まなびと!

自らが学び続ける教師でありたい。振り返りの記録です。

[実践]挫折続きの高校生との「振り返りジャーナル」今年夏まで続いた理由は?

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すでに夏休みに入って久しいですね…。

もう、8月だなんて!

今回は高校での、振り返りジャーナルの実践についてご紹介したいと思います。

振り返りジャーナルとは?

ちょんせいこさんと岩瀬直樹さんが提唱されている

「信頼ベースの学級ファシリテーション

という実践で紹介されていました。

manabito.hateblo.jp

生徒が日々を意味付けるための、メタ認知の方法としてすすめられています。

  1. B5の大学ノートを半分に切り、1人1冊渡します。
  2. 帰りの会などでその日1日を振り返り、ノートに記入します。
  3. 教員が20分ほどで簡単にチェックをして翌日朝返却します。

生徒が、「振り返りたい」と思うようなチャレンジが学校生活の日常にあふれているのが理想です。

去年の反省点

昨年度は、入学したての高校1年生に振り返りジャーナルを導入してみました。

2014年に高校2年生に週1回振り返りジャーナルを書いてもらって以来、2回目のチャレンジです。

結果、

  • 朝、返却できない!
  • 遅刻が多い!
  • 半分の生徒が紛失!
  • サイズを小さくしてしまった!
  • 書かない生徒、紛失する生徒続出

と言う問題が生じてしまいました。

7月には、紛失する生徒が10名以上出てきてしまいました。

配布しても、何も書かないで返却したり、「疲れた」と毎日書いて提出する生徒など、ある程度しっかり書いているなと感じる生徒がクラスに5.6人しかいません。

それでも何とか年度末まで続けることができました。

その時の様子を記事にまとめています。 

manabito.hateblo.jp

今年度振り返りジャーナル続けるか?悩む

新年度に差し掛かるちょうど良い時期に、新刊が出版されました。

こちらを読んで、再度勉強し直しました。

副題には、

「子どもとつながるクラス運営」

とあります。

4月に時間を取り、生徒と個人面談をしているので生徒と早くからつながれているのではないかという感覚はあります。

それでも、日常的に生徒とつながるパイプが欲しいんですよね…。

悩んだ挙句、振り返りジャーナルを今年度も取り組むことにしました。

しかし、続けるにあたっては問題山積です。

本を読んで気になったのは、

「方眼ではなく、横罫のノートを使う」

こと。

小学生だとしても方眼よりも横罫の方が、ゆくゆくは生徒たちがじっくりたくさん書くようになるとの事。

しかし、今年は方眼ノートを買ってしまいました!

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とりあえず、今年度は方眼ノートを使って振り返りジャーナルをつけてもらうことにしました。

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今年度取り組んでみた「改善点」

今年度は以下のような改善をしてみました。

方眼用紙のノートを利用、サイズは1/3

「勤務先の生徒は、横罫に字を書くよりも、原稿用紙のようなマス目がある方が書く際に安心感があるのではないか?

と授業内で課題を出していて感じていました。

書字に困難のある生徒もチラホラおり、マス目がないとどのくらい書いていいかわからないという状況が普段から見られるためです。

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結果的に、このマス目の中に字を埋めて5行程度書けるようになる生徒が昨年よりも大幅に増えました。

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毎日、振り返りのテーマを決めてプリントアウト。朝黒板に貼る

また、昨年度は特に振り返りのテーマを決めず、

「今日一日を振り返ってみて」

と伝えるだけだったり、帰りのホームルームで口頭で伝えることが多かったです。

しかし、テーマがあれば、

「質問に対する答え」

が頭から出てくるのか、少し考えて書いてくれる生徒も多かったです。

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前日にテーマを考えたり、または朝に出勤してから朝のHRまでの間に考えたことをWordに入力してB4にプリントアウト。

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上記のような改善を施した結果、7月の学習終了日までノートを紛失した生徒は1人もいませんでした。

また、ノートに何も書かないで提出する生徒は、元私のクラスの生徒ばかりという残念な結果に。。。

他にも、できてないことはたくさんあります。

  • 朝の返却できず。(遅刻が大変多いため)エンパワメントできていない。
  • 単なる交換日記になってる〜。
  • テーマによっては、振り返りになってない…。

それでも、生徒の情報の宝庫になっています。

小学校の先生と違い、高校では毎日授業でクラスの生徒に接することはできません。

毎日生徒全員に話しかけたり、状況を把握するのはかなりの困難があります。

しかし、振り返りジャーナルのお陰で普段なかなか声をかけられない生徒でも、文章表現が豊かだったり、

「こんなことを考えたり悩んでいるんだ!」

ということがよくわかり、生徒理解の大きな助けになりました。

例えば、ハマっている趣味について書いてくれる生徒とその話をしていたら、一緒にいた他クラスの生徒から、

「なぜそんなことを知っているの?」

と聞かれたことがありました。

その際、

「先生と、交換日記みたいなノートを書いてるからだよ」

と、 その男子生徒がうれしそうに話していたことが印象的でした。

高校生でも書いてくれることに感謝です。

まとめ

以上、高校での振り返りジャーナルのご紹介でした。

生徒の返信率、紛失率を考えると、去年よりはうまく行っているかもしれません。

年度始めにこちらの本を読んで良かった!

と思いつつ、目の前の生徒の特性を観察しながら

「方法に合わせるのではなく、目の前の生徒に合わせていく」

しかないんだろうな〜と改めて感じた次第です。

愚直に続けていくしかないですね。

夏休みあけも続けられるよう、マンネリしない仕組みを考えてみたいと思います。

明日から始まる『学び合い』フォーラムでちょんせいこさんのお話が聞けるのを楽しみにしています。

ではまた☆