まなびと!

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自らが学び続ける教師でありたい。振り返りの記録です。

[書評]あなたが成熟した教師かどうか判断できる「発達障害チェックシートできました」

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長男が幼いときに発達に心配があり、検査を受けてました。

結果を見て、どうしたらよいのか・・・と悩み、漁るようにして学習障害発達障害の本を買った時にポチッた一冊。

もっと詳しい内容を知りたい方はこちら。

>>『発達障害チェックシート できました』をやってみました 目次

仕事にも活かせそうと再度目を通してみたら、「目からウロコの連続」。

読んでいてときめきの動悸?!が止まらなかった~!!!

自分の「発達障害観」が一気に突き崩されました。

主な内容は、

1)生徒が自分のことをよく知り、長所が認識でき、教員が生徒のことを良く知り、ちょっとした支援が出来るシート(悪いところ探しではない)

2)シートを作るために執筆者達がたどった製作背景。

3)理論的背景の解説

の3部で構成されていて、特に3部が秀逸!でした。

この題名では全然その良さが伝わらない気がして残念。

本当にたくさんの教師、保護者に読んでもらいたい本。

【この本のいいところ】

なぜこの本をすすめるのか、ご紹介します。

高校生の養護教諭がチームで書いたところ

発達障害の本を読むと、大抵「早期発見が大事、小学校中学年で発見では遅すぎる」と書かれています。あったとしても二次障害関係が多いような。

では発見されず今まで来てしまった目の前の生徒達をどうしたらいいのか正直悩んでいました。

この本は、定時制高校に勤務する養護教諭が生徒を見つつ、話し合いながら親の会などにも協力してもらって作成したもの。

うちの高校でもあるある!と思うようなことが多く載っており、悩みは私だけではなかった・・・と、かなり安心しました。

理論的背景の解説が本当に秀逸!

アスペルガーの小学生の子を持つ友人からメールが来たという設定で「学校におけるこのような問題に保護者がどんな考えを持ち対応したらいいのか」ということを

読みやすく解説されています。

本当に養護教諭の方がここまで書かれたの?!と思っていたら、お子さんがアスペルガーで、10年近く「障害学」を学んで来られたそうです。

というか「障害学」初めて知りました。

巻末のオススメ本、全く読んだことのない本ばかりだったので、参考にしてみたいと思います。

以下、個人的な想い。

+++++

この本、本当に「学校の、あるある!!!」が詰まってました。

養護教諭の悩み、教員が発達障害の生徒に対してネガティブに接するところや、言動など・・・。

それくらい、指導上困難な生徒は教師にとって「大変なストレス」なのです。

小学校、中学校なら発達障害の子が混じっていても当たり前。

でも、高校の教員は、「うちは義務教育じゃないんだから、高校なんだから」という思いがある人は多いように感じます。

教員自体、「ほどほどに勉強ができて」「成績上位者が集まる高校生活しか経験していない」ので、学習や、社会性に困難を抱える生徒にどう対応したらよいのか分かりません。

入試でも、生徒の合否をめぐって、「ここは高校なのに、なぜ足し引き算でつまずく生徒を入れなければならないのか」という議論が毎年起こります。

中学校との推薦相談の際も、「この子は発達障害がある」と言われた時点で「うちには発達障害の子を受け入れられる準備が整っていないので難しい」と入ってもケアできない旨を伝えることも。

(それならと、隠して受験させ入ってくる生徒も数知れず・・・)

私立学校は上位校でなければ所詮「公立高校の滑り止め」。

不況の昨今、「クラスで私立学校第一志望は1人しかいない」ような状況。

経済的に厳しい子ども達が多く、安全圏の公立高校を皆が目指すために、成績下位者が必然的に押し出されて滑り止めの私立学校に入学してきます。

そのため、私立学校の二極化が進んでいるように感じます。

私立学校は競争力のあるブランドが無ければ、さまざまな課題を抱える生徒を受け止める役割を果たしていくことになります。

私も「困った生徒」の指導には困難さを抱え、目の前の生徒からできれば逃げたいと思っていました。恥ずかしい。

でも、この本は「困っている生徒」が数多くいると気づかせてくれました。(遅っ!)

文科省作成の児童生徒理解に関するチェックシートでは、教員からのネガティブなチェックのみが入ると言うことで、もっと生徒が自分の短所よりも長所を理解するために作成し始めたチェックシート。

>>群馬県 - 特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関するチェックリスト

本を購入すると、メールでデータがいただけるというのでブログの感想も添えてメールしたら、著者の方から早速連絡いただきました♪

さて、題名の通り、本を通じて「教員の成熟度がわかった」お話です。

この本の理論編は学校の対応に悩む友人からのメールに対応する形で書かれており、こんなエピソードがありました。

生徒に「きらい」と言われたら・・・

クメ先生は副担任です。そのクラスに発達障害の傾向があって、人間関係でトラブルを起こすことの多いメイくんがいます

日ごろから先生は彼に社会性を身につけさせようと、よく叱っています。

ある日クラス全員が揃っている教室の中でそのメイくんに「先生、きらい!」ときつい口調で言われました。

クメ先生は、その場で彼を廊下に連れ出し、大声で叱りました。もし、先生がクメ先生ならどうしますか?

これ、よくありそうなシチュエーションですよね。もちろん高校でもありますよ。

20人の教員に、

①その時の気持ち ②その場での対応 ③その真意

を聞き取ったそうです。

皆さんならどうしますか?よかったら考えてみてください。

その結果、回答者の気持ちが誰に向かっているのかで分類しました。

  • 自己着目(自分だったら・・・の気持ち、「ショック」「むかつく」)のうち、 

①育成群「怒りの指導」 自己の感情のストレートな表現「それで社会に通用すると思うか!」「怒鳴り返す」 

②不明確群「怒りと悲しみ」 自分の気持ちを表現することでアサーティブに。「そんな風に言われてショック」「傷つくなぁ」

  • 他者着目(クメ先生の気持ち、「一時的な感情では?」「熱い思いは分かるが・・・」) 

③不明確群「感情理解重視」生徒の言葉をまずは受け入れ、生徒とじっくり話し合う。答える前に、「学校での普段の様子は?」などと教育相談歴が長く、個人的にもカウンセリング歴が長い。 

④育成群「社会性育成重視」この出来事を多方面から考察する。先生の目的を確認し、先生の気持ちを考察する。養護教諭、長年の教育相談や生徒指導の経験者

もし皆さんのお子さんがこのような状況になったとしたら、どのタイプの先生に指導してもらいたいですか?

私は③、④です。本でもそのように書かれていました。

が、、、、、20人中一番多いのは①、しかも特別支援の先生も何人か。

③、④の対応を取ると言ったのは20人中6人しかいませんでした。

ちなみに・・・本当に、、、大変恥ずかしいのですが、私は10年前なら間違いなく①。今なら②です。

いや、本読んだ日から変わってますけど。ひえー。

私はこれを教員の成熟度と見ましたが、単なる違いと見る人もいるでしょう。

「①②」群と、「③④」群が理解しあうのは無理なのか?という結びがありました。

「①②」群と、「③④」群が理解しあうのは無理なのか?

このケースにおいて、「発達障害」という情報を考慮に入れて解答したのは養護教諭1名のみだったそうです。

特別支援学校に勤務する教員ですら、

発達障害ってことがこの事例に関係あるの?発達障害であろうとなかろうと、教えることは同じじゃない?」

と答えている。

しかし、発達障害の人は状況理解や表現方法が「一般的」でないからこそ、発達障害と認知される。

発達障害の生徒はいわば「異邦人」であり、その彼らに出会うことは「異文化接触」を経験することと同義なのではないか。

通常、人は自らの経験則によって他者に対峙している。

よほど意識的に「異文化の存在」を認知していない限り、自文化に存在する「文脈」で、他者の言動を推し量ろうとする。

それがトラブル発生の原因であることは多い。

よって、①②群は

「学校と言う文化に属する以上、発達障害であろうとなかろうとその文化を受け入れるべき」

と考え、③④群は

「生徒は多かれ少なかれ、異なる文化を生きており、発達障害もそのひとつに過ぎない」

と考えている。

それぞれが正論である以上、ぶつかれば論争になることは免れない。

その結果、どちらも「理解されなかった」という気持ちが大きくなり、「怒り」の感情だけが増幅される。

そうならないためには、「論争」「正論」という言葉のメタファー「戦争」という物語を進行させないために、「相談」するのも手。

お互いの思いを満たすような「知恵」を出し合う中では「戦い」という物語は生まれにくい。

上野千鶴子は、「かしこさ」を「他人に対する想像力」と定義した上で、「かしこくない人とかしこい人がケンカをするとどうなるか」という想定をし、「相手の立場を思いやって、それもわかる、と言っているほう」が、「相手を理解」せず、「情け容赦ない攻撃を仕掛けてくる方」に負けるのは当然であり、「かしこい人がケンカに勝つには、かしこくない相手に同じくらいかしこくなってもらうのを辛抱強く待つか、もしくは力で負けて理で勝つ」しかないとしている。

この場合、③④群が①②群に負ける結果になってしまう。だからこそ戦いの土俵に上がってはならない。

心配なお子さんを持つ方は、指導される先生が①②タイプか、③④タイプなのかよく見ておいたほうがいいかもしれませんね。

 この本、他にも頭を殴られたような箇所はたくさんあって、

障害とは、本質的なものではなく、社会が構成したもの

社会的な構造障害におかれている人が「障害者」となっている。

学校ではKYな生徒を「同化には統合で、異化には排除で応じる」となっている。

発達障害の生徒は「同化させる」ことが目的で、「平等に応じる」「特別扱いはよくない」と特別な配慮が無く放置されることが多い。

「特別な支援」と「特別扱い」の違いって・・・?

学校の先生から、「おかあさん、「特別扱い」は学校ではできないので、できることを目標にせず、できないところはあきらめて、無理の無いようにやって行きましょう」と言われた。

普段仲のいいおかあさんが、リレーで自分の子が発達障害の子どもと一緒に走ることに。「出してくれなくていいのに」と他のお母さんと話しているのが聞こえてきた。このおかあさんは本当に差別的な人なのか?

SSTの授業を見たら、KYな行動をする生徒を他の生徒が手助けするような授業となっており、手助けして、教員の進行にプラスになるような生徒しか評価されなかった。

「常識」のストーリーに乗れない子ども達は評価の対象外なのか、それでいいのか?

学校で大切なのは「勉強?人間関係?」この認識が教員と子どもでずれてしまうとどうなるのか?

まとめ

ちなみに、ダンナ(同業者)いわく、「オレはずっと③」だったそうです。

仕事を一緒にしていたので知ってました。

私、知れば知るほどこの仕事向いてないなぁ~。

と少々落ち込みつつ、定年直前に分かるよりはいいだろう、ということで学びを続けることにします。

↑このあたり、一つでも「気になる」テーマがあれば、ご一読をオススメしますよ!!!!!

ではまた☆