[性教育]性教育の全国大会にて、デートDVの模擬授業に参加。消極的合意とは?
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「性教協」という、性教育の研究団体の全国大会に参加してきました。(2012年の記事です)
山口県に初上陸!
湯田温泉です。
参加者は小学校から大学の先生、研究者、児童養護施設にお勤めの方。
養護教諭(保健室の先生)が多いかな。
女性の割合が高いです。
2000年前後から始まった性教育バッシングはかなりおさまったものの、いまだに「中学校では受精以前を教えない」(義務教育段階で性交について学ぶ機会が全くない)などの縛りがあり、参加者の数も以前ほど多くありません。
勉強になるが座りっぱなしの1日目
基調報告、記念講演、性に関する当事者、実践者のパネルディスカッション。
午後、興味深い話がいっぱい。
セクシュアルマイノリティである当事者の生い立ちや今困っていることなど、実際に聞いてみると重みが違いますね。
しかし、ずっと座りっぱなしでお尻が痛くなりました。。。
参加者が多いとはいえ、参加形式にもっと幅があっていいような。
人数の予測もつかないし、ファシリテーターがいないとまあ仕方が無いことなのかな?
「いま話したテーマについて、隣の方と3分交流してください」
といった方法を少しでも取り入れると一人で参加した人の満足度も上がると思うのですが…。
2日目は、模擬授業とテーマ別分科会
小・中・高・障がい児、児童養護施設の実践など18種。
私は高校生のデートDV模擬裁判の授業に参加しました。
デートDVは高校生にとって身近なテーマ。
女子校にて、卒業前の2時間をあてたそうです。
一般的な学校は、保健体育の少しの時間、卒業前の特別授業や一度きりの講演会などで性教育を行えるかどうか。
そんな状況であっても、性教育の必要性を感じ研究されている姿に頭が下がります。
テーマは、
「暴力のない安心で心地よい関係に向かって今を見つめる」
模擬裁判にて、有罪無罪ではなく、同意について考えます。
まず、デートDV、裁判員裁判について、性暴力の裁判の課題について説明がありました。
自己肯定感の低い子、性別役割にこだわる生徒は加害者、被害者になりやすいことがデータからわかっています。
高校生と大学生のカップル。
元々男の子が命令口調だったり携帯を見られたり、少々DVぎみ。
「デートの帰り、DVD貸すけどとりあえず家で見る?」
と家に招き、性交を強要。女の子は頭を打ち全治3ヶ月の怪我。
心配した親が警察に届けを出して、警察と病院が介入したために発覚し裁判を起こしたという内容です。
シナリオを読む。
裁判長、検察官、被告、証人、弁護士役を決め、読んだ上で、プリントの質問について交流。
- お友達からDVを受けているように思える相談が。どうする?
- 女の子が被害届を出し証人として出ることができたのはなぜか?
- この2人、お互いの合意があったのはどこからどこまで?
- 合意とはどういうことだと思いますか?
お友達から相談を受けたとき、講演会などではまずはひたすら聴いて受けとめること、信頼できる大人に伝えることが奨められています。
別れるようにすすめると、ますます孤立が深まってしまうようです。
被害届については、性被害は親告罪ということで、被害者が声をあげなければなかったことになってしまいます。
この授業のテーマは「合意とはどういうことか?」
積極的合意と消極的合意という言葉が出てきました。
「うん、いいよ」
という合意は、ニュアンスによって合意とは言えないのでは?という場合もあります。
この授業でも、相手にNOと言ったらまた何か言われそう、怖い!という理由から、彼氏に家に招かれた時に「DVDを見るだけならいいよ」と言ってしまいます。
裁判ではこのような消極的合意も合意とみなされてしまいます。
奥が深い!!
「お付き合いの中では、より生徒に『積極的合意』のある関係が作れるようになって欲しい」
という先生からのメッセージが心に残りました。
恋愛ってスバらしい!!!というメッセージが巷にあふれていますが、実際暴力と紙一重なんだな、と改めて感じました。
討論では、こういう加害者(主に男性)への教育をどうしていくべきか、
実際に被害を受けている生徒へこの授業をしていいのだろうか、という質問などが寄せられました。(こちらについては後述します)
まとめ
シナリオは、弁護士さん、大学の教授に助言を頂きながら作成されたそうです。
模擬裁判という難しいテーマにチャレンジする先生、これだけの授業に参加できる生徒がすごい。
また一つ勉強になりました。
性教育の研究会、ぜひ皆さんに知っていただけたらと思うトピックがいくつもありました。何回かに分けてご報告させて頂きますね。
興味のある方、報告号も出ますのでよかったらどうぞ。
ではまた☆