[書評]あなたはどうやって学校を変えていく?「思いのない学校、思いだけの学校、思いを実現する学校」
教育研究家、学校マネジメントコンサルタントの妹尾昌俊さんの待望の新刊!
はてなブログも更新中!
アマゾンでは9月26日発売となっていますが、出版社では取り扱いを開始しています。
この本は、一昨年出版されてアマゾンの学校運営分野でもベストセラーになっている「変わる学校、変わらない学校」の実践編です。
気がついたら、付箋がこんなにたくさんついていました。
すばらしいアイディアも読んだり聞いたり、書いたりするだけではだめだ。
本を読んだだけで、満足してはいけない。
学校づくりに実践的なヒントを提供し1つの行動に移せるよう、力強く動機づける本でありたい。
と、著者のこの本にかける強い想いが感じられました。
今回の記事では、付箋を貼ったところを中心に、
- この本の一番のおすすめポイント
- あなたはどのタイプ?
- 私が取るべきアクションは?
についてご紹介します。
この本の一番のおすすめポイント
この本のおすすめポイントは、
大きく分けて5つの
「あるあるケーススタディ」
が載っているところでしょうか。
例えば、
- 小規模校で子供の生きる力を高めるには
- 学校経営計画の憂鬱
- マネジメント好きなのに
- 教職員は面従腹背?
- 点数を上げればええんか?
主に、管理職がやってしまいがちなビジョンと実行のギャップについてケーススタディーで解説してくれています。
目指す学校の姿が「ありきたりな言葉」で語られていないか?
分かり切っていることをふんだんに専門用語や業界用語で煙にまくような計画になっていないか?
学校経営計画を立てる時期が時期は忙しい年度末になってしまいがちだが、その時期を冬休み中にずらすことはできないか?
校長が掲げた目標の納得感を「高める」にはどうしたら良いか。
よく、企業は数値目標を立てやすくてだといわれるが、うまくいっている民間企業は数値目標を立てて終わりにしていない。(民間企業じゃないから…なんて言い訳は通用しませんよ!)
PDCAと言う考え方は古い? OODAと言う考え方を知っていますか?
普通の方法では、評価にも教員それぞれに流派みたいなものがある。しかし、うまくいっている学校では受験対策だけではなく、その先を見ている。例えば英語なら英語教員間でどの程度対話できているか。先生たちがバラバラではない。英語教育の本質は何かを話し合い、追求している学校は違う。
その教科教育の本質は何か?どのような力を伸ばしたいのか?という掘り下げた議論ははどれほど起きているだろうか。
生徒たちへアクティブラーニングを進めるとともに、教職員の間でのアクティブラーニングが行われている学校はどれだけあるのか?
私が主に付箋を付けたところを引っ張ってきていますが…
気になりませんか?
実際の例を出されており、読んでおいて損はありません!!!
あなたはどのタイプ?
学校の「実行力」を高めるために必要なこととして、3つのヒントを与えてくれました。
- 当事者意識を高めること
- 予め先例から学んでおくこと
- 同志、仲間とともに小さな成功を見せること
これらを逆の立場に置き換えると、
- 他人事、評論家気分である
- 先例を知らないし、他の事例から学ぼうとしない。参考にならないとハナから決めてかかっている
- 反対したり愚痴を言い合ったりする同僚はいるが、建設的な話ができる仲間はいない
耳が痛い!痛すぎます。
周囲にも、民間企業の教育サービスを「儲け主義」「悪」と決めつけて話も聞こうとしない人がいますね…。
そんな人たちを笑うことはできません。
私もついつい、愚痴を言うことがあります。
自分ごとにできていない証拠なのかな…。
仲間と共に、小さな成功を積み上げていくことを目標にしたいです。
私が取るべきアクションは?
校内で3人仲間がいれば、学校は変えられる(もちろん、規模によるでしょうが…)という励ましを頼りにしていきたいと思っています。
とはいえ、管理職でもないわけで…
これから新しいカリキュラムを作っていく上で、
「なぜこの力を生徒につけたいのか?」
「生徒に問題解決力をつけるために必要な授業とはどういうものか?」
といった問いを、教科や委員会で粘り強く語っていくしかないかなと感じています。
その際に、
「自分はこんなに理解しているのに、なんで分かってくれないの?」
という態度ではなく、
「より良い解決策を考えるために、あなたの話を聞かせて!」
というスタンスを忘れないようにしたいです。
みんなの知恵を活かすことがアクティブラーニングにつながります。
自分の意見を押し付けたらダメよね!
まとめ
最近は、一人で頑張ればなんとかなる、なんとかなったという実践本や講話に接することはあまりないですね。
再現性があって、みんなで問題解決に取り組めるような本が求められているような気がします。
変わる学校、変わらない学校の続編は3まで出版される予定。
ぜひ、楽しみにして待ちたいと思います。
それまでに職場で妹尾さん呼びたい〜。
学校改革の例として載るくらいの実践ができると更にいいんだけどなぁ…。
学校マネジメントについて考え始めた先生方におすすめの一冊!
このケーススタディを、職場の仲間と取り組めば更にアクションに結びつくでしょう。
「先生が忙しすぎる」をあきめない、の読書記録も書いていますよ♪
ではまた☆
[教員研修]「FInd! アクティブラーナー」で気軽に授業研究!勤務校の条件に合う動画はどれだろう?
「学内研修用に授業撮影をしたいんだけど、先生方が撮らせてくれなくて。しかも、こちらが撮影する手間も意外とかかるわぁ…」
「他校の授業映像を見ても学べるものなのかな?」
今年度研修委員になりまして、どうすれば先生方が無理なく楽しく学べるか考え中です。
そのためのツールを探した結果、
「Find!アクティブラーナー」という授業研究動画サービスを利用すればいいのでは?
と考えていたところ、
この夏『学び合い』フォーラムに参加した同僚が私より先にすすめてくれました。(GJ!!!)
「研修のために授業撮影の必要がなく、気軽に研修が開けるのはありがたい!」
と他の研修委員も乗り気に。
教員に呼びかけていきなり見せるのではなく、まずは研修委員で試しに視聴することになりました。
研修委員の中で、
「では、どんな動画ならよいか」
というテーマで交流し、決まった条件がこちら。
- 高校段階であるが、どうやら高校は進学校ばかりのようなので(笑)、中学校段階が良いのではないか
- 職場にはICTが整っていないので、「タブレット云々を使った授業」は今回はパス
- 「英語だけの授業」も、職場ではできていないし英語科の教員だけではないのでパス
これらの条件を満たし、かつ『学び合い』フォーラムでパネリストとして参加されていた、
を研修委員で視聴することにしました。
事前に、全部で50分以上ある動画の中からどの動画を見るか私がチョイスすることになりましたので、映像の内容紹介を作りました。
授業見学 先生編 1/4 4分28秒
子どもたちは有能。数学を通して、良い集団を作る。
結果として、数学の力もついた。明らかに数学の力も高い。
生徒「もっとみんなで教えあって、学び合えるようになる」
簡単なインストラクション
先生「解説できることを『わかる』といいます。できた人は黒板に名前を書くこと。」
生徒は自由に集団を作り、交流している状態。
先生「あの解説が分かる子もいるし、役に立たない子もいる」
授業見学 先生編 2/4 4分51秒
課題「全員が〜する」と黒板に書いてある。
先生ノートに、答えと解説が書いてある。先生ノートが役に立つ子も役に立たない子もいる。
全員に、「聞いて!これだけどな〜」と説明すると時間泥棒になる。
子どもが活動する時間を最大限にしたい。
聞いただけで「わかった、ありがとうな」と言うことは本当にわかったことではない。
黒板に、できた人から名前を書いていく。理解したけど説明できないは赤、できるは青。
赤と青の間は黄色で。黄色は青のところに行って教えてもらうようにする。
集団を見ていて、誰かを見捨てる集団にはしたくない。
今日の課題クリアーした。じゃあ、塾のワークするかという時間にはしたくない。
どこで躓いているの?ということに気づける集団にしたい。
わからない子は、助けてくれというサインを出せる子にしたい。
目標を達成するために、どんな行動をすればいいのか考えなさいと言っている。
授業見学 先生編 3/4 4分41秒
授業の工夫は、難易度ですね。できた人が10分前にできてその後の時間さあどうするとなる。
二週間先の授業準備をしているが、印刷は前日。
クレームは一度も来ていない。
「先生は授業中教えてくれない。何か書いている」と家では言っている。
でも、「数学楽しい、数学分かってきた」となっている。
集団を作るということに一番力を注いでいる。
僕は何を評価するのかということを生徒に言っている。
Excelのシートを見せて、「先生はこれで評価するから頑張れ」と言っている。
ノート点は、授業中に集中していなくても書ける。ノートは見ないし、理解したかしていないかで評価している。
2週間に1度は確認テストをしている。
そのテストで完全に修正する。間違った理解をし続けないための修正。
実際に修正を行ったことはない。受験があるから数学をする、にはしたくない。
数学を通して集団を作る、で数学の力がついた、にしたい。
授業見学 先生編 4/4 3分12秒
『学び合い』の実践にいちばん大切なこと
振り返りシートには、達成、誰に力を借りた、誰に力を貸したかどうかを書いてもらっている。
いつも同じ人の名前が出ていないか、男女に偏りがないか可視化する。
「4組らしい授業はどういう授業かというと…」
「わかったつもりにならないように…」
大学生が見学に来たときに、初年度から『学び合い』をすると言われたらに危機感を感じる。
軸があることが大事で、自分の授業を全く真似してもうまくいかないだろう。
授業見学「最後のひとりまで大切にする集団に」生徒編 1/3 4分45秒
物言わぬ多数が動き出すと文化ができる。教室の中に数学の授業という文化ができる。
友達に聞いてわからなかったら他の友だちに聞く。説明して分かってくれると達成感がある。
自分にとって一番わかりやすい方法を選んでください。 (生徒の様子)
授業見学 生徒編「最後のひとりまで大切にする集団に」生徒編 2/3 3分40秒
中学生の女子は、グループを作りたがるが、語りで見捨てるなといっている。
数学では、「この子できてるかな」とグループ外に声をかける生徒が多くいる。 (生徒の様子)
授業見学 生徒編「最後のひとりまで大切にする集団に」生徒編 3/3 5分16秒
「わからないから黒板に名前を書かれない」と言えるクラスが好きやな、と言っている。
職員室で困ったときに、
「あの女性の先生に聞くくらいならやらないほうがマシ」
とはならないはず。性別の壁を超えたい。
(生徒の様子)
授業を振り返って…普段通りしているつもりだが、疲れましたね。
集団を作るための考え方1/4 4分24秒
子どもたちは意外とできるので、良い集団づくりを授業を通じて作りたい。
他者と折り合いをつけながら作っていく。
二次方程式第一回目
始めた経緯について。
色々取り組んで悩んでいた。
なんとかできずに卒業していった生徒はいる。
黒板に、できた人から名前を書いていく。理解したけど説明できないは赤、できるは青。
共感できる部分が多かった。
本だけで実践をするということが珍しいらしい。
集団を作るための考え方2/4 3分29秒
先生が意識しているポイントは…子どもたちは有能である。
一人ひとりは有能ではないかもしれないが、集団になると違ってくる。
任せると、思った以上の結果が出てくる。
ミスしている生徒を見ても何もしなかった。最終的には、生徒同士で修正することができた。
教師の限界を認めるべきである。
教師だけで、あれだけ生徒に脳みそに汗をかかせることができるか?というとできないだろう。
授業プリントの仕掛けもしていたのだけれど、一斉授業の限界を感じるべきかな、アクティブラーニングやってみようかなというきっかけになる。
学校はなんのためにあるのか?
子どもたちが自分たちの課題を他者と折り合いをつけながら解決をしていく。
そこで社会性を学ぶというのもできる。学校はなんのためにあるのかを考えること。
やってみたい人には、自問自答したらいいと思う。
集団を作るための考え方3/4 4分48秒
次の授業のプリントがある。答えをいつでも見ていい。
先を見たら、解けるようになるかもしれない。
他の教科に、『学び合い』でしないの?と聞かれることもあるらしい。
成績面で結果が出ている。
同世代だけでなく、異年齢の集団で環境を作るようにしたい。
社会に出て、同年齢で仕事することってないので。
尊敬できる後輩がいるということに気づかせたい。
アクティブラーニングなら実現可能ではないか。
集団を作るための考え方4/4 5分30秒
自分の説明で分かる子は大部分かも知れないが、わからない子もいる。
ワークを赤ペンで書いて出せばAですよね!
ということにはしたくなかった。
「ここがつまづいていたのか」
と言える関係を作れるようにしたい。
このインタビューで話したことを生徒にも言っています。
それを聞いて、2割が動けるようになれば6割にも伝わっていく。
ノートは集めたことがない。
裏表を作らないということを生徒が分かってくれる。
教師の仕事がもっと好きになった。自信を持って言える。
迷っている人がいたら、毎時間年間を通してはムリかもしれないけれど、週1回からでもやってみて欲しい。
受験だけが目標なら始めない。
どの社会に出ても通用する力をつけていきたい。
今の生徒が社会にでるときには多くの仕事が失われたりする。
そんな社会を生き抜くためには良い集団を作るようにしていきたい。
受験だけに目を向けると良くないのかな。
自分の仕事が子どもの人生に関わっていることを考えるとこのままで本当にいいのかということが疑問だった。
みんなに幸せになって欲しい。
まとめ
ひと通り見てみて、授業見学<先生編><生徒編>の2つの動画を紹介することにしました。
この2つのシリーズで35分程度です。
1時間のうち、残り時間を研修委員でざっくばらんに交流します。
職場の研修委員で視聴した感想をまたご紹介しますね!
職員研修に悩んでいる先生方、FInd! アクティブラーナーの活用はいかがですか?
中の人に話を聞いた記事もあります〜。
ではまた☆
[家庭科]主体的に学んだ!と言える家庭科とは?教科内で交流してみました。
夏休みに職場内で研修会があり、各教科内で交流する機会がありました。
多くの学校では家庭科の教員は1人で仕事をしている場合が多いと思いますが…
勤務先では専任、非常勤講師を含めて6名という大所帯!
打ち合わせの時間を取るのがなかなか大変ですが、お互いの意見を聞いたり、他校で勤務している先生方から様子を伺うことで良い刺激を頂いています。
「生徒が主体的に学んだと言えるためにはどうしたらよいか」
を中心に交流してみました。
「主体的に学ぶ」とは?
・授業外で学びたいと思うこと
・授業外で「食品の内容表示を見るようになりました」と言った行動変容があること
・学ぶことは変わること
・自分のこととして捉えること
・授業内でなくてもいい
授業で、家庭科を主体的に学んでいる状態とは?
・授業で発言しなくても、頭の中で考えていることがあるのではないか
・よく発言しても、テストができない子もいる、上記のような生徒の評価が難しい
・興味を持つということかも
・加齢すると、いろいろな事象が繋がってくることがある、高校生に実感させるのは若いからムリもあるのかな?
家庭科が持っている課題
・抽象的な内容になかなかたどり着かない
・小学校、中学校ですでに学んだことを高校でもレベルが同じことを授業でやっている感じで、日本史の授業を小中高でやっているのと変わらないのが残念。
・小学校の教科書と今やっていることが変わらないかも。
・高校生にもクレジットカードを持たせるくらいでないと、自分ごとの課題にならない
・深まるところを諦めている自分
・評価を変えていけばいいのかな?
・今のままだと、他のテストができる生徒が家庭科のテストもできるようになっているのではないか?
・評価を変えたい、でも1クラスの生徒が多すぎて個別に課題を課すことが難しい。
・県立高校では観点別にしなければならない。先生はめんどくさいと思っている。5なら全部Aにしたり、実習についてまとめたら技能にするとか、このプリントが興味、と分けている。テストに「興味関心」「知識理解」と分けなければならないらしい。
・道徳にならない家庭科、社会的、科学的な家庭科を。例)結婚について、世界的な比較や歴史的な現代の立ち位置など
自分が主体的に学んだ!と思えるときは?
・興味、関心のあることを学んだ時
・もっと学びたい!と思った時
・点と点が結ばれたとき
・義務になると学ぶ気が全く失せる(研究会の発表が「やるべきだ」などと押し付け合いになるような時)
・べきにならない学び
・家庭科の教科書が面白いと思ったのは去年。高校生の時はなかなかそこまで思えなかった(TAで入っている先生の話)
まとめ
どの教科も、生徒が主役。
生徒が学びたいと思うためには、こちらが教科の楽しさを知っていなければなりませんね。
「先生が楽しそう」
というだけでもその気持ちが伝わって、興味を持ってくれることもありますし…
そんな風に、楽しく授業ができているかしら。
今日もまた、日直日誌には
「うるさかった」
と書かれているかもしれませんが。
授業の様子を書く日誌を辞めたほうがいいのかもしれません。
(ちょっと別の話になってきたのでまた記事書きますね)
小学校の家庭科の教科書止まりでいいんじゃないか〜と思うくらい、最近の教科書は良く出来てるよね。
家庭科関連の記事もよかったらどうぞ。
ではまた☆
[書評]2017年夏に読んで良かったおすすめ本!教育・ビジネス書・雑誌など12選♪
夏休み、終わっちゃいましたね〜〜〜。
この期間は定時に帰宅できるのと、長野に旅行した際にカバンに本をしこたま詰め込んでいきました。
この本と同じくらい、マンガもDMMコミックレンタルで借りて読んじゃいました。
子どもがハマってアニメを見ている「僕のヒーローアカデミア」や、発達性ディスレクシアで手品の才能を持つ男の子が主人公の「ファンタジウム」など。
今回の記事では、教育書、ビジネス書、雑誌などをご紹介しておきますね。
いわゆる教育書・教育雑誌
図書室に入れてもらった本を中心に、休み中ガンガン読みました。
本を読み、新しい考えに触れられたり、言葉の意味を捉えなおしたりするのにこの休みを利用させてもらいました。
「世界最高の学級経営」は、日本の教員が意識して取り組んでいることが多く載っていたような気がします。
『学び合い』×ファシリテーションで主体的・対話的な子どもを育てる!
対話のないクラスは、『学び合い』がうまく機能しません。
しかし、対話は自然発生しないのです。
だから、ファシリテーション技術が必要なのです。と帯にある通り。
上手なインストラクションのコツを見て、伝わりにくいインストラクションをやってしまっているなと反省。
『学び合い』は考え方なので、進め方に「絶対」はない。
授業の目的にあった方法を生徒が選んでくれると良いのだけれども、なかなか叶わない状態が。
生徒が安心して授業に取り組めるようなペアワークやホワイトボードを使った可視化などから始めて安心感のある教室が作れたらと思う。
世界最高の学級経営 the FIRST DAYS OF SCHOOL ―How to be an effective teacher
全世界で400万部売り上げたという教育界世界No.1!と帯に書いてありました。
成果をあげる教員は学級経営が素晴らしい、子どもの学びと熟達のために授業を行うことを心得ている、子供の成功に対して前向きな期待を持っているのだそう。
成果をあげる教師は最初の1週間でクラスをまとめる。一貫性が生まれるよう学級経営をしている。
問題行動のあった生徒には、問題について考え、原因を確認し今後の行動計画させ、署名をすることで責任を明確にする…できるのか?
成功をおさめている企業の例が多め。
教育は企業より遅れてるのかもしれません。
「みんなの学校」流・自ら学ぶ子の育て方: 大人がいつも子どもに寄り添い、子どもに学ぶ! (教育単行本)
映画「みんなの学校」大阪の大空小学校の実践から、自ら学ぶ子の育て方とは。
大空小に通う子どもたちが多様な国際社会で存分に力を発揮できる人になるためにつけたい力は大きく分けて4つ。
「人を大切にする力」「自分の考えを持つ力」「自分を表現する力」「チャレンジする力」
これらを高めるためには、子どもの置かれた環境がまぜこぜで想定外である方がより生きて働く力となる。
そのためには子どもの姿を見てしっかり学ぶことが大事。
しかし、現実には多くの子どもたちが教室から排除されたまま授業が行われていく。
教師が一人で解決しないこと。
月刊学校教育相談 2017年 08 月号 [雑誌]
今月号の特集は授業やワークでの振り返りについて。
岩瀬直樹先生の振り返りジャーナルの記事あり。
コンパクトだったので職場で紹介してもいいかなと思いました。
また茨城県の取り組みでは振り返りにR80と言うツールを考案。
ALの最後に振り返として、ペアやグループで話し合ったことを再構築して80以内で書く。
その際必ず二文で書くこと。
用紙をpdfでダウンロードできるそう。
↓いま、探してみました。発見!こちらの「電子データ」からダウンロードできるようです。要チェックですよ!
ほか、選択理論で欠席率や保健室利用が減った話、保護者面談で教室を利用しない方が良い理由、合理的配慮にパソコンは必須なのか?など。
実践障害児教育 2017年 09 月号 [雑誌]
なぜか楽天マガジン(月額380円)の読み放題に入ってた。
なぜかジャンルは家事・インテリア?!
特集は「自閉症スペクトラムの困り感と感覚」当事者インタビューが載ってます。
他者とのコミュニケーションが苦手なASDにSSTを行うことへの懐疑的な意見も参考になった。
こういう雑誌を読み放題にすることで、一般の方へも特別支援の現場への理解が深まるかもしれない。
読み放題に教育雑誌が増えないかな?と思ったけど大手の学研が出版してるのね。
他の出版社はムリかしら?
ビジネス書
ビジネス書は、池上彰、佐藤優両氏の知的生産術がヒットでした。
別に記事も書いたほど!
「平均思考は捨てなさい」は、米軍のパイロットのコックピットに不具合があり、改善するために何千人のパイロットの100箇所以上の部位を測り、平均値を出しました。
その値に収まる人が多くいるだろうと考えたけれども…実際にすべての平均値に収まる人はだれもいなかったそうです。
平均思考は工業製品を効率よく作る時代に考えられたもので、我々が平均点や偏差値にこだわることに意味があるものなのか考えさせられました。
私達も、子どもたちも「効率の良い工業製品」ではありませんよね?
また、池上彰さんの本を読むと、世界の宗教や経済を変えたのは「書物」なんだなぁと思い知らされます。
平均思考は捨てなさい
この本が言いたいことは、「平均的な人間は誰もいない」ということ。
これからは個人をシステムに合わせるのではなく、システムを個人に合わせることが大切。
20世紀のアメリカの教育はテイラー主義にならい、平均的な生徒を対象にした標準化された教育を提供すべきで、優れた人材を育てる場所ではなくなった。
平均を下回る生徒は見下されて制約を受ける。
みんなと同じことでみんなより秀でる意味は?
これからの教育は、ディプロマでなく資格証明書、成績ではなくコンピテンシーが重要になってくるはず。日本の教育はいつ変われるのかなぁ…。
僕らが毎日やっている最強の読み方 新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける70の極意
ジャーナリストと作家、お二人の情報収集の方法。
まずは新聞!ネットのニュースも一次情報のソースは新聞であることが多い。
ネットの情報は自分の興味あるものしか「見ない」ので極力触れる時間を減らす。
「ネットは読む」とは言わないのでやはり密度が薄いとのこと。
確かに、「ネットサーフィン」「ネットを見る」って言うわ。
仕事で必要な情報は書籍で。原典にあたることが大事。
つい咀嚼された教育書ばかり読んでしまい、訳本は読みづらくて敬遠してしまうのを反省。
教養は教科書や参考書、スタディサプリも使う佐藤さん。
最近の教科書はオールカラーでかなり表現など噛み砕いて分かりやすくなっているので、佐藤さんの勉強法は大人でもアリだと思います!!!
池上さんの「テレビは出るもので見るものではない」さすが!これはマネできません…。
世界を変えた10冊の本
以前読んだ池上彰さんの本が良かったのでこちらも読んでみました。
アンネの日記や沈黙の春は読んだことがあるものの、聖書やコーラン、資本論、資本主義と自由など全く手を出してない本が世界にどのような影響を与えたのかがよく分かりました。
そういえば月経を「アンネの日」って言ってたよな(年齢がバレる…)とか、今の新自由主義はこの本が主張していたことで、出版当時は非常識な考え方だったとか、キリスト教のプロテスタティズムが今の資本主義につながったのかなど、改めて本の凄さを再認識しました。
池上さんのおとなの教養の参考書籍ともかぶってました。
おとなの教養 私たちはどこから来て、どこへ行くのか? (NHK出版新書)
読みやすい。
するすると頭に入ってくるのがすごい!現代のリベラルアーツを池上さんなりに7項目に分けて歴史的背景などを簡潔に説明しながら「私たち人間を知る」手助けをしてくださいます。
キリスト教もイスラム教ももとは一つの宗教だったのか!とか、周囲の自然環境に合わせた不可思議な現象を神と思ったなど「へ〜」がいっぱいでした。
ブッダのシャカ族のところで聖☆おにいさんの「シャカ族はもう滅んでますよ〜」のギャグを思い出して吹いちゃった。勉強が苦手な高校生でも読めそうなのでぜひすすめたい。
性教育・ジェンダー
安冨歩さんの本は、他にも読んでみたいです。
男性装と女性装のときの差がすごい!
なぜ、安冨さんが男性装のときはひげもじゃだったのか、理由もめっちゃ意外でした。
みんな、こんな風にしなやかに生きていけるといいのになぁ。
ありのままの私
ネットでよく記事を見かけるので本も読んでみた。
自分の体型に合う服を探したら女物で、弱い皮膚にもやさしい肌触り。
女性装が本人にはフィットしたとのこと。
男性装の時は全く声がかからなかったマスコミから声をかけられてテレビに出ることも多くなったが…しっかり理解した上で取り上げてくれたマスコミは少ない。
読んでいて共感の持てる内容でした。
ありのままは難しいけどね。
雑誌・読み放題サービスを比較中!
dマガジンと楽天マガジンの読み比べ、とても楽しいです。
LDKやMONOQLOの特別付録を読むだけでもdマガジンは元がとれます。
楽天マガジンも、私はクレジットのポイントで支払えるのでお金が減っている自覚が薄いです。
実践障害児教育も参考になるので、このままどちらのサービスも使ってしまいそう。
dマガジン>>180誌以上が月額400円(税抜き)で読み放題!
楽天マガジン>>月額380円(税抜)で約200雑誌が読み放題!楽天マガジン
MONOQLO(モノクロ) 2017年 09 月号 [雑誌]
楽天マガジンとdマガジンを読み比べています。
同じ出版社が出しているLDKと同じく、楽天マガジンでは122p、dマガジンは242pでdマガジンに収められている方がボリュームがあります。
アマゾンベストバイは、普段アマゾンをよく使っていても知らない商品がたくさんあって驚きました。
たまに自分が使っている道具がベストバイとして紹介されていると地味に嬉しくなります。
クレジットカード特集では、アマゾンをよく使うのであればカードを作った方が2%還元で良いかも。
広告がないのでネットの比較サイトよりも参考になります。
LDK(エルディーケー) 2017年 09 月号 [雑誌]
dマガジンと楽天マガジンを試し読み中。両方で読めたので比べてみたところ、なんとdマガジンの方がページ数が多かったです。
dマガジンは238ページ、楽天マガジンは71ページ!少なっ!着やせの新方程式、別冊付録の洗剤比較などはごっそり抜けてて、楽天マガジンにはついていませんでした。
楽天マガジンなら使い道のないポイントをうまく消化できると思っていたのでなかなかにショック。
洗濯洗剤の特集では、我が家で使っている洗剤が低評価でした。
汚れ落ちを普段そこまで気にしてないからね。高評価の洗剤に乗り換えようかと思います。
まとめ
というわけで、夏も読書がはかどりました。
読んだ本の数だけ、授業力や指導力がつくといいのになぁ…。
みなさんのおすすめの本も、ぜひ教えて下さいね♪
同じ本を読んだ感想も交流したいです。
ではまた☆
[書評]教員の労働環境を変えうる一冊!「先生が忙しすぎる」をあきらめない―半径3mからの本気の学校改善
先生が忙しすぎる…!
「教員の仕事が忙しいけど、仕組みが変わらないと改善はムリ。あきらめてる」
「私は生徒のためなら労働時間なんて関係ない。なんでやる気のある教員まで制限されなきゃいけないの?」
色々な立場からのご意見がありますね。
教員の働き方改革が叫ばれている中、教育コンサルタントの妹尾さんの新刊が出版されました!
今回の記事では、
- なぜ、そんなに先生は忙しいのか?
- あきらめる前にできることはなにか?
- 私の現場では…
についてご紹介します。
なぜ、そんなに先生は忙しいのか?
小学校教員の6割、中学校教員の8割近くが過労死ラインです。
過労死ラインとは、月80時間以上の残業が数ヶ月続く場合、あるいは一ヶ月100時間ほど残業がある場合を指しています。
学校内だけではなく、自宅に持ち帰り仕事などを換算すると…月80時間以上の残業をしている教員がこれだけの数字になるということです。
過労死ラインを超えて働く人がこれほど多いのは、実は、他業種と比べても突出してて高いのです。
建設業でも過労死ラインの労働時間の人は13%、飲食業界でも28.4%、運輸業でも22%です。
多忙化が問題視されている医師について、60時間以上の労働時間の方は40%でした。
また、1日10分も休憩を取れず、
「膀胱炎は教師の職業病」
と言われています。
私の同僚でも何名か膀胱炎を患っている方がいます。
加えて、小中学校の先生は給食指導もあり、ご飯中もロクに休めません。
「勤務時間が長い」「休憩時間なし」
を当然視している学校と教育行政の姿が浮かび上がってきます。
「東京の先生になろう」という東京都教育委員会のウェブサイトにも、全く休憩がない先生の1日が紹介されています。
>>東京都公立学校教員からのメッセージ | 東京都公立学校教員採用案内「東京の先生になろう」
覚悟を決めてくださいってこと?
当たり前すぎてブラックなことに気がつかないのか?
こういった多忙化により、教員の過労死や自殺が増加しています。
本の中でも何人かの先生のケースが掲載されていました。
「新採半年後で自殺、こんな気分になるために一生懸命教師を目指したんじゃない」
周囲の教員も多忙なため、新採用の教員をサポートする時間がとても取れません。
そんな新人に対して、管理職も厳しい事しか言わないことも多いと聞きます。
このセクションは、読み進めるのがとても辛かったです。
こうした働き方は、
「ヒドゥンカリキュラム」
と言い、
「生産性はさておき、長い時間一生懸命働くことが大事!!!」
だと子どもたちに行動で伝えてしまっている可能性があります。
この状態がずっと続くと、教師が不人気職になり、採用倍率が低く教育の質が低下する可能性が挙げられています。
実際に、私の住む都市では小学校の応募倍率が2倍と、2人に1人は教員になれるという…。
また、予算がないため非正規教員も増えています。
非正規の教員は正採用された教員と違い、何も研修を受けられないまま小学校の担任を持たされたりすることがあります。
同じ仕事をしているのに、なぜ待遇や賃金に差がつくのかナゾです。
正直、
「自分の子どもに教員という職業をすすめるか?」
と言われたら全くすすめられません。
「悪いこと言わないから、教員だけは絶対に止めておけ」
と言うと思います…。
さらに、社会や家庭の育児機能の低下により、学校が福祉機関がしている現状もあります。
これは、私も現場で大変実感していることです。
虐待の可能性がある子どものケアや、生徒指導、しつけ等々…
「本当にこれは、教員がやることなのだろうか?」
と思う時がかなりあります。
あきらめる前にできることはなにか?
たくさんの要因が絡まり一筋縄ではいかない教員の多忙化対策。
では、あきらめる前にできることは無いのでしょうか。
本では、解決するための考え方や具体例が紹介されていました。
半径3メートルぐらいからできることも多いのです。
- タイムカードやICカード等の客観的なの記録を基礎に実態把握をすること。
東京都立の高校では出勤時間は打刻しても退勤時間はしなかったそうですが、ここ最近退勤時刻も打刻するよう変化があったそうです。
- 学校における課題とビジョンを重点化すること。
生徒指導困難校で授業がなかなか成り立たない場合の重点課題は、
「頭髪指導」
ではない。
「授業についていけない子が多いということをどうするか」
ということの方が重点課題であると仮説を立ててみる。
頭髪指導に時間を使うよりは、補習や学び直しを地域のNPOと共に取り組むほうがが優先の高い施策かもしれません。
- プリント確認などのチェックを少し楽にしてみる。
前田康裕先生の小学校での実践が載っていました。
一人ひとりに対してコメントを書くのではなく、
「がんばって」
「もっと書こう」
と、チェックボックス式にしたのです。
そうすることで作業時間が大幅に減りました。
他にも、紹介しきれないくらいの改善策が載っていました。
私の現場では…
私の現場では、数年前からタイムカードを使用した労務管理が行われるようになりました。
それまでは勤務時間等関係なく、出勤簿にハンコを押していました。
また、夜遅くまで残って仕事をする先生のために、店屋物を価格の上限をつけて提供すると制度までありました。
その制度もなくなり、タイムカードで出退勤を報告することで多くの先生の勤務時間が減りました。
労働安全衛生委員会も設置され、学校の危険箇所や労働に対して課題を共有しています。
ただ、正直のところサービス業であるため他の学校との差別化を図らなければなりません。
生徒確保のため、部活や行事を縮小するといった考えはあっても実行に移すのは難しいと思います。
週5日制も、私立学校にとっては
「それなに?おいしいの?」
状態ですからね〜。
7割以上、週6日制だったような。
ルールを守って、その中で切磋琢磨してほしいものです…。
まとめ
教員の多忙化の問題は複雑に絡み合い、多くの問題を含んでいると感じています。
ただ、最近は「感情労働」であることが教員のストレスを増大させているのではないでしょうか。
最近、ママ友とランチをした際も、
「中二の息子のクラスが落ち着かない。担任(女性)の先生だけ授業を聞かない。男子生徒全員が担任に反感を持っている」
そんな話を聞くたびに、いたたまれなくなってしまい、
「先生はメンタル壊れてないかな?」
「休職してしまうのではないかな?」
と心配になってしまいます。
先生の労働環境の改善をきっかけに、社会全体の働き方が変わっていくと良いのですが…
これから、徐々にでも改善されていけばいいなと感じました。
著者の「絶対にあきらめない」という想いが伝わってきます。
よろしければ、(いや、ぜひぜひ)手にとって読んでみてくださいね。
「日本の教員の労働環境を大きく変える本」
になるかもしれません!
妹尾さんの「変わる学校 変わらない学校」もおすすめ。
実践編の予約が始まりました!
9月下旬発売、予約しましたよ〜。読むのが楽しみです。
ではまた☆
[ICT]ICTを学校に導入の際に注意すべきポイントは?成功と失敗の分かれ目をチェック!
夏休み最後のセミナー参加レポートです。
5月の教育ITソリューションエキスポにて、
「低学力層でも『わかる』『できる』になるEラーニング」
と謳っているすららさんのお話を伺いました。
その後ご連絡をいただきまして、夏休み中のICTセミナーに参加することが叶いました。
場所は神田のすらら本社です。
↓神田駅。中央線久しぶりに乗車したー!
「すらら」は、すでにICT学習のツールとして100校を超える学校や塾で、個別学習が安価で可能だと続々と導入されています。
その中でもICT学習が成功した学校と、失敗して契約を打ち切られた学校とはどのような差があるのか?
その差を確認するだけでも、このセミナーに参加した甲斐がありました。
10年のノウハウから、
「ICT導入のためのチェックリストを見てもらってから導入してもらえるよう、企業側でも提案しておけばもっと学校様の満足度は上がったはずだ」
と、導入失敗の反省もあるようです。
どうすればICT導入が成功し、生徒が自ら学ぶようになるのか?
結構な目ウロコがありましたのでシェアしたいと思います。
学校でのICT導入に向けて知っておいた方が良いこと
eラーニングは、
「どう入れるか?何を導入するかという段階である」
「入れるか、入れないかではない。」
学び直し、補習にも有効であり、個の学びにも有効な教材を選ぶべき。
紙での放課後補習は教師の負担増を増やす上、生徒の躓きに寄り添えない。
最近ベネッセで「マナトレ」という学び直しのトレーニングが進路多様校で利用されています。
学校によっては、基礎学力テストで下位の生徒を放課後呼び出し、基礎からトレーニングをしているようです。
紙でのトレーニングでは、教師の負担も増すばかりか教材を生徒の進度に合わせて用意する手間も増えてしまうでしょう。
eラーニング教材の種類とメリット、デメリットとは?
eラーニング教材は、大きく2つのタイプに分けられます。
- 映像配信型
- 問題集型
映像配信型では、映像を見て分かるレベルの高い生徒が対象の上、演習が少ないため定着につながりません。
また、映像がずっと流れるのでパケット通信料が大きいため、利用台数が限られます。
一斉に40台のタブレットが動画を再生したら、Wi-Fiがパンクすることもありえます。
家庭からも、
「通信制限がかかってしまい、動画が見られない」
と、苦情が寄せられることもあるそうです。
問題集型教材では、選択式の問題が多く役に立つ学力が身につかない。
「教えるパート」がなく、わからない生徒はいつまでもわからない。
これに対して、すららでは対話型のアニメーション教材を利用しているため、通信量はそれほど多くはありません。
低学力層でも理解できる、超スモールステップのインタラクティブ授業。
偏差値が30から60まで対応ができ、生徒のわからないところまで戻る特許取得の仕組みがあります。
一人ひとりの学力を診断し、復習できるシステムを備えているとのこと。
実際に、英語の現在完了の項目の解説を見せていただきました。
とても丁寧で、過去形と現在完了にどのような違いがあるのかもよくわかりました。
また実際に問題を解くときには、キーボードから英単語を入力するようになっています。
単語の入力がおぼつかない生徒には、単語ごとに並べ変える問題に変更され、文法の理解ができているかを確認できます。
導入校の様子と、ICT導入失敗のパターン
実際に、すららを導入されている学校の説明がありました。
以前、動画配信型の授業で失敗しているため、選択は慎重にされていたそうです。
すららを導入した理由は、3つの観点から。
- 問題数が十分に用意されていること
- 講義があり、インタラクティブであること。
- 個々の授業の学習状況を分析できること。
この学校では、学内の通常授業のうち、1単位をすららを利用した授業にしています。
授業外でも、放課後に教室で自習をしたり、家庭で学習をしてもらいます。
生徒が家庭や放課後に課題に取り組んだかどうかは、達成度合いが管理画面で出るためすぐに確認することができます。
プリントであれば、その場で集めてあとから確認して出してない生徒を呼び出してやらせる…手間はありません。
これにより、高校生の家庭での学習時間は増大したそう。
もちろん、平均偏差値もぐんと上がりました。
ここで、失敗を防ぐためのポイントとして分かるのは、
- 生徒が学校外で取り組むための単元を教員が指定したり進捗状況を必ず確認
- 100%に満たない生徒は放課後呼び出して必ず達成させる癖をつけること
- 達成度の確認や、居残りは学年や教科のどちらが責任を取るのか所在をはっきりさせておく
教員が対応する単元を宿題に出さなかったり、ICT教材の学習を生徒任せにしてしまうと絶対に失敗してしまいます。
「ツールを与えて放置」
は絶対にダメです!
これにより、導入後では生徒の学習時間の総量がぐんと増え、偏差値も上がるという相乗効果が出ているようです。
確かに、家庭学習はせず、テスト前すら
「ノー勉」
という生徒に家庭学習の時間を増やせば少しはましになりそうです。
また、必修の授業ではなく、補習として使う利用する学校もあるそうです。
その際には、ベネッセの模試でDランクの生徒を0にするといった目標をしっかりと定めることが重要になってくるでしょう。
この学校では、補習にすららを使うことにより、学習成果を図るGTZがDランクはゼロにはならなかったものの、大幅に減ったそうです。
また、ICT導入にあたり、すべての先生が導入に賛成したかと言うと実際はそうではなく、
- 2割は導入に賛成
- 6割は導入に無関心
- 2割は導入に大反対
この割合はどこの学校でも大して変わらないということを知り少し安心しました。
決済をする人間が、
「生徒につけるべき学力は何か、何を重要視するか」
によるでしょう。
このセミナーで報告してくださった先生は、
「今後、高校で基礎学力テストが高校に導入されることにより、学力を問わないAO入試を今後続けていくのは難しいのではないか」
という予測をされていました。
実際には、どうなのでしょうね。
高校段階での反復学習や、学び直しによる基礎学力の習得は意味がない、さらに生徒を傷つけてしまうと考える教員もいます。
難しいところです。
生徒募集にも有効!
すららの場合は、導入校に無料で中学生向けのIDを発行しているそうです。
学校のウェブサイトからすららのログインができるため、受験生はログインするたびに必ず学校のウェブサイトを見ることになります。
また、
「入学してからもすららを利用するのだ」
ということを理解した上で受験するため、学習に対してモチベーションの高い生徒が入学してくるかもしれませんね。
特に、生徒現象が著しい地方の学校で歓迎されているそうです。
関東近郊もそのうち同じような現象に悩まされていくでしょう。
でも、いまはゆでガエルかな…。
まとめ
ICTを導入しようと考えている学校では、
「いくつかのサービスのメリットとデメリットをよく確認」
して、
「自校の生徒にどのような形態が合うのかリサーチを欠かさないこと」
が大切だと感じました。
帰宅途中に一緒になった先生は、
- classiを入れてみたが、学習の課題が合わないし機能が弱い
- 自校の教員で動画を作ったこともあるが挫折した。今はスタディサプリを取り入れて反転学習をしているが、動画のため通信容量を多く使うのがデメリット
- もっと早くすららを知っておけばよかった
とおっしゃっていました。
この先生は、ICTの決済の権限がご自身にあるのだそうです。
さて、教育ICTは今後普及していくのでしょうか?
なんでも手作りではなく、得意な分野はITに任せていけばいいと思うんだけどね。
個別に生徒がどこでつまずいているかの理解や、家庭学習の達成度が一覧できるってどの教師もできないよね?
いま、そろばんや電卓で成績処理しなくてもExcelあるよね?(まあ、まだ電卓で成績処理してる先生もいるけどさ…ホントだよ!)
ではまた☆
[セミナー]シンプルな質問で「生徒の志」を引き出そう。自己肯定感もぐっと上がる「志教育」とは?
未来の先生展に参加したシリーズの最後です。
社団法人「志教育」の北見俊則先生によるワークショップでした。
横浜市立上永谷中の校長先生を定年退職され、いまは志教育が広がるために奔走されています。
中学校の校長時代、生徒の「志」を引き出す授業を行っていました。
生徒のみならず、校長室を訪ねてきた来客と志を作るようにしていたところ、評判を聞きつけた町内会長さんから
「私の志を作ってください」
と声をかけられるようになったという…!
「90分で自分の志なんて大層なものができるものだろうか???」
「さすがにムリなんじゃないかしら?」
と思っていましたが…なんと、作ることができました!
上手に生徒と志を作ることができれば、
「生徒の自己肯定感も上がるのではないか?」
と感じましたので簡単にご紹介しておきます。
今回のワークショップのねらい
-
志教育を体験してみる!
-
志教育を導入してみたい!と思ってもらえる
90分の授業で、志を明確にしてみる
生徒の評判もよく、学年を上がるごとに志を作りかえることによって、より強い目的意識を持った「志」を作ることができたとのことです。
2つの質問で、人間のタイプが分かる
そんな質問あるの?
実は、あるんです!この質問に答えてみてください。
-
クールか? 情熱的か?
-
DRY合理的か? WET情緒的か?
この2つずつで、4つの部屋ができます。
それぞれ、勇、愛、親、知の 4タイプに分かれます。
北見先生は、勇タイプ。
自分がいいと思ったことを提案したところ、「親」タイプの先生に
「皆さんの了解を取ってくださいね」
と言われて心のブレーキをかけられた気持ちになった。
しかし、お互いのタイプがわかっていれば、いいサポーターやアドバイザーだと感じられる。
勇の人にとっては、世界が同じタイプの人に見えているがそんなことはない。
それぞれのタイプが、世界をより良くするために分担して生きている。
また、それぞれのタイプも自分の中に少しずつ入っている。
「省」を中心に置き、自分のどこが出すぎてしまっているのかを注意して他者と関係を築くことが大切。
メタ認知能力のことですね。
幸魂、奇魂が縁結びの神様として出雲大社にお祀りされている。
一霊四魂は、日本書紀から書かれている考え方なので、日本人が親しみやすい考え方なのだそうです。
表の参考文献はこちらでした。
ワークシートへの記入をしてみることにしました。
夢と志の違いは?
よく言われるのが、「夢」と「志」の違い。
「夢」は、自分が主語になる。
「志」は、相手のあること。他者をどのような状態にしていくのか?
例えば、羽生結弦さんのインタビューを聞けばわかる。
-
オリンピックで金メダルを取るのが自分の「夢」です。
-
オリンピックで金メダルを取り、東北の人たちを元気づけるのが私の「志」です。
違いが分かっていただけたのではないでしょうか。
ペアワークを入れながら、志を深掘り!
ペアワークをいくつか入れながら、志づくりをしてみました。
- 「一緒にいる」ペアワーク
一人がもう一人の手の上に手を載せて、下の人が勝手に手を動かすとバラバラな動きになるのに対して、
「一緒にいる」
と上に乗せている方が目をつぶって気持ちを一つにすると、あら不思議!手が重なったまま動くというもの。
- Oリングテスト
親指と他の指で輪を作り、嫌いな言葉を思い浮かべながら相手に引っ張ってもらう。
すると、指の力が抜けてしまう。
逆に、好きな言葉だと指が離れない。
「自分のために頑張る」
は、指が離れてしまうが、
「他者のために頑張る」
とイメージすると指が離れない。
試しに取り組んでみてくださいね。
こんなワークを行いながら、ペアでお互いの志に近づいていきます。
それぞれの志は?これからの志教育は?
先ほどのワークで知った自分のタイプから、志にふさわしい動詞がわかります。
-
最後の動詞をまず考える「○○する」
-
誰を、何をと言う対象を決める
- 手段を考える「どうやって」
-
「〜のために」と、目的を定める
という順序で志を作ると、10分も立たずに志の雛形ができていきます。
作ってみた志をペアで共有し、聞いた人が志を言い返してしっくり来るか確認します。
私は、「日本を変える」「世界を変える」といった大きな志はしっくりきませんでした。
今すでにしていることで周囲に役立ちそうなこと、
「人々がよりよい選択をできるよう、行動したことや考えたことを発信して周囲の人々を幸せにする」
提案された4つの項目にうまく入りませんでした汗。
まさに、いま書いているブログや職場でのレポート、授業改善への取り組みがそれに当たるのかなぁ。
小さいけれど、自分の強みを生かすことしかできません。
大人の場合は、
「いま、強みを生かせていることで人の役に立っていると思われること」
がそこそこわかっているので考えるのは辛くないかもしれませんね。
若い世代だと、まだ何もしていない段階で
「これからなりたいもので、他者に貢献できること」
を考えていくのは大人よりも時間がかかりそうかもしれません。
まとめ
最後に、志を布に書いていきました。(写真撮り忘れ)
この布を、2020年のオリンピックに向けて作り、それぞれをつなげていくプロジェクトが進行中なのだそうです。
「いま、していることが実は他者の役に立ち、生きがいに繋がっている」
と考えると、少し生き方が変わってくるのではないでしょうか?
より良い人間の生き方を説いている本「7つの習慣」では、「ミッションステートメント」がこの志ワークに当たります。
が、このミッションステートメントに近づくために、
「墓石にどんな墓碑を掘られたいですか?」
という質問や、本「さあ、才能に目覚めよう」で自分の強みを調べたりするのは結構な時間もお金もかかってしまいます。
まだ、墓石なんて40過ぎた自分でも考えにくい…。
今回のセミナーで知った「志教育」は、2つの質問だけで自分のタイプが分かり、それをもとに志を作っていくだけ。
教師の負担も軽く、生徒は
「自己理解」
と、普段忘れがちな
「他者を幸せにする」
という視点を持てるようになるのが魅了的だと感じました。
会場を後にした際は、すでに日がとっぷりくれていました。
気になる方はこちらのサイトを見てみてください♪
>>志教育プロジェクトとは|志教育プロジェクト KOKOROZASHI ART PROJECT
賛否はあるかな…?(リンクを探していて発見!)
ツールとしては悪くないと思います。が、どうなんでしょう?
未来の先生展への参加レポートはこちら。
ではまた☆
[セミナー]学校で探求の学びを実現するには?チェンジメーカーを作る教育と探求社のワークショップに参加!
「未来の先生展2017」の参加レポートです。
『学び合い』フォーラムで久々にご一緒した方と今回の先生の未来展入り口でばったり!
今年、どれだけご縁があるのやら…!
アクティブラーニングフォーラムの後は、
教育と探究社さまによる「ソーシャルチェンジ」ワークショップの見学にお邪魔しました。
体育館を使って1億円稼ぐアイデアを形にしよう!
今回のワークショップでは、
「体育館を使って1億円を稼ぐ」
をテーマに、4〜5人組になってブレストから、実現可能性、テーマなどを限られた時間で仲間と考え、最終的にプレゼンと質問までこぎつけます。
模造紙とワークシートがあるため、意見を見える化し論点をすっきりさせることができます。
私は途中から入場したため、外野からワークの様子やプレゼンを見学しました。
1分間のプレゼンは、話す方、聞く方とも集中して聴きますね!
「体育館でゆりかごから墓場までのライフイベントがすべてできるようにする」
「地域の人限定イベントを実施する」
など、様々なアイデアを伺うことができました。
振り返りの中で聞こえてきた期待や不安
振り返りの中で聞こえてきたのは、
-
テーマがカギ。身近なテーマがいいのかな?
-
やらされている感?班に一人は「だりーよ」みたいな生徒がいるが、どうしたらよいか。
-
今回は、ファシリテーション慣れしている人が多かったが、現実にはかなり時間がかかりそう。
-
話し合う必然性があるテーマだと生徒も乗ってくるのかも?
-
お互いの意見を出し合うことが難しいこともある
-
文化祭の企画を立てる際にこのようなブレストをやるといいのかも?
といった意見が聞かれました。
教育と探求社スタッフさんによると、
-
誰を助けたい?誰を笑顔にしたい?という大きなテーマを掲げ、学びの変容をしていきたい
-
テーマの設定は10以上用意されており、食いつきそうなものを選んでもらう。
-
教職員のファシリテーター養成の役割も果たしている
-
研修でファシリテーターが手助けをすることがある。
-
自分が社会を変えられないとブラストレーションがたまっていくものではないか?→そんなことはない。ルールが多い中学校でも採用いただき好評である。
全国120校に採用されている「探求の学び」とは?
コースは3つ、ビジネスと生き方、最近新しく始めたのがソーシャルチェンジの3つのコース。
↓スクリーンショットです
授業で行ったプレゼンを全国の高校から応募してもらい、クエストカップという大会を開催している。
プレゼンの大会に出られるのは、72/1900チームで、かなりの激戦!
今年度は、特別支援学校の生徒のチームがグランプリに輝いたとのこと。
学力や偏差値による内容の出来不出来はあまり関係なさそうです。
まとめ
勤務校でも、キャリア教育を念頭に置いた総合的な学習の時間が持たれており、
「保護者など身近な人からの聞き書き」
「職業体験」
など、決まった内容はあります。
それだけでは、
「決まった職業からとりあえず選ぶ」
という考えからは抜け出せないでしょう。
これから生徒たち自身が「社会を変えていく」ためにどうしたらよいか?
仲間と折り合いをつけながらアイデアを出し、応募もできるのが面白いなと感じました。
料金も伺いましたが、「高い!絶対ムリ!」と尻込みするほどの金額ではありません。
ソーシャルチェンジについては、初回3回分は無料で行えるワークシートとCDがあります。
気になる方はお申込みされても良いと思いますよ!
この後学内でお茶をしてから、「志教育」のワークショップに向かいました。
学内カフェなのにおしゃれ!
体に良さそうな商品や本が並んでいました。
豆乳とアボカドのミックスジュースを注文。美味しかったです。
続きをまた、書きますね〜!
ではまた☆
[セミナー]どうすれば自分の学校で実現できる?「アクティブラーニングフォーラム2017」参加レポート
8月の最終週の日曜日は、こちらにお邪魔していました。
未来の先生展
先生展の中で行われる、アクティブラーニングフォーラムへ。
「Find!アクティブラーナー」のサイトにてご案内がありました。
お台場…我が家からはめちゃくちゃ遠いです。
会場の武蔵野大学。最近建てられたのでしょうか?とってもキレイ。
吹き抜けのフードコート。
晴れてはいたものの、そこまで気温が上がらなかったのが救いでした。
冒頭に、主催者からのご挨拶がありました。
「置換力を身につけよう!」
この意味がわかりますか?
「違うから参考にならない、うちには活かせない」
ではなく、
「自分の学校ならどうすれば実現できるか置き換えて考えよう!!」
本当にその通りですね。(実際には困難も多いのですが…)
参加した際に印象に残った内容を記しておきます。
講演1・都立両国高等学校 布村 奈緒子 先生
都立両国中高は、公立中高一貫校になってから11年目の学校です。
-
商社に勤めている人に、「グローバル人材に必要なスキルは?」と聞いたらコミュニケーション力がトップ
-
しかし、「今、自分が困っていること」は英語力
-
どちらも補うために、英語でコミュニケーションをはかる取り組みを行っている
紙クリッカー。質問に対してこのカードを上げます。
ICTのない学校ではこのような工夫もアリですね。
欧米では、講演会中に「はいはい!」と手が挙がる。
もし、今後海外の方と一緒の場にいたら話をしていかなければならない。
いざ話せと言われたら、「話す」「英語」と二重の足かせになってしまう。
40人程度のクラスであれば一度起立させ、意見を言った生徒のペアから座れるといった仕組みを作っている。
こんな大人数で話せない、という場での支援をしていく。
scaffolding(足場かけ)心理学者ヴィゴツキーの言葉。
授業紹介
英語の授業でのジグゾー法、話題の本「GRIT」を用いて。(余談ですが、この本超オススメです。教育関係者必読の書)
「両国高校に行きたいがなかなか集中力が出てこない中学生にアドバイスをしてみてください」
- ジグゾーでは、マインドセット、キャロルデュエックさんのこと、本を読めばわかることなど、4つのコーナーに集まってメモを取って戻り学んだことを交流する。
- それぞれ役割を与える。speaker listener reactionmaker discussion leaderなど。
- ちゃんと聞いていないと反応ができない。きちんと聞くようになる。
- Note takerが聞いたことをポストイットにメモして貼っていく。
- どの解決法がいいのか、たくさん出た中で1つだけ出していき評価する。
- 皆の前で発表する。
「意思をもてば、やりたいことはできますよ」
と悩み相談に対してアドバイスをする。これは生徒にも同じことが言える。
SAGE GLOBALにて日本大会から世界大会に初めて参加した。
なぜなら、今まで日本語のプレゼンが主なので優勝しても世界大会でプレゼンができないと辞退した学校ばかりだったから。
感想
自分が高校生の頃受けた英語の授業は何だったんだ?って感じで衝撃的でした。
映像では、布村先生が英語でインストラクションをされていて、ちゃんと生徒が聞いている!
私はついていけるかどうかも心配です…
布村先生の動画は、火曜日からアクティブラーナーにて配信予定だそうです。
もっと英語が好きになっていたかもしれないなぁ。
講演2・アクティブ・ラーニング学会など
アクティブ・ラーニング学会の今後の活動予定や、今回の未来の先生展に参加されている団体の紹介がありました。
アクティブ・ラーニング学会の活動予定など
アクティブ・ラーニング学会は、現場の先生を中心に設立された研究団体です。
これからは、先生も生徒もどんなデバイスを使ってもよい。
それぞれ、自分のデバイスを用いて授業を行うようになるだろう。
学会では、7つの部会に分かれて活動している。
-
2005年の写真に、いくつモバイルフォンはありますか?数個。
-
2013年の写真は、殆どの人がスマホで写真を撮っている。
こういった答えのない問いを考えるのがアクティブラーニング。
開智日本橋中学校にての実践。
反転学習には、ある程度の強制力が必要。
英語は座学ではなく、単語を使っていくことでモチベーションを上げていく。
グループで話し合って答え合わせ。
間違っていると思ったら修正。解説をしない。
この授業の裏で、基礎事項の学習を家で行っているのがポイント。
基礎となるやさしい問題は家で自分で解いておく。クラスルームなどでチェックする。
英語の学習は動画でYouTubeで見てくる。
家庭で学習してくる環境づくりが必要になってくる。
70日間でグローバル人材に!very50プロジェクト
高校生、大人向けの発展途上国修学旅行について
MoGについて検索してもらえればわかるので、ぜひご確認を!
私も後で記事を読んでみます。
21世紀型キャリア教育・ENAGEED
狩猟時代から現代、未来まで。
「する必要のないことはできなくなる」
という衝撃的な動画とプロジェクトの紹介がありました。
ラクイチ授業プラン
教材準備の時間がない先生のためのワークシート集を作られたそうです。
「準備がいらない、1時間、経験によらないこと」3つのコンセプトで始めた。
中学の見開きでコピーできるワークシート。
このまま、アクティブラーニングの授業プラントしても利用できる。
講演3・出口先生の論理的思考力について、日本での現状
これからの社会を生き抜く子どもたちを育てるのに、日本は大丈夫?
- 隣の人の多様性、海外では必ず論証をする必要がある。言語を技術として訓練している。
- 最後まで聞かないと、結論がわからない。日本では、なんとなくわかり合っているつもりで話している。言えば相手はわかってくれると思っている。察してくれない相手が悪いとする文化がある。察してくれない親が、学校が悪い、となる。
それらを日本人が手に入れるのに、困難がつきまとうのではないか?
論理的な武器を手に入れてからアクティブラーニングやクリティカルシンキングが身につくのではないかと考えている。
子どもたちに他者意識を身につけさせる必要がある。
しかし放っておいたら、他者意識が身につくことはない。
クラス、対教師でもなかなか身につかない。
子どもにとって仲間とは、察してくれる相手が仲間。
「あの先生ムカつくね」
そうだね、と察してくれなければ仲間ではない。それでいいのか?
一番の他者は活字。
不特定多数の他者に向けて文章を書く。
どんな文章でも、他者に向けて文章を書いている。筆者の立てた筋道を追っていくしかない。
筆者の立てた筋道を追わずに演習問題を繰り返す12年間を過ごしてしまっている。
国語の先生の力量によるところが大きい。
私は、みなさん先生方の網膜に写っている僕。
僕の講義を見て重ねている方、本を読んで、何も知識がなく見ている方。
先入主(先入観と同じ意味の言葉)によって本を読んでいる。
全部読んでも影の部分は頭に入ってこない。
好きなように読んで、好きなように解釈する。
客観的に読むには、主観的な部分を箱に入れて考えなければならない。
Amazonでは、自分の購入履歴からのおすすめしか出てこない。
SNSでも、同じような考え方の人が集まってくる。
インターネット上には、自分に都合の良い情報しか集まらなくなってくる。
筆者の意識で文章を読むのが大事。
子どもに読書をさせても、読みたいものしか読まない。
作者と自分の対話を広げていくためにはどうしたらよいか?
筆者の考えを読み、出題者の意図を汲んで解く。
二重の読解力が必要になる。
以前、書くと言えば手書きだった。
自分の文章が活字になると言えば作家や新聞記者などの特定の人だった。
今は、子どもでも電子データで文書を書く。
読み手が誰かわからない。
プロの小説家が持っていた特権を、いま、誰もが持っている。
そのデータを、誰かに転送しているかもしれない。
だから、論理的に文章を書かなければならない。
その辺の大通りをわめきながら歩いているようなもの。
これからは、そこも分かっていて子どもたちをトレーニングしなければならない。
英語=グローバルではない。
現地人のマレー人が地位の低い仕事についている。
華僑、欧米人は収入が高い。
マレー人は英語が話せるのに望むような仕事についていない。
教育は、子どもたちの一生を変える可能性がある。
論理があれば、人にわかりやすく伝えることができる。
「男女」と整理して考える。
子どもたちに考えさせる。全然違ってくる。
論理を与えなかったからいじめが出てくる。
ヘレン・ケラーの世界。
言葉がないから頭の中はカオス。
スープに触れて熱いと思ってひっくり返しても、周囲が騒いでも聞こえない。
音もせず、見えず、聞こえない。温かい水も冷たい水もWater。
ある時、
「言葉で現象を整理できるのか!」
と、世界そのものが変わった。
子どもで、頭がいいとか悪いとか言います。
それぞれ個性がある。
遺伝子は先天的。それと論理を混乱している。
言葉は、後天的な訓練で身につく。
論理力が身についていないのは、訓練も何もしていないから。
教育の責任ですよ。
当時の予備校の人気講師はみな団塊の世代。演説大得意。
今や子どもたちは漱石は読まない、ライトノベル。感情語を使う。アニメ、ゲーム。議論すればうざい。どこで論理的な学習をしていくのか?
誰かがサリバン女子にならないと。
ヘレン・ケラーは一生わがままな女の子で終わったかもしれない。
ゆとり教育、総合的な学習の時間。どの先生が教えてもできるようにならなくてはならなかった。
それでは、すべての高校の先生がスーパーティーチャーになるしかない。
しかし、実際はうまく行かなかった。
先生の文章経験を、生徒は持っていない。
赤を入れられて文章を見てみても、生徒はなぜそこに赤が入ったのかわからない。
先生が変わったらまた赤を入れる部分が違う。共通性がない。
感想
以上、先生のお話を伺っていて、日頃論理的思考について考えていたモヤモヤの霧が晴れたような感覚がありました。
読解、読解、の国語教育はいつ変わっていくのでしょうね?
それまでは、出口先生の本やワークシートに取り組むしかないのかしら…。
>>論理.jp 論理エンジン公式サイト ~国語力を劇的に伸ばす驚異のメソッド | トップページ
私立学校や塾にも教材が使われているそうなので、気になる方は手にとって見てみてもいいかもしれません。
まとめ
お台場遠い〜!
なんて思っていたら、お隣は北海道からいらした小学校の先生でした。
自分が関東近郊に住んでいて、いかにお気楽なスタンスで来ているのか反省しました。
その反省から、このブログにアウトプットして振り返っております。
「未来の先生展」は、他にも同時進行で20もの講座があります。
気になる講座があったので途中でアクティブラーニングフォーラムは失礼しました。
しかし、無料でこれだけの講演が聞けるのは本当に贅沢です。(別途、未来の先生展への入場料2,000円が必要)
あと2つほど、未来の先生展で参加した講座がありましたのでそちらもご紹介いたしますね。
ではまた☆
[働き方]先生がメンタルダウンしたらどうする?私の回復方法とカウンセリング体験記
「最近、夜中に目が覚めて寝られない」
「特定の生徒や保護者のことが頭からはなれない」
こんなことありますか?
私はありました。
心療内科にお世話になったこともあります!
「月曜日に電車を止めてしまう人の気持ちが分かるわ〜!」
って時もありました。
いつか、自分がなるかもしれない。
今回の記事では、
- 私学共済のとりくみ
- 私のメンタルダウン体験記
についてご紹介します。
精神的に不安のある先生に読んでほしいです。
メンタルダウンする教員が増えている?
私は、Facebookのグループや友人に教員が多くいます。
投稿をチェックしていると、
「4月からうつで休職します」
「頑張ってきましたが、学級崩壊して教室に入れません。残念ながら休職することになりました」
といった報告を目にすることがあります。
また、自分が心の調子の悪い時にぽそっと呟くと、
「私も心療内科に通っています」
「休職経験があります」
とコメントくださる先生も…!
教員ってマジメで責任感の強い人が多いので、メンタルやられる人多いのかも…と推測。
自ら命を絶つ前に、自衛策を取れるなら取るべきだと考えます。
私学の取り組み
私学共済では、2014年からメンタルカウンセリングを実施しています。
ウェブ上なら何度でもメールにて返答してくれます。
対面なら、無料で5回まで受けられます。
配偶者や家族もOKです。
私学では、人間ドックの実施は何歳になっても一部を本人が負担しなければなりません。
人間ドックの全額助成よりも、メンタルヘルスの方が急務なのかしら…と思ったりしました。
私のメンタルダウン体験
私がメンタルダウンし、「適応障害」と診断されたのが2014年。
産休育休、育児時間を何年も取っており、久しぶり担任に担任を持ちました。
とある生徒の指導がうまくいかず、私の授業の時だけ嫌がらせを受けたり、殴られそうになることがありました。
それでもなんとか頑張っていましたが、身体症状として6月頃から耳鳴りがひどく、常に低い音で乾燥機が回っているような感覚が出てきてしまいました。
また、寝入りはいいものの真夜中に目が覚めてしまいほぼ寝られないまま朝になったり…。
日中は目が冴えすぎて眠くならない。
このままではまずい!
電車に飛び込んでもおかしくない!
とすぐに近所の心療内科を探して受診しました。
薬の力を借り、少しずつ眠れるようになった頃に夏休みに入り、ホッとしました。
その頃に私学共済のカウンセリングを知りました。
心療内科ではカウンセリングを行っていなかったため、試しに申し込んでみました。
対面のカウンセリングは、1回45分です。
夏休みと、夏休み明けに2回ほど受けました。
私学共済から委託されている機関にて、教員のカウンセリング経験のある女性にお話を聞いていただきました。
「私が今まで聞いた中でも、かなり教育条件が良くないと思います」
とのこと。
利害関係のない人に、自分の状況を客観的に聞いてもらっただけでもかなり気が楽になりました。
夏休みが終わり、だいぶリラックスして職場に通えるようになりました。
無料カウンセリングは4回までは無料、5回以上は1万円弱その都度かかるとのこと。
もし、メンタルが回復しなかった場合、お金を払ってでもカウンセリングを受けようかと思っていました。
が、そこまでにはならなかったです。
めでたいことに、夏休み明けは薬を飲まなくても過ごせるようになりました。
しかしその後も、心の調子が悪そうな時は頂いた薬を飲んでしのいでいます。
「夜中にバチッと目が覚めて、仕事のことを考えだしたら赤信号」
一般的な人よりも目安のハードルが低いかもしれません。
それでも、周囲や家族に与える影響を考えて早めに心療内科にかかることにしています。
まとめ
心の調子が悪いかも?
と思った時は、悪化する前に絶対に手を打ってくださいね。
なぜなら、悪化してしまうと「別人化」といい、その人のパーソナリティが失われ、回復まで長時間かかってしまうからです。
最悪の状態を迎える前にできることとして、例えば
- 通院
- カウンセリング
- メンタル関連の本を読む
- 休職する
など、「退職」を考える前にできることがたくさんありますよ。
メンタルダウンする時点でこの仕事が向いていないということかもしれませんが…。
とにかく、落ち込んでいるときに人生の重要な決断はしないほうがいいです。
おすすめの本はこちら。
うつヌケ。Kindleにて購入すると全ページカラーで読めます。
もともと文芸誌に連載されていたマンガということもあり、内田樹や大槻ケンヂなど、そうそうたるメンバーの壮絶な体験と克服方法を知ることができます。
心の疲れをとる技術。
新書で内容が完結でとにかく読みやすいです。
心が疲れたことによる「別人化」がどのような状態で、周囲へ与える影響や回復にかかる時間などが短時間で確認できます。
結婚や離婚、死別、引っ越しなど人生のイベントによって受けるストレスの度合いが数値でわかるので、一年を通してどのようなストレスを受けて生活していたのか確認したり、今後の予測を立てることも可能です。
私の場合、カウンセリングがあって本当によかったです。
夏休み明けは児童生徒の自死が多いと聞きます。
先生方も、
仕事の能力=ただ一つの自分のアイデンティティ
とならないように気をつけていきましょう!(自戒を込めて)
参考リンク
ではまた☆