[性教育]性教育の全国大会。生徒が「知る」こと、「外とつながること」の重要性を改めて認識。
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性教育の全国大会、続きです。(2012年の記事です)
前回の記事、
「実際に被害を受けている生徒にこのような授業は酷なのではないか?」
についてです。
参加の自由を保証する、そこまでして授業を行う理由
「生徒がフラッシュバックしてしまい、泣き出してしまうような場合は?」
質問した先生は、1クラス目で泣き出してしまった生徒がいて、残りのクラスでは同じ授業ができなかったそうです。
今回報告のあった模擬裁判の授業でも、
「この内容は辛い、ということであれば参加しなくても良い」
と伝えています。
また、生徒への対話用の質問にも、
「あなたの友達が・・・したらどうする?」
と、ストレートに自分自身を問わないように配慮されています。
今回は参加者の中に児童養護施設の職員さんがいらっしゃって、教員とは違った視点でお話ししてくださいました。
児童養護施設でも、虐待されている子はかなりの率で性虐待を受けている。
入所してから分かることも多い。
児童養護施設でも性暴力の授業を行っているが、内容を事前に伝えて選んでもらうようにしている。
性暴力、DV(自分が受けているのではなく、家庭で親が受けているのを見ているケースが圧倒的に多い)の授業は必要である。
なぜなら、知らなければ被害を訴えることもできないから。
授業をしなければ発見できなかったケースがある。
大人が口にしなければ、「言ってはいけないこと」と子どもたちは学ぶ。
「カミングアウトしてもいい」という状況を作ること。知識、言語化できること。
その前に大人が受け止められる体制を作っておく。
学校でも次の機関につなげたりするためには、見つけて頂かないと。
チャンスとして捉えること、引き出すことが大切。
なるほど…。
模擬授業の後、この方に個人的にもどうしても伺っておきたいことを質問してみました。
一筋縄ではいかない指導の問題
「学校で、生徒がカミングアウトしてくれたとして、実の家族からの性虐待だった場合、そして生徒が『自分の居場所が無くなるから言ってくれるな』と言われた場合どうしたらいいのか」
自分の家が安全、安心の保障がされていない。
よくあるケースです。
が、教員が一人で悩むこともあります。
その方曰く、
- その保護者だけではなく、全員の保護者に向けたプリントで「他の家庭でもあること」「こういうケースは性虐待につながる」として注意を喚起する。
- 住まいが学校と離れているのであれば、住まいの児童相談所に連絡、相談をしておくという手もある。
家庭に介入できるのは、今のところ児童相談所のみ。
とにかく、情報を学校だけにとどめないことが大事。
どういう選択肢があるのか、リサーチしておく。
- ただし、高校生は児童養護施設の受け入れ先によっては高校に通えなくなるケースもあり、悩むところ
またもやなるほど!でした。
「学校だけにとどめないこと」
これは、イジメの問題にも通ずるところがありそうです。
まとめ
学校の先生は、なにもかも「学校の中だけで解決するのが当たり前」と思っている節があります。(もちろん、私も)
それらが、どう考えても「窃盗」「傷害」と、社会的には犯罪と認められるものであろうとも…。
学校はますます忙しくなり、個人に分断され、チームで問題解決に当たれるだけの環境がなかなか整いません。
もっと外と繋がらなければ、学校内の問題解決は難しいような気がしてなりません。
苦しんでいる子どもたちのためにも。
ではまた。