まなびと!

自らが学び続ける教師でありたい。振り返りの記録です。

[進路]進路多様校の生徒が考える、大学進学の動機、入試の方法は?

スポンサーリンク

以前書いた記事の続きです。

今回は、大学進学志望の生徒について書いてみたいと思います。

https---www.pakutaso.com-assets_c-2015-05-PPO_keioudaigakusyoumen-thumb-1000xauto-13497

大学志望の生徒が考えていること

とりあえずみんなが行くから大学

とりあえず…ですか…。

とは言え、自分も「大学には行くもんだ」と思っていたのであまり責められないですね。

あと、保護者の方が「大学くらいは卒業してもらいたい」と思っているケースも多いです。

やりたいことが決まらない(専門学校ほどには)ので、大学でやりたいことを見つけたい

専門学校に進学したいと思っている生徒は、

「看護師になりたい」

「保育士になりたい」

「美容師になりたい」

と、なりたい職業が明確です。

大学に進学したいと考える生徒は、

「この仕事に就きたい」

と考えている生徒はそれほど多くありません。

「大学でやりたいことを見つければいいじゃない」

では果たして、大学在学中に本当に見つかるものなのでしょうか?

以前、キャリア教育の講演を聞いた限りでは、大学1年次にやりたいことが決まらない生徒は、3年生になってもその割合は大して変わらないという調査結果が出ていたそうです。

消去法で経済学部

以前は、「大学も、高校みたいに普通科があればいいのに」という声を聞きました。

最近は、「経済」と答える生徒が多いです。

ただ、これも「理系は苦手だから」「芸術、体育系は向いてないから、食えないから」「文学、本読まないから」「英語苦手だから」「社会学とか、興味ないから」

という消去法が中心。

経済学でも、数学や統計を必要とする場合が多いと思うのですが…。ちなみに、理工学部を選ぶ生徒はほぼいません。

最低限、MARCH(または有名大学)は行きたいから塾に行っている。学部は問わない。

一般受験を選ぶ生徒もいます。多くは2年の3学期ごろから塾に通っています。

ただ、今まで受験学力がついていないので、毎日補習を受けたり、1学年下のクラスに入れられたりということがあるようです。

受験結果が思わしくなかったとしても、それだけ努力したことは後からついてくると励ますようにしています。

学校で受験学力のフォローが出来ないのが残念。。。

AO入試で受験するので、オープンキャンパスに参加している

最近流行りのAO入試。私が若い頃は、けん玉で大学に合格した人がいたような…。

大抵の大学はAO入試を実施しています。

入試時期は10月から。その後、公募推薦、一般入試と続きます。

最近はどのような入試形態でもオープンキャンパスに参加して、自分と合うかどうか確認するのが必須になっています。

保護者の方も参加してもらうよう声をかけることが多いです。

「お金を払う価値があるか」

スポンサーとしても気になるところでしょう。

AO入試は成績の基準が無く、エントリーシートの小論文や面接が中心です。

ハードルが上がると30分のプレゼンや、学力検査を課す大学もあるようです。

情報誌を見てみると、入試倍率が1.0倍前後の大学がかなりありました。

「早く決めたい」「入るのが簡単であるならばそれに越したことはない」

と考える生徒が多いように感じます。

公募推薦に値するほどの学習もせず、添削してもらったエントリーシートと面接だけで入学した先がかなり心配…。

と思っていたら、やはりAO入試で入学した学生の方が中退率が高いそうです。

   調査は全国744国公私立大学を対象に行われ、約89%にあたる659が回答した。その内容は2014年7月9日と10日の読売新聞に特集記事として掲載された。調査では、10年(医学部など6年生学部は08年)に入学した人のうち、14年3月までに退学した人の数を入試方法別に聞いた。その結果、一般入試(センター試験含む)入学者の退学率は5.9%だったのに対して、AO入試入学者の退学率は15.5%だった。(上記リンクより)

つらつら書いてみましたが、ネット上には検索すると様々な機関が高校生の進路や大学生の意識について調査した結果が沢山見つかるので確認されてはいかがでしょうか。リンクをいくつかあげておきます。

ベネッセの調査報告によると、親子の進路に対する考えは微妙に異なる。

主な調査結果は以下の通りとなります。

1.親は子どもよりも、受験は「学力を伸ばすよい機会だ」「成長を促すよい機会だ」と捉える傾向があるが、子どもは親よりも、「失敗し行先がなくなるのは怖い」「できるだけ楽に済ませたほうがよい」と考える傾向がある。

2.親は子どもよりも、「大学に入ったら勉学に力を入れてほしい」と回答した比率が高い。一方、子どもは親よりも、「大学に行けば社会で活躍するための実力がつく」「大学を卒業することが能力があることの証明になる」「周囲が大学へ行くなら大学へ行ったほうがよい」と考える傾向がある。

3.大学選択の際もっとも重視するのは、親子とも「専攻したい学問分野があること」だが、第2位以降は、親は「授業料が過度の負担にならないこと」「就職実績がよいこと」と続き、子どもは「入試の難易度が合っていること」「キャンパスの雰囲気がよいこと」と続く。

4.約7割の親が、「子どもが大学卒業後にすぐ就職できるかどうか心配だ」と回答。(上記リンクより)

こちらもベネッセの調査。リンク先はPDFになります。大学生が「楽な授業がいい」と考えるのは昔もそうだったような…。どうだろう?

4 年ぶりに、大学生の学習・生活実態を調査

「主体的な参加が必要な授業」は増えているが、学生は受け身。教員・保護者への依存傾向も強まる

「興味がなくても単位を楽に取れる授業がいい」は 55% (6 ポイント増加)

「保護者のアドバイスや意見に従うことが多い」は 46% (6 ポイント増加)(上記リンクより)

 中教審の資料。高校で学習時間少ない生徒は長期的に影響が出るそうです。

授業外学習時間の不足
z 高校 1 年では、生徒の 6 割が授業出席のほかはほとんど学習していない。1 時間以下を入れると 9 割。

3 年になると全く学習しない生徒は 4 割に減るが、1 時間程度を入れれば 5 割。

高校生の半分は、高校生活を通じてほとんど授業以外では学習していない。

z 高校 3 年では進路別に差がでる。就職者では 8 割が全く勉強していない。大学進学者でも 1 時間以下が 3 分の1.

他にも、ベネッセの研究所の資料など参考になりそうです。

ではまた☆