[性教育]性教育の全国大会にて、性同一性障害を取り巻く現状について学ぶ。
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最終日は、小学校の先生の実践紹介と、岡山大学で性同一性障害の方を診ていらっしゃる中塚先生の講演でした。(2012年の記事です)
まだまだ知らない、性同一性障害のこと。
性別適合手術にかかるお金はいくらか知っていますか?
答え:200〜300万。
性同一性障害と同性愛が違うことを知っていますか?それぞれ説明できますか?
答え:
- 性同一性障害は体と心の性別が一致しない
- 同性愛は、好きになる相手が同性。
条件の厳しい性別変更の申し立て
現在の性別変更の手続きは、本人たちにとっては厳しい条件が多い。
手続きを受けられない場合、保険証には見た目とは異なる性別が書いてあり、確認を求められることも。
確認を恐れて病院にかかれず、病状が手遅れになってしまうこともある。
また、子どもがいないことなどの条件も。子どもが死なない限り、性別変更の申立てが認められない。
この内容は平成20年に「未成年の子がいない」に改正された。
他にも、日本では同性婚が認められていないことなどが性別変更できない人の壁になる。
他人の精子からの人口受精が普通の男性では出生届が両親の子どもとして認められるのに対して性別を変更した男性では精子を持たないはず、と嫡出子として認められない問題も起こっている。
性別変更の申し立てを行っている人は毎年3000人弱と、決して少なくはない。
医療と性同一性障害
金八先生で性同一性障害をテーマにした内容が放映されてから、若い人の受診が増えた。
ジェンダークリニック受信者の56%が小学校入学以前、また89%が中学生までに性別違和感を持っていた。
最高齢は86歳。
高齢で受診されるかたはほとんど手術を受ける。
せめて、棺桶に入るときくらいは自分の本当の体で、という覚悟。
想像して欲しい。
もし、皆さんも朝起きたら体が自分と異なる性別になってしまっていたら?
体の性別で暮らすことを強要されたらどうだろうか?
性同一性障害と自殺
また、性同一性障害が原因で自殺を考える人の割合は高い。
手術や性別変更ができるようになったことにより下がっていたが、最近は景気の悪化とともにまたポイントが上がっている。
200万を超える手術代がなかなか貯まらない、ホルモン治療さえできないという患者さんが増えている。
自殺総合対策大綱改正に向け、周囲が自殺の原因と思いつくアンケート項目にセクシュアルマイノリティの項目を入れて欲しいと要望を出したところ。
教育現場では
性同一性障害の子どもたちをめぐる状況では、2010年に文部科学省から通達が出ている。
小学校から心の性別に沿った服装や対応をしてくれる小学校も出てきている。
ただ、一般的には担任が気づいても理解のない校長であればどうしていいか分からずそのまま、と言った対応がほとんど。
教育現場が社会より対応が遅れてしまうのが残念です。
ここでも、学校の中だけで抱えず、外とつながることの重要性を感じました。
普段から性の学びをしているつもりでも、気づきがたくさんありました。
まとめ
セクシュアルマイノリティということが自殺のリスクになる。
毎年3万人を超える自殺者の中に、セクシュアルマイノリティを理由にしている人がかなり含まれているのかもしれません。
性をめぐる日本の現状は、少数派の人たちにとって苦しいと感じられるようです。
様々な権利が認められるようになって欲しいです。
性同一性障害は性別変更の手術などで医療にかかったりもできるけれど、そうではない同性愛、他のセクシュアルマイノリティの方への配慮がまだまだなのも気になります。
今回の報告は、とてもよく出来たパワポで、飽きさせないプレゼンでした。
が、予定した時間の認識に主催者と講演者のズレがあったようで、核心部分、参加者の知りたいところが端折られて尻切れトンボ…!!!
学校でどう対応していくのが望ましいのか?
学校現場には多分そうだろうな、と思う生徒に必ず出会うので、聴きたかった…。残念。
今回の学びから、プレゼンの心得を考えてみました。
- 参加者のニーズをつかむ(今回も、参加者のレベルが多様であったためにどういう人に対して伝えるのかぼやけていたような印象が)
- 結論は先に言う(教員は導入が長すぎることがよくある。)
- 内容を欲張りすぎない(あれもこれも、と入れすぎると言いたいことがボヤける、あ、ブログも同じですね。。。)
あ、当たり前すぎる…けど、行うは難し?!
私も気をつけよ!!
毎年行われる大会の案内はこちらから。
最近読んで、LGBTを巡る状況を俯瞰して見ることができる良書を発見!おすすめです。
ではまた☆