[書評]子どもたちの学び合う姿に感動!学びの共同体研究会に参加しました。
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最近、職場のトレンドが協同学習…!
どうすれば子ども達が学び合えるようになるのか、ということがテーマなので「学びの共同体授業研究会」に参加してきました。
学びの共同体とは?
学びの共同体は21世紀型の学校のヴィジョンであり、哲学であり、活動システムです。学びの共同体の学校改革は、学校を子どもたちが学び合う場所にするだけでなく、教師たちも専門家として学び育ち合う場所とし、親や市民も改革に参加し協力して学び合う学校づくりを推進しています。
その目的は、一人残らず子どもの学びの権利を実現し、一人残らず教師の専門家としての成長を保障し、大多数の親や市民が信頼し協力し合う学校を実現して、民主主義社会を準備することにあります。
佐藤学さんのブックレットを読むと、理解が深まると思います。
私が住んでいる市内の先生方の研究会で、今回は息子たちの通っている小学校の実践が紹介されるというのも参加した動機の一つ。
研究授業をビデオで録画して、
「教員がどううまく教えているか」
ではなく、
「子どもたちが何を学んでいるか」
を読み取るのが主な目的です。
我が社でもこのスタイルが定着しており、研究会ではあまり教員の指導に言及されることは少なくなりましたが…それもどうなんでしょうね?
小学校5年生の課題「古典を音読して、感じたことを交流してみよう」
先生が「古典とは、昔の人が書いた物語です」と簡単な説明をした後、黒板に大きく貼られたのは「竹取物語」の草書体!
もちろん子どもたちは、「いまは・・・むし?」
ほとんどの字がつながっていて解読不可能。
子どもにとっては暗号文か何かに見えるんでしょうね。
子どもたちは「解読してやる!」
と意気込んで読み方と意味を調べ始めました。
途中、漢字かな混じりの楷書体のプリントが配られ、やっと子どもたちは読み始めることができるようになりました。
しかし、どこで区切るのか意味がわからない言葉も多く、
「いとうつくしゅうていたり」
を、「この人伊藤さんっていうんだよ!」
「北海道の魚のイトウに例えている」などの珍回答が…。
でも、そういったお子さんの発言は支持されることがなく。
さぬき、三寸、よろずなどの言葉は概ね国語辞典に載っているものの、いとだけは糸くらいしか見つからず困っていたようです。
それでも教員が教材を与えただけで40分近く、ほとんどの生徒が飽きずに竹取物語の意味を調べ、音読を繰り返したのには驚きました。
小学校の高学年では古典を音読するという項目はあるものの、意味まで考えるということまではしないそうで…小学生を見くびりすぎ?
交流の中で出てきたこと、考えたことを。
教員がここまで待つのは難しい
ビデオを見ていてヒヤヒヤした教員もいたようで、私もその一人。
もし、「いとうつくし」が、「いとう」で解釈されたらどうしよう?!
子どもたちが間違える前に、正しいことを教えたい!
という気持ちになります。
子ども達の将来にとって良いのは、
教員がエサを運ぶみたいに正解を与えること?
チームでああでもないと交流しながら自分たちで調べて間違ってもいいから思考のプロセスを作っていくこと?
社会に出て役に立つのは、学生のうちに後者のような学びをすることが重要なのでは。
難易度高いけどね…。
中学校でやることがなくなる
と中学の国語の先生がおっしゃってました。
中学の教科書では楷書体の文章が載っていて、注釈に意味がばっちり載っているので、それを見ながら「1寸は3cm〜」と解説を加えるだけ。
小学校でこんなに学んでしまったら、今の中学校の授業はつまらないだろう、もっと中学校ではレベルの高い学びをしなければならないかもしれないとのこと。
教科書を使わない方が生徒が学ぶ?
教科書を使うかどうか問題はありますね。
- 生徒に魅力的な課題が教科書にない
- 与え方が適切でない
- 教科書は塾でやっている、予習している子もいる
ので、あえて教科書に載っていない課題を用意する先生もいるみたいです。
そうすると、皆がゼロの状態からスタートできる。
優れた課題が見つけるのはなかなか難しいので、教材研究で更に忙しくならないか心配です…。
国語辞典など、参照できるものを手元に
5年生の教室では、皆が国語辞典をふだんからとても使っているのがよくわかりました。
もし、生徒たちが教室で学び合うようにするためには、辞書や参考図書、インターネットにすぐアクセスできるような環境が必要になりそう。
高校では電子辞書を使っています。
一覧性を高めるなら、やはり紙の辞書でしょうなぁ…
まとめ
とても刺激的な研究会でした。
小学校の先生は数も多く仲間も作りやすいし、学校格差が高校ほどなく学んだことを実践しやすいのが羨ましいです。
どう自分の実践に生かすか、ただ参加して学んだ気にならないよう気をつけます。
共同学習・・・難しい・・・。
ではまた☆