阪在住で成人の発達障害者の就労支援をされているママ友さんとフォーラム1日目に参加しました。
「パソコンの技術を身につけるためのトレーニングをする際、講師が教えるのではなく20人をグループに分け目標と目的を伝えて学び合うことで、できる人もできない人も自己肯定感が上がったよ」
とのこと。
学校以外でも『学び合い』は有効なんですね。
「SSTとパソコンのトレーニングができ、一石二鳥です」
と友人。
何冊も『学び合い』の本を読み、実践されているそうです。素晴らしい!
今回フリートークや懇親会に参加してくれたことでまた交流の輪が広がりました。
フォーラムにほぼ毎年参加されている先生のおかげで、帰りの新幹線の車内でも同じ市に住んでいる先生と知り合い、交流ができました。
2018年夏の『学び合い』フォーラムは、静岡市で開催される予定です。
私は、まだまだしんどい授業が多く、生徒が主体的に学びたいと思う雰囲気や土台作りもできていない状態です。
それでも、何かしら生徒にプラスになるような情報を求めて、学びをすすめていきたいと思います。
この夏の新刊はこちら↓
ではまた☆
(もし、間違っている記述がありましたらご連絡ください)